連続テレビ小説「ブギウギ」 （第87回・2024/2/5） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ブギウギ』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube

第87回／第19週『東京ブギウギ』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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愛子が生まれて３ヶ月。スズ子（趣里）は、愛助（水上恒司）がいなくなった寂しさを感じつつも、愛子とともに気丈に日々を過ごしていた。山下（近藤芳正）は、そろそろ仕事を始めてみてはどうかと提案するが、スズ子は慣れない子育てに追われる日々で、それどころではない状況にいた。そんなある日、坂口（黒田有）が訪ねてくる。坂口は、トミ（小雪）がスズ子に話をしたいと大阪からやって来ると伝える。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：足立紳（過去作/六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,拾われた男 Lost Man Found） 第1～8,11,12,17～19週
　　　櫻井剛（過去作/表参道高校合唱部!,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第9,10,13～16週
演出：福井充広（過去作/てるてる,家族純情きらり,ﾐｽ･ｼﾞｺﾁｮｰ） 第1,3,8,13,14,19週
　　　二見大輔（過去作/半分､青い｡,なつぞら,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第11,12,18週
　　　泉並敬眞（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,7,9,17週
　　　鈴木航（過去作/あさが来た,べっぴんさん,ｽｶｰﾚｯﾄ） 第4,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,とと姉ちゃん,おちょやん） 第6,10,15,16週
音楽：服部隆之（過去作/王様のﾚｽﾄﾗﾝ,翔太の寿司,のだめｶﾝﾀｰﾋﾞﾚ,HERO）
歌劇音楽：甲斐正人（過去作/映画｢蒲田行進曲｣(松竹/1982)劇伴担当）
舞台演出：荻田浩一（過去作/元宝塚歌劇団所属の演出家）
ロゴ・OP映像：牧野惇（過去作/東京ﾊﾟﾗﾘﾝﾋﾟｯｸのｵ-ﾌﾟﾆﾝｸﾞ映像）
主題歌：中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
語り：高瀬耕造（NHK大阪アナウンサー）
「土曜日版」ナレーション：北郷三穂子（NHK大阪アナウンサー）
制作統括：福岡利武（なつぞら,青天を衝け）
　　　　　櫻井壮一（過去作/おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
※敬称略

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騒動が起こるまでの "順番" が違うような…

ウチのブログに来てくれて、ありがとさん。
（私のブログに来てくれて、ありがとうございます。）

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、ウチが管理人のみっきーやで！
（「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人のみっきーです！）

