関西テレビ制作・フジテレビ・「素敵な選TAXI 特別編」[再放送](公式)
第7話『嘘と真の選択肢』、ラテ欄『美人OLに隠された過去!玉の輿直前の選択肢』の感想。
元レディースの真理(貫地谷しほり)は、過去を隠して青年実業家の彰(葛山信吾)と婚約したが、彰が両親にあいさつに行きたいと言い出し慌てる。警察沙汰を起こした揚げ句、家出して以来、実家に帰っていない真理は、何とか思いとどまらせようとするが失敗。本当のことが言えないまま、彰を両親に引き合わせるが、真実を知った彰は出ていってしまう。真理は、枝分(竹野内豊)の運転する「選TAXI」で、実家に入る前に戻る。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:なし
脚本:バカリズム(過去作/住住、架空OL日記) 第1,2,3,4,5,6,7話
オークラ(過去作/0号室の客、サラリーマンNEOシリーズ) 第6,7話
演出:筧昌也(過去作/死神くん) 第1,3,6話
星野和成(過去作/ハゲタカ、僕らは奇跡でできている) 第2,4,7話
今井和久(過去作/チーム・バチスタ、ディ・ダ・ヴィンチの診断) 第5話
音楽:本間勇輔(過去作/古畑任三郎シリーズ、ソムリエ、僕の歩く道)
主題歌:aiko「あたしの向こう」(ポニーキャニオン)
前回から竹野内豊さんとバカリズムさんのネタバレが追加!
先週の感想は書かなかったのだが、ご存知の方もいると思うが、先週から番組の冒頭で竹野内豊さんとバカリズムさんが、その回のネタバレをするコーナーが追加になった。そして、今回の放送で語られたのは、2つ。
1つは「タイムスリップ感」について。実は、当初は脚本上ではバカリズムさんは「タイムスリップ感」はあまり意識していなかったと。しかし、放送が進んで行くと、演出班があれこれ工夫して面白くなって来て、「“タイムスリップ感大喜利” みたいになった」と。
もう1つは、この第7話では、「cafe choice」で働くカンナ役の清野菜名さん自らアクションシーンを増やして欲しいとのお願いがあって、レディース「元苦露悪惨(くろわっさん)」の六代目総長としての現役レディースたちをシメるアクションが炸裂するシーンは確かに見所だ。
今回の「タイムスリップ感」は、映画『バブルへGO!!』へのオマージュ…
さて、第7話の「タイムスリップ感」は2つ登場する。1つは、DVDによる利用方法や注意喚起のビデオ鑑賞。そして、面白いのは2つ目の、ガソリンスタンドで洗車機の中に乗ったまま洗車すると言う演出。
泡で「タイムスリップ感」を表現するのは、2007年に公開された阿部寛さんと広末涼子さんが出演した映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』へのオマージュを感じる楽しい演出だ。
今回の一番の見所は、凝りまくった脚本だ!
さて。今回は、貫地谷しほりさんのレディースの初代総長役で、現役レディースたちをガンつけてシメる迫力ある演技も多いな見所だが、第7話の一番の見所は、バカリズム氏とオークラ氏のコンビによる、凝りまくった脚本だ。
因みに、前回の第6話では、は枝分(竹野内豊)の勧めで4回も選択をやり直して終了…と言う形だったのだが、今回は、一捻り、二捻りがある。
元レディースの真理(貫地谷しほり)が、「選TAXI」の力を借りて、婚約者である青年実業家の彰(葛山信吾)に、時間を巻き戻して「元レディースの総長であった」と言う “過去を隠す” のに成功して、そのまま故郷をあとにしようとする。
その時に、“過去を隠したまま” 結婚してその後の人生を生きることへの罪悪感を抱いて、また「選TAXI」に乗って、枝分にレディースに加入する前、不良になって両親を苦しませることのないように、スタート地点に戻って、本当のことを婚約者に伝えて、婚約者の判断で両親に会いに行くか(行けるか)決めると言う。
「選TAXI」を使わずに「選TAXI」の存在感を際立たせる!
ここで、枝分は「これ 戻る必要あります?」と意外なことを言い出す。真理は嘘をつかない自分になるために1時間前に戻って欲しいのに。
枝分「戻らずに今から全部 話せばいいじゃないですか」
真理「いや でも それだと もう みんなに
迷惑かけちゃってるから…」
枝分「ええ。だったら それも含めて謝ればいいじゃないですか
確かに今回の件 正直に話すのなら
最初から そうすれば良かった話です
ただ だからって最初に戻るのは何か違う気がするんですよ
本当に彼と両親に申し訳ない思いと
全てを正直に話して謝る覚悟があるんだったら
この状態のまま 彼と両親に全てを話して
そこから 謝るべきだと思うんですよ」
ホント、この台詞って何度聞いても鳥肌が立つ。そもそも、本作に於ける「選TAXI」の役割は、一度失敗した人が失敗を取り戻すために利用する道具だが、「選TAXI」を利用する殆ど全ての乗客は、幾度かリトライする度に新しいトラブルに見舞われてしまい、結局スタート地点に戻ると言う過程を歩んで来た。
しかし、この第7話のラストでは、枝分が「選TAXI」の “機能と存在を乗客に使わせない選択肢” を選ぶことで、「物事を解決するにはシンプルにスタート地点に立って考え改める」と言う、本作の “教え” や “戒め” が、より強調されると言う見事な構成なのだ。本当に良く出来たファンタジーだと思う。
あとがき
「選TAXI」が、最後は「ただの送迎タクシー」で終わるのも、隠し事が無くなった新しいカップルが結婚へ進む爽やかで幸せたっぷりのエンディングも良いですし、最後の最後で、カラオケ店で楽しそうにカンナの “パシリ” をしている枝分さんの滑稽なラストカットも面白かったです。
因みに、今回は第7話でしたが、次週(6/2)は第8話でなく第9話『乗客は強盗? ツイてない日の選択肢』です。
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【本放送当時(2014年)の、これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 最終回
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第9週『東京恋物語』の 『第42回』の感想。
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音楽学校の記念公演の最終選考に、千鶴子(小南満佑子)と残った音(二階堂ふみ)だったが、環(柴咲コウ)から今のままでは千鶴子に勝つのは難しいのではと言われる。音が歌を通して何を伝えたいのかが何も伝わってこなかったというのだ。どうせ自分には才能がないとやけになる音に、久志(山崎育三郎)は伝えたいことを明確にするためには、まずは「椿姫」の世界を理解することだとアドバイスをする。そして…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今回のアバンは「先が見たくなる」ようになっていた
原案:林宏司氏 作:清水友佳子氏 演出:橋爪紳一朗氏
今回のアバンタイトルは良かったと思う。
先週では、流行歌がレコード会社に全く採用されない中で、早稲田大学応援部から応援歌の依頼を請けざるを得なくなった 裕一(窪田正孝)が、「作曲とは何か?」、「自分がやるべきことは何か?」について自問自答を繰り返しながら、久志(山崎育三郎)の協力と、音(二階堂ふみ)の気遣い、そして依頼した団長・田中(三浦貴大)の “旧友との想い” を背負って、「紺碧の空」を完成させ、作曲家として一皮剥けた姿が感動的に描かれた。
で、今週は「音パート」の週。だから、今度は音が「歌うこととは何か?」、「歌うことでないを伝えたいのか?」を世界的オペラ歌手・双浦環(柴咲コウ)に問われて、もがき苦しむ姿を描いて、先週の「裕一パート」と釣り合いが取れそうに感じた。こう言う「先が見たくなる」ように作って欲しい…
裕一と音が、元に戻った!
