連続テレビ小説「虎に翼」 （第103回・2024/8/21） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第103回／第21週『貞女は二夫に見えず？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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星家にやってきた寅子（伊藤沙莉）と優未（毎田暖乃）。団らんの食事が進む中、航一（岡田将生）は家族にある提案をする。航一の継母・百合（余貴美子）は大反対する。航一の長男・朋一（井上祐貴）、長女・のどか（尾碕真花）はそれでも構わないと言うが―。そんな中、轟（戸塚純貴）の提案で、寅子は優未と航一と、轟の仲間たちの集まりに参加することになる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11,14,16,19,20週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8,13.18週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9,12週
　　　伊集院悠（過去作/ｵｰﾃﾞｨｵﾄﾞﾗﾏ･FMｼｱﾀｰ｢告白の対価｣静岡局制作） 第15週
　　　相澤一樹（過去作/BSﾌﾟﾚﾐｱﾑ:善人長屋 第5話のみ,単発:月食の夜は） 第17週
　　　酒井悠（過去作/兵庫発地域ﾄﾞﾗﾏ｢あったまるﾕｰﾄﾋﾟｱ｣,FMｼｱﾀｰ｢ふたつのせかい｣） 第21週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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"台本遅れ" でクランクアップに間に合わない！

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
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こまめに水分補給してくださいね。

8月19日(月)の夜には知っていたのだが、敢えて紹介しなかった記事がこれ。

【独占】伊藤沙莉主演NHK朝ドラ『虎に翼』緊急事態が発生か、“台本遅れ”でクランクアップに間に合わない！ | 週刊女性PRIME 

詳しくは記事を読んでいただきたいのだが。

今回の 15分間に、記事中の “台本遅れ” の原因が見えたので、その部分も併せて書いてみる。

「ふたたびの東京編」から、やや表現がしつこくなっている

アバンタイトルの序盤。

星家にやってきた寅子（伊藤沙莉）と優未（毎田暖乃）が航一（岡田将生）ら家族と食事中。

その席で、航一は佐田姓を名乗ることを提案し、航一の継母・百合（余貴美子）が大反対。

航一の長男・朋一（井上祐貴）、長女・のどか（尾碕真花）は佐田姓を名乗ることを容認する。

そんな会話に割って入った寅子がこう言う。

寅子「ちょっと待ってください！
　いつ 私が 航一さんに
　佐田姓になってほしいと言いましたか？」

これ、普通の会話、今作らしさを重視すれば、例の「はて？」のひと言で済むはずだ。

もしくは、「ちょっと待ってください！ いつ 私が？」でも、言いたことは伝わる。

もう、お分かりだろう。

セリフが、明らかに “しつこい” のだ。

いいや、内容をきちんと精査するなら “丁寧過ぎる” がしっくりくると思う。

こういう言い回しは、実は「新潟編（第16週 - 第19週）」になってから増え始めていた。

しかし、先週の「ふたたびの東京編（第20週 - ）」になってから顕著になったのだ。

なぜ、「ふたたびの東京編」から特にそうなったのか？

続きは、感想の後半で。

まずは、 “丁寧すぎません？” な気持ちもアリで、メインタイトル映像明けから見てほしい。

ここでの最大のポイントは、桂場の寅子に与えた一撃

メインタイトル映像明け。

この度の「夫婦別姓問題」が、「一般的な夫婦の問題」とは違うことを鋭く突く描写だ。

ここでの最大のポイントは、桂場（松山ケンイチ）の寅子に与えた一撃だ。

寅子「私が法的に
　星 寅子になったとしても
　仕事の上で 佐田寅子を名乗ることは
　できないでしょうかと。
桂場「そんなもの駄目に決まっているだろ」
寅子「桂場さんも夫婦は同じ姓を名乗るべきだと？」
桂場「違う。君が裁判官だからだ」

このあと、「それぞれのこだわり」についての言及、謝罪があり。

ナレーションでの補足も入り。

ひとりの男性の意見、寅子の上司としての態度、当時の法曹界の人間の立場を短く、分かりやすく、そして「あんこの味」と少しシニカルにも伝えた。

このように、やや難しいことを、端的に明解に描くのが今作の良いところだ。

意外なのは、この桂場と寅子のやり取りが「公式サイトのあらすじ」に一文字も掲載されていないことだ。

昭和時代は見ず知らずの人が握ったおにぎりを普通に食べた

このまま、前回のように寅子が悶々と自問自答、沈思黙考するのかと思いきや。 「夫婦別姓」のくだりで、今回も轟（戸塚純貴）を絡めてきた。

それも、私の想像、予想をはるかに上回る展開だ。

轟のパートナー・遠藤時雄（和田正人）を含めた同性カップルの千葉（ニクまろ）と秋田（水越とものり）、性転換手術を受けたバー経営者・山田（中村 中）の集まりだけえでも凄いのに。
※「中村 中さん」の起用に、NHKの本気度は感じます！

航一はよしとして、なんと娘・優未（毎田暖乃）まで参加。

更に、自己紹介後には、山田よね（土居志央梨）と梅子（平岩紙）が！

平成時代や令和時代は、「他人が握ったおにぎりＮＧ」なんて主張は珍しくないが。

昭和時代は、冠婚葬祭に限らずに見ず知らずの人が握ったおにぎりを普通に食べたものだ。

どっちが良いとか悪いではないが、「そういう時代があった」という描写としても悪くない。

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

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回りくどい会話劇だが、"らしさ" が溢れる表現

で、注目、傾聴したいのは、次のやり取りだ。

山田「でも 頑張ったり 理由を考えたり
　説明したりしなきゃ
　自分が認められないことがずっと苦しいの」
千葉「僕らだけ いつも理由が求められる。
　『いつから異性が好きなのか』なんて質問
　絶対にされないのに」
優未「本当だ。理由なんていらないのにね」
よね「一つに決めつけるな。
　理由がいる時だってあるぞ」
優未「えっ？」
よね「私は　男になりたいわけじゃない。
　女を捨てたかっただけだ。
　自分が女なのかと言われれば もはや違う。
　恋愛うんぬんは 男も女も心底くだらない
　そういうやつもいる」
千葉「そもそも 型に はめる必要なんてないし
　自分が何者かを
?誰かに分かってもらう必要もない」
秋田「そうそう
　俺たちが お互いを分かっていれば」