え～～と、録画を３回見直してみたのだが。

冒頭でスズ子（趣里）が魚を焼くと言い出したが、焼く段取りはなく。

縁側で母乳をあげ始めたところへ山下（近藤芳正）がやって来て。

メインタイトル映像があって。

居間でのご挨拶が始まって～ので、煙の騒動。

別に騒動を否定するつもりもないし。

重箱の隅を楊枝でほじくるつもりなんて微塵もない。

焼き魚とグズる愛子にドタバタしているところへ山下が来れば…

色々書こうと思ったが面倒なので省略。

「こうすれば良かったのでは？」の結論だけ書くと。

スズ子が庭の七輪で魚を焼いていると、縁側で赤ん坊が泣きだして。

焼き魚とグズる愛子にドタバタしているところへ山下が来訪。

「お取り込み中のようなので出直します」と帰る素振りを見せて。

スズ子が「山下さん、おっぱいあげて！」「ワシが!?」「ワテか」「笑」じゃないの？

こうやれば、スズ子が慣れないシングルマザーを頑張っていることや、山下の義理と人情も描けたのに。

当然その延長線上で、スズ子と山下の信頼関係、そして提案と。

自然な流れになったのに…

あまりにも先週と唐突に変わり過ぎて、ついていけない…

まあ、脚本家も演出家も制作統括もチェックしたのだから、これでいいってことなのだ。

だから、もう追求しない。

ただ、今回で最も良く分からなかったのは。

愛助（水上恒司）が亡くなり、今週から一番描きたかったであろう『東京ブギウギ誕生秘話』になったのは、サブタイトルを見れば一目瞭然だ。

従って、これまで以上に「新章」を強調し、ある意味で最終回までのラストスパートのダッシュ直前。

だから、いろいろな部分で “変わりました” を表現したいようだってこと。

いきなりの山下のスズ子の呼び方の変更や。

まるで人格が変容したようなトミ（小雪）の軟化などなど。

別に悪くはないが、あまりにも唐突過ぎてついていけない…

ちょっと、スズ子のアップが多過ぎたような…

一番気になったのが…
スズ子の顔のアップ、BS（バストショット：胸から上の構図）の多用だ。

確かに、FS（フルショット：全身が見える構図）や MS（ミディアムショット：腰から上の構図）もあるにはある。

また、室内のシーンばかりだから引きの構図を選択しづらいとの制約（やる気になれば、どうにでもなるが）があるのも分かる。

でも、流石に、前半の「焼き魚のボヤ騒動」や就寝シーン、翌朝シーンなどでは、アップとBSが多過ぎたと思う。

スズ子の表情、いいや趣里さんの表情を映したいのは分からなくもないが。

「アップ以外も結構ありましたけど」では、物足りない理由

しかし、今作が描くべき、表現すべきは。

繰り返すが、＜愛助との思い出が詰まった戸建てのひとり住まい（娘もいるが）のスズ子が慣れないシングルマザーを頑張っていること＞では？

それなら、もっと家や庭を含めた “環境” と一緒にスズ子と愛子を表現するべきだ。

そうでないと、本当の意味で＜ひとりで子育てに奮闘する人気歌手・福来スズ子＞には見えないと思うから。

もちろん、多くの人が「え～と、アップ以外も結構ありましたけど」と感じたと思う。

いや、「アップ以外もたくさんあった」ではなく、「アップが少な過ぎて物足りなかった」くらいが＜私には＞ちょうど良いってことなのだ。

今週こそ映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！

例えば、人が美しい景色を見て「印象に残る風景だ」と表現することがある。

それは、太陽が、星が、木々が、花が… 美しいからでなく。

それらのパーツ一つひとつの美しさと、全体のバランスを含めた世界観が美しい景色だからだと思う。

だから、スズ子だけ、愛子だけ、焼き魚だけを強調しても、今回が印象に残るとは言いづらいのだ。

反復するが、＜シングルマザーで奮闘するスズ子＞を印象に残すなら、“スズ子のいる風景” をうまく切り取って…

＜映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！＞だと思う。

あとがき

サブタイトルから想像するに。

今週は、「東京ブギウギ」の録音シーンや、ブギの女王が誕生するショーのシーンもありますよね。

そこなんて、絶対に “スズ子のいる風景” を切り取って描いてほしいんです。

それこそが、“風呂屋の看板娘” が “梅丸の看板歌手” を経て “ブギの女王” へ昇り詰める主人公の描写になると思います。

今週の演出は、メイン監督の福井充広さんなので、３つのスズ子を丁寧に印象的に描いてくれるのを期待します。

みっきーの植物図鑑（第194回）

真冬の朝のウォーキングは極寒なので、できるだけ日当たりを歩きます。

なので、真冬に日陰になるルートは歩きません。

ですが、今朝はなぜかそっちに足が向きまして。

見つけたのが下の、何となくキクとタンポポに似た黄色い花です。

名前は「ツワブキ」です。

和名「ツワブキ」の由来は諸説ありますが。

１つは、艶のある葉を持ったフキの意味。
フキは「冬黄(ふゆき)」が転じた和名で、冬に黄色い花をつける植物には意外と「フキ」がつきますね。

もう１つの由来は、分厚い葉っぱを持ったフキから「厚葉蕗(あつはぶき)」がツワブキに転じた説。

どちらも特徴は花よりも葉っぱなんですね。

葉っぱは、写真のように厚みがあって丸いのが特徴。

でも私が気に入ったのが、甘い香りで、そう、バニラみたいな香りがするんです。

ツワブキの花言葉は「謙譲」「謙遜」「愛よ甦れ」「困難に負けない」です。

日陰できれいな黄色い花を咲かせる生命力から「愛を甦れ」。
日陰でも葉が茂ることから「困難に負けない」だそう。

なんとなく、今の自分の背中をそっと押してくれる花言葉だと思いました。

偶然に出会えてよかったです。

結びに

ほんなら、また来てな。
それでは、また来てね。

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【これまでの感想】

第1週『ワテ、歌うで！』
1 2 3 4 5 土
第2週『笑う門には福来る』
6 7 8 9 10 土
第3週『桃色争議や！』
11 12 13 14 15 土
第4週『ワテ、香川に行くで』
16 17 18 19 20 土
第5週『ほんまの家族や』
21 22 23 24 25 土
第6週『バドジズってなんや？』
26 27 28 29 30 土
第7週『義理と恋とワテ』
31 32 33 34 35 土
第8週『ワテのお母ちゃん』
36 37 38 39 40 土

朝ドラ「ブギウギ」の"♪楽しい～お方もぉ～～～"もCD化! 劇中歌を集めた「福来スズ子 傑作集」発売決定  

"史実"朝ドラ「ブギウギ」笠置シヅ子の東宝移籍騒動ミステリー 

朝ドラ「ブギウギ」オリジナル・サウンドトラック Vol.1★2023/12/20発売!!  

朝ドラ「ブギウギ」の“花田家”と“はな湯”の［史実］を知ると＜ドラマ＞の奥深さが更に見えてくる！ 

第9週『カカシみたいなワテ』
41 42 43 44 45 土
第10週『大空の弟』
46 47 48 49 50 土

［史実］朝ドラ「ブギウギ」関連・『♪ アイレ可愛や』と笠置シヅ子の生涯で唯一の恋愛相手のコト 

第11週『ワテより十も下や』
51 52 53 54 55 土

朝ドラ「ブギウギ」 水上恒司の実家“村山興業”関連の新キャラを【史実】と共に解説！更に朝ドラ「わろてんか」との関連も!! 

朝ドラ「ブギウギ」 笠置シヅ子と最愛の人“吉本穎右”との出会いから○○までを【史実】と共に解説！更に新説「シヅ子のマネージャー２人説」も!! 