主題歌明け。前回の音は、これまで音と別人のように物静かになったし、裕一も饒舌で明るいキャラクターになったのに、この「喫茶バンブー」での音と裕一は元に戻って、まずは一安心。昨日、久志(山崎育三郎)が言った「今は 興奮状態だが いずれ落ち着く」通りに、落ち着いたと言うことか。ホッ…
音が役の気持ちを考えない違和感あるが、コントで説明は…
さぁて。『椿姫』をどう言う手法で説明するのか、ちょっとドキドキだった。梶取保(野間口徹)が本を読んで説明するのはつまらない。久志なら簡単に要約できそうだがそれも安易。ナレーション処理なんて安直過ぎる。どんな手法を使うと思ったら、久し振りに梶取恵(仲里依紗)を活用してミュージカル調だ。いや、コントだ。
こりゃあ、賛否両論ありそうだ。でも、私は意外と良かったと思う。ただ、ちょっと引っ掛かったのは、音って人は、『椿姫』の内容を知らずに、歌のレッスンをしていたってこと。
まあ、アバンで環にコテンパンに打ちのめされるくらいに、音符を拾って歌うことについてはそれなりの才能なりセンスがあるにしても、歌うことへの根本的な理解力は、先週の裕一と似たような立ち位置であると、好意的に解釈をすれば、先週の裕一と “ほぼ同じスタートライン” から始まったと言えるが。
御手洗先生が歌を歌う際の心得を教えていなかったことが…
ただ、連続ドラマとして見ると、むしろ、以前に登場した音の歌の先生で “ミュージック ティーチャー” こと御手洗(古川雄大)なら、“歌を歌う際の心得” 的なことして、「歌の世界観を掴みなさい!」、「役の気持ちになって」くらいのことは教えているように思ってしまうのは私だけだろうか? いくらボイストレーナーだとしても…
保と恵が音を問題解決能力に優れた人と言ったのは良かった
音がカフェーで働き出すと言うくだりも、こりゃまた賛否両論ありそうだ。かなりコントチックな演出だし、そもそもカフェーで女給として働くと言う選択肢に辿り着く音の感情の流れが、丁寧に描かれていないから。でも、しょうがいない。今週の脚本家と演出家は、こう言う作風の人たちだから。
だから、前作の「1週間だけのスピンオフ」みたいに、大らかな気持ちで許容しないとダメってこと。だけど、ちょっと良いと思ったのが、「喫茶バンブー」で、音を女給として働かせたのを後悔している裕一に、保と恵が言った台詞は良かった。
保「なんという行動力…」
恵「しかも 発想が独特」
これが無かったら、完全なコント。でも、この2つの台詞は、音が問題解決能力に優れた人と言う初期設定だから、ここで言ったからギリギリセーフ。
やはり、随所にコントを入れるのはどうかと思うが、随所に “毛虫” もそうだが、男性に媚びないと言うような部分を含めた「音らしさ」を描写するのはとても大事。この脚本家と演出家だから、まだまだ許容範囲と言っておこう…
『椿姫』と言う歌劇について、自分なりに復習してみたら…
さあて、全然、今回の感想がまとまらない。と言うわけで、録画を5回も見直した結果を少し書いてみる。まず、公式サイトにも予告編でも分かるように、今週は下記の3つが描かれることは分かっている。
●ついに“福島三羽ガラス”が集結!
●音、恋愛の機微を学ぶ
●鉄男の儚く切ない恋心
そして、今回で描かれたのが、2番目「音、恋愛の機微を学ぶ」。と言うことは、あとの2つを水、木、金曜日の3日間で描かなければならない。そこで、ふと考えた。なぜ『椿姫』なのか…て。そこで、『椿姫』と言う歌劇について、自分なりに復習してみた。ざっくりとしたあらすじは、こんな感じだ。
18世紀初頭のパリ。青年貴族のアルフレードは、パリの “社交界” の華と言われる高級娼婦のヴィオレッタに恋をする。娼婦のヴィオレッタは情熱的なアルフレードの愛で、真実の愛を見つける。しかし、アルフレードの父は、当然に息子と娼婦の恋愛を認めず、二人は父によって引き裂かれてしまう。
久志の言葉を引用して「細かい事情は割愛します」として、あれこれあって、二人は困難を乗り越えて最後に出会うが、その時既にヴィオレッタは結核で死の直前。アルフレードの腕の中でヴィオレッタは息を引き取り、歌劇は終了。
『椿姫』に3つも重ねるから、詰め込み過ぎになるのは当然!
お分かりだろうか? 『椿姫』には、「社交界」と「儚く切ない恋愛」が描かれているのだ。で、「社交界」の部分は「音、恋愛の機微を学ぶ」を。「儚く切ない恋愛」で「鉄男の儚く切ない恋心」をカフェーの女給・希穂子(入山法子)を使って描くと言う計算だと思う。
そこに、3つ目の「 ついに“福島三羽ガラス”が集結!」で「福島小唄(この予想は、前回の感想で書いた通り。ただ、地方小唄と言うだけで、タイトルは異なるかも知れない…)」を描くのだから、ギュウギュウ詰めなのは止むを得ないと思うってこと。
欲張らなければ、今週の脚本家と演出でも何とかなったかも
やはり、「週5放送」なのに、欲張り過ぎたってことだと思う。先週のように、「音、恋愛の機微を学ぶ」だけに絞り込んで、音が守辺りにする “恋愛の機微” が、鉄男と希穂子の悲恋、そして、そこから立ち上がって鉄男が作詞活動に…と言うくらいで良かったかも。
でも、この分析をしたから、何となく今週の、詰め込み過ぎの脚本や、コント風演出の多用について、ちょっと理解できたような気がする。
あとがき
まあ、火曜日にこう言うのもなんですが、来週に期待しましょう。今週は、“福島三羽ガラス” で遂に、裕一のレコードが発売されるのと、音が主役に抜擢されるまで、あっと言う間に進むと思うので。長丁場の、それも放送前に脚本家降板と言う事態があった作品ですから、多少は多めに見ませんと。
でも、やはり、2か月は見て見ないと、朝ドラってわからないものだなぁと、再認識しますね。そして、先週のような感動の週もあることを信じて、『エール』が放つ “エール” に引き続き期待したいと思います。
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テレビ東京系・ドラマBiz『行列の女神~らーめん才遊記~』(公式)
第6話『6杯目』、看板メニュー『オコゲ・ラーメン』の感想。
なお、原作の久部緑郎&河合単「らーめん才遊記」(漫画)は未読。
店の手伝いを許され、浮かれるゆとり(黒島結菜)。一方、白坂(小関裕太)は担当店の新メニュー開発でトラブルが。流行に乗ろうとする白坂に依頼主が納得しないようだ。そんな中、業界最大手チェーンを経営する蒲生(マギー)が芹沢(鈴木京香)の「清流企画」に新メニュー開発を依頼する。2社で争う形式で、相手は「味惑コーポレーション」の倫子(松井玲奈)だという。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:久部緑郎&河合単「らーめん才遊記」(漫画)
脚本:古家和尚(過去作/明日の約束、スミカスミレ、イノセンス冤罪弁護士)
演出:星護(過去作/僕の生きる道、僕の歩く道、テミスの剣、ヘッドハンター) 第1,2,5話
池澤辰也(過去作/相棒、警視庁捜査一課長、嫌われる勇気) 第3,4,6話
音楽:佐橋俊彦(過去作/ちりとてちん、dinner、テミスの剣、ヘッドハンター、集団左遷!!)
