原田芳雄さん死去を聞いて…

原田芳雄さん死去享年71歳…腸閉塞と肺炎で闘病中　今月公開の映画『大鹿村騒動記』が遺作に

http://www.cinematoday.jp/page/N0033882
映画『竜馬暗殺』など、長年にわたって日本映画界を代表する俳優として活躍してきた原田芳雄さんが、19日午前9時35分に肺炎で亡くなった。71歳だった。闘病中と報じられていた原田さんは、今月11日に遺作となった主演映画『大鹿村騒動記』のプレミア試写会に車椅子姿で出席したのが公の場に登場した最後となった。（抜粋）

「高校生レストラン」での住職役の声のみの出演が…

今春の日テレのドラマ『高校生レストラン』で、TOKIOの松岡昌宏さん演じる新吾の父で住職の定俊を演じていた原田芳雄さん。6/18放送の第7話で唐突にヒマラヤ旅に出る設定で声のみの出演となり、それが最後の出演となった。
その声がとても弱々しく心配していたが、それから少しして闘病中が報じられ、7/11の試写会につながったようだ…

鈴木清順監督作品で…

私が原田芳雄と言う俳優に注目した最初の映画作品が鈴木清順監の『ツィゴイネルワイゼン（1980）』。エネルギッシュなアウトローが強烈な印象。そしてもう1本が『陽炎座（1981）』。この作品で故・松田優作氏と共演し、優作氏が多大な影響を受けることになる。この2本は見逃せない…

タモリ電車クラブゴールド会員でのやんちゃな素顔…

原田さんの鉄道ファンは有名だが、その中でも『タモリ倶楽部』での鉄道企画から生まれた『タモリ電車クラブ』のゴールド会員でもある。特に開館前の鉄道博物館を見学する回では、やんちゃな子供のような素顔を見せてくれ、とても印象に残っている…

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まだ『大鹿村騒動記』（公式）を観ていません。早く観に行かねばと思いつつ。1970年代には数本の主演映画があるだけで、約35年以上ぶりの主演作が完成して、安心されたのかもしれません。

まだ71歳、原田さんの存在感ある個性的な演技を見たかったです。今まで素晴らしいお芝居を見せて頂きありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします…

【追記 2011-07-20 06:30】
コメントでもお答えしましたが、昨日は原田さんが亡くなられたショックで、上記の情報の一部が誤っていました。他にもあるかもしれませんが、ご理解くださいませ。

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【当blog内関連記事】
ボクらの時代／原田芳雄×大楠道代×岸部一徳（7/3）感想
高校生レストラン （第7話 6/18） 感想

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妻夫木氏に続き、山田孝之氏も日本映画にダメ出し！

山田孝之の演技がニューヨーク・アジア映画祭でアメリカ人にも好評価！ニューヨークで新作『ミロクローゼ』を語る

http://news.livedoor.com/article/detail/5690097/
また、山田に現在の日本の映画に足りないものは何かと聞いてみると、日本はシナリオ書く人、もとから作る人材がまだまだ足りていないと思っています。さらに、漫画を映画化するというよりは、むしろ映像化しただけの映画があり、それはまるでネタがないかのような作品でもあって、そういうのは意味がありませんね」と客観的な目で日本の映画界を見ていることがわかった。（抜粋）

日本映画界の作り手の冬の時代…

では、山田孝之さんがどれほど素晴らしい作品に出演され演技をしたのか、私はよく知らないが、少なくとも彼の意見には粗方賛成する。
以前『『妻夫木聡、「テレビ映画」ばかりの現状に危機感』を読んで』で、妻夫木さんも日本映画に警鐘を鳴らしたが、若手俳優が声を上げると言うのは、日本映画界の作り手の冬の時代がまだまだ続くことを意味するように思う…

原作モノ…

確かに原作モノは、オリジナル脚本より宣伝しやすいし、すべて一からやらなくて良い分コストも掛からない。特に問題なのは漫画が原作の場合。実写化しただけで、なんら工夫も無い仕上がりの連続でがっかりすることばかり…

ゼロからものを生み出す能力が乏しいクリエーターたち…

これは脚本や演出などのクリエーターたちが、ゼロからものを生み出す能力の乏しさ、即ち創造力の欠如が原因だと思う。
誰かが作った作品をいじるのと、ゼロから生み出すのは、やったことのある人間なら正に「生みの苦しみ」は数百、いや数万倍もエネルギーが必要だ。それをせずに、安易に映像作品と言う結果だけを求める今の風潮や個々の考え方を変えなければダメだと思う。

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いくら観客側から意見を言っても変わる気配が一向に無い日本映画界。その意味では、映画界にいる俳優さんたちの今回のような意見が、大きなムーヴメントになるのを期待したいです。