第12週『あなたのスズ子』
56 57 58 59 60 土

［史実］朝ドラ「ブギウギ」笠置シヅ子の孤独な出産とこびない人生観が“ブギの女王”へのし上げた！ 

第13週『今がいっちゃん幸せや』
61 62 63 64

連続テレビ小説「ブギウギ」 （総集編 前編・2023/12/29） 感想 ※六郎にちなんで亀のお話も… 

第14週『戦争とうた』
65 66  土
第15週『ワテらはもう自由や』
67 68 69 70 71 土
第16週『ワテはワテだす』
72 73 74 75 76 土
第17週『ほんまに離れとうない』
77 78 79 80 81 土
第18週『あんたと一緒に生きるで』
82 82 83 84 85 86 土
第19週『東京ブギウギ』

×

さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～ （第4話・2024/2/4） 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第4話『勘違いな恋の喜劇』の感想。

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大輝（宮沢氷魚）と天音（當真あみ）、蓮（佐藤緋美）は、響（芦田愛菜）がバイオリンを弾く姿を目撃し、その卓越した技術に驚く。響は、晴見フィルへ勧誘してくる大輝に演奏の件を内緒にするよう頼むが、代わりに条件を提示される。一方、出前コンサートの会場で志帆（石田ゆり子）を見つけた俊平（西島秀俊）は、オケの練習に身が入らない。その後、2人は5年ぶりに対面することに…。
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

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原作：なし
脚本：大島里美（過去作/花燃ゆ,凪のお暇,妻､小学生になる｡）
演出：坪井敏雄（過去作/凪のお暇,ｶﾙﾃｯﾄ,わたﾅｷﾞ,妻､小学生になる｡） 第1～3話
　　　富田和成（過去作/ﾏｲﾌｧﾐﾘｰ 第5話のみ）
　　　石井康晴（過去作/逃げ恥,ﾗｽﾄﾏﾝ-全盲の捜査官-,ﾌｪﾙﾏｰの料理）
　　　元井桃（過去作/※地上波ﾄﾞﾗﾏ演出歴なし）
　　　トミー・チャン（過去作/隕石家族,ﾊﾞｲﾌﾟﾚｰﾔｰｽﾞ~名脇役の森の100日間~） 第4話
音楽：菅野祐悟（過去作/ﾃｾｳｽの船,危険なﾋﾞｰﾅｽ,罠の戦争,ゆりあ先生の赤い糸）
撮影監督：神田創（過去作/怪奇恋愛作戦,ｶﾞｰﾙｶﾞﾝﾚﾃﾞｨ,罠の戦争,鎌倉殿の13人）
音楽監修：広上淳一（東京音楽大学教授）
全面協力：東京音楽大学
料理監修：vita（過去作/下剋上球児,いちばんすきな花,ゆりあ先生の赤い糸,ﾏｲ･ｾｶﾝﾄﾞ･ｱｵﾊﾙ,ﾌｪﾙﾏｰの料理,ﾄｸﾒｲ!警視庁特別会計係,うちの弁護士は手がかかる）
主題歌：アイナ・ジ・エンド「宝者」
※敬称略