オープニングテーマ::LOVE PSYCHEDELICO「Swingin'」
主題歌:THEイナズマ戦隊「WABISABIの唄」(日本クラウン)
味も、食べる人の味覚も、コンサルも進化系であるべき!
「ボリューム系ラーメン」の進化系を作ると言う基軸のストーリーの中で、実は最も変化しているのは、時代であり、食べる人の味覚であると言うことを、芹沢(鈴木京香)がコンペ相手の「味惑コーポレーション」の倫子(松井玲奈)に、食のコンサルタントも “進化系” であるべきと説いたシーンが印象的だった。
凝ったストーリーなのに、後味もスッキリして楽しかった!
その言葉が、これまた、ちゃんと自社の白坂(小関裕太)にもフィードバックもさせた。もちろん、同時に、ゆとり(黒島結菜)の成長もしっかり描いた。かなり、複雑で凝ったストーリー展開なのに、決して分かり難いことはなく、後味もスッキリとして、芹沢の生き様も見えて楽しかった。
あとがき
毎回、切り口を変えて、フードコンサルタントと言う仕事の奥深さを、楽しく教えてくれる本作。そして、いよいよ芹沢の過去が次第に明らかに。次回も楽しみです。
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第9週『東京恋物語』の 『第41回』の感想。
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早稲田の応援歌「紺碧の空」の作曲を完成して、少し自信を取り戻した裕一(窪田正孝)は、福島で記者をしている鉄男(中村蒼)を呼び出す。久志(山崎育三郎)もやってきて、久しぶりに顔を合わせる三人。裕一は自分が曲をつくって久志が歌うので、鉄男にいつか詞を書いてくれと頼む。一方、音(二階堂ふみ)は、音楽学校で記念公演の審査員をつとめる予定の双浦環(柴咲コウ)を見かけて思わず声をかける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
なぜ今回のアバンでは指パッチン2回のコントになったの?
原案:林宏司氏 作:清水友佳子氏 演出:橋爪紳一朗氏
あれっ? 今回のアバンタイトルって、前回のラストシーンを丸ごと貼り付けたと思ったら違う。前回では、裕一(窪田正孝)が指パッチンを一度しただけで、すぐに久志(山崎育三郎)が「喫茶バンブー」に入って来たのに、今回のアバンでは、二度も指パッチン。
先週が期待以上に盛り上がっただけに、今回の"ツカミ"は…
その上、前回のラストシーンでは、意外と感動的な「幼馴染トリオ(公式サイトでは “福島三羽ガラス” となっている)の誕生で幕を閉めた印象だったのに、今回の演出では、コント風のずっこけシーンに改編(改悪と言いたいところだが)されていた。
まあ、予告編から、今週は全体的にコント風の展開が盛りだくさんになる予想はしてはいたものの、個人的には先々週に対して、先週が期待以上に盛り上がっただけに、この “ツカミ” の “改変” は賛成できない…
久志の言う通りだとしても、裕一のキャラが変わり過ぎる!
更に困ったのは、裕一のキャラクターが先週までと、アバンだけで変わってしまっていること。確かに、渾身の一曲、「紺碧の空」が大成功して一皮剥けたのは認める。久志も、こう言っていた。
久志「応援部の影響なんだ。
今は 興奮状態だが いずれ落ち着く」
久志の言う通りだとしても、先週の盛り上がりを受けて~の、大事な一週間、特に、先週は音(二階堂ふみ)の活躍が乏しかったから(「土曜日版」では修正されていたが)、何とか、このまま盛り上がりをキープして貰いたい週の始まりだ。
なのに、月曜日の冒頭で、ここまで明るくお喋りキャラに改編(改悪と言いたいところだが)されてしまうと、ちょっと頭の悪い私は切り替えに時間が掛かりそうだ。
第7週『夢の新婚生活』の脚本家と演出家のコンビだったか
そして、不安は的中してしまった。あくまでも “私にとって” は、この1か月半の『エール』の中で、最もグダグダな1週間だと評価している2週前の第7週『夢の新婚生活』と同じ、脚本家と演出家のコンビとクレジットにあった。背後で、本作のメイン・ディレクターで脚本も担当している吉田照幸氏がバックアップしているはず…と信じたい。
双浦環の登場シーンの、何となく私にはしっくり来ない…
主題歌明けも、何か先週と違う。世間の評判では、早稲田大学応援部が古山家に強引に入り込んで裕一にごり押しで作曲を依頼したシーンを、ある事件を揶揄していると怒っているようだが、私はそう思わなかった。
そして今回の双浦環(柴咲コウ)の登場シーン。これまでの演出では、音楽学校の廊下のシーンは基本的に奥から手前に曲がって登場人物が現れ「お~っ!」と思わせ来たのに、今回は音楽学校教師(高田聖子)と環は後姿。そして、環は教室に入って来るカットも、生徒たちの頭越しに見え隠れさせて登場。
なんか、違う。アバンのコント風も、このスカッとしない登場も、先週とは違うドラマを見ているよう。ホント、見れば見る程に不安しかないが…
主題歌明け、環のピアノ弾き語りで始まったら良かったかも
そして、「特別講師」として紹介した割に、直後のシーンは、ピアノ室のような所で一人でピアノの弾き語り。それをガラス戸越しにのぞき込むシーン。こうなるなら、主題歌明けから、環の弾き語りから始まって、音の友だちが「流石、特別講師だけあるわね。うっとりしちゃう~」とかで良かったような。
音には、普通に「双浦先生」と敬意を表して欲しかった…
それに、時代云々を抜きにしても、音が「環先生」と呼んだのには大きな違和感。尊敬しているなら、なおさら「双浦先生」の方が、尊敬している感じが出るような。因みに、この直後に、音の友人・潔子(清水葉月)が「双浦先生と知り合いなの?」と言っていたから、脚本家は、「環と音は既に親しい関係」のように見せたかった可能性はある。
あるにはあるが、 世界的オペラ歌手に音が声を掛けて、その環が音を知っているのを潔子たちが目撃しているのだから、ここは音にも、脚本による親しみかんの押し付けよりも、普通に「双浦先生」と敬意を表して欲しかった。うーん、先週は凄く感想をノリノリで書けたのに、いいとこ探しをしても……… 4分過ぎても… ない。
音が "物静か" になり過ぎてやしないだろうか?
古山家で夫婦での夕食シーン。久志が「今は 興奮状態だが いずれ落ち着く」と言っていたから、百歩譲って裕一がハイテンションで、且つ饒舌なのは許容するとしても、音が物静かになり過ぎてやしないだろうか。
私の中の音なら、憧れの環と再会し、言葉を交わし、幼少期の父とのことまで覚えて貰っていたのだから、「今日は、納豆食べちゃおうかな!」くらいにハイテンションで活気があって良いように思うのだが。これも、「過度に興奮し過ぎて、弛緩しちゃってる」とか解釈しろと。
!福島三羽ガラス" の回想シーンは、とても良かった!!!
