NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『風、薫る』
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第120回/第24週『環』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
シマケン(佐野晶哉)の家から帰宅したりん(見上愛)は、先に帰宅していた環(瀧七海)と向き合う。環は絵描きになりたいという夢をりん(見上愛)に打ち明ける。環がこれまで描きためてきた絵を見て、環の気持ちを聞いたりんは...。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~) 第1~24週
佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第23,24週
脚本協力:佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第20~22週
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8,11,12,19週
新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10,18,24週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,おむすび) 第5,9,13,17,22週
松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7,14,15,20,23週
内田貴史(過去作/ちむどんどん) 第16,21週
平竣輔(過去作/本作第16週の助監督) 第20週
門脇陸(過去作/本作第18週の助監督) 第22週
髙橋実香(過去作/本作第17週の助監督) 第22週
制作統括:松園武大(過去作/とと姉ちゃん,半分、青い。,ちむどんどん)
宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り(本編):研ナオコ
土曜日版ナレーション:石橋亜沙(NHK東京アナウンス室)
※敬称略
母と娘の成長をじっくり追いたい連続ドラマだからこそ見たいもの
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―――ここまで、ごあいさつ―――
正直な気持ちを書けば。
「一体、何を見せられているの?」
である。
しかし、今回の一回だけを単発のドラマとして見れば、《看護婦として働く母と絵描きを夢見る娘の物語》に見える。
しかも、演者の頑張りもあって、それなりに見ることもできる。
しかしながら、毎日15分間ずつ週5回、半年間も続く連続ドラマとして評価しようとすると、様々な疑問や課題が浮かび上がってくる。
なぜなら、物語が長く続く形式だからこそ、事前の積み重ねや丁寧な経緯の描写が欠かせないのに、本作には積み上げや過程の描写がことごとく欠落しているからである。
言葉だけじゃ伝わらないからこそ日々の積み重ねで納得したい
例えば、作中で、まだ看護婦が珍しい時代に看護婦の母を持った娘の苦悩を示すセリフがあった。
りん「環を看護婦にしたくて
女学校に入れたわけじゃない。
環に 自分の力で自分の夢を…」
環「それも分かってる。
でも お母さんが立派すぎて どうしたら
お母さんに喜んでもらえるんだろうって
考えちゃって… 苦しかった」
また、女性が自立して生きることの難しさを語る印象的なセリフも登場した。
環「女が自分の力だけで生きていく厳しさは
分かってるつもりです。
私は お母さんを見てきたから」
これが一回限りのドラマであれば、視聴者が母子の状況を想像して好意的に解釈できるため、素直に納得しやすい。
ところが、日々の放送を重ねてきた連ドラであるにもかかわらず、これまでの内容からその困難さが十分に伝わってこない。
「いつ、環は母親の顔色を窺っていたの?」「環って、働く母を見てきたんだっけ?」のように、突然登場したような印象を与えてしまったと思う。
やはり、これらのセリフややり取りを盛り込むなら、それ相応の積み上げがないと1ミリも説得力がないのだ。
ぶつかり合い乗り越えて深まる絆とバディの成長を感じたい
ダブル主人公の一人である一ノ瀬りん(見上愛)と小川直美(上坂樹里)の人物像についても、描写の不足が目立っている。
同じ職場で同じ業務に励んでいるにもかかわらず、劇中では意見の対立ばかりが強調され、普段の交流がほとんど伝わってこない(描かれない)。