---

そもそも、今作は初期設定から盛り込み過ぎなのに！

＜愛菜ちゃんのバイオリンの当て振りがうますぎるぅ！＞
＜ついに恋バナ、ｷﾀ――(ﾟ∀ﾟ)――!!＞ ※死語か（苦笑）
な人が楽しくなるような感想は書かない…

と、ご丁寧に前置きして。。。と

そもそも、今作は初期設定から盛り込み過ぎなのだ。

●主人公・夏目俊平（西島秀俊）のマエストロとしての再生物語

●廃団の危機にある市民オーケストラ「晴見フィルハーモニー」の騒動物語

言いたかないが、類似作品と称されるドラマ『リバーサルオーケストラ』（日テレ/2023）は、上の２つだけで成立していたのだ。

でも今作は更に、下記まで盛り込んだ。

●父・俊平と娘・（芦田愛菜）の再生物語

そして今回で、次も盛り込んだ。

●俊平と妻・志帆（石田ゆり子）の再生物語

まあ、大きく括れば＜家族の再生物語＞となるわけだが。

それまで、要りますか？ ってことだ。

だって、指揮者再生とオーケストラ再生だけで、再生しようがしまいが “ドラマ” になるからだ。

娘と息子が隠れる意味はあるが、妻が隠れる意味すらない

もう少し掘り下げて考えてみると。

今回を見た限りでは、家族の再生を拒んでいるのは “妻の夫への不信感” であって。

娘も息子・海（大西利空）も、本心ではまんざら “鉄壁の父親嫌い” ではない様子だ。

こうなると、妻が夫を再認識するだけで、全部解決しちゃうし。

だから、娘と息子が隠れる意味はあるが、妻が隠れる意味すらない（笑）

当初の「豪華２本立て」はいずこへ？

ここからは、私の完全な推測と妄想。

キーパーソンは、今回の演出担当のトミー・チャン氏だ。

彼は放送前も放送開始直後も、スタッフリストに名前がなかった人物だ。

更に、過去の担当番組は深夜ドラマやスピンオフが多く。

今作は『日曜劇場』で、メイン監督の坪井敏雄氏に続いての起用は異常とは言わないが、かなり斬新だ。

そこから推察するのは。

恐らく、西島秀俊さんの妻役に有名俳優を配役したら、諸般の事情でエピソードを組み込み、更に１話分を提供した… というところでは？

だから、撮影以前の内容とスケジュールと変わってしまったため、急きょ演出担当を追加投入ではないかと。

断っておくが、こんなことはドラマ制作ではよくあることで、全く否定はしない。

ただ、 “大人の事情” があるにしても、プロならもう少しうまく作って視聴者を安心させてほしいのだ。

だって、ここまで晴見フィルの存在もメンバーも演奏も薄まると、ほぼ、いや完全に初期設定の意味がない！

当初の「豪華２本立て」はいずこへ？ そういうことだ。

前回まで、せっかく良いところがたくさんあったのに…

今回のエピソードを全否定はしない。

主人公の人間性、楽団メンバーのひとりを掘り下げるエピとしても悪くない。

面白いかどうかは、別にして（困）

やはり、前回まで下記の５つをキッチリと描いてきただけに残念だ。

　●楽団内のギクシャク
　●音楽性の違い
　●演奏スキルの課題
　●楽曲(名)とエピソードのシンクロ
　●「うたカフェ二朗」の店主で晴見フィルの最古参・小村（西田敏行）

理髪店の息子だから『セビリアの理髪師』で。

牛フィレ肉のロッシーニ風だから、美食家のジョアキーノ・ロッシーニって。

こんなの小学生でもやらないレベルの なぞかけだが（苦笑）

あとがき

繰り返しますけど。

なぜ、マエストロと晴見フィルの再生物語に絞り込んで描かないのでしょう？

だって、晴見フィルも「晴見あおぞら文化ホール」も制限時間があるんでしょ？

せめて、響のバイオリンを膨らませて、少し恋バナ程度にしたら良かったのに。

だって、予告編を見ると次回も “つづき” なんだから（失笑）

それと、仕上がりが安定するまでの演出は坪井敏雄さんと、もうお一人のベテラン、『逃げるは恥だが役に立つ』も担当された石井康晴さんで担当したほうが良いと思います。

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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 

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土曜ドラマ「お別れホスピタル」〔全4話〕 （第1話・2024/2/3） 感想

2024/02/05 15:0017 記事更新

NHK・土曜ドラマ『お別れホスピタル』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)

第1話〔全4話〕『死ぬってなんだろう』の感想。

※原作（漫画）の沖田×華『お別れホスピタル』は、放送開始時点で既刊11巻（連載継続中）、うち9巻まで読了。

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ある街にある病院の療養病棟。余命宣告を受けた患者さんや、病気と認知症でケアの必要な患者さんが入院している。看護師の辺見歩（岸井ゆきの）には、なぜか本音を出しやすいらしく、気難しい患者さんに振り回されたり、家族間のもめごとに巻き込まれたりしながら、限られた日々が最善であるよう奮闘する。そんななか５０代で胃がん末期の、合コンしようなどと明るく破天荒な患者さんと秘密を共有する。しかし彼の思わぬ行動に…
---上記のあらすじは[Yahoo！テレビ]より引用---

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原作(漫画)：沖田×華『お別れホスピタル』
脚本：安達奈緒子（過去作/透明なゆりかご,ｺｰﾄﾞ･ﾌﾞﾙｰ3,きのう何食べた?,朝ﾄﾞﾗ｢おかえりﾓﾈ｣）
演出：柴田岳志（過去作/みをつくし料理帖,透明なゆりかご,空白を満たしなさい） 第1話
　　　笠浦友愛（過去作/炎上弁護人,ﾐｽ･ｼﾞｺﾁｮｰ,一橋桐子の犯罪日記）
音楽：清水靖晃（過去作/みをつくし料理帖,透明なゆりかご,ﾏﾝｺﾞｰの樹の下で）
挿入歌：Chara「小さなお家」
Ｐ：小松昌代（過去作/朝ﾄﾞﾗ｢おひさま｣,花燃ゆ,少年寅次郎ｼﾘｰｽﾞ）
　　松川博敬（過去作/流行感冒,金色の海,ｴﾝﾃﾞｨﾝｸﾞｶｯﾄ）
※敬称略

はじめに

しばらく、下記の事情をご理解ください（謝）

未明に、いとしの妹が旅立ちました… 
妹が亡くなって１週間… 生きていることが何よりも尊く奇跡なんだ 

"死にゆく命" を通じて "あなたにとっての死とは?" を問う

原作（漫画）は既読だが、いつもどおり今作（実写ドラマ版）とは比較しない。

2週間前の1月20日(土)に、いとしの妹と “ホスピタル” で “お別れ” した管理人・みっきーです（笑）

笑えないか…

終末期病棟で働き始めて２年目の看護師を通して描く “様々な死” のドラマだ。

2018年夏ドラマとして放送された NHKドラマ10『透明なゆりかご』の原作（漫画）となった『透明なゆりかご 産婦人科医院 看護師見習い日記』の作者・沖田×華 氏が…