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『妻夫木聡、「テレビ映画」ばかりの現状に危機感』を読んで

妻夫木聡、「テレビ映画」ばかりの現状に危機感

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110608-00000308-oric-movi
俳優の妻夫木聡と松山ケンイチが8日、公開中の主演映画『マイ・バック・ページ』の山下敦弘監督とともに、一般客を招いてティーチ・イン（討論会）を都内で行った。妻夫木は批判を恐れず、日本映画界について言及。「映画の興行を回しているのはテレビ映画ばかり。一方で、ほかの国に発信できるような映画を作るチャンスが小さくなっている。自分たちがどういう映画を作っていきたいのか、作る側の立場として変わっていかないといけないと思う」と真摯に話した。（中略）
さらに「仕組まれた社会の中に存在して、その中でぐるぐる回っている自分がいる。はみ出すには勇気がいるし、局面を打開できるのは自分の力しかないし。何かやってみようと心が動いたら、やらないで後悔するくらいなら、やった方がいいと思う。踏み出してみないと変わらないし、そうしないといけない時期にあるかも」などと話していた。

作り手も悪いが、観客も…

妻夫木さんの「テレビ映画」がどのような定義なのかわからないが、『踊る大走査線』が始めたと思われる、既存の企画の焼き直し、巨額なPR合戦、「製作委員会」と言う出資リスクを分散する映画作りのことだとしたら、作り手も悪いが、喜んで観に行く観客もいるわけで、双方が変わらなければ、日本映画は変わらないと思う。
ただそう言う観客が映画館を支えているのも事実だ…

どこかで観たような作品ばかり…

まず人気者のスケジュールを押さえ、既存のテレビドラマや原作の権利を買って、作品の評価よりも適当な興行収益が上がるように人気者のアップを連続させ、お涙頂戴と感動の押し売りのエンディングをくっつけて終了、みたいな「どこかで観たような」作品ばかりの日本映画。

「そこそこ」「適当」「やっつけ」的思考が日本映画を腐らせる…

新しい企画や映像を創造しようとせず、「そこそこ」「適当」「やっつけ」と言った思考回路で日本映画を作るクリエーターたちが日本映画を腐らせるのだと思う。とは言え、テレビドラマもハリウッド映画も似たり寄ったりだが…

まず、送り手が変わらなくてはダメだ！

好きな俳優やタレントと大きなスクリーンで観たいと言うのも映画ファンだし、映画でしか味わえないスケール感や作りこみの細かさを楽しむのも映画ファン。ただ昭和の頃は、例え「アイドル映画」の類でも、大人が十分に楽しめるエンターテインメント性が担保されていたように思う。
しかし、最近は大人が1,800円と2時間余を費やすにはあまりにお粗末な作品が多過ぎる。やはり送り手側（スタッフやキャスト）が変わらなくてはダメだろう。

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「どうせこの作品も…」と思って日本映画に期待しない私のような映画ファンは多いと思います。従って妻夫木さんには申し訳ないですが『悪人』も『マイ・バック・ページ』も観ていません。今回の妻夫木さんの発言は、こう言う映画ファンへのメッセージだったのではないでしょうか？

とは言え、綺麗事だけで飯は食えません。その辺の苦悩はどんな仕事でも同じだと思いますが、まずは『マイ・バック・ページ』を観てみようかなと思います。

　　             　
   

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映画館で被災しました

読者の皆さん、東北地方太平洋沖地震の被害はいかがですか？私は、画像の通り映画『ツーリスト』を映画館で観ていました。冒頭、10分程度でしょうか、グラグラと揺れ始め、30秒くらい経ったでしょうか、常夜灯（ダウンライト）が点灯し、映画が止まりました。薄暗い館内を、年配者の方々の悲鳴の中を非難しました。

当事者だからお許しいただくとして、正に「パニック映画のよう」でした。手すりを掴まる人、床を押さえて這い歩く人、足がすくんで動けない人など、気丈な私でも足がすくみました。何とか外に出ても、シネコンの入ったビルは大混乱で、映画は生ぬるいなと言う感じで…。それにしても、怖かったです。

こちらは千葉県北部ですが、12日深夜の現在も、余震でグラグラきています。安心して眠れるような状況でないです。何とかネットがつながるので、こうしてブログを書くことで自分を冷静に保っている部分はあります。が、しばらくブログの更新は出来ないかもしれませんが、ご了承くださいませ。

　　             　

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織田裕二と伊藤英明の映画『アンダルシア』の企画で、日本映画を考える