もちろん、本作のダブル脚本家の吉澤智子氏と佃良太の技量を鑑みれば、《史実をなぞることはできる》が《適宜にアレンジすることは難しい》とは思う。
なぜなら、‘りん’と直美のモチーフである「大関和」と「鈴木雅」の二人は、《常に二人三脚で行動したバディ》という史料は限られており、むしろ、同じ志を持ちながらも、それぞれが異なる役割で近代看護を切り開いた「盟友」に近い存在だったのだ。
つまり、《いつも二人で行動し、二人で成功をつかんだ》というよりも、《同じ学校で学び、同じ病院で働き、互いに刺激し合いながら、それぞれの得意分野で看護界を切り開いた。そして最終的には東京看護婦会という形で仕事がつながった》というのが史実に近い姿なのだ。
恐らく、二人とも「シングルマザーとして子どもを抱えながら看護の道を選んだ」という共通点を持つこと、その “一点突破” で吉澤智子氏が「ダブル主人公の初期設定」を創作したのだと推測できる。
その程度の発想(失礼…)であるから、相当量の、日々衝突を重ねつつも対話を繰り返すことで、かけがえのない相棒や親友へと成長していく過程を盛り込むことが必要不可欠だったのだ。
であるが、‘りん’と直美の日々の関わりを積み重ねてこなかったため、感動的な場面であっても、鑑賞者の想像力に頼りすぎる結果となってしまったわけだ。
物語への没入感を高める丁寧な関係性と画面上の工夫に期待
‘りん’と環(瀧七海)との関係についても、登場人物同士の心の交流を描く工夫がもっと必要であった。
いや、それ以前に、子供時代の環(宮島るか〈3歳時〉、英茉〈4~9歳時〉、山田詩子〈10歳時〉)が、襖や障子へのいたずら書きが絶えないとか、いっつも顔や手、着物に墨をつけてしまっているとか、和綴じの写生帳やノート・洋綴じの画帳や写生帖へ目に入るものを次々と上手に描いてしまう… このような場面を盛り込むべきだったと思う。
それこそ、‘シマケン’こと島田健次郎(佐野晶哉 ex.Aぇ! group)が小説を投稿するとか、新聞に掲載されるとかなんとか、そんなのを省略してでも、《‘りん’は看護婦、環は絵描き》の “印象付け” を地道にやっておくべきだったと思う。
また、‘チュウ’こと丸山忠蔵(若林時英)が環の卒業&就職祝い?にビーフシチューを供するくだり、工夫が足りない。
例えば、当時ではまだ珍しいはずの西洋料理なのだから、「西洋」に精通している設定の清水卯三郎(坂東彌十郎)との共同開発みたいな下地を用意しておけば、連ドラとしての世界観に広がりと統一感を創出できたし。
‘りん’と直美に「これが、卯三郎さんに協力してもらったお料理なのね」と、プチ感動秘話にもすることができたと思う。
さらに言うなら、‘りん’の母・美津(水野美紀)だったカレーライスのくだりがあったのだから、「お母さん(美津さん)に食べさせたかったわ」と‘りん’と直美、環に言わせてもよかったと思う。
つまり、卯三郎のその後は有耶無耶のまま、美津はナレ死になんかせず、画面を通じて関係性を丁寧に描く姿勢こそが、物語への没入感を高める鍵となるのだ。
日常の対話と丁寧な場面描写がドラマの説得力を生み出す
今後の作品制作において評価を高めるためには、劇中の時間経過に頼りすぎず、登場人物同士の日常的なやりとりを丁寧に描き出すことが求められる。
特に、登場人物たちが互いに信頼を深めていく過程や、試練を乗り越える対話の場面を具体的に画面上で見せることが重要である。
さらに、重要な設定や出来事をセリフやナレーションだけで処理せず、人物の行動や出来事として描写することで、長期間の放送に耐えうる強い説得力と感動を生み出すことができると思う。
あとがき
‘りん’と直美のモチーフについては本文で書きました。
そこで、今回の「あとがき」では、以前にご紹介した‘チュウ’こと丸山のモデルについて書いた補足記事を再度ご紹介します。
改めて読むと、「なるほどね」と感じていただけると思います。
朝ドラ『風、薫る』直美(演・上坂樹里)の担当患者・丸山忠蔵(演・若林時英)のモデル!新宿中村屋を育てた相馬愛蔵の波乱万丈ストーリー|ディレクターの目線blog ![]()
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シマケン(佐野晶哉)の家を訪ねるという置き手紙を残して環(瀧七海)がいなくなった。慌てるりん(見上愛)だが、そこへ亀吉(三浦貴大)がやってくる。シマケンと再会した環は、将来の迷いや悩みを打ち明けていた。
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前後のつながりが薄くて脳内補完するしかない展開のモヤモヤ感
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りん「どうして シマケンさんの所に…」
直美「知ってた?