これまでも、“様々な多様性” を描いてきた “ドラマ” として。

新しい時代のリーガルドラマをベースにした “朝ドラ” として。

主人公が自分の疑問を当事者に直接聞いて判断しようとするブレイクスルー(問題解決)能力を描くのは悪くない。

描くなら、中途半端でなく、徹底的に描くことも、分かりやすく伝える点で間違ってもいない。

私自身が、そもそも回りくどいし、説明好きだから、ほとんど気にならないが。

誤解されないために"丁寧過ぎる"のも、時と場合による

ただ、最近の今作のネット上の話題を読むと、「裁判官編（第10週 - 第15週）」の際の「とにかく、笑えて泣けて感動！」みたいな意見が少なくなっているような気がするのだ。

その理由が、上記の会話劇を “読んだ” だけで分かると思う。

一つひとつのセリフも、複数名での対話も、やはり “少しだけしつこい” のだ。

そう、前述のとおりで “丁寧過ぎる” のだ。

もちろん、LGBTQ+に関することは、とても繊細で、間違ったことを描くわけにいかないから、できるだけ誤解を招きかねない表現は避けているのだ。

繰り返すが、内容自体は間違っていない。

でも、多くの視聴者は私のように「常時、字幕オン」で見ないと思う。

となると、そう、 聴覚情報として“単位時間内の情報が多すぎる” と感じてしまうのだ。

だって、書き起こしの文字だけでも、相当な情報量だから、演技とセリフだけではちょっと難しい、簡単に楽しめないと感じる人がいるのではないかと。

冷静に見て読めば分かるが、あちこちにセリフとして紋切り調すぎて欠落している表現もあるし。

何よりも、“ドラマ” としての “間” がほとんどないため、いつもある ＜会話劇としての面白味＞ も、ほぼないし。

ただ、繰り返すが、朝ドラでこれだけの内容を３分程度の会話に盛り込んで成立させるのは、脚本と演出と演技の成せる業であることは間違いない。

そこは誤解の内容に… と、“しつこく” 書いておく（笑）

終盤に、２回も天下の宝刀「はて？」を抜いた！

この会話劇で「続く」としないのも、今作らしさだ。

きっと、脚本の吉田恵里香氏も「何か物足りない」と感じたに違いない。

12分過ぎと、ラストの２回、天下の宝刀「はて？」を抜いた！

そして、今回で最大の “しつこい” 表現で。

航一「僕たち 結婚するの やめましょう。
　すぐ こう言えず ごめんなさい。
寅子「航一さん 私…」
遠藤「あ… あの… ご… ごめんなさい。
　あの 僕たちが余計なことを言ってしまったから…」
轟「ああ そうだ すまない！佐田は それでも
　あなたと結婚したいと決意したところなんだ。
航一「なるほど。
　言葉足らずだったようです。
　僕が やめようと言ったのは
　いわゆる婚姻届を出して行う結婚のことです」
寅子「はて？」

航一が、「寅子さん、僕たち法律上の結婚をやめましょう」とひと言いえば済む話だ。

でも、それでは、轟と遠藤らを登場させ絡ませた意味がなくなる。

そこで、「法律上の結婚をしたい同性カップル」と「法律上の結婚をするから問題山積の法律家カップル」の対比を簡潔にやったのだ。

それも、想定外の展開として “寅子抜き” で進めた格好だ。

なかなか、考え抜かれた構成だと感心しまくりだ。

あとがき

私自身が、誤解をされたくないという自己防衛本能の塊なので、ついつい “しつこい” 表現を使ってしまいます。

ですから、今作の表現も「ちょっと回りくどいな」と感じる一方で、「これくらい書けば誤解されないな」と納得しているわけです。

個人的には、表現はこのままで良いとして、もう少し “多様性の盛り込み” を減らしたらどうかな？ と考えます。

劇中で桂場が言っていた（脚本家が言わせた）ように、ここ最近、公式サイトに書いてある「道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を描く」とは離れているように思うからです。

そんなに視聴者に合わせる必要はないと思います。

それこそ、作家性、作家としての矜持を貫いていただきたいです。

それ以前に、そろそろ “ヒグラシ” の効果音を都合よく使う演出はやめたほうが…

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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【これまでの感想】

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1 2 3 4 5 土 
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6 7 8 9 10 土 
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11 12 13 14 15 土 

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16 17 18 19 20 土 
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21 22 23 24 25 土 
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26 27 28 29 30 土 
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31 32 33 34 35 土 
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36 37 38 39 40 土 
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第17週『女の情に蛇が住む？』
81 82 83 84 85 土 

第18週『七人の子は生すとも女に心許すな？』
86 87 88 89 90 土 

第19週『悪女の賢者ぶり？』
91 92 93 94 95 土 

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第20週『稼ぎ男に繰り女？』
96 97 98 99 100 土 

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101 102 

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連続テレビ小説「虎に翼」 （第102回・2024/8/20） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
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第102回／第21週『貞女は二夫に見えず？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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結婚したらどちらかの名字が必ず変わることに改めて気付いた寅子（伊藤沙莉）は、自分が星姓を名乗るべきか佐田姓を名乗るべきかで悩む。そしてそんな寅子の様子を娘・優未（毎田暖乃）は心配そうに見つめていた。寅子は轟（戸塚純貴）の事務所を訪ね、軽はずみな発言をしたことを謝罪する。その上で名字についての悩みを相談。答えがはっきりとは決まらないまま星家へ向かうが─。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11,14,16,19,20週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8,13.18週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9,12週
　　　伊集院悠（過去作/ｵｰﾃﾞｨｵﾄﾞﾗﾏ･FMｼｱﾀｰ｢告白の対価｣静岡局制作） 第15週
　　　相澤一樹（過去作/BSﾌﾟﾚﾐｱﾑ:善人長屋 第5話のみ,単発:月食の夜は） 第17週
　　　酒井悠（過去作/兵庫発地域ﾄﾞﾗﾏ｢あったまるﾕｰﾄﾋﾟｱ｣,FMｼｱﾀｰ｢ふたつのせかい｣） 第21週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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前回で書いた「イマジナリー寅子」を簡単に解説…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。

