映画『コドモのコドモ』こそ今の日本映画界そのもの

9/27から公開される映画『コドモのコドモ』がネットで話題になってます。小学5年生の女の子が同級生の男の子と性交し、妊娠・出産するってお話。正直、この企画を知った時は、都内で年齢制限付きの単館上映で終わるのかと高を括ってました。

もちろん、私はまだ本作を観ていないので詳細な内容には触れられませんが、企画意図には触れてみたいと思います。

まず、公式サイトの原作者のコメントを読むと、一度休刊した漫画雑誌『漫画アクション(双葉社)』の復刊のために『小学生にコドモを産ませてくれませんか』と持ちかけられ、作り上げた妄想を映画スタッフが広がりある世界に育ててくれた、とあります。

この通り、企画の原点はあくまで原作者から沸きあがったものでなく、話題づくりのための制作サイドの奇抜なネタなんです。それが悪いとは思いません。双葉社の担当者も「面白そう」って単純に思っただけでしょうし。

小学5年生の女の子が肉体的に妊娠でき、出産を考えるのは現在の発育状況から鑑みても何とか現実味があります。しかし、同級生の小学5年生の男の子が精通し、性欲から性交を求めるのはどうもリアリティが無いように思います。1979年に放送されたドラマ『金八先生』の「十五歳の妊娠」の設定を単純に5歳若年化させたのとは訳が違うはずです。

原作、主演俳優、主題歌のどれかに話題性があれば、そこそこ興行的に当たるのが今の日本映画界。映画館でダメでもDVDで儲ける。これの繰り返しばっかり。確かにPR費が映画製作費の半分以上を占める現在では話題づくりは絶対条件ですが、観客側も奇をてらったり、漫画やアニメ原作でない作品に（あまり無いですが）、もっと注目して欲しいなとも思います。

アメリカでも高校生の集団妊娠がニュースになったりしています。日本でもエイズ、少子化、幼児虐待、児童ポルノなど毎日ニュースで見聞きします。今こそ「セックス、妊娠、出産」のモラルが問われる時代だと思いますが、さてこの『コドモのコドモ』は単なる幼児ポルノなのか、生命倫理を描いているのか、もっと違ったなにかを伝えてくれるのか観てみたいと思います。でも、皆さんにお勧めはしませんが。

そして個人的に残念なのが本作がシネマ・シンジケート第1回作品だと言う事。シネマ・シンジケートについては当blogでも『映画と映画館の寿命を延ばす「シネマ・シンジケート」の試み、に一票。』で触れ期待していたのですが、もっと楽しい明るい全国の人が映画って面白いって思える作品にして欲しかったです。

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『ディスタービア』は『裏窓』の盗作であるとスピルバーグが訴えられる、のは『裏窓』に失礼でしょ？

昨年公開された『ディスタービア』は『裏窓』の盗作であるとして、スティーヴン・スピルバーグ、ドリームワークス、パラマウント・ピクチャーズが８日（月）、ニューヨーク州マンハッタンで訴えられた。(中略)スピルバーグ側からのコメントは出ていない。

9月10日11時5分配信 VARIETY

私は、卒論のテーマにしたくらいにスピルバーグ監督も、ヒッチコック監督も大好きです。特に『裏窓』はヒッチコック作品の中でも最も好きな作品です。全篇セット撮影だからこそ可能な、ヒッチコックな緻密な演出。そして、動画なのに主人公が一歩も自分の部屋から出ずに、物語が進んでいくという斬新さ。これって、多くのサスペンス好きな映画監督は「う～ん、やられた！」と思ったはずですよ。もちろんスピルバーグ監督だって同じだと思いたい・・・

さて、今回スピルバーグが訴えられたそう。確かに基本設定は似ていますが、似て非なる映画ですよ、この2作は。『裏窓』が上質な大人のサスペンス映画なのに対して、『ディスタービア』は若者向けのお気楽ショック映画だと思います。

まあ、今回は短編小説『裏窓(1942)』の原作者コーネル・ウールリッチ氏(1968年没)の映画化権を持つシェルドン・アベンド氏(2003年没)の財産管理者が訴えているので、「ちょっと今さら？」感もありますが、それ以上に言いたい。「『裏窓』に失礼じゃないの？」ってね。

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オリジナル脚本の映画がなくて映画業界は大丈夫なのか。

最近も『DMC|デトロイト・メタル・シティ』や『20世紀少年』など、大ヒットする映画の多くが漫画原作の作品が多い。漫画原作の映画が悪いとかでなくて、オリジナル脚本の映画が少ないのが気になります。

まずは観客の問題。人気漫画が原作になるのだから多くの人がそのイメージを持って映画館に来るはず。そして、その原作と映画の差を探したり、語ったりします。そういう観かたもあると思いますが、できれば何の先入観も持たずに、まっさらな気持ちでどっぷり映画の世界を楽しんで欲しいと思うのです。