“産まれる命”の次に描いたのが “死にゆく命” を通じて「あなたにとっての死とは？」を問う作品だ。

『透明なゆりかご』のスタッフが再集結してのドラマ化

『透明なゆりかご』同様に、非常に映像化が難しいと容易に想像できるのが今作だ。

いや、正確には、原作が伝えたいコトを生身の人間が演じるテレビドラマ化して、視聴者へ確実に伝えるのが困難極まる作品だ。

従って、挿入歌まで Charaさんを起用し、『透明なゆりかご』のスタッフが再集結してのドラマ化だと思う。

原作者の声を聞いたわけでないが。

このスタッフは、原作の漫画にある絵によるコミカルなテイストをいい塩梅で薄めつつ、クスっとできる着地点に落とし込むのがうまい。

今作… である。

今作では、"死にゆく命" と "生きづらい命" も扱っている

さて、本編の感想だ。

“産まれる命”を扱った際も、「おめでとうございます」だけでなかったが。

今作では、“死にゆく命” と “生きづらい命” も扱っているから、思ったよりもずっしりとシリアスだ。

何せ、長尺の 18分間のアバンタイトル中に、あの人もこの人も… だから。

個人的には、見るのも、感想を書くのもつらい。

余命６か月の末期がん患者・本庄昇（古田新太）の言葉がズシリと刺さる。

本庄「自分の人生は 自分が決める。
　それが当たり前だと思ってた。
　けど… それは健康だから できたことなんだよなあ」

そのとおりだ。

自分で選ぶ死もあろうが（世界には「尊厳死」が認められている国もある）、死ぬつもりなんてないのに訪れてしまった死も多いと思う。

もちろん、遺(のこ)された人間にとっても「なぜ？」という死もあると思うし。

回りくどいが、医師も家族も「退院できる」と思っていた人が数時間後に急変して亡くなる現実を見たばかりの私には、今作をどう見てどう捉えるべきか？全く分からなくなったというのが本音 だ。

簡単に答えが出ないし出せないテーマに力強く踏み込んだ意欲作

しかし、終盤で主人公・辺見歩（岸井ゆきの）が妹・佐都子（小野花梨） にぶつけた次のセリフに、終末期医療に携わる看護師の悲痛な叫びが込められていたのに、ハッとした。

歩「生きたくても生きられない人もいるんだよ!?
　(中略)つべこべ言わずに生きろよ！」

妹にはキツすぎる言葉と分かっていても、言わずにはいられなかった主人公の心情こそ。

あなたにとって、何をもって自分が “生きている” と、するのか？

大切な人にとって、何が失われることがその人にとって “生きていないのと同じこと” と、するのか？

そもそも、“生きる” とはどういう状況、状態を指し。

大切な人は今でも私の心の中で “生きている” のと、何が違うのか？

簡単に答えが出ない、出せないテーマに力強く踏み込んだドラマだと思う。

あとがき

次回以降の感想は、内容次第でつらいので無いかも…（謝）

それと、私は基本的に “テレビドラマ” には下記のように思っています。

本当にそれは“死や病”でしか＜ドラマ＞で描けないのか!? 

しかし、今作のように “死や病” でしか描けないものを描くなら否定はしませんので。

自殺相談窓口　＃いのちのＳＯＳ
チャットとメール相談：https://www.lifelink.or.jp/inochisos/ 
電話：[phone]　←タップで電話できます

きつく感じる人もいるでしょうけど、今日の私は「つべこべ言わずに生きろよ！」って思っています…

関連投稿です。良かったら読んでみてください。
↓　　↓　　↓
拍手コメント返信(2024/2/5)その2:「お別れホスピタル(第1話)」 ※自分の存在、自分の命は、自分だけのものではないし、誰のものでもない(濃い話です) 

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連続テレビ小説「ブギウギ」 （第18週/土曜日版・2024/2/3） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ブギウギ』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube

第18週『あんたと一緒に生きるで』の「土曜日版」の感想。

 

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

---

妊娠６か月のスズ子（趣里）は、羽鳥善一（草彅剛）とともに「ジャズカルメン」の稽古を開始する。看護師の東（友近）にも支えられながら、順調に稽古を進め、いよいよ本番の日を迎える。一方、大阪の病院に入院している愛助（水上恒司）とは、しばらく会えないままでいた。手紙でしかお互いのことを知ることができない日々が続いていたのだが…愛助の結核の病状は刻々と悪化していた。そんな中、スズ子は出産を迎える。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---

---

原作：なし
脚本：足立紳（過去作/六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,拾われた男 Lost Man Found） 第1～8,11,12,17,18週
　　　櫻井剛（過去作/表参道高校合唱部!,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第9,10,13～16週
演出：福井充広（過去作/てるてる,家族純情きらり,ﾐｽ･ｼﾞｺﾁｮｰ） 第1,3,8,13,14週
　　　二見大輔（過去作/半分､青い｡,なつぞら,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第11,12,18週
　　　泉並敬眞（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,7,9,17週
　　　鈴木航（過去作/あさが来た,べっぴんさん,ｽｶｰﾚｯﾄ） 第4,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,とと姉ちゃん,おちょやん） 第6,10,15,16週
音楽：服部隆之（過去作/王様のﾚｽﾄﾗﾝ,翔太の寿司,のだめｶﾝﾀｰﾋﾞﾚ,HERO）
歌劇音楽：甲斐正人（過去作/映画｢蒲田行進曲｣(松竹/1982)劇伴担当）
舞台演出：荻田浩一（過去作/元宝塚歌劇団所属の演出家）
ロゴ・OP映像：牧野惇（過去作/東京ﾊﾟﾗﾘﾝﾋﾟｯｸのｵ-ﾌﾟﾆﾝｸﾞ映像）
主題歌：中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
語り：高瀬耕造（NHK大阪アナウンサー）
「土曜日版」ナレーション：北郷三穂子（NHK大阪アナウンサー）
制作統括：福岡利武（なつぞら,青天を衝け）
　　　　　櫻井壮一（過去作/おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
※敬称略