ただ、やっぱり、“福島三羽ガラス” の回想シーンは、とても良かった。こう言う表現が適切か分からないが、「あの頃の『エール』は毎日が輝いていた!」と自分で洗脳されているのが分かる位だから、子役たちが目に飛び込んで来るだけで高揚感が増す。もっと、もっと観たかったくらいだ。
『あまちゃん』の"荒巻"を彷彿させる廿日市の登場が嬉しい
さて、8分過ぎに、ガラス越し以外で久し振りにコロンブスレコードのディレクター・廿日市(古田新太)が登場した。『あまちゃん』の名物キャラ「荒巻太一」を彷彿させる(と言うか、ほぼ同じ…笑)だから、廿日市が登場すると、嬉しいし下がった期待感が上がって来る。
「地方小唄」のくだりは、実に時代を反映していて良かったと思う。ただ、惜しむらくはあっと言う間に終わったこと…
カフェーで、ノリノリ&デレデレする窪田正孝さんの演技力は凄い!
何度も繰り返して恐縮だが。久志が言った通りに今の裕一が “今は 興奮状態” だとしたら、サロン? カフェー? で希穂子(入山法子)に、ノリノリ&デレデレする裕一を演じた窪田正孝さんの演技力は凄いと思う。ただ、惜しむらくはあっと言う間に終わったこと…
その後も、あれこれ気になって…終了
で、流石に夜の古山家の前回カットの照明が「青」過ぎだろ!? と思ったのは置いておいて。で、「また青色の照明?」と思ったら音楽学校。で、なぜ環の質問に答える順番が審査用に歌った順番と違うの? な~んて思ったりして。
あとがき
予告編によりますと、今週は、音が恋愛の機微を学ぶために、カフェーで働き始めて、そこに働いている希穂子は鉄男(中村蒼)が福島の頃からずっと探していた人で…って展開ですよね。
きっと、鉄男と希穂子の恋愛を通して、音は恋愛の機微を学習してコンテストに活かして、鉄男は鉄男で恋愛経験を作詞に活かして、裕一が福島の「地方小唄」を作って大団円と言う展開になりそうですね。
あくまでも、上記の流れは私の推測ですが、こんな感じに進むのであれば、夫婦の関係も描かれますし、裕一の仕事と音の歌も同時に描かれそうで楽しみです。ただ、一つ心配なのは、やはり、脚本と演出が、第7週のコンビだと言うこと。次回以降に期待します。
だって、もしかしたら、今日の夕方には、緊急事態宣言が全国で解除が発表され、明日から解除されるかも知れない大切な週の始まりですから、先週以上に、『エール』には、日本中に “エール” を届けて欲しいからです。一緒に、『エール』に “エール” を送りましょう!
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作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。
◆関連投稿:「批判・批評」でなく、より映像作品を楽しむための「感想」を書き続ける“7つ”の理由
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日本テレビ・『野ブタ。をプロデュース』特別編(公式)
PRODUCE 7『女を泣かす男』の感想。
なお、原作の「野ブタ。をプロデュース」白岩 玄(河出書房新社)は未読で、ドラマも未見。
※ 私は本作を初見なので、ネタバレ等のコメントは無視させて頂きます。
修二(亀梨和也)と彰(山下智久)が信子(堀北真希)をプロデュース!信子は唯一出来た友人蒼井かすみの誘いで放送部へ入部。一緒にいたい彰も入部するが、信子への抑えられぬ思いのために、とんでもない行動をとり…。一方修二は、クラスメイトと適当に遊びながら適当な距離を置く元の生活に戻るが、空虚感がぬぐえなかった。そんな中コンクールに応募する映像を3人で撮影することに。しかし、また陰湿ないたずらが発生して…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
原作:「野ブタ。をプロデュース」白岩 玄(河出書房新社)
脚本:木皿泉(過去作/すいか、富士ファミリーシリーズ、パンセ)
演出:岩本仁志(過去作/時をかける少女2016、崖っぷちホテル!) 第1,2,3,5,7話
佐久間紀佳(過去作/Missデビル、あなたの番です、トップナイフ) 第4,6話
北川敬一(過去作/あり得ない!、ろくでなしBLUES)
音楽:池頼広(過去作/相棒シリーズ
主題歌:修二と彰「青春アミーゴ」(ジャニーズ・エンタテイメント)
まえがき
(前回の感想にも書きましたが)この感想は最後まで見終えてから書く手法でなく、録画を見ながら気になったら一時停止して書いて、チャックしてから進めるスタイルで書いておりますので、読者の皆さんも「都度都度、先が分からない」つもりで読んで頂けると、感想の内容が分かりやすいと思います。そして、今回の感想は前回よりも長文です…
第7話は、まず冒頭の映像的な構成が良かった
前回のラストシーンは、とても印象的、且つ衝撃的な、修二(亀梨和也)に「ノブタのプロデュース作戦は 本日をもって 終了します」と宣言をした彰(山下智久)が修二に背中を向けて歩き去る映像のストップモーションがフェードアウトで終わった。そして、今回の冒頭の映像的な構成が良かった。
冒頭の映像的に良かった構成を、詳しく解説します
普通のドラマなら、安易な手法で、単純な修二の回想シーンにして、修二が教室に入って行く…と、すると思う。また、ちょっとドラマチックにするなら、「事件」の日の夕方に、修二が一人でいつもの校舎の屋上にいて、今朝の「事件」を思い出す…と、すると思う。
しかし、本作は3つ目の選択肢を選んだ。回る自転車の車輪のアップが今回の1stシーンの1カット目。2カット目でそれが自転車を立ち漕ぎする修二と分かる。「事件」の回想を挟んで、太陽の逆光の中を自転車で走る修二、団地を背景に走る主事と繋がって行く。また、「事件」の回想が挟まって、今度は橋の上を走り抜ける修二。
ここの修二の “影” が長いから、時間帯が「早朝」なのが分かる。その後に、修二が教室に入って行く場面になる。これって、お分かりだと思うが、「事件」だけでなく「事件」の前の修二の投稿シーンまでが丸ごと回想シーンの扱いになっているのだ。そこに「事件」の後の修二の気持ちがモノローグで被っていると言う高等技術。