環ちゃん よく 田之上屋に寄って」
登場人物の会話から察するに、ダブル主人公の一人である小川直美(上坂樹里)と環(瀧七海)の二人が団子屋「田ノ上屋」で顔を合わせる機会は確かに存在していた(ようである)。
しかし、直美と環の団子屋でのツーショットの印象などが少ないため「そうだったんだ」と、事後承諾するしかない。
さらに環に関しては「絵」「絵描き」という二次情報まで追加されているため、肉体的な成長を超えた情報過多状態だ。
また、数年前に手放したはずの‘シマケン’こと島田健次郎(佐野晶哉 ex.Aぇ! group)の家を環が訪ねる場面では、なぜその場所を知っていたのかという疑問が浮かぶ。
仮に誰かから場所を聞いていたとしても、なぜわざわざ教えたのかという別の疑問が生じてしまうからだ。
それ以前に、シマケンがなぜ東京へやってきたのかという根本的な理由すら判然としない。
親族を頼ってきたという見方もできるが、依然として職に就いていないように見えているし。
つまり、現時点での素性がよく分からない人物が謎の行動を取り、それを別の人物が追いかけるという不思議な展開が続いているのだ。
結局、ドラマであるにもかかわらず、前後のつながりが希薄なまま時間を進めてしまうため、劇中の出来事だけでは状況を理解できないのだ。
要するに、視聴者が好意的に想像を働かせて補うしかない状態になっている。
視聴者を置き去りにせず分かりやすく伝える工夫への期待
こうした複雑な状況を「土曜日ダイジェスト版」でまとめる場合、膨大なナレーション解説が必要になるはずだ。
逆に、もしその解説を普段の放送時から活用していれば、物語はもっと分かりやすくなったに違いない。
それにしても、残念ながら、作品を面白く工夫したり親切に伝えようとしたりする姿勢がほぼ感じられない。
視聴者の立場に立った制作が行われていないため、視聴者が置いてきぼりになってしまうのだ。
制作者自身の都合ばかりが優先された結果、不評のしわ寄せが出演者に及ぶような事態は避けるべきだとは思うが。
視聴者が物語に引き込まれるための丁寧な工夫と改善案
作品の質を向上させるためには、まず登場人物がどのような目的で動いているのかを劇中で明確に示す必要がある。
時間の経過を描く際にも、空白期間に何が起きたのかを短いセリフや背景描写で自然に補足することが望ましい。
また、入り組んだ背景がある場合はナレーションを効果的に挟み、状況を整理して伝える工夫が求められる。
視聴者が想像だけに頼らず素直に物語へ没入できるよう、場面ごとの丁寧なつながりを意識して制作することが不可欠である。
あとがき
今回の問題点は、連続ドラマにおける「状況説明の不足」と「登場人物の動機の不透明さ」に集約されます。
物語の展開速度に対して必要な情報が映像内で整理されていないため、視聴者が劇中の論理を追いきれず、ストレスを感じる構造になっていました。
それにしても、いくらオトナの事情だとしても、無意味にシマケンと環を登場させるのに必死過ぎて、痛々しさすら感じました。
今朝は、病院の待合室で見ましたが、「これが、看護婦の黎明期を描く朝ドラなの?」と思いながら見終えました。
それにしても、高齢者含めて見ている人は少ない印象でした…
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2017年に放送されたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK/2017年度前期)の再放送が2026年8月3日(月)からスタート。
この再放送を記念して、本放送当時に投稿した全156回分の感想のリンクを掲載します。
朝ドラ『ひよっこ』鑑賞のお供にご利用ください。
全156回感想リンク掲載!