---

今週は見るのも、感想を投稿するのも本当につらかった…

ウチのブログに来てくれて、ありがとさん。
（私のブログに来てくれて、ありがとうございます。）

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、ウチが管理人のみっきーやで！
（「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人のみっきーです！）

陣痛がきてからの荷造り、カットしましたね。

スズ子「何で ワテの大切な人は
　はよう いなくなってしまうんや…」

感想に入る前に、ちょっとだけ。

愛助（水上恒司）が近々病死しすることは、［史実］から分かっていました。

朝ドラの構成上、今週中に「未婚の母」になる展開も予想できていました。）

ただ、その一連を描くくだりの放送中に、妹が病気で急逝するとは夢にも思いませんでした。

だから、先週と今週は見るのも、感想を投稿するのも本当につらかったです。
もちろん、嫌々書いていたわけではありません…

だから、くどいですけど、本当にそれは“死や病”でしか＜ドラマ＞で描けないのか!? 　なんです。

事実があろうと、初回で描いたとしても…

黄＜モデルとなる人＞がいるから、無理やりに［史実］に沿う必要がありますか？ と。

TBS系・金曜ドラマ『不適切にもほどがある！』のように＜注意書き＞する手もあるし。

「初回があったでしょ？」だって。

主人公が、未婚で知り合いなどの子どもを母親代わりで育てている… でも良いわけで。

『大河ドラマ』だって、歴史に沿ってはいますが史実や事実と異なる表現はありますよね。

だったら、朝ドラなんだから、フィクションなんだから、「史実が」と目くじら立てる必要はないのでは？

それこそ愛助の子を妊娠したけど、愛助はアメリカに行ってエンタメを勉強しつつ、小夜（富田望生）とサム（ジャック・ケネディ）が紹介したアメリカ女性と結婚した… でいいし。

親友のタイ子（藤間爽子）や親友のタイ子（藤間爽子）が何らかの事情で子どもを育てられないからスズ子が引き取ったでもいいと思いますけど。

やはり、経験者、体験者として、毎日見て日常化している朝ドラで「モデルがいるから」「事実だから」と、主要キャラクタの “死” は盛り込んでほしくないと改めて痛感しています。

「土曜日版」だけ見ている視聴者向けのダイジェスト版

さて、前置きが長くなったので、ここから本題だ。

今週はご存じのとおり、以下の＜豪華三本立て＞だ。

舞台「ジャズカルメン」、スズ子の妊娠と出産、愛助の非業の死。

それぞれを１週間を使って、丁寧に紡ぎ、ほぼ期待どおりに＜映像で見せて（show）魅せ（fascinate）た！＞と思う。

そんな濃厚な５日分を１回分の 15分にまとめたのだから、薄味になるのは仕方あるまい。

ただ、想像以上にまんべんなく＜豪華三本立て＞が盛り込んであったのは良かった。

特に、「土曜日版」だけ見ている視聴者にとっての “ダイジェスト版” として間違った編集ではないと思う。

ただ、「本編」を見た私にとっての “ダイジェスト版” なら、木曜日と金曜日の “超ダイジェスト版” も見たかったかなぁと。

月曜日から水曜日分は、ナレーションで補強しつつ、ステージシーンだけ盛り込んで。

でも、繰り返すが、「土曜日版」だけ見ている視聴者向けには良くできたダイジェスト版だったといえる。

あとがき

やはり、「本編」を見ていないと。

スズ子の無言の９秒間も…
ラストの “叶(かな)わぬことのなかった未来予想図” 的なファンタジーも。

本当の意味も価値も良さも伝わりませんね。

結局、「見るなら本編でしょ？」ということです。

先週に続き、個人的なことを綴りまして、申し訳ないです…

みっきー's ブギウギ（第31回）

今日は「節分」ですね。

我が家では代々「豆まき」はやりますが、「恵方巻」を食べる習慣は未だになくて。

でも、「イワシの丸干し」は大好きで、年に数回自分で焼いて食べますよ。

で、昨日スーパーに行ったら、たくさん「イワシの丸干し」が売っており嬉しくなって買って帰りました。

あとから妻に「節分だからイワシの丸干し買ってきたの？ 珍しいね」って。

そういえば、「イワシを焼いた匂いを鬼が嫌いだから」なのを思い出しました。

ってことは、イワシが大好きな私は “鬼じゃなくて福” でいいですよね（笑）

季節の変わり目で体調変化など何かと大変ですが、みんなが健康で幸せに過ごせますように！

結びに

ほんなら、また来てな。
それでは、また来てね。

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【これまでの感想】

第1週『ワテ、歌うで！』
1 2 3 4 5 土
第2週『笑う門には福来る』
6 7 8 9 10 土
第3週『桃色争議や！』
11 12 13 14 15 土
第4週『ワテ、香川に行くで』
16 17 18 19 20 土
第5週『ほんまの家族や』
21 22 23 24 25 土
第6週『バドジズってなんや？』
26 27 28 29 30 土
第7週『義理と恋とワテ』
31 32 33 34 35 土
第8週『ワテのお母ちゃん』
36 37 38 39 40 土