そして、制作者の問題。これは深刻だと思います。一つは単純にオリジナル脚本を書ける脚本家が少なくなっているのではないかと言う不安。これは映画だけでなくテレビドラマにも共通します。そして、最近の脚本はセリフがダサい。変にキメ台詞ばかり連発したり、状況説明や感情まで説明する所謂『説明台詞』が多すぎます。感覚的にはテロップがずっと入っているような。まあ、これは観客が楽なのを選択するのと、俳優さんの演技力不足も原因です。

もう一つは、確実にヒットする作品しか制作できない経済的な問題。スポンサーにしても、小説や漫画で一度ヒットした作品の映画化のほうがリスクが無くて安心なのでしょう。これでは、いくらオリジナル脚本の企画を持っていっても弾かれるのは当然です。

日本の映画界、テレビドラマ界のこの先が心配です。

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小泉今日子主演映画の吉祥寺ロケ地をスタンプラリー！は地方観光の夢？

小泉今日子主演映画「グーグーだって猫である」と、「Ittemia Rally」と言うGPSケータイがあれば誰でも参加できるスタンプラリー「おでかけミッション」を自分たちで作って遊べるサイトのコラボレーション企画。

簡単に言えば映画映画「グーグーだって猫である」のロケ地をGPSケータイを持ちながら吉祥寺の街を散策する”吉祥寺めぐりスタンプラリー”です。

映画やドラマのロケ地を地元が積極的に誘致すると言うフィルム･コミッションはかなり全国的に増えています。そして、それらのほとんどの目的は、我が街の知名度アップと観光客誘引効果。でも、意外と制作者とコンセンサスがとりにくいのかロケ地協力と言う範囲を超えて、本来の目的に至っているフィルム･コミッションは少ないと思います。そりゃ、みんなわが町が一番だと思っていますが、似たような町は日本中にあるわけで、その差別化が簡単に出来るとは思えません。

そんな中で今回のこの企画は面白そう。ちょっとアイデアを変形して、その地方に合わせてカスタマイズすれば化けるかもしれません。

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小西真奈美が映画でママになる！※エキストラ募集情報あり

女優の小西真奈美（２９）が映画「のんちゃんのり弁」（緒方明監督、来年公開）で初の母親役に挑戦することが10日、分かった。1997、98年に昼の帯ドラマにもなった入江喜和さんの同名コミックが原作。生活力がない作家志望の夫と別居したヒロインが幼稚園児の娘を育てながら、弁当店開業に向かって奮闘する姿を描く。

下町、東京・墨田区京島などで撮影中の小西は「無理に母親になるのではなく、子供と友達になる感じで自然に演じたい」と意気込んでいる。97年に放送されたドラマ版では渡辺典子(43)が主演し、翌98年には第２シリーズも作られた。(スポーツ報知 2008年8月11日06時02分)

小西さんのドラマ出演で新しいのはWOWWOWドラマ「Pandora」、その前だとCX系「あしたの、喜多善男〜世界一不運な男の、奇跡の11日間〜」以来の連続ドラマ出演ですね。

昼ドラの時は渡辺典子さんが結構いい味を出して演じていました。1997～98年放送だったので渡辺さんが当時32,3歳だったので、小西さんもこの秋30歳になるのでその点はちょうどいいとしても、やはりママ役ってのは興味があります。また、小西さんが喜劇タッチを演じるとなるとTBS系「きらきら研修医」っぽい明るさも出してくれると良いですね。小西さんのファンって、意外とクールって言うかS(サディスティック)な表情が好きな人が多いのですが、それだからこそ時折見せる笑顔が良いと思うのです。

緒方明監督と言えば映画では『独立少年合唱団』を観ましたし、テレビドラマではTBS系「私立探偵 濱マイク」を監督してますね。今回のようなホームドラマ風な原作漫画をどう彼なりに解釈するかが楽しみです。また、脚本は鈴木卓爾さんで正直作品を観たことがありませんが、ネットでくぐるとNHK「中学生日記」の脚本等に参加されているので、緒方監督を組むと今回の作品は意外と昭和時代で言うところの「文部省推薦映画」みたいなトーンになるのでしょうか。

今回の映画製作発表はまだのようですが、既にエキストラ募集が行われています。詳しくは、「緒方明監督4年振り待望の新作『のんちゃんのり弁』、エキストラ募集スタート！」(MOVIE INFORMATION OF MOVIE-EYE 2008/07/07)、もしくは「下町を舞台にしたグルメマンガの映画化『のんちゃんのり弁』、エキストラ大募集！」(cinemacafe.net 2008/07/10)をご覧ください。

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シネマトゥデイに記事が掲載されています。（画像を無断借用しました）
『小西真奈美が一児の母に！人気コミックの映画化で初の母親役に挑戦！』

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