だから(まだ、先は見ていない)私は、前回の感想で書いたように、この第7話から、彰の信子(堀北真希)への気持ちを知って、プロデュースをやめた「新生・桐谷修二」とも言うべき修二と、気持ちを表現するようになった彰と信子の、これから育まれる友情が描かれると確信した。数十秒のシーンでも構成が凝っている…
メインタイトルまでの「先が見たくなる」作り方が上手い
そして、第1話からの印象的な回想シーンが、スローモーションやコマ落としのエフェクト効果(カクカクとした感じの映像処理)を掛けて繋がって行く。
修二(M)「もう 3人で何かすることってないんだ…
ノブタのプロデュース作戦は
本日をもって 終了します」
ここで、メインタイトル。この修二のモノローグもいい。第7話から「第2章」的に、「新生・桐谷修二」を描くなら「本日をもって 終了しました」と区切ってしまった方がスッキリする。しかし、「本日をもって 終了します」となっているから、(どこまでかは分からないが)終了する過程が描かれるのを暗示させる。
だからドラマで最も大切な視聴者が「先が見たくなる」ように設計させれていると言うわけだ。なんか、ワクワクもするし、3人がどうなるのか不安も混じる。だって、ここまで、回想シーン以外には修二のモノローグしかないから、「事件」の放課後以降の彰と信子の気持ちが見えて来ないから。視聴者への期待感の持たせ方が、上手いなぁと思う。
放送部にいる"かすみ"の笑顔が気になる…
そして、メインタイトル直後は、早速、放送部に入部した彰と信子。放送部の部長? から全国高校生放送コンクールの話し合いが始められる。そうだ、そうだ、放送部には、絶対に何か大きな役目を果たすであろう蒼井かすみ(柊瑠美)がいたのだ。何か、やり出しやしないか、あの笑顔を見るとハラハラしてしまう。
カラオケボックスから修二が見上げる上弦の月まで解説
彰は話し合いに加わろうとせずに、窓際に立って校庭を見ると、楽しそうに女子たちと下校していく修二を見つける。ここでの、窓枠を上下にこするような動作をする彰がなんかいじらしい…。でも、その理由も、話し合いの内容も描かれずに、シーンは「カラオケ館」のある大通りの夕景。
その後は “心ここに非ず” な修二が、横ワイプ効果(元の映像を拭き取るように次の映像が入るような編集処理のこと)で 、“走馬灯” のように描かれる。
普通は「時間経過」を表現する際に用いる編集技法なのだが、ここではカラオケボックス内の会話とギターソロの劇伴の上に、映像処理のコマ落としが組み合わされることで、映像がカクカクとして “何かが足らない” と言う感じが “虚無感” へ繋がる演出していると思う。
だから、修二の「つまんねえなぁ…」のモノローグが際立つ。そして、満たされない修二の心情は、当然「満月」で表現するはずはない。で、ここで修二が見上げる月は、上弦の月(半月)。天体や天文に詳しい、または興味がある人には釈迦に説法になるが、月は、「新月(見えない) → 三日月 → 上弦の月(右側が光る) → 満月 → 下弦の月(左側が光る)」 を繰り返す。
と言うことは、演出的には、修二の心は、何かが起きて最終的に「満月(満たされる)」方向に展開することが予想される。でも、本作は全10話だから、この後も修二の心は「月の満ち欠け」を切り返す可能性もある。これも、ちょっとした視聴者が「先が見たくなる」仕掛けだと思う。
青春時代の葛藤をストレートに駄々をこねる修二で描いた!
前回の感想でも書いた通り、修二の桐谷家のシーンには、意外と、いや必ずその放送回のキーワードが隠されている。今回もそれを探していたら、修二自身が「駄々をこねるねぇ」と言った。
小さい頃から駄々をこねたことのない修二が、ベッドの上で赤ちゃんのように駄々をこねる仕草をする。ここも、いいね。普通の青春ドラマなら、駄々をこねるポーズをやって、フェードアウトして翌朝へ飛ぶか、さっきの「下弦の月」をインサートカットにして翌朝に行くと思う。でも、本作は、違う。
修二「ウソをつくのは 苦しいよ!
何か知んねえけど 苦しいよ!
あ… はぁ… 本当に苦しいよ…」
苦しい胸の内を、ガッツリと修二の台詞に書いちゃった。亀梨和也さんの演技なら、台詞がなくても十分に胸のうちの苦しさは伝わるのに。
でも、ここは敢えて台詞にすることで、これまで自分自身が作り上げて来た学校における「桐谷修二」ブランドみたいなものが、彰と信子と別れ、プロデュースも止めたことで、「新生・桐谷修二」ブランドになるのか、元に戻るのか、どっちに転がるか分からないが、脱皮をしようとしている “蛹(さなぎ)” のように見えた。
もがけばもがくほど、皮は向けていくかもしれないが、傷を負うこともある。それが、青春時代の葛藤なのだ。そこをストレートに駄々をこねる修二で描いたのは、私にとっては新鮮だった。
信子の食レポ映像が流れる時の"劇伴"に注目してみる
とにかく、今回は、ここまで(8分過ぎ)まで、ずっと修二。所々に彰と信子の出番はあるが、それらのほぼ全てが修二の虚無感を描写するためのパーツとなっている。ただ、単純な話ではない。
例えば、信子がレポーターとして蕎麦屋を取材した映像が校内に流れている場面は、修二の虚無感を描きつつも、先週まで描かれた信子を人気者にすると言うプロデュースが成功したことの修二の満足感も描いている。
で、このシーンで注目したいのは劇伴。信子が食レポをやっている場面では、徐々に明るくなる劇伴が流れていて、修二の満足感と共に信子の成長や変化も明るく描く。まり子(戸田恵梨香)が廊下を歩くインサートの時も同じ劇伴。でも、まり子が修二に声を掛けると劇伴が止まる。手持ちカメラで揺れ動くまり子を描写。
一体、何に、まり子は揺れ動くのか? 劇伴が止まったからこそ、そうおもう。これも、ちょっとした視聴者が「先が見たくなる」仕掛けだと思う。やはり、(特に)10分過ぎまで彰の出番が少ないから、このような視聴者を引き付けておく作戦は打つのは当然のことなのだが、あざとく、不自然に彰の出番を増やさずに、音でやるのが、さりげなくて良いのだ。
ここが、視聴者への焦らし作戦だ!
CM明けに、やっと彰、そして信子。しかし(悪い意味でなく)この2ショットのシーンにも、すぐに修二が割って入る。彰が信子にどんなアプローチをするのか楽しみにしていたのに、修二が入る。
ここも、視聴者への焦らし作戦だ。そして、もしかすると、修二の心の隅っこに、彰と信子を二人だけにすると、益々自分の居場所や存在感が薄まってしまうと言う恐怖感が生まれているかも知れない。
「俳優・山下智久」が、"瞳の動き"だけの演技で魅せた瞬間!