朝ドラ「ブギウギ」の"♪楽しい～お方もぉ～～～"もCD化! 劇中歌を集めた「福来スズ子 傑作集」発売決定  

"史実"朝ドラ「ブギウギ」笠置シヅ子の東宝移籍騒動ミステリー 

朝ドラ「ブギウギ」オリジナル・サウンドトラック Vol.1★2023/12/20発売!!  

朝ドラ「ブギウギ」の“花田家”と“はな湯”の［史実］を知ると＜ドラマ＞の奥深さが更に見えてくる！ 

第9週『カカシみたいなワテ』
41 42 43 44 45 土
第10週『大空の弟』
46 47 48 49 50 土

［史実］朝ドラ「ブギウギ」関連・『♪ アイレ可愛や』と笠置シヅ子の生涯で唯一の恋愛相手のコト 

第11週『ワテより十も下や』
51 52 53 54 55 土

朝ドラ「ブギウギ」 水上恒司の実家“村山興業”関連の新キャラを【史実】と共に解説！更に朝ドラ「わろてんか」との関連も!! 

朝ドラ「ブギウギ」 笠置シヅ子と最愛の人“吉本穎右”との出会いから○○までを【史実】と共に解説！更に新説「シヅ子のマネージャー２人説」も!! 

第12週『あなたのスズ子』
56 57 58 59 60 土

［史実］朝ドラ「ブギウギ」笠置シヅ子の孤独な出産とこびない人生観が“ブギの女王”へのし上げた！ 

第13週『今がいっちゃん幸せや』
61 62 63 64

連続テレビ小説「ブギウギ」 （総集編 前編・2023/12/29） 感想 ※六郎にちなんで亀のお話も… 

第14週『戦争とうた』
65 66  土
第15週『ワテらはもう自由や』
67 68 69 70 71 土
第16週『ワテはワテだす』
72 73 74 75 76 土
第17週『ほんまに離れとうない』
77 78 79 80 81 土
第18週『あんたと一緒に生きるで』
82 82 83 84 85 86 

×

不適切にもほどがある！ （第2話・2024/2/2） 感想

TBS系・金曜ドラマ『不適切にもほどがある！』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TicTok

第2話『一人で抱えちゃダメですか?』の感想。

---

再び令和に来た市郎（阿部サダヲ）は、昭和にいるサカエ（吉田羊）とスマートフォンでビデオ通話を行い、タイムスリップしたという市郎の話を信じていなかった渚（仲里依紗）らは驚きを隠せない。一方で、市郎は純子（河合優実）とキヨシ（坂元愛登）の関係が進むのを未然に防ぐため、サカエに今すぐ自宅へ向かってくれと懇願。市郎は改めてこれまでの経緯を説明し、渚の涙の理由を聞く。
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

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原作：なし
脚本：宮藤官九郎（過去作/あまちゃん,ゆとりですがなにか,俺の家の話）
演出：金子文紀（過去作/恋つづ,逃げ恥,俺の家の話） 第1,2話
　　　坂上卓哉（過去作/死にたい夜にかぎって,ﾌﾞﾗｻﾞｰ･ﾄﾗｯﾌﾟ）
　　　古林淳太郎（過去作/100万回 言えばよかった）
　　　渡部篤史（過去作/ﾊﾟﾘﾋﾟ孔明,100万回 言えばよかった）
　　　井村太一（過去作/ﾍﾟﾝﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾚｲﾝ-8時23分､明日 君と第5話のみ）
音楽：末廣健一郎、MAYUKO、宗形勇輝
振り付け：八反田リコ（過去作/ｳｫｰﾀｰﾎﾞｰｼﾞｽﾞ"陸ﾀﾞﾝｽ",うぬぼれ刑事,吾輩は主婦である）
ミュージカル作曲：MAYUKO（過去作/海月姫,ﾁｱ☆ﾀﾞﾝ,ﾒｿﾞﾝ･ﾄﾞ･ﾎﾟﾘｽ）
主題歌：Creepy Nuts「二度寝」
Ｐ：磯山晶（過去作/ごめんね青春!,俺の家の話）
　　勝野逸未（過去作/俺の家の話,王様に捧ぐ薬指）
　　天宮沙恵子（過去作/ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｽ作品不明）
※敬称略

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少し哲学的要素が盛り込まれた、おふざけテイストは大好物

これ、第1話を見たときは、第2話以降、どこまでエスカレートするのかと思ったが。

第2話を見終えて。

想像以上に、昭和なホームドラマで、大人のラブコメで、本格的なミュージカルなんだなぁと。

そして、昭和の価値観を “イマドキの正論” と位置付けた “余計な気遣いだらけのイマドキの常識” へのアンチテーゼ（＝否定的命題）の提示なんだなぁと。

ハッキリ言うが、こういう、ちょっと哲学的要素が盛り込まれたおふざけテイストは大好物だ。

そう、本質的な部分は分かる人だけ分かれば良い的な。

ある意味で “万人向け” とは一味違った “癖になる味付け”こそ、大勢が支持することが正義のような視聴率や動画再生回数という “数字がいのち”的な今のテレビ業界への反発で。