第1週『お父ちゃんが帰ってくる!』
1 2 3 4 5 6
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
7 8 9 10 11 12
第3週『明日(あす)に向かって走れ!』
13 14 15 16 17 18
第4週『旅立ちのとき』
19 20 21 22 23 24
第5週『乙女たち、ご安全に!』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子(やし)の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
43 44 45 46 47 48
第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
55 56 57 58 59 60
第11週『あかね荘にようこそ!』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
67 68 69 70 71 72
第13週『ビートルズがやって来る』
73 74 75 76 77 78
第14週『俺は笑って生きてっとう!』
79 80 81 82 83 84
第15週『恋、しちゃったのよ』
85 86 87 88 89 90
第16週『アイアイ傘とノック』
91 92 93 94 95 96
第17週『運命のひと』
97 98 99 100 101 102
第18週『大丈夫、きっと』
103 104 105 106 107 108
第19週『ただいま。おかえり。』
109 110 111 112 113 114
第20週『さて、問題です』
115 116 117 118 119 120
第21週『ミニスカートの風が吹く』
121 122 123 124 125 126
第22週『ツイッギーを探せ!』
127 128 129 130 131 132
第23週『乙女たちに花束を』
133 134 135 136 137 138
第24週『真っ赤なハートを君に』
139 140 141 142 143 144
第25週『大好き』
145 146 147 148 149 150
第26週『グッバイ、ナミダクン』
151 152 153 154 155 156(最終回)
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亀吉(三浦貴大)と再会した環(瀧七海)。直美(上坂樹里)は亀吉を追い返そうとするのだが、亀吉にはどうしても環に渡したいものがあった。渡されたものは、ある人からの手紙だった。環はもう一度父と話したいと決意して...。
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主人公や登場人物に惹かれないまま消化不良で進む終盤
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なのに、その娘の環(瀧七海)、その上での離婚した元夫(父)の亀吉(三浦貴大)と祖母・貞(根岸季衣)を持ち出されても、全く興味が湧いてこない。
そんなキャラクターを用いて、さらに文字が書けない元女郎‘夕凪’こと魚住セツ(村上穂乃佳)と貞を強引に重ねて “お涙頂戴” をやったところで、一滴の涙もこぼれない。
ここまで約7分間、事実上のメイン主人公である‘りん’を一切封印して、ダラダラと描いてきた。
確かに、一般的な朝ドラの「残り3週目」と言えば「ほぼ消化試合」であることは間違いない。
つまり、「作る側がただ残りの放送枠やスケジュールを処理しているだけ」の状態のことだ。
しかし、本作は実質的には「ほぼ消化試合」にもなっていないのだ。
いやむしろ例えるなら、「ほぼ消化不良状態」である。
要するに、「観る側が展開に納得がいかずスッキリしない」状態ということだ。
しかも、セツは経営者である直美に “タメ口”、いや “上からの物言い” で不快感増し増しになった。
演出の違和感や雑な映像づくりが集中を邪魔する作品
演出も演出で、特に今週担当の新田真三氏の団子屋「田之上屋」にいる “役名なき客” の演技指導がどうしようもない。
言葉で表すのは難しいが、ひと言で言うなら “役名なき客” が「存在が違和感だらけ」となるだろう。
しゃべれば、いかにもセリフを言っている感じだし、無言の場合でも妙な存在感を表して、空気感を破壊する。
例えば、環と亀吉の近く似た「何度も茶を飲む男性客」は、存在が気になりすぎて、ただでさえ頭に入りにくい会話劇が、さらに頭に入ってこないレベルだ。
もちろん、亀吉の髪形や無精ひげも、明らかにやりすぎである。
重箱の隅を楊枝でほじくれば、店の緑色の暖簾は “風で揺れて” いるのに、店の真横にある植木の葉は1ミリも揺れていないとか。
しかも、二人ともBS(バストショット=腰から上を映す適度な距離感の画面)のサイズの構図ばかりを繰り返すため、会話にリズムがない。
つまり、演出家が《映像で見せて(show)魅せる(captivate)》をやるつもりがないのだ。
よって、視聴者が好意的に見ようと努力したところで、所詮は「ほぼ消化不良状態」以下にしかならないのだ。
史実に頼るだけでなく物語として見せる工夫が必要な理由
これ以上「本編」について、わざわざ書くことはない。
そこで、正確には「残り2.5週」となったので、「24.5週」分の気になっている事柄について書いてみる。