伊藤英明の捜査官VS.織田裕二の外交官で激突！『アマルフィ』の劇場版第2弾『アンダルシア』で豪華共演実現！

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110228-00000004-flix-movi
2009年に公開された織田裕二主演の映画『アマルフィ 女神の報酬』の劇場版第2弾となる映画『アンダルシア』で、織田演じる“外交官・黒田康作” に対立するインターポール捜査官・神足誠（こうたりまこと）役に、伊藤英明が抜てきされたことがわかった。東宝が歴代過去最高の興行収入を記録した昨年、大人気シリーズ「踊る大捜査線」「海猿」の劇場版第3弾で共に興行収入70億円突破を記録し、記録更新に大いに貢献した主演俳優・織田裕二と伊藤英明の豪華共演の実現だ。

「安易な企画」と言いたくないのだが…

2010年の邦画年間映画興行成績の第2位『THE LAST MESSAGE 海猿』と第3位『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』の主役二人を共演させると言う、如何にも「安易な企画」。と言いたくはないのだが…

1,800円分の…

今放送中のドラマ『外交官・黒田康作』のぐだぐだな内容による低視聴率を考えると、『アンダルシア』に期待薄になってくる。しかし、先入観は抜きにして、問題は中身。無料の地上波ドラマとは違う、1,800円分の作品を見せて貰えればそれでいい。

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私は、「安易な企画」と思える日本映画が多いと思います。しかし、そうならざるを得ない日本映画の製作システムが存在し、それが主流なんですね。今回は、真面目に日本映画ビジネスについて考えてみました。長文なので、お読みになりたい方は、右下の「続きを読む」へお進み下さい。

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「映画」と言うビジネス

映画ビジネスは、「企画」→「製作」→「配給」→「興行」→「二次使用」と言う流れが一般的。そう、良くも悪くも「企画ありき」。「企画」と言うと悪いイメージも浮かぶが、企画が無ければビジネスが動き出さない。
だから、業界は「良い企画＝儲かる企画」探しに奔走する。これが悪い事とは思わない。商業的に成立してこそ劇場映画だし、それでなければ、映画産業そのものが成立しないから。

「製作委員会システム」と言う映画のつくり方

今の日本映画の多く（特に全国公開を前提とした作品）は、製作委員会システム（複数の企業から出資させる）で製作される。これは、企画提案者（社）は、最もリスクを背負う形で相互契約するから、1円でも儲かる企画を提案し製作するのが最優先になるのは当然。
だから、優れた（監督を含めた）クリエーターたちを作り出すとか、クリエーターの情熱のこもった企画を映画化するなんて発想は、二の次三の次になるのは当然なのだ。そして、より効率的な金儲けのために、映画の作品としてのクォリティーとは無関係に、脚本を切り刻み、より安易な映画づくりが推し進められるのだ。

観客にとっては「映画は娯楽」なのだ。

映画監督の「これを撮りたい」と言う熱意の企画が、映画会社に持ち込まれ映画が作られると言うことは、殆ど無い事は既述の通り。そもそも映画監督と言う職業は、1本単位で雇われているわけだから、「これを撮りたい」等と言える立場でないのだ。
しかし、これはあくまで「映画はビジネス」と言う観点からの言い方。観客にとっては「映画は娯楽」なのだ。その違いこそ、今の日本映画の問題点とも言えるのだが。

映画はその国の文化であり、時代の反映だから…

観客が、貴重な時間とお金を費やして観る映画を決めるきっかけは、出資企業名でなく「観たい！」と言う期待の感情だ。その感情を刺激するのは、「儲かる企画」でなく、「つくり手の情熱」だと思う。いくら監督（を含むスタッフやキャスト）が雇われだとしても、つくり手の思いが無ければ映画は作ることが出来ない。
比較的、製作予算の少ない映画作品の中に、つくり手たちの情熱を感じる作品が多いように思うが、数十億円の予算規模の超大作こそ、日本映画のつくり手、特に監督の思いや主体性を強く反映した作品を望みたい。なぜなら、映画はその国の文化であり、時代の反映であり、今が個性が失われつつある日本社会だからだ。

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最近の全国公開される日本映画は、製作委員会の中にテレビ局が入っているケースが 殆ど。以前は、ドラマがヒットし、視聴者の反響を受けての劇場用映画の製作と言う流れの中での大ヒットが多かったです。

しかし、ここ数年の不景気で観客の財布の紐は固くなり、観客も賢くなり、単純にドラマの映画化だけではヒットせず、有名な漫画や小説を原作とした映画化が流行していますが、それらは逆に原作の熱烈のファンの評価が分かれるなどして、必ずしも大ヒットしません。

大ヒットする映画のつくり方の法則があれば、良いのでしょうが…。「金を出す奴は、口も出す」のは当然なんですけど、せめてもっと「今作が失敗しても責任はオレが取る」と言う気概のある金を集めるプロデューサーがいればなぁ。

　　             　
   

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