でもそれを、テレビドラマでやるというバカげた矛盾と大真面目なアプローチは、宮藤官九郎氏の脚本らしい攻め方だ。

しっかりと昭和と令和の人間の違いと共通点を掘り下げた！

さて、もう少し掘り下げてみると。

前回よりは「アイテムによる昭和あるある」は少なめだった今回。

その分、「価値観や意識の昭和あるある」をふんだんに盛り込んで、昭和61年（1986）と令和6年（2024）のギャップをキッチリと描いた。

やはり、流行語や流行ったアイテム紹介をメインにしたら “ドラマ” である意味がないと思う。

“ドラマ” とは “人間の本質を描くこと”であるから。

ここは、しっかりと昭和と令和の人間の違い、共通点を掘り下げて描いてきたのはお見事だ。

回想シーンもミュージカルも、丁寧な作り込みがスゴイ

もう一つお見事だったのは、回想の挿入箇所と作り込みだ。

第1話では曖昧に終わったのが、令和にやってきた小川市郎（阿部サダヲ）市郎のタイムスリップ話を信じていなかった犬島渚（仲里依紗）と秋津（磯村勇斗）の関係性だった。

すると第2話では、ガッツリと回想シーンとして組み込んできた。

それも、かなりの大人数の登場人物をしつらえて、丁寧な回想（＝状況説明）に仕立ててきた。

ここまで、今のテレビ局お仕事事情という裏話を利用しつつ、繰り返すが「価値観や意識の昭和あるある」を盛り込んでギャップを＜映像で見せて（show）魅せた（fascinate）！＞のはスゴイ。

もちろん、元劇団四季所属で、朝ドラ『エール』（NHK/2020年度前期）では昭和の名歌手‘藤山一郎’がモデルの山藤太郎を演じ、『長崎の鐘』を唄った場面は今でも印象的だ。

やはり、今作のミュージカル、音楽も振り付けもダンスも歌も、本気で本物を作ろうとしているのが伝わってくるのがいい。

連ドラとして楽しいし、何より分かりやすいのがいい

もう少し書いてみる。

第1話で気になっていたのが、フェミニストの社会学者・向坂サカエ（吉田羊）と、下ネタ好きの息子・キヨシ（元愛登）の母子。

一体何のために存在するのか、曖昧だった。

しかし、今回でタイムトラベルとタイムマシーンの説明があって、至極納得）だ。

更に、第1話でさり気なく？ 強調されていた 2年B組中学生・井上（中田理智）。

そう、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は18回観て、将来は学者になってタイムマシンを発明し、30年後の未来から六中2年B組にタイムスリップしてくることだと発表したメガネの中学生だ。

彼が、例話でタイムマシーン第1号機を作った首都工業大学の井上昌和教授で、サカエの夫であることがほぼ確定。

この辺の “連ドラ” としての仕掛けも楽しいし。

同じ TBSで放送されたタイムスリップものの『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』と同じで、過去と未来の行き来が激しい展開ではあるし。

タイムスリップものでないが、やたらと過去と現在と未来をごちゃ混ぜにした『トリリオンゲーム』『フェルマーの料理』のように、映像的なギャップが不十分で不完全燃焼だったのに比べても、良くできている。

この行ったり来たりで「分かりにくい」と感じる人はあまりいないと思うが。

次回以降に期待したいのは今も続いているテレビ番組のこと

ちょっと惜しいなと思うこともある。
いいや、次回以降に期待したいこと… だ。

それは、ギャップを描くのは良いのだが。

逆に、変わらないもの、いいや、ず～っと続いているものも登場させてもいいのかなと。

それこそ今回なら、スマホにも、茶巾袋にも、全部ひとつに思い出が詰まっていて盛り歩いている… なんて素敵な描写があった。

だったら、舞台がテレビ局、それも TBSなら。

昭和61年4月19日から今も放送が続いている『日立 世界・ふしぎ発見！』や、昭和60年10月から放送中の『アッコにおまかせ!』もあるし。

他局の協力を仰げば…

『新婚さんいらっしゃい!』（朝日放送テレビ（旧：朝日放送））や、『パネルクイズ アタック25→パネルクイズ アタック25 Next』（朝日放送テレビ（旧：朝日放送）、『徹子の部屋』（テレビ朝日（旧：NET））だってある。

市郎が「今も放送してるんだあ」なんて、テレビ史に触れるのも悪くないと思う。

あとがき

一郎の一人娘・純子（河合優実）が、亡くなった母・小川ゆり（イワクラ ex.蛙亭）を思い出して泣いている父のためにグレてるとか。

大切な思い出は肌身離さず持っていたいとか。

時代は変わっても、変わらないものをうまく盛り込んでいるのは、『俺の家の話』や『妻、小学生になる。』につながる『金曜ドラマ』枠らしい系譜だと思います。

次回も期待します。

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