最初に、前回で書いた「イマジナリー寅子」が十分に理解されていなかったようなので補足。

そもそも、「イマジナリー」の語源は、かのウォルト・ディズニーが世界中のディズニーのテーマパークを建設する際に創設したウォルト直属の品質管理をする会社名「ウォルト・ディズニー・イマジニアリング」が元になっているとされている。
※諸説あります。

また、その会社で働く人たちは “イマジネーション（想像力）”と“エンジニア（技術者）”を組み合わせて、“イマジニア” と呼ばれている。

そして、「イマジナリー」の多岐多様な変遷の一つが…
2021年に公開されたアニメ映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の中に登場した「エヴァンゲリオンイマジナリー」という概念。

誤解を恐れずに書くと、「イマジナリー」は虚構と現実に存在する想像上のキャラクターで、人間だけが認知できる存在。

だから、当ブログでも、これまで、亡くなった優三を「イマジナリー優三」、東京にいるはずなのに新潟に存在した「イマジナリー猪爪一家」などと書いてきたわけだ。

まっ、難しく考えずに、「普通は見えない存在だけど、見えるし、会話もできちゃう不思議キャラ」で良いと思う（笑）

「伊藤沙莉さんのひとり芝居」で描くアイデアが秀逸！

さて、なかなか「本編」の感想には進めない（汗）

でも、これだけは言っておきたい。

昨日、ネットニュースで馬鹿げた記事を読んでしまった。

「虎に翼」名字問題浮上でネットもはて？すでに佐田姓で「え？今更？」【ネタバレ】/芸能/デイリースポーツ online 

これまで、徹底的に辻褄合わせをやってきた吉田恵里香氏の脚本を読んでいれば、「今更？」のはずがないことは多くが理解していると思う。

でも、きっと僅かだが「名字変更を今更？」と考える視聴者がいると考えたのも、私は吉田恵里香氏らしいと感心した。

もちろん、今回のアバンタイトルでの、複数人の “イマジナリー寅子” と “夢の中の寅子” たちの共演による解説だ。

まあ、本来なら、この程度のことは「見ていれば分かる」と思うが。

そこを、敢えて面白おかしく「伊藤沙莉さんのひとり芝居」で描くアイデアが秀逸だ。

タイムリーなネタで例えるなら『インサイド・寅子's ヘッド』だ。

寅子（伊藤沙莉）の口癖「はて？」を連呼して、自問自答と脳内会議の映像化。

まあ、敢えてひと言いいたいのは、紗がかかったような「ロー・コントラスト(全体の色の濃淡の差が少ない)処理映像」ではなく…

今作で度々登場する「黒背景で舞台中継風」の演出のほうが、連ドラとしての統一感や一体感は創出できたと思うが。

前回同様に、演出担当はいろいろ試してみたいお年頃なのだろう。

評価したいのは、二択を迫らず結論ではく議論を描いたこと

いや、このアバンタイトルで評価したいのは、「伊藤沙莉さんのひとり芝居」もあるが、「名字は変えるべき」か「名字を変える必要なし」と二択を迫ることもせず、議論を描き、結論を描かなかったことだ。

今作がこれまで描いてきたことと併せ考えると…

「自分の頭の中では、どちらが正しくて正しくないのか決める必要はない」「無我夢中で生きよう」と主張しているのだ。

こうした、仕事上での寅子とほぼ真逆な、私生活の寅子とのギャップこそが、寅子らしさであり、今作らしさの源だと思う。

猪爪家の朝食シーンから、轟の事務所への展開のスムーズさ

メインタイトル映像明けは、名字選択で眠れなかった寅子を囲んでの猪爪家の朝食シーン。

そこでの、直人（青山凌大）と直治（今井悠貴）のやり取りだ。

直治「りょうせい？」
直人「男と女ってこと」

この “やり取り” を経由して、寅子は寅子は轟（戸塚純貴）の事務所を訪ねる展開へ。

寅子「名字を変えなければいけないことに
　引っ掛かって」
よね「意外だな
　お前が そこに引っ掛かるとは」
寅子「いつでも婚姻関係を結べる側の
　ワガママな悩みなのかもしれないとも思う。
　今 振り返ってみれば
　自分事になるまで
　どちらかの名字を変えなくてはいけない意味について
　考えていなかった。
　そして 男女の恋人のことしか
　考えていなかった」
轟「人間なんて そんなもんだ。
　今 振り返ってみればの連続。
　過ぎてから分かることばかりだ」

もはや、轟の言葉一つひとつが悟りの境地のようだ。

そして、前述の、今作が描いてきた「自分の頭の中では、どちらが正しくて正しくないのか決める必要はない」と「無我夢中で生きよう」に加えて、「反省なら‘ごめんなさい’のあとでやればいい」だ。

前回では、上野の地下室に爆音で聞こえていた “ヒグラシ” が、今回は轟の花岡との思い出話の背景でいい塩梅で聞こえてくる。

更に、前回と同じ「横並びのスリーショット」ではあるが、よね（土居志央梨）を距離を話しておくに配置したことで奥行きが生まれつつ。

寅子と轟の心の距離感と、よねとふたりの距離感を、テーブル席とカウンター席の位置関係で表現している。

私が演出担当なら、ここは戸塚純貴さんの演技力を全面的に信頼して、花岡（岩田剛典）の回想シーンのインサートカットは入れたくないが、皆がみんな花岡を知っているわけでないからしょうがないか。