このシーンで、信子が今度新作を撮影するから、撮影方法を教えて欲しいと修二に願い出る。修二目線でビデオカメラの液晶モニターに映し出させる信子が、作品のテーマは「私の好きなもの」と言う。ここ、私、好きなシーンだ。修二と信子は、単純に第6話までの気分でやり取りしているのに、彰は前回でこう言った。
彰「ノブタが みんなのものになるのが 苦しい。
ノブタを俺だけのものにしたい。
ホントは 誰かに見られるのも やなんだよ」
そう、彰は、ビデオカメラのレンズを通してでも、信子が誰かに見られるのが嫌なのだ。そこを「俳優・山下智久」が見事な “瞳の動き” だけの演技で魅せる。1秒前後の短い演技だが、彰の複雑な心境を一発で演じた。
私が敢えて「俳優・〇〇〇〇」と書くには理由
ところで、私が敢えて「俳優・〇〇〇〇」と書くには理由がある。もしかすると、「演技をしている時点で俳優なのだから、わざわざ書く必要なんてあるの?」と思う読者がいるかも知れない。
でも、私は、本作で言えば、山下智久さんも亀梨和也さんも俳優業をしているのには間違いないが、歌手やエンターテイナーとしての幅広い才能があると思っている一人だからこそ、演技を称賛したい時は、これからも「俳優・〇〇〇〇」と書かせて頂くことを、ご承知おき頂けると助かる…
本当、一つも不必要なシーンがないのは素晴らしい
話を本作に戻そう。先生たちが買った宝くじが、300万円当選していたのに台無しになってくだりの意味が分からなかった。次の、修二と彰と信子がセミの話を摺る意味も全く分からなかった。しかし、ゴーヨク堂店主・デルフィーヌ(忌野清志郎)の、この一言で腑に落ちた…
デルフィーヌ「セミも人間も 諦めが肝心」
これ、駄々をこねてる修二にフィードバックさせたい台詞だ。しかし、まだまだ修二にデルフィーヌの深い思いは伝わらない。
当たり宝くじを洗濯機で洗ってしまった横山先生(岡田義徳)の人型揚げバンを増産する “キャサリン” こと佐田先生(夏木マリ)はいつも魔女のようなスタイルだから呪いをかけているようなコミカルなシーンに、たい焼きを食べた思い出を重ねて、諦めはそう簡単なことではないことを暗示していると思う。本当、一つも不必要なシーンがないのは素晴らしい。
まり子に見透かされた修二を演じた「俳優・亀梨和也」の演技
3人が、各自で撮影をすることになった。何気ないシーンと思いきや、修二に撮影されているまり子から、突然こんな台詞が飛び出した。
まり子「どういう時に諦めるか?」
劇伴は超明るく能天気なのに、修二の質問、いや修二が撮影している映像のテーマとのギャップが凄い。更に、劇伴が止まって、ビデオ撮影も終わってからの、内容が実にシビア。そして、まり子って修二のこと、修二との関係をこう思っていたんだ…と再認識。
正直、これまで戸田恵梨香さんと言う存在感は放ってはいたが、「上原まり子」と言う登場人物像はあまり見えて来なかったのが、ちょっぴり不満だったし、いつ存在感を魅せるのか期待をしていたのだ。
しかし、遂にこのシーンがやって来た。 あまり表面的に本心を見せないし、動揺も見せないまり子だが、本心を見せない修二に対して、積もり積もった不安を抱いている…と言うことだ。そこを、このまり子の台詞が決定づけた。
まり子「私 このままじゃ苦しいよ。
修二は 苦しくないの?」
戸田恵梨香さんの冷めた表情の中に苦しさと熱さを抱いている演技も素晴らしい。
そして、まり子に見透かされた修二、本心を突かれた修二、言い返すことの出来ない修二をあそこまで寄ったアップで堂々と表現した当時の若さの「俳優・亀梨和也」に、のちに、5年後のドラマ『妖怪人間ベム』で、更に5年後の『怪盗 山猫』で怪演を魅せることになる片鱗が私の目にしっかりと見えた。
1秒間にも満たない尺で「俳優・山下智久」が魅せた演技の底力
さあ、いよいよ彰パートらしい。3人それぞれが撮影してた映像素材チェックを彰の下宿先の豆腐屋でやっているシーン。
なぜか、普通の日常のスナップのようにしか見えない修二の映像に興味を持つ信子。堀北真希さんの演技も良いが、信子が修二の映像をプロヂュース(と言うか、正確には「ディレクション」か?)すると言う逆転の面白さ、修二の疎外感が少し埋まった感、そして信子を画面手前に大きく映り込ませて、その奥で信子の言ったことの真意に不安を抱く彰のちょっとした表情のスゴさ。
一瞬、1秒間にも満たない尺で「俳優・山下智久」が魅せた演技力。ホント、瞳の使い方が秀逸過ぎる。この若さでこれだけの演技力や表現力があれば、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』、『アルジャーノンに花束を』、『インハンド』と全く違うキャラを見事に演じ分けられるのも、本作を見れば驚くことではなく、必然に思う。
彰は編集中もずっと信子の傍にいたはずだから、せつない…
次のシーンもいい。夜の放送部室で信子が修二の撮った映像を見て、修二の人間性を見抜く場面だ。それを聞いている彰の複雑な心境。撮影したカメラは、当時主流だった「miniDVテープ」仕様で、彰が捨てようとしていたのは「VHSテープ」だから、信子と修二は、信子が編集してタイトルも貼り付けた「VHSテープ」を捨てようか迷っていることになる。
と言うことは、彰は編集中もずっと信子の傍にいたはずで、だから、「捨てたい」と「捨てられない」のはざまで葛藤する。好きな信子が大事に編集した「VHSテープ」だけど、撮影したのは修二だから。修二も修二なりに苦悩しているのだ。
混乱の中で「最悪」と決める彰の心情がしっかりと伝わる演技
このシーンのいい所は、今回の序盤で、修二が「ウソをつくのは 苦しいよ!」と “本音” を言ったくだりと、彰が信子にグ~で殴られて鼻血を出している所へ帰宅途中の修二が駆けつけて、信子が氷を買に行って、そして修二と彰だけになる場面での、次の彰の台詞が呼応しあっている、リンクしている、フィードバックしているから。その彰の台詞がこれ。
彰「俺って 最悪。マジ最悪」
序盤の修二は一人、部屋で「苦しい!」と本音を吐露したが、今度は彰が修二に対して「俺って 最悪」と本音を零した。正義感が強くて自分の正義のルールを持っている彰が、混乱している自分を「最悪」と自己評価しているのが興味深い。
またしても、「俳優・山下智久」の右側の横顔の演技に魅せられる場面だが、混乱しているのに「最悪」と決めている彰の心情がしっかりと伝わる演技でもあった…
正義感が強くて自分の正義のルールを持っている彰だからこそ
彰と信子が、夜の川の横を自転車を引きながら下校するシーンも良かった。敢えて、ここの台詞は引用しないが、正義感が強くて自分の正義のルールを持っている彰だからこそ、好きな人との未来まで考えて、その未来の自分まで責めちゃう彰の真面目さと弱さと素直さが沁みて来る。きっと、信子の心にもじわじわと沁み込んで行っていると思う…
3人が交差点で各々の方向に分かれて行く場面も良かった!