テレビドラマでは歴史上の出来事や実際の人物を参考にする場合、あらかじめ決まった年表(史実)に沿って物語を進める必要がある。
そのためストーリーの流れが不自然に途切れたり、登場人物の行動に一貫性がなくなったりすることは、ある程度避けられない面がある。
しかし、本作の一番の問題は、歴史的な出来事をただ並べるだけで、一つのつながった物語として描き切れていない点にある。
「史実を知っている立場」として、制作者側も視聴者側も割り切れない場合が多いが、ドラマという形式である以上、思い切った表現の工夫が求められるのだ。
ふたりの主役を描くなら物語の一体感を大切にしたい
特に「ダブル主人公」の作品では、それぞれの人生の出来事をそのまま並べるとストーリーが二つに分散してしまう。
その結果、一人の人物をじっくり掘り下げる時間が減り、全体の印象がどうしても浅くなってしまう。
さらに、歴史的な事実や過去の記録に縛られすぎると、ドラマとしての面白さが損なわれてしまう危険性がある。
したがって、二人の主人公を扱うときこそ、事実の追従よりもストーリーの一体感を優先する思い切りの良さが必要になるのだ。
バディもののようにふたりを組ませる脚本の工夫がほしい
例えば刑事ドラマや探偵ドラマにおける「バディもの」を参考にするのだ。
二人の主人公を常に一緒に行動させることで、ストーリーを一つに集約できる。
これは歴史(史実)を変えてしまうような不自然な改変ではなく、「脚本の仕掛け」や「物語の見せ方」の上での優れた工夫といえる。
つまり、実話をもとにしたドキュメンタリー映像とは異なり、フィクションの劇作品だからこそ表現の自由を生かした組み立てが可能になるのだ。
事実との違いを細かく気にする人の意見にとらわれず、楽しさを求める多くの視聴者のために物語としての質を高めるべきであった。
心の変化を深める事前のていねいな下準備が欠かせない
今回でも、家族や周囲との人間関係をあらかじめ丁寧に描いていれば、より感動的な展開になったはずである。
過去の場面からのつながりや背景となる説明が不足していたため、登場人物の感情の変化についていきにくい場面の連続であった。
もちろん本来であれば、作品の大きな見せ場となり得る重要な場面だっただけに、事前の描写が足りなかった点は非常に悔やまれる。
やはり、人物同士の関係性をじっくりと温めておく下準備がなければ、作品全体の締めくくりとしてふさわしいボリューム感は創出不可能なのだ。
感動を生むために人物の関係性を軸にした物語をつくる
今後の作品づくりにおいては、史実の年表に頼りすぎず、登場人物の関係性を軸にした構造へと再構築することが欠かせない。
主人公が複数いる場合には別々の行動を追うのではなく、一つの目標に向かって協力する場面を増やして軸を統一すべきである。
また、終盤の重要な展開に向けて、序盤から家族関係や心理変化を丁寧に積み重ねる配慮が求められる。
視聴者が感情を移入しやすい背景描写をしっかり整えることで、作品としてのまとまりと感動が大きく高まるはずである。
あとがき
本作の失敗の原因は、「史実に捉われすぎる制作姿勢」と「ダブル主人公を生かせない構成」に尽きるかなと思います。
歴史的背景や事実に縛られるあまり、フィクションとしてのドラマ性や人物描写の深みが損なわれてしまったのです。
逆に、歴史を無視した創作部分で、ダブル主人公を効果的に利用できていないために、誰を描いているのか分かりにくいですね。
さらに、「看護を描かず」に「恋愛要素ばかりをてんこ盛り」にしたことで、何を描くドラマなのかも見えなくなりました。
もう、どうにもならないと思います…
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---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---
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脚本:井上由美子(過去作/緊急取調室1~4,ハラスメントゲーム,BG~身辺警護人~)
演出:河毛俊作(過去作/新宿野戦病院,謎解きレトリック) 第1,2,5,9話
清矢明子(過去作/新宿野戦病院,最後の鑑定人) 第3,6,8,10話
柳沢陵介(過去作/新東京水上警察,Dr.アシュラ) 第4,7話
音楽:菊地成孔(過去作/岸辺露伴は動かない)
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※敬称略
「最終回直前の引き延ばし展開に思うこと
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―――ここまで、ごあいさつ―――
物語はいよいよ最終局面を迎えており、次回が最終回となる。
ところが、最終回へ話を続けるためなのか、物語の展開がわざと複雑にされている印象を受ける。
本来であれば前回の放送時点で解決しておくべきだった問題が、そのまま引き延ばされているのだ。
もちろん、連続ドラマである以上、物語が次回へ続くこと自体は決して悪いことではない。
しかし、前回の放送があやふやで不完全な終わり方だっただけに、今回の引き延ばしには違和感を覚えてしまった。
やはり、前回の物語の中でスッキリと描き切るべきだったのではないだろうか。
「被害者支援」が「犯人捜し」に隠れてしまっていないか?