ただ、2024年6月10日放送の第51回で、戦後になって初めて轟と よねが再会したシーンまでインサートで使わなかった演出、編集は当然だが大いに評価できる。

迷う寅子に、ど正論をぶつける よねの圧倒的な存在感！

更に、奥に座っていた よねを寅子の横へ移動させて、同じ目線の高さになって。

迷う寅子に、ど正論をぶつける よね。

よね「結婚しても
　名字を変えたくないと思うこと。
　当然の権利だろ。
　誰の顔色 気にして 弱気になってるんだ」

強気一辺倒で生きてきた よね、弁護士になった よねだから、寅子と対等に話すことができる。

これまで、サブキャラクターの下地を丁寧に描いてきたからこその展開だ、お見事！

あとがき

「轟の恋バナ」と書いては、少々軽々しいですが。

「寅子の恋バナ」と “名字選択” を薄らと共通項にしながら、婚姻制度を軸に日本国憲法の条文に帰着させるつもりで描かれているのが、本当に凄いと思います。

また、「男性同士の恋愛」を盛り込むので、もう少し複雑になるかと予想しましたが、“お互いを支え合える法的な（権利、自由、安全を守る）保障” を前面に出したことで、分かりやすく、納得しやすく描かれました。

その上、しっかりと学生時代に描いたことをベースに構築されているので、連ドラとしての面白さも倍増しましたね。

本当によくできていると感心します。

「名字」と「苗字」の表記について

因みに、当ブログの漢字表記は、可能な限り「常用漢字」「朝日新聞の用語の手引」「NHK新用字用語辞典」を基準にしています。

そこで気になったのが「名字」と「苗字」の違いです。

結論からいうと、正しくは「名字」。
※今作の字幕表記も「名字」。

一般的に使い分ける必要ないですが、苗字の「みょう」という読み方が常用漢字表に載っていない表外読みのため、公的書類では使われません。

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【これまでの感想】

第1週『女賢しくて牛売り損なう？』
1 2 3 4 5 土 
第2週『女三人寄ればかしましい？』
6 7 8 9 10 土 
第3週『女は三界に家なし？』
11 12 13 14 15 土 

朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由 

第4週『屈み女に反り男？』
16 17 18 19 20 土 
第5週『朝雨は女の腕まくり？』
21 22 23 24 25 土 
第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土 
第7週『女の心は猫の目？』
31 32 33 34 35 土 
第8週『女冥利に尽きる？』
36 37 38 39 40 土 
第9週『男は度胸、女は愛嬌？』
41 42 43 44 45 土 

納得！「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…？ 

第10週『女の知恵は鼻の先？』
46 47 48 49 50 土 


朝ドラ「虎に翼」花岡（岩田剛典）のモデルは山口良忠さん？正義感を貫いた判事の生き様！ 
朝ドラ「虎に翼」寅子、花江、よねで描かれる100年前の“同年代の女性の多様性”を考える 
朝ドラ「虎に翼」多岐川幸四郎（滝藤賢一）のモデルは“家庭裁判所の父”宇田川潤四郎さん？「花子とアン」との意外なご縁も！ 
朝ドラ「虎に翼」への質問に回答「轟の、花岡への感情に “恋愛要素” はあったと思いますか？」 

第11週『女子と小人は養い難し？』
51 52 53 54 55 土 
第12週『家に女房なきは火のない炉のごとし？』
56 57 58 59 60 土 

午後LIVEニュースーン 午後4時台・「虎に翼」取材担当者がドラマの裏側を語る“第12週の寅子と家裁がやったこと”

第13週『女房は掃きだめから拾え？』
61 62 63 64 65 土 

朝ドラ「虎に翼」星航一（岡田将生）のモデルは“初代最高裁長官の長男”三淵乾太郎さん？渋沢栄一との遠いご縁も！”

第14週『女房百日　馬二十日？』
66 67 68 69 70 土 

拍手コメント返信（2024/7/4）：虎に翼(第69回) ※私は寅子が“ブチ切れ”た理由をこう解釈しました(長文です)

第15週『女房は山の神百石の位？』
71 72 73 74 75 土 

拍手コメント返信（2024/7/10）その2：虎に翼(第73回) ※「直明と花江の寅子への忠告は１年後では遅かったのか？」を考えてみた

朝ドラ「虎に翼」 新潟で優未が「スンッ」と「お利口さんのふり」をやめるのに必要なものは？

第16週『女やもめに花が咲く？』
76 77 78 79 80 土 

第17週『女の情に蛇が住む？』
81 82 83 84 85 土 

第18週『七人の子は生すとも女に心許すな？』
86 87 88 89 90 土 

第19週『悪女の賢者ぶり？』
91 92 93 94 95 土 

朝ドラ「虎に翼」 星紘一(岡田将生)のヘアスタイルの「時代考証がおかしい」の意見にプチ反論

第20週『稼ぎ男に繰り女？』
96 97 98 99 100 土 

第21週『貞女は二夫に見えず？』
101 

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マウンテンドクター （第7話・2024/8/19） 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『マウンテンドクター』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第7話『落石事故で迫られる究極の選択!新たなMMTの姿』の感想。

---

MMTに復帰した歩（杉野遥亮）は、メンバーと共に山岳医療への思いを新たにする。典子（岡崎紗絵）は母・聖子（池津祥子）に麻酔科医であることを知られ、病院を辞めさせられそうになるが、歩にその理由を明かす。週末、歩は山小屋で写真家の長田拓（谷恭輔）と出会い、山への思いに共感する。翌日、落石事故で右足を岩に挟まれた拓を救うため、歩は江森（大森南朋）に相談し、究極の決断を迫られる。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

---

原作：なし
脚本：高橋悠也（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,ﾐﾗｰ･ﾂｲﾝｽﾞ,ｻﾞ･ﾊｲｽｸｰﾙ ﾋｰﾛｰｽﾞ）
演出：国本雅広（過去作/ﾃﾞｶﾜﾝｺ,ｶﾝﾅさーん!,青のSP） 第1,2,4,7話
　　　高橋貴司（過去作/青のSP,ｼｯｺｳ!!~犬と私と執行官~ 第7話のみ） 第3,5,6話
　　　保坂昭一（過去作/転職の魔王様 第8話のみ）
主題歌：Official髭男dism「Sharon」
音楽：林ゆうき（過去作/緊急取調室.Believe-君にかける橋-）
※敬称略

