「ハガネの女」原作者・深谷氏の抗議で考えること

「ハガネの女」ドラマに異議　漫画家の深谷さん原作者降りる

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2011/06/25/kiji/K20110625001084560.html
テレビ朝日のドラマ「ハガネの女　シーズン２」の内容に異議があるとして、原作者で漫画家の深谷かほるさんが２４日までに、公式サイトで原作者の立場を降りると表明した。
　ドラマは吉瀬美智子（３６）演じる小学校の女性教師が学校で起きる課題に子供たちと向き合うというもの。４月２８日放送の第２話で、発達障害の一つとされるアスペルガー症候群を患いトラブルを起こした男児がクラスに残るかどうかクラス投票で決めるシーンがあった。深谷さんは多数決シーンに反対したが、テレ朝側に採用されなかったと主張。ＤＶＤ化などにも反対している。「シーズン２」は原作漫画とは違うオリジナル脚本で、テレビ朝日広報部は「一部で理解が得られなかったことは非常に残念」としている。

今更…

当blogのリピーターさまなら正に「今更」な話題で恐縮だが。
原作の深谷氏批判をするつもりはないが、今のテレビドラマのスタッフたちに原作を売ったらどうなるか、想像力に乏しかったと言わざるを得ない。
ただ、今回深谷かほる氏の公式サイト（外部リンク）で意見を読むと、怒りと悲しみが伝わってくる。それだけにもっと事前に思慮すべきだった…
最終回放映後にこの報道が流れること含めて、命を削って作った作品が大切であれば、魂も権利も売らないこと。それしかない…

理解できないわけじゃない…

ただ、そもそもseason2はオリジナル脚本を売りにしていたから、視聴者の評判が悪い（要は視聴率が奮わなかった）から。「原作者が悪いわけじゃない！今回は設定を貸しただけ」と主張したかったのだろうか。
そりゃ、season1ありきの続編で、安易な一儲けしようとしたテレ朝に怒り心頭した気持ちも権利も理解できる。が、深谷氏はseason2でどれだけ契約金をもらったのかはわからないが…

デカワンコで…

今春のドラマで当blog一押しのドラマ『デカワンコ』では、DVD-BOXのブックレット上のスタッフクレジットに脚本家・伴一彦氏のお名前の記載漏れがあった（公式リリース）。
発売直後、脚本の伴一彦氏がTwitterで激怒していた。その理由は表に出ない作家としての尊厳を軽視する問題だと言う雰囲気で（伴さんの表現は違います。そう言う世界＝テレビドラマ界ということだ。

問題の第2話…

真壁友喜（浦上晟周）本人も親の承諾も得ず、“友喜を仲間外れにさせない”の一心で、クラス全員に「アスペルガーは、決して知的障害ではない」と勝手に言い放ち、友喜をこのまま学校に残すか特殊学級に行かせるかを多数決した。そんな話だった。
まず、脚本家も演者も「アスペルガー症候群」を不勉強だし、知的障害者への認識の欠如も甚だしい。私の当時の感想もその部分に触れるのを憚るほどの悪質な仕上がりだったのは間違いない。

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私は原作本と映像は比較しない立場なので、ここではseason1と2を比較しますが、幾度も書いてきたとおり、「芳賀稲子」が別人でした。特に生徒に向かう姿勢が。これでseason3も劇場版も無いとは思います。

「ハガネ」を利用して自分たちだけ良い思いをしたテレ朝に憤慨するのは当然です。それが命を削って作り出したキャラクターなら。ただ、ドラマ化によって原作に注目が集まったのも事実なんですけど（苦笑）。そう言えば、映画『ブタがいた教室』も肝心の部分が多数決だった…

そして、特に漫画家の皆さんに言いたいです。安易に大切な原作のテレビドラマ化や映画化をしないで下さいと。許可するなら、細部にまで口を出すか、事前に完全に別物だと発言して欲しいものです。

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【当blog内の関連記事】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 最終回
※「アスペルガー症候群」は第2話です。
映画「ブタがいた教室」 テレビ観賞 感想と採点 ※ネタバレあります

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たけしのTVタックル緊急生放送2時間SP（6/6） 感想

6/6にテレ朝で放送された『ビートたけしのTVタックル （公式）』の『TVタックル緊急生放送2時間スペシャル!! 震災復興!!原発危機!!そして政治不信!! 日本に未来はあるのか!? 原発・復興そっちのけ!? 政局やってる場合か!!SP』の感想。