翌日か。修二が撮影し、信子が編集した『私の好きなもの』と題された作品が、放送部室内で試写されるシーンがあった。
収録されていたのは、いろんな人が「諦めた」について語る場面ばかりだった。「諦めたこと」や、「諦めないこと」、「諦めきれないこと」が綴られた映像。秋の夕日を逆光にし、足元には落ち葉、3人が交差点の信号で立ち止まって、修二だけが自転車で走り去る。その修二をじっと見る信子。
その信子を、またしてもチラ見だけして、去って行く彰。再び、修二の方向を見て、2人と違う方向へ帰って行く信子。きっと、3人の中で 「諦めたこと」、「諦めないこと」、「諦めきれないこと」がぐちゃぐちゃになっているに違いない。だから、「じゃあ」しか言葉が出ない。青春とはそう言う複雑でピュアなものだと思うし、私自身もそうだったと思い出した…
「ノブタを諦める」と言った彰の前後の展開の秀逸さ
何者かが(女子高生)夜中に学校に侵入して、修二撮影・信子編集のビデオを滅茶苦茶にしてしまった。放送部員たちが朝見つける。動揺する信子。放課後、校舎の屋上で一人ポツンと足を投げ出して座っている信子に、修二と彰が走り寄る。遠くの空が夕焼けでほんのり赤くて、上から放射状に光が射している。
信子「ごめんね」
修二「何で お前が誤るんだよ。
俺のことは いいからさ」
涙目の信子と、切られたビデオテープで巻かれた信子が持っているVHSビデオが痛々しく映る。
修二「つうか… 何で そんなに自分の感情
むき出しにできんだよな」
彰「できちゃうのよ~ん。切羽詰った人間は。
俺も しちゃったし」
ここ、さっきの彰は自分のことを「マジ最悪」と自己評価したのを修二に伝えて、ここでは新たに「切羽詰まった人間」と自己評価して伝えた。もう、これは一定の自己評価が終わったことを意味しているに違いない。しかし、この屋上直後のシーンは、浮かれて階段を下りていく彰だった。しかし、階段の踊り場で立ち止まった彰と修二のやり取りが…
彰「俺 ノブタのこと諦める」
修二「マジ?」
彰「俺 ノブタのこと 好きになる資格ないのだ」
修二「好きになる資格?」
何? 人を好きになるのに 資格とか 別に いらなくね?」
彰「いるのよ~ん。
女のコ 泣かしちゃ 絶対ダメなの。
今の俺じゃ ダメなんだ…
俺 3人でいる時のノブタが一番好き。大好き」
ほお、すごい展開だ。正に、正義感が強くて自分の正義のルールを持っている彰だからこその彰の決意。3人が、それぞれ相手を思い、自分を考えて、傷つき、翻弄され、信じ合っていく姿の「新章」と言うべき第7章からの、クライマックス直前の見事なフリだ。さて、彰は休校日にどうやって、スッパリと諦めるのか、楽しみでしょうがない。
友情が育まれて行く過程を映像と音で描いた校内放送の場面
翌朝。休校日だから当然に誰もいない学校へ、修二と彰が、黒色と白色のジャケットを着て登校する。彰は放送室に入って機器に電源を入れてマイクチェック。校庭でOKマークを出す修二。い、一体何を喋るのかと思ったら、修二がマイクで校内放送を使って、大きな深呼吸をした後に、こう言い出した…
彰「ノブタ~!! 好きだ~~!!
ノブタの読んでいる本が好きだ。
ノブタの歩いてる道が好きだ。
ノブタがいる屋上が好きだ。
ノブタのいるところは全部好きだ。
(小声で)大好きだ…
ではでは そんなノブタのために歌います」
と、加山雄三さんの大ヒット曲「お嫁においで」を小さな声で歌い始めた。校内を聞き回る修二。なんか、いいね。好きな人との未来まで考えて、その未来の自分まで責めちゃう彰だからこそ、「お嫁においで」を歌って、けじめをつける…と言う展開が。単純に「男と男の友情」を描いているのではなく、友情が育まれて行く過程を、映像と音で描いている。
心の殻を自ら破って開放した、修二と彰と信子、そしてまり子
これだけでも、かなり秀作なのに、本作はやはりこれで終わらないか。彰の歌を教室の後ろで聴いている修二の横を、まり子が通り掛かる。バスケ部の早朝練習で登校したと言うまり子は、教室には入らずに扉を閉めて去ろうとする。
彰に歌はさり気なくフェードアウト。修二はズームアップ、まり子はコマ落とし、これを2回繰り返すことで、あのまり子が言った「私 このままじゃ苦しいよ。修二は 苦しくないの?」が蘇る。私の中にも、修二の中にも…。修二が「まり子!」と大声で呼び止める。
修二「まり子 俺たち付き合ってるの? って 聞いたじゃん」
俺さ 今まで 人を好きになったことがなくて。
だから まり子のこと 好きだって思ったことがないんだ。
何か 恋愛みたいに
自分をコントローできなくなるのが苦手っていうか。
そういうのが嫌いで。
だけど 周りの奴らには
恋人がいるんだ っていうふうに 思われたくて
それで まり子と一緒に 弁当食べたりしてた」
まり子「それは これからも そうなの?
この先… 私を好きになってくれる可能性は?
修二「ない ごめん」
歩き去る修二。廊下にポツンと残されるまり子は泣きながら体育館へ。ここの劇伴無しで、あの距離感での長台詞で魅せた、亀梨和也さんと戸田恵梨香さんの演技も素晴らしい。そして、やっと自分の中にある本当の自分に向き合って、それをまり子に伝えることが出来た修二。
修二とまり子にとって大きな苦しみでもあり、大きな前進でもあり、これが青春と一言で片づけるのは安易かも知れないが、自分の心の殻を自ら破って開放した、修二と彰と信子、そしてまり子。いいシーンだ。
VHSビデオを修復するシーンは、懐かしかった…
彰が下宿先の豆腐屋の主人・平山 一平(高橋克実)と、VHSビデオを修復するシーンは、オジサン世代には懐かしの光景。私も若い頃によくやったものだ。私の場合は、セロテープではなく、スプライシングテープと言う専用のモノを使っていたが。おっと、今回も脱線してしまった。失礼…
夜の公園での修二と信子の場面は、是非解説を読んで欲しい
夜の公園。一人ポツンとベンチに腰掛けている修二を見かけて、近づく信子。信子目線の手持ちカメラが妙にリアルに修二を映す。
修二「まり子に ひどいこと いっゃった。
明日から 憎まれんだろうな。俺…。
人にさ… 人に嫌われるのって… 怖いよな」
信子が、手に持っていたパックの牛乳を落として修二に歩み寄る。そして、後ろから修二を優しく抱きしめる信子。ここのカメラワークと編集の技を解説しておこう。
まず、信子が牛乳パックを落としてからは、スローモーションになる。そして、抱きつくカットは全部で三段階。一回目は二人がフルショット(全身が映っている画角)で信子の両手が完全に修二の肩を抱き寄せるまで使って、二回目のカットはバストアップ(胸より上が映る画角)で信子が手を回すところから始まる。
要は、信子が抱きつく動作が “重なって” いるのだ。そして、更に三回目は信子の手のアップ。これ、良く見ると、1カット目と2カット目の抱きつかれる瞬間の修二の顔のリアクションが微妙に違う。1カット目は意外と平常心で、2カット目はドキッとしている。
もちろん、照明が違うから、それぞれ別撮りしているのだが、2カット目の亀梨和也さんの目線のちょっとして演技が修二の心情を的確に表現していると思う。そして、このシーンの工夫はまだある。信子の手のアップの直後に、カメラは、ど~んと超ロングで二人の姿が視認出来ないまで引く。
そして、サスペンス映画などで多用されたり、最近ではドラマ『孤独のグルメ』の冒頭で主人公が食堂を探せない時にも使われたりする(『孤独のグルメ』ではクローズアップでなく、ロングショットと言う逆になるが)、登場人物の心情の変化を劇的に描くカット割りである「ジャンピングクローズアップ」と言う手法で、ポンポンポンと3回に分けて二人にカメラが寄って行き、最後はさっきの2カット目のバストアップのカットに戻って芝居も繋がる。
恐らく、第7話までで最も凝った撮影と編集だと思う。それだけ、作り手の思いが入っているシーンと言うわけだ。
コンビニのビニール袋の「カサカサ」と言う音の演出に注目
そして、修二と信子はどのような劇的な心情の変化があったのかが、ここから描かれる。
信子「大丈夫。誰も… 嫌いになったりしないから」
自分の大胆な行動に驚いた信子が、素早く修二から離れて「ごめん。ごめんなさい」と言って牛乳パックを拾って走り去る。ここね、牛乳パックと言うより、コンビニのビニール袋がいいね。
ドラマチックな劇伴と、感動的な演技と内容の中に、ビニール袋がガサガサとこすれる音が何ともリアルな感じを出すし、こすれ合う音が、“心がきしむ音” にも聞こえて来るから。何て言うのかな。生活感と言うか、生きている証しと言うか。
あの、コンビニ袋のこすれる音が、フィクションであるこのドラマに、現実感を添える。こう言う細かな演出にも気づいて欲しいと思う。
信子が去る場面からの公演のシーンも見逃せない!