---

目新しさは皆無だが、鉄板ネタだけあって…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

どこから褒めて、ツッコめばよいのか分からないので、思ったままに簡潔に！

いわゆる「クラッシュ(圧挫)症候群の治療のために足を切断」は、古今東西、特にわが日本の救急救命医療ドラマの鉄板ネタだ。

従って、目新しさは皆無だが、鉄板ネタだけあって「ゲストのくだり」はいつも以上に “医療ドラマ” として楽しめた。

問題があるとすれば、「ただ、治療場所が山の上」ってだけ。

豪華客船の上なら船医とシップナースの物語になるだけだから、もやもやは残る…

この江森のセリフが、今作の世界観を破壊した

さて、気になることもサクッと書いてしまおう。

まず、困ったのは、序盤で江森（大森南朋）に次のセリフを言わせたことだ。

江森「必要なものは こっちから持ってく」

え～と、セリフの意味は理解するのだが、このセリフが今作の世界観を破壊していることを脚本家らは分かっているのだろうか？

今作が（一応）がんばって描いてきたのは、「現場の限られた人材や物資で患者を助ける」ことでは？

でも、「足りなければ、いくらでも補完、補強できる」と言っちゃうと、そもそも江森がこれまで宮本（杉野遥亮）に口が酸っぱくなるほど言い続けてきたことと完全に乖離するのだが（失笑）

村松がいなくても「ゲストのくだり」が成立するのだが？

困ったことに続いて、今度はよく分からないことを書こう。

今作は、連ドラなのに「個別のエピソードの２週跨ぎ」をよくやる。

きっと、今回の麻酔科医の村松（岡崎紗絵）の親との確執のくだりがそれなのだろう。

脚本家はそれが分かっているから気にならないと思うが。

普通に見ていたら、今回の「ゲストのくだり」に村松がいなくても成立することは分かるはずだ。

だって、村松が患者にかけた言葉を宮本が言えば良いだけだ。

いや、そもそも、普通に見ていれば、足の切断を説明した宮本のセリフのほうが数百倍心に残っているし、山岳医師として意味があったのだ。

脚本家だって「大切な家族のもとへ帰る」を、患者家族らのラストの見せ場に利用しているのだ。

村松や江森、焼き鳥屋「しんちゃん」らの “必死に出番をつくりたい” のは分からなくもないが。

世界観を壊してまで、辻褄合わせも不十分で、盛り込むべきではないと思う。

あとがき

最近のドラマは、なぜ、こうも「実は… でした」という後出しジャンケンをやたらと盛り込むのでしょう？

「ほら、驚いたでしょ？」とやって、仕事をやったつもりになっているのでは？

言っておきますが、「実は… でした」なんて、ただの説明で、ドラマチックでもなんでもありません！！！

最後に、今回で最も不可解だったのは、今回程度のネタで江森が復帰する気持ちになったのなら、これまでいくらでもチャンスがあったような（苦笑）

それこそ、先週まで登場していた妻が8年前に亡くなり、登山だけが生きがいの患者・宇田伸一（螢雪次朗）の死をきっかけのほうが良かったのでは？

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第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 

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連続テレビ小説「虎に翼」 （第101回・2024/8/19） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第101回／第21週『貞女は二夫に見えず？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

---

直明（三山凌輝）と花江（森田望智）はそれぞれの同居に対する思いを語る。猪爪家を離れるのが寂しいと言う直明に対し、花江は同居の難しさを語る。どちらの気持ちもわかる寅子（伊藤沙莉）。直明の婚約者・玲美（菊池和澄）はいつも自分の希望よりも玲美を優先してくれる直明の唯一の頼みが同居であると話し、「お試し」で同居してみてはどうかと提案する。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

---

原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11,14,16,19,20週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8,13.18週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9,12週
　　　伊集院悠（過去作/ｵｰﾃﾞｨｵﾄﾞﾗﾏ･FMｼｱﾀｰ｢告白の対価｣静岡局制作） 第15週
　　　相澤一樹（過去作/BSﾌﾟﾚﾐｱﾑ:善人長屋 第5話のみ,単発:月食の夜は） 第17週
　　　酒井悠（過去作/兵庫発地域ﾄﾞﾗﾏ｢あったまるﾕｰﾄﾋﾟｱ｣,FMｼｱﾀｰ｢ふたつのせかい｣） 第21週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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今週は「結婚ネタ週間、ブライダルエピソード・ウィーク

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。

最初に、第21週のサブタイトル『貞女は二夫に見えず？』をプチ掘り下げしておこう。

元は「貞女は二夫に見えず」で、読み方は「テイジョはニフにまみえず」で、「見えず」と書いて「まみえず」と読むのが正しい。

意味は、貞淑な女性、貞操頑固な女性は夫に操(みさお)を立て、夫が亡くなっても生涯にわたって再婚はしない… だ。

恐らく、主人公の今の立場に向けて投げかけた言葉だろう。

ということで、今週は（今週も？）「結婚ネタ週間」「ブライダルエピソード・ウィーク」になりそうだ。

舞台中継を見ているような「３人横並び」のスリーショット

時代は、「昭和30年（1955）7月」。

先週は、直明（三山凌輝）の婚約者の田沼玲美（菊池和澄）で一波乱あって。

今週は、冒頭から轟（戸塚純貴）のパートナーで、出版社で編集をしている遠藤時雄（和田正人）から始まった。

まるで、最初こそ顔のアップがあったが、その後は終始舞台中継を見ているような「３人横並び」のスリーショット。

サイズも引き目のミディアムショット（「ウエストショット」とも呼ぶ、被写体の腰から上を画面に入れ込む画角のこと）で、状況はよく見えるが、個々の表情の違いが見えづらい。
※敢えて「引き目の」と書いたのは、腰より下の太ももまで映り込んでいるから

轟が仲介役、紹介係になっているからスリーショットなのだろうが、折角表情が豊かなお三方が揃っているから、緊張や戸惑いのお芝居を味わいたかった。

それに、主人公の後頭部を何度も見せるのも良いとは思わないし。

これまで、こういう違和が生じたのは今作ではなかったのだが。

今週は、今作初担当の酒井悠氏の演出のお手並み拝見しよう

そんなことを思って、クレジットタイトルを見ていたら理由が判明した。

最近の朝ドラの傾向、恒例になってきているのが、残り２か月を切ったあたりで、NHKの「地方発ドラマ」の監督や「本編」の助監督に１週間だけ初担当させるという挑戦だ。

『らんまん』（2023年前期）では、第24週に助監督がサブと組んで担当。

『ブギウギ』（2023年後期）では、第22週に地域ドラマの演出担当を抜擢。

今週は、2018年に NHK BSプレミアムのみで放送された兵庫発地域ドラマ『あったまるユートピア』、2021年に放送されたラジオドラマ・FMシアター『ふたつのせかい』の演出を担当した酒井悠氏。