一応、メンバー紹介！

SPってことで、初登場2名を含め参加メンバーを。（敬称略）
・三宅久之（政治評論家）
・福岡政行（東北福祉大学客員教授）
・原口一博（民主党衆議院議員 前総務大臣）
・長妻昭（民主党衆議院議員　前厚生労働大臣）
・石原伸晃（自民党幹事長）
・江田憲司（みんなの党幹事長）
・古賀茂明（経済産業省大臣官房長付）
・岸博幸（慶応大学教授 元経産官僚）
・武田邦彦（中部大学教授）
・池田信夫（経済学者）※初登場
・飯田哲也（環境エネルギー政策　研究所所長）※初登場

だんまりの原口一博議員を中心に、注目の激論無し！

今回の注目は、民主党の口先だけの原口議員と長妻議員がツー・ショットで震災復興をどう語るのかと、初登場の池田氏と飯田氏の原発論争。
結果的には、タイトル同様に震災復興や原発危機の話題は、途中の大竹まこと氏と阿川佐和子氏が被災地・福島を訪れたVTRと、福島県いわき市に移転している同県広野町の皆さんの生中継くらいでそっちのけ。
民主の二人は、被災者たちに突っ込まれるとだんまりを決め込む始末。結局、大竹＆阿川の被災地レポのVTRばかりで生激論無し。開けてみれば、こっちも政局に終始したお粗末な内容。その原因はあの人…

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今回、記事が長くなったので、続きは“続きを読む”よりお進み下さいませ。

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大竹さんが被災者代表ぶって感情的に仕切って終了…

今回の敗因（私は失敗だと思ってる）は、大竹まこと氏だ。被災地に行き余程衝撃的だったのか、終始被災者代表ぶって思いつき且つ感情的に番組を仕切ってしまった。
おかげで、突っ込む相手は違うし、他者の発言を途中で断ち切り進行。通常の編集版でもトンチンカンな発言が多いが、編集してあの程度だと、生放送は厳しい。さぞゲストも消化不良だったろう。

結局、番組も被災者無視…

生中継で福島県いわき市広野町の山田基星町長が政府の対応にキレて、番組後半には姿が無かった。テレビで感情的に何の決定権もない議員たちを攻めてもあまり良い印象は与えないと思うが、町長さんの気持ちもわかる。
町長も町民も必死で生きているのに、味方だと思っていた大竹氏に笑いながら進行されたら怒るのも当然。

原口と長妻では話にならない。枝野と岡田を呼んで来い！

原口議員は都合が悪けりゃ閉口、口を開けば評論家。ミスター年金は何を言っても口先だけなのはバレてる。
その割りに、民主、自民両党による大連立構想の話になると、自公両党にマニフェスト修正要求されてる立場はそっちのけで、自民党に対して上から目線。枝野官房長官と岡田幹事長くらい呼んで来ないと意味がない。

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被災地レポで小さい子供のいる家族が怒りと不安を訴えていましたが、今は少しでも遠くへ疎開した方が良いと思います。政府や東電の対応を待っていたら、子供たちの内部被ばくがどんどん増えちゃいます。

もちろん、容易なことでないのはわかりますが、5回も引っ越すなら思い切って新天地で再出発した方が子供の将来を考えると…。「モルモット扱い」なんて言っている状況では無いのでは？ただ、やはり簡単なことでないでしょうが。

　　             　
   

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３.１１の衝撃　震災・原発　-特報部は伝えた [単行本] 中日新聞東京本社特報部 (著)

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はい!テレビ朝日です ＃370「刑事ドラマ・人気の秘密を探る」（5/15） 感想

5/15にテレ朝で放送されたドラマ『はい!テレビ朝日です （公式）』の＃370『刑事ドラマ・人気の秘密を探る』（公式）の感想。

確かに美術のリアリティーはなかなか！

当blogの感想では、『遺留捜査』から『勝手捜査』にタイトル変更希望を提出しているほど、遺留捜査とは乖離した物語の展開だが、確かにでも（特に）刑事部屋等の美術のリアリティーはなかなかだと思う。やはり、そこには秘密があった。

『遺留捜査』の刑事・警察監修を担当する倉科孝靖さん！

ゲストは、元渋谷警察署長で、戦後の毒殺事件として有名な「トリカブト保険金殺人事件（1986）」で鑑識にも精通しているとして管理官として指揮をとった、刑事・警察監修をしている倉科孝靖さん。

「なるほど」と思ったこと。

この日の話題の中で、「なるほど」と思ったこと。

・被害者を第1話で「ガイシャ」、第2話で「マルガイ」と表現しているのを、統一した方が良いと提言。
※本作は3名以上の脚本家がリレー方式で書いているが、その統一性が今一つであることが本作の欠点でもあり、そのことがこの話題でもわかる。