また、物語の内容が警察の捜査ドラマに寄りすぎている点も気になるところだ。
主人公が目的を持って自発的に動くこと自体は、作品を面白くするための大切な要素である。
しかし、本作の根底にあるテーマは、辛い目に遭った人々を助ける被害者支援のはずだ。
となれば、主人公が行動する最大の理由は、自分のためではなく困っている他人のためでなければならない。
そこで、制作側は主人公に犯人を追わせることで支援を描こうとしているのだが、その表現のバランスがうまくいっていないのだ。
主人公がまるで警察官のように捜査へ没頭しているため、周囲からは自分自身のために動いているように見えてしまうのだ。
その結果、本来の目的であるはずの被害者を救う姿がかすんでしまっている。
「見せ方」の工夫ひとつで物語はもっと面白くなったはず!
このような問題が生じている原因は、映像や物語の魅せ方という作劇と演出の工夫不足に他ならない。
被害者を助けるという本来の目的をしっかり強調していれば、もっと魅力的で納得できる作品になったはずだ。
さらに、最近の流行に合わせようとしたのか、話を不必要に難しく見せようとしている点も悔やまれる。
実際には同じような場面や説明が何度も繰り返されているだけで、根本的な物語の構造自体はとても単純なのだ。
ちょっとした見せ方の工夫や整理を行うだけで、視聴者へ伝わる印象は大きく変わったのに悔やまれる。
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僕たちがやりました
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僕とシッポと神楽坂
僕の初恋をキミに捧ぐ
僕のヤバイ妻
僕はどこから
僕らは奇跡でできている
僕達はまだその星の校則を知らない
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
星降る夜に
ホテルコンシェルジュ
ホリデイラブ
- 過去の連ドラの感想記事一覧(ま行)
舞いあがれ!
マイファミリー
マウンテンドクター
マザー・ゲーム
マジで航海してます。
まだ結婚できない男
マッサージ探偵ジョー
マッサン
まっしろ
真夏の少年~19452020
真夏のシンデレラ
真昼の悪魔
ママとパパが生きる理由。
ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~
○○妻
まれ
まんぷく
未解決の女 警視庁文書捜査官[1]
未解決の女 警視庁文書捜査官[2]
未解決の女 警視庁文書捜査官[3]
みかづき
ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~
Missデビル人事の悪魔・椿眞子
ミステリと言う勿れ
南くんの恋人
御上先生
MIU404
未満警察 ミッドナイトランナー
未来への10カウント
民衆の敵
無痛~診える眼~
名探偵のままでいて
メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断
モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
MOZU Season2 ~幻の翼~
元彼の遺言状
モトカレマニア
もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~
問題のあるレストラン
問題物件
モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-
- 過去の連ドラの感想記事一覧(や~わ)
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
やさしい猫
ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~
屋根裏の恋人
山田孝之の東京都北区赤羽
ヤメゴク
ユーミンストーリーズ2024
ゆとりですがなにか
ユニコーンに乗って
ユニバーサル広告社
妖怪シェアハウス
ようこそ、わが家へ
4号警備
40万キロかなたの恋
4分間のマリーゴールド
[ら]
ライオンの隠れ家
ラヴソング
ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~
ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~
THE LAST COP/ラストコップ
ラストチャンス 再生請負人
ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~
ラストマン-全盲の捜査官-
らんまん
リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~
リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
リエゾン-こどものこころ診療所-
陸王
リコカツ
リスクの神様
リバース
リバーサルオーケストラ
リピート ~運命を変える10か月~
リブート
#リモラブ ~普通の恋は邪道~
竜の道 二つの顔の復讐者
路(ルウ)~台湾エクスプレス~
ルパンの娘[1]
ルパンの娘[2]
流星ワゴン
臨床心理学者 火村英生の推理
レッドアイズ 監視捜査班
恋愛時代
レンアイ漫画家
レンタル救世主
レンタルなんもしない人
レンタルの恋
六畳間のピアノマン
6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
[わ]
ワイルド・ヒーローズ
若者たち2014
私 結婚できないんじゃなくて、しないんです
私たちはどうかしている
ワタシってサバサバしてるから
わたし、定時で帰ります。
わたしを離さないで
私のおじさん~WATAOJI~
私の家政夫ナギサさん
罠の戦争
わにとかげぎす
わろてんか
皆様のおかげで、2026年6月24日に4000万アクセス達成をいたしました。(御礼の投稿