というわけで、映像作品の演出経験が少ないのかもしれない。

ただ、話数が 10回前後の連ドラでは、こういう挑戦は「？」と思うが、半年間、全20週以上もある朝ドラの場合は、才能発掘の意味でやる価値は大いにあると思う。

まずはダメ出しからはじめてしまったが、今週はお手並み拝見してみよう。

吉田恵里香氏が本気で描きたいものが分かるセリフ

メインタイトル映像明けは、ちょっぴり意外なやり取りだ。

３人がいるところへ、山田よね（土居志央梨）が戻ってきて、３人の様子を苦い顔で見ていると。

轟「前々から 時雄さんには
　佐田を紹介したいと話していたんだ」

これ、そもそも、元々は、寅子と よねと轟の人間関係のほうが先にあるわけだから。

普通のセリフ回しなら、次のように書くと思う。

轟「前々から 佐田には
　時雄さんを紹介したいと思っていたんだ」

こう書けば、轟が寅子に遠藤のことを話すつもりだったことが、よねにやっと伝わった感じがでて、よねとは、それなりの信頼関係が構築されているように見える。

でも、今回の言い回しは、轟が気にしているのが “ほぼ時雄さんだけ” の印象になる。

よねと、遠藤のことを寅子への報告しようかしまいかを相談していないような印象だ。

このことで、何が見えてくるのか？

それは、よねと轟が、本当の意味での「ビジネスパートナー」であることだ。

このひと言で、脚本担当の吉田恵里香氏が本気で “様々な結婚のカタチ” を “今作で描くつもり” であることが分かるのだ。

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「赤系セピア」調の回想シーンについて

さて、連ドラらしい展開から、話がサブキャラから主人公に切り替わる。

まずは、回想シーンだが。

また演出に触れてしまうが、普通なら生花を強調しやすい「黄色系セピア」の映像処理をすると思う。

黄色系セピアなら、ピンク系や赤系に比べて明るく見える傾向があるから、コントラストが強く表現できるから。

でも、酒井氏の選択は「赤系セピア」だ。

赤を強調するために彩度（色の鮮やかさ）を落とす必要があり、渋い印象には仕上がるが、元の映像によってはあまり大きな変化を加えられない。

今回でも、回想シーンと現在の よねがほぼ同じ画角で直結していたが、事務所の照明がアンバー系（橙色系）だから明確に代わり映えしない。

まあ、「唐突に回想シーンを入れた感じにしたくなかった」と好意的に解釈しておこう。

脚本としての連ドラとしての見せ方も、魅せ方も巧み

よかったのは次の よねのセリフだ。

よね「こいつが私のところに来る時は
　大抵 自分の話を聞いてほしい時だ」

初回から見ている視聴者なら、とっくに気づいていることだが、語りで「ドキッ！」まで加えて強調すると、連ドラとしての連続性がしっかりと見えるし伝わる。

明るめな劇伴が、轟の「だが」と、寅子の「今更」から雰囲気が一転。

なぜ、都会のど真ん中の地下室なのに、あんなに大きくヒグラシの鳴き声が聞こえてくるのかの初歩的な疑問もあるが、ラジオドラマ風ってことで（苦笑）
※無音を音で埋めないと心配なのかも… 若手あるあるではある

演出は別にして、脚本としてはうまい具合に、「轟と遠藤」から「寅子の恋バナ」に転換した。

だって、よねが「ところで、お前、何でここに来た!?」とやっても良いのだ。

でも、上記のセリフ一つで、回想が無くても寅子とよねのこれまでの関係性が見えてくる。

この辺の、脚本としての連ドラとしての見せ方（show）も、魅せ方（fascinate）も巧みだと思う。

甘味処「竹もと」のシーンのあれやこれや…

場面変わって、甘味処「竹もと」も、窓全開で森林浴をしているかのようなミンミンゼミの大合唱（笑）
※このあとには、線路際でかき氷を食べているような音響効果もありますけどね

ここまで「真夏」を強調したいのなら、店内には行って来る航一（岡田将生）にハンカチで汗を拭く動作をやらせるくらいの演技指導があったらバランスが取れるのに。

更に、重箱の隅を楊枝でほじくるようなことはしたくないし、するつもりもないのだが、どうしても気になってしまったこと。

航一が入店する時は、寅子の真後ろに白い半そでのワイシャツを着て団子を食べる男性がいたのに、航一の手元にかき氷が届くと消滅…

きっと、同席していた向かいの女性と、隣のグレーのシャツの男性を置いて先に帰った… と好意的に解釈しておこう。

ただ、この「竹もと」のシーンも、今作が描いてきたこと、寅子と航一のキャラクターの魅力を惜しみなく描いている。

理由その１。
今作が当初から描き続けてきた「食べ物を一緒に食べることで、心が通じ合う」で、きっちりと魅せているから。

理由その２。
理屈で納得できないと先に進めない寅子と、それが分かっているから理屈を準備している航一を、分かりやすく描いているから。

理由その３。
リーガルドラマとして、ただ恋バナを盛り込むに終わらせず、ちゃんと法律を絡めて抽象的な概念である “愛” を語らせているから。

こういうのが、５分程度の尺でさらりと描けてしまうのはスゴイと思う。

寅子の「親孝行かもって」が、めっちゃリアル！

まるで、ラジオドラマのようなカエルの鳴き声から「猪爪家」。

きっと夏季休暇明けの本格再始動の月曜日だから、今週で扱うネタの紹介、３つめだ。

そう、「轟と遠藤」「寅子と航一」、そして「直明と玲美」だ。

予告編で心の準備はできていたが、思った以上に「直明と玲美」を深く盛り込んできたのには驚いた。

しかし、次の寅子のひと言で納得だ。

寅子「かわいい弟の結婚を盛大に祝う。
　これって
　死んだ お父さんとお義母さんにできる
　最後の親孝行かもって
　最近 そう思っているの」

「親孝行かなぁと」ではなく、「親孝行かもって」が実にリアルな会話に聞こえる仕掛けだ。

今週は、寅子自身の「結婚の法解釈」を楽しみにしたい

終盤は、8月14日(木)放送の第98回の感想のあとがきに書いた展開になった。

夫婦別姓という考えが一般的でなかった時代ですから、寅子が「星寅子」を名乗るのか？ も、先日の「友情結婚」と同様に、脚本の吉田恵里香氏さんが書きたいテーマでしょうし