・最近の刑事ドラマでよく見かける大会議室に100名近い刑事が集まり、プロジェクターで写真を次々見せるような捜査会議は警視庁ではあまり無いため、本作では殺風景な捜査会議にしている。
※確かに捜査会議だけでなく、刑事部屋なども低い天井や蛍光灯が映り込んだり、特に美術のリアリティーには拘りを感じる。

・刑事ドラマでは、逮捕時に逮捕状を提示して「逮捕状が出ているから」と言うケースが多い。しかし、実際は取調べを重要視しているため、任意同行を求め、取調べをし逮捕状請求と言う流れなので、本作でも先に逮捕状を提示しないようにしている。
※本作の物語の傾向として「人情話」が多く、実際には犯人が誰で逮捕されたかどうかより、事件の裏にある背景がメインになってしまっているため、余計に逮捕シーンが目立たない刑事ドラマとも言える。これはリアリティーと言うより脚本の問題かも…

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この番組で最も注目したのが、リレー脚本と監修担当の関係。上にも書きましたし予想通り、各脚本家同士はあまり連携していないようですね。

更に、第何稿かわかりませんでしたが、かなり出来た時点で監修担当が指示を出していました。監督やプロデューサーも交えての会議でしたが、かなり緩～い雰囲気でした。録画まで観ているのが馬鹿らしくなっちゃいますね。せめて、取材時くらい…って思いますが（苦笑）

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【ドラマ『遺留捜査』のこれまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話

　　 　
   

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買いだめを自慢する女性たちを持ち上げて物不足を論じる『あさイチ』

4/12にNHKで放送された『あさイチ（公式）』の「解明！物不足を引き起こすしくみ」の感想。

買いだめやパニックを自慢する女性タレントと、煽る女子アナ

番組は、森公美子さんが自慢げに、地震直後にネットでカップラーメンを買いだめした話でスタート。その後も「自己抑制力欠乏症」「思考停止症候群」「人のせい症候群」的な話を繰り返す。更に有働由美子アナまで「そうですよね」的に煽る始末…

結局、NHKの情報番組もマッチポンプか？

『あさイチ』の中心的視聴者である主婦の代表としての森さんを悪く言えないのはわかるが、こう言うマスコミの姿勢が、今回の「買だめパニック」を生んだという自覚が無いのが問題だと思う。もう少しイノッチが戒めれば、「はい！」と頷く視聴者は多いと思うのだが…

買いだめのしくみ（１）「一人でパニック」

番組内で紹介していた買いだめした二人の主婦を挙げておく。まず、「一人でパニック」「一人でパニック」。震災の映像を見て、「只事じゃない」と勝手に判断。まずは、「食べ物を買わなくちゃ」と店に買い急ぐと、今度は品物が無い棚の映像を見て、更に勝手にパニックで買いだめ。結果、一ヶ月前に買った卵や豆腐が未だに冷蔵庫に残ってる…
取材に応えた主婦は「家族が可愛い、自分が可愛いヒステリー」と自己分析。

買いだめのしくみ（２）「人に流されて」

もう一人は「人に流されて」。買占めのニュース映像を見て、居ても立ってもいられずに店へ。そこで物の無い棚を見て、第一次オイルショック（1973年・34年前）のニュース映像を思い出し、とにかく買いだめした。
ただ何も考えずに「私も皆と一緒がいい」との理由だけで買いだめしたと分析。

子持ち家族の「ペットボトル買いだめ」も同列に扱うの？

番組では、子持ち家族のペットボトル買いだめまで、カップラーメンと同列に扱っていたが、これは些か記号化しすぎでないか？もちろん全員が乳幼児持ち世帯とは限らないが…

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番組では、買いだめの理由は２つ。１つは、「自分を守る」「家族を守る」と言う意識が「食べ物」や「トイレットペーパー」など何でも必要なものは自分の周りにおいておきたいと言う自己防衛本能。もう１つは、行列が出来るとそこに行列が出来ると言う無意識の感染現象。

だから、頭でわかっていても抑制できない。もちろん、それ以前に思考停止状態だから手に負えない。且つ、買えない時はすべて人のせい。「整理券を配れ」「順番に」「子どもが居る世帯から優先しろ」と要求するから、店側もどんどんエスカレート。こう言うパニックが一番怖いのだから、マスコミには十分に精査した冷静で正確な情報提供を望みたいです。

番組後半で紹介された視聴者からのファクシミリには、家族を大切に考えたアイデアがたくさんありました。私はこの番組の視聴者を一括りするつもりはありません。ただ、マスコミの情報や世の中の噂を鵜呑みにしない姿勢は大切だと思います。

　　             　
   

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