そして、秀逸な演出はまだまだ続く。前半で、修二にビデオカメラで撮影されていたまり子が、修二に「諦めるとさ 後を後悔するし」と言って、修二のビデオカメラのスイッチをオフにした途端に、劇伴が急に止まるって、急に信子が修二にシリアスな話をし出す…と言う展開と同じ演出が繰り返された。
修二(M)「ノブタに 何か いってやらないと…」
ここで、信子が階段を駆け上って走り去るカットが入る直前に、劇伴が急に止まって無音。ほら、さっきと同じだ。
修二(M)「笑って 何か いってやらないと
ノブタが 気にするんじゃんか…!
そう思うのに 俺は 動けなかった…」
前半の劇伴を途中で止めるのは、コミカルなシーンとシリアスなシーンの繋ぎ目を印象付ける効果があった。
そして今回のは、恋バナに発展しそうな展開を匂わせておいて、まだまだ「新生・桐谷修二」の変化は小さいこと、そして、本当は自分がとても、いろんな意味で寂しい人間だと言うことが分かったと言うことを印象付けることに成功した。ラストの修二のモノローグを含めて、この公園のシーンは見応えがあった。
あとがき
さあて、本当に彰の信子を好きな気持ちは吹っ切れたのでしょうか? それと、見栄っ張りの修二は、まり子との関係に終止符を打ったのに、弁当はどうするのか? そして、信子の本当の気持ちはどうなのか? いろいろ気になりますね。
でも、そんなことを吹っ飛ばしてくれるのが、主題歌の修二と彰が歌う『青春アミーゴ(2020ver.)』。内容の濃さに対して、絶妙な明るさとテンポ感と心地良さ。このギャップも素晴らしいです。
また、今回は、亀梨和也さん、山下智久さん、堀北真希さん、戸田恵梨香さんの演技に見応えがありました。今から15年近く前の作品とは思えません。残りの3話も大切に観たいと思います。ただ、来週(5/29)はお休みだそうで、感想は再来週になります。
最後に、長文を最後まで読んで下さって、ありがとうございました。また、前回の感想に、89回ものWeb拍手を頂き(この感想の投稿時点で)、ありがとうございました。今朝は気合を入れて、朝5時過ぎから録画を見始めたのですが、、書きたいこと、お伝えしたいことがあり過ぎて、感想を書き終えるのに5時間近く要してしまいました。
でも、読者の皆さんの応援は大きな励みにっており、長時間も苦になりません。本当にありがとうございます。
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野ブタ。をプロデュース o.s.t オリジナル・サウンドトラック
山下智久さんのファンの皆さんへ
ご訪問、ありがとうございます。本放送当時、読者の皆さんからたくさんの応援を頂いた山下智久さん主演の『アルジャーノンに花束を』と『インハンド』の全話の感想もあります。最終回の感想文に全話の感想のリンクがあります。
アルジャーノンに花束を:Web拍手への御礼と最終回の新たな感想
インハンド(第11話/最終回・2019/6/21) 感想
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正直不動産2
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女囚セブン
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新宿セブン
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水球ヤンキース
スカーレット
好きな人がいること
素敵な選TAXI
素敵な選TAXI[再]
スーパーサラリーマン左江内氏
すきすきワンワン!
スキャンダル専門弁護士 QUEEN
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スナック キズツキ
スパイラル~町工場の奇跡~
スペシャリスト
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砂の塔~知りすぎた隣人
スニッファー嗅覚捜査官
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正義の天秤
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聖女
せいせいするほど、愛してる
世界一難しい恋
セカンド・ラブ
セシルのもくろみ
セミオトコ
全領域異常解決室
サバイバル・ウェディング
銭の戦争
絶対正義
絶対零度~未然犯罪潜入捜査~
絶対零度[4]~未然犯罪潜入捜査~[2]
セトウツミ
ゼロの真実~監察医・松本真央~
先生を消す方程式。
そして、誰もいなくなった
そのご縁、お届けします―メルカリであったほんとの話―
宙わたる教室・宙(そら)わたる教室
それぞれの断崖
それってパクリじゃないですか?
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DIVER-特殊潜入班-
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大恋愛~僕を忘れる君と
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ダメな私に恋してください
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探偵が早すぎる
探偵の探偵
探偵・由利麟太郎
小さな巨人
ちむどんどん
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dele/ディーリー
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DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~
デザイナー 渋井直人の休日
デジタル・タトゥー
デスノート
テセウスの船
出入禁止(デキン)の女
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デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
天国と地獄 ~サイコな2人~
天使と悪魔
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ドクターX ~外科医・大門未知子~[4]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[5]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[6]
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Dr.倫太郎
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ど根性ガエル
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トップナイフ ―天才脳外科医の条件―
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トドメの接吻
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となりの関くんとるみちゃんの事象
ドラゴン桜(2021年版)
虎に翼
ザ・トラベルナース
ザ・トラベルナース[2]
ドリームチーム
トリリオンゲーム
トレース~科捜研の男~
ドロ刑 -警視庁捜査三課-
[な]
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ナオミとカナコ
凪のお暇
なつぞら
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逃げるは恥だが役に立つムズキュン特別編[再]
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日曜の夜ぐらいは…
ニッポンノワール-刑事Yの反乱-
日本沈没ー希望のひとー
ネメシス
ノーサイド・ゲーム
ノースライト
脳にスマホが埋められた!
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花咲舞が黙ってない[2024]
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ハル ~総合商社の女~
ハロー張りネズミ
半沢直樹[2020]
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BG~身辺警護人~
BG~身辺警護人~(第2章)
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悲熊
美食探偵 明智五郎
人は見た目が100パーセント
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100万回 言えばよかった
病室で念仏を唱えないでください
病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~
ひよっこ
ひよっこ2
ビリオン×スクール
Believe -君にかける橋-
昼のセント酒
HERO[2014]
ファーストクラス[2]
ファーストペンギン!
ファイトソング
FINAL CUT
ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
フェルマーの料理
VRおじさんの初恋
不機嫌な果実
ブギウギ
不適切にもほどがある!
不便な便利屋
ブラックペアン
ブラックペアン シーズン2
フラジャイル
フランケンシュタインの恋
ブラックリベンジ
フリンジマン
フルーツ宅配便
ブルーモーメント
べしゃり暮らし
ヘッドハンター
べっぴんさん
ペテロの葬列
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保育探偵25時
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HOPE~期待ゼロの新入社員~
ボク、運命の人です。
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僕とシッポと神楽坂
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