「やはり、こういう展開になるよなぁ」である。

いや、本音はこうだ。

単純に、今週を「結婚ネタ週間」「ブライダルエピソード・ウィーク」にするのではなく。

“様々な結婚のカタチ” を ＜日本の婚姻制度＞ の今にも続く問題を “本気で今作で描くつもり” なんだ… と。

「原爆裁判」は気になるが、あちら（の史実）は８年間にも及ぶ長丁場だから、急がないという意味だろう。

まずは、ホームドラマとして「直明と玲美の結婚式」をどう描くのか？

そこへ、航一の継母・百合（余貴美子）をどう絡めるのか？

少し「お仕事としての裁判」はお休みして、寅子自身の「結婚の法解釈」を楽しみにしたい。

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あとがき

脚本家として「盛り込みたいもの」を盛り込むのは良いと思います。

朝ドラとしては、終始難しい法律談義ばかりでは疲れてしまいますしね。

また、朝ドラのヒロインが「好きだから」で結婚へ猪突猛進しないのも、優三（仲野太賀）との結婚同様に今作らして良いと思います。

ラストの “イマジナリー寅子” の登場も面白かったです。

今日、明日と、全国的に天候が不安定なので、見られるときに満月を見てみてください。
下は、昨夜、我が家から見たスタージョンムーン(チョウザメ月)です。

【満月カレンダー】2024年8月20日(火)の夜が スタージョンムーン(チョウザメ月)＋スーパームーン＋ブルームーン 

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【これまでの感想】

第1週『女賢しくて牛売り損なう？』
1 2 3 4 5 土 
第2週『女三人寄ればかしましい？』
6 7 8 9 10 土 
第3週『女は三界に家なし？』
11 12 13 14 15 土 

朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由 

第4週『屈み女に反り男？』
16 17 18 19 20 土 
第5週『朝雨は女の腕まくり？』
21 22 23 24 25 土 
第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土 
第7週『女の心は猫の目？』
31 32 33 34 35 土 
第8週『女冥利に尽きる？』
36 37 38 39 40 土 
第9週『男は度胸、女は愛嬌？』
41 42 43 44 45 土 

納得！「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…？ 

第10週『女の知恵は鼻の先？』
46 47 48 49 50 土 


朝ドラ「虎に翼」花岡（岩田剛典）のモデルは山口良忠さん？正義感を貫いた判事の生き様！ 
朝ドラ「虎に翼」寅子、花江、よねで描かれる100年前の“同年代の女性の多様性”を考える 
朝ドラ「虎に翼」多岐川幸四郎（滝藤賢一）のモデルは“家庭裁判所の父”宇田川潤四郎さん？「花子とアン」との意外なご縁も！ 
朝ドラ「虎に翼」への質問に回答「轟の、花岡への感情に “恋愛要素” はあったと思いますか？」 

第11週『女子と小人は養い難し？』
51 52 53 54 55 土 
第12週『家に女房なきは火のない炉のごとし？』
56 57 58 59 60 土 

午後LIVEニュースーン 午後4時台・「虎に翼」取材担当者がドラマの裏側を語る“第12週の寅子と家裁がやったこと”

第13週『女房は掃きだめから拾え？』
61 62 63 64 65 土 

朝ドラ「虎に翼」星航一（岡田将生）のモデルは“初代最高裁長官の長男”三淵乾太郎さん？渋沢栄一との遠いご縁も！”

第14週『女房百日　馬二十日？』
66 67 68 69 70 土 

拍手コメント返信（2024/7/4）：虎に翼(第69回) ※私は寅子が“ブチ切れ”た理由をこう解釈しました(長文です)

第15週『女房は山の神百石の位？』
71 72 73 74 75 土 

拍手コメント返信（2024/7/10）その2：虎に翼(第73回) ※「直明と花江の寅子への忠告は１年後では遅かったのか？」を考えてみた

朝ドラ「虎に翼」 新潟で優未が「スンッ」と「お利口さんのふり」をやめるのに必要なものは？

第16週『女やもめに花が咲く？』
76 77 78 79 80 土 

第17週『女の情に蛇が住む？』
81 82 83 84 85 土 

第18週『七人の子は生すとも女に心許すな？』
86 87 88 89 90 土 

第19週『悪女の賢者ぶり？』
91 92 93 94 95 土 

朝ドラ「虎に翼」 星紘一(岡田将生)のヘアスタイルの「時代考証がおかしい」の意見にプチ反論

第20週『稼ぎ男に繰り女？』
96 97 98 99 100 土 

第21週『貞女は二夫に見えず？』

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ブラックペアン シーズン2 （第6話/15分拡大スペシャル・2024/8/18） 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第6話/15分拡大スペシャル『メスを持った看護師&去り行く医師』の感想。

※原作(小説)である海堂尊「ブレイズメス1990」、「スリジエセンター1991」は、未読。

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維新大の菅井（段田安則）は、ウエスギモータース会長・上杉（堺正章）の手術を成功させて医学会会長選に挑むため、医師・早川玲子（瀧内公美）が開発したエルカノ・ダーウィンという最新医療ロボットを使おうとする。しかし、上杉からはロボットを操縦する世界一の医者を用意するよう要求される。そこで天城（二宮和也）を依頼し、臨床試験を実施しようとするが、試験当日、天城が手術中止を宣言。さらに、玲子（瀧内公美）が倒れる。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作：海堂尊「ブレイズメス1990」、「スリジエセンター1991」
脚本：槌谷健（過去作/ﾌﾞﾗｯｸﾍﾟｱﾝ1,下町ﾛｹｯﾄ,ｲﾝｼﾞﾋﾞｼﾞﾌﾞﾙ） 第1～3,5,6話
　　　守口悠介（過去作/AKBﾎﾗｰﾅｲﾄ,ｵｰ･ﾏｲ･ｼﾞｬﾝﾌﾟ!,左利きのｴﾚﾝ） 第2,4～6話
脚本協力：穴吹一朗（過去作/Dr.DMAT,親ﾊﾞｶ青春白書,競争の番人） 第6話
演出：西浦正記（過去作/ﾊﾗｽﾒﾝﾄｹﾞｰﾑ､名前をなくした女神､ｺｰﾄﾞﾌﾞﾙｰ） 第1,2,5話
　　　加藤亜季子（過去作/ﾉｰｻｲﾄﾞ･ｹﾞｰﾑ特別編1,VIVANT） 第3,6話
　　　伊東祥宏（過去作/ｵｰﾙﾄﾞﾙｰｷｰ,ﾗｽﾄﾏﾝ-全盲の捜査官-） 第4話
音楽：木村秀彬（過去作/ﾌﾞﾗｯｸﾍﾟｱﾝ,ｸﾞﾗﾝﾒｿﾞﾝ東京,ﾗｽﾄﾏﾝ）
ＣＰ：伊與田英徳（過去作/半沢直樹ｼﾘｰｽﾞ）
Ｐ：武藤淳（過去作/TOKYO MER~走る緊急救命室~.Get Ready!）
医療監修：山岸俊介/ｲﾑｽ東京葛飾総合病院（過去作/ﾌﾞﾗｯｸﾍﾟｱﾝ1）
主題歌：小田和正「その先にあるもの」
※敬称略

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第3話に続き、加藤亜季子氏の演出については不問…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

「この演出、いつぞやの…」と思ったら、第3話担当の加藤亜季子氏。

ということで、何を書いても無駄、暖簾に腕押しなので不問（困）

全体的に、大きな不満はない

まず、よかった点。

連ドラの折り返し後であり、パリ五輪で１話飛んでいる状況で。

冒頭に、ご丁寧な「復習用の短編集」が付いていたのは悪くない。

また、今作で描き続けている「ダイレクト・アナストモーシス」と「エルカノ・ダーヴィン」を主人公の存在意義を利用して合体させて先に展開させようとする構成も悪くない。

更に、最近少し封印していた猫田（趣里）を盛り込んでファンサービス三昧をやろうというのも否定はしない。

まあ、敢えて「連ドラなのだから」と思うのは、「オペ、公開しないの？」だが

「一旦話を進めて〈実は…〉と種明かし」が多すぎる！

続いては、私は嫌いな点。

強調しておくが、「悪かった点」ではなく「私は嫌いな点」で、ある。

私は、「一旦話を進めて〈実は…〉と種明かし」をやる展開が、大の苦手。

正しくいえば、「考察系ドラマ」の乱立で、食傷気味で見たくない… が、本音なのだ。

今回も、冒頭から「一旦話を進めて〈実は…〉」の繰り返しで。

最後の最後に、「実は医師免許を持っていた」だもん。

せめて、最後の “一つだけ” にしてくれたら、「スゴイ、どんでん返しじゃん！」と称賛できたのに。

「実は…」と過去ネタをやるのは主要登場人物限定では？

今度は、あまり評価できない点。

それは、前述で「私は大の苦手」と書いた、いわゆる「後出しジャンケンでの過去エピソードの掘り返し」について。

基本的に、脚本の、連ドラの、視聴者に感情移入させたり気分転換させる手法として「過去の掘り返し」は間違っていない。

むしろ、うまく盛り込めば、「そうだったんだ！」と更に視聴者を引き寄せる力さえ持っている。

ただ、私が思うのは、それは “劇中の主要キャラクター限定” ではないのか？ と。

冷静に考えれば分かるが、常に劇中で活躍する登場人物の過去だから、真実を知って興味がわくわけで。

そうでないキャラクターの過去を知ったところで… ということだ。

もちろん、猫田が『シーズン1』から共通するキャラだから、全くの条件外、枠外だとはいわない。

放送前から、猫田と趣里さんを特別扱いして、五輪後のカンフル剤に利用することも、漏れ伝わっていた。

でも、折角、１週抜けた連ドラの再開の回なのだから、もっともっと “今作の主要キャラクター限定” にするべきだったのでは？

もしくは、毎回ワンシーン、ワンカットでも良いから、猫田を画面に出せば良かっただけ。

う～ん、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』で高評価を得た趣里さんをもっと積極的に活用してほしかった。
※大人の事情があるかもしれませんが

大きな不満はないが、大きな「？」は…

最後に、「？」と思った点。

『２』の特徴であり見所の “財産の半分を賭ける” が薄く中途半端だったのはあるが。

更に、今回のオペシーンの描写。

これまでは、それなりに直接オペに関わっていない “部外者” による、術式の解説やリアクションで盛り上げていたのに、今回は（というか第3話とほぼ同じ）音楽に合わせて、視聴者と一緒に手術風景を見学するだけ。

また、維新大の菅井（段田安則）が、東城大での医師・早川玲子（瀧内公美）の緊急オペを知った経緯も曖昧だし。

折角、これまで5話分も割いて『２らしさ』を構築してきたのに、折角再会できた第6話で “らしさ” を無視する意味が分からなかった。

あとがき

昨日の夕方に公式SNSをチラッと覗くと、原作、今作、キャラ、出演者のファン目当ての企画で、内々で盛り上げよう感がスゴイですね。

楽しめている人は、いいんですけど。

でも、ドラマ、本編は、あまり「内々向け」にしないほうが得策だと思いますけれど。

そうそう、15分拡大の必要性も感じませんでしたが、猫田の案件を「2週跨ぎ」でなかったことは今回最大の称賛に価すると思います。

それにしても、脚本協力まで加えて３人がかりで “これ” ですか…

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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 

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