ひよっこ （第153回・9/27） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ひよっこ』（公式）
第26週『グッバイ、ナミダクン』 『第153回』の感想。


※ 本作は、9/4 にクランクアップ（撮影終了）しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。

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みね子（有村架純）のもとに、実（沢村一樹）から「見せたいものがある」とはがきが届く。秀俊（磯村勇斗）にも相談し、急いで奥茨城に帰るみね子。バス停に降り立つと、ちよ子（宮原和）と進（高橋來）が迎えに来ていた。一方、中華料理屋の五郎（光石研）と安江（生田智子）が、養子にした女の子・茜（上杉美風）を連れて広場にやってくる。緊張ぎみの茜は、元治（やついいちろう）が面白い顔をしても笑ってくれず…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

敢えて「4年」と言わせているところに…

ついに！いや、やっと「1968/昭和43年」になった。いやいや、半年間も放送して「たったの4年間か？」と言わざるを得ない。そして、この↓「語り」。

N「この物語が始まってから 4年が たったんですね」

いつものお節介で過剰説明の「語り」なら、「4年も」と言いそうな部分を、敢えて「4年」と言わせているところに、脚本家の岡田惠和氏の怒りなのか不満なのかやり残し感があるのは間違いない。まっ、この際どうでも良いのだけれど…

秀俊は事前に、みね子に試作品を味見させなかったのか?

そして、恐ろしく久し振りに “ウエイトレスの仕事をしているみね子” が登場。ところで、今回の「エッグ ツー」を聞いて、ふと疑問に感じたのが、先日の新作メニューの試食会。あの時、みね子も初めて試食していたよね。確かに、最終形はあの時が最初でも、普通なら秀俊はみね子に試作品を味見させないかな？と言うこと。

毎度書いて恐縮だか、新作メニュー開発の過程の中で、1カットでも試作品の試食のカットがあれば、先日の試食会の時に秀俊と元治がアーモンドを入れる秘策を思いついた回想が活きて、試食会でみね子が「これまでで一番美味しい。流石ヒデさんと元治さん」と言えば、みね子と秀俊も株が上がったのでは？な～んてね。

ｲﾝｸﾞﾘｯｼｭ･ｶﾞｰﾃﾞﾝ風など、あちこちの雑さに泣けてくる…

もう、なんか演出家も意地になっていると言うか、面倒なのか、とにかく適当に先日の「大好き」同様に有村架純さんのアップを入れとけ！と言うカット割りになっている、それも「奥茨城編」の演出をした黒崎博氏がそうだから、腹が立つを超えて悲しくなる。

それが、2分半頃。例の美術さんのやっつけ仕事にしか見えないイングリッシュ・ガーデン風のベンチに腰掛けるみねこと秀俊のシーンでの、みね子のジャンピング・クローズアップ風（トン、トン、トンと段階的に被写体に寄っていく映像手法）の2カットの寄り方。

あれを見て、つくづく「朝ドラはヒロインのものなのだ」と寂しくなったと言う訳だ。それと、あの公園は横浜ではなかったのか…。それとも、また横浜にランチに行ったと言うこと？時間経過も過程も中途半端な上に、場所も不確定って…。本当にこれらの雑さに泣けてくる…涙

みね子に「今度みんなど ぎますね」位は言わせたら?

そして、新作メニューを考案する過程で描かれなかった「デート兼お勉強」が突然始まった。と、思ったら『「ひよっこ」 最終週は? 脚本家「登場人物みんなが少し幸せになっている」』での懸案事項の1つであった「乙女寮の料理人・和夫の出番」がやってきた。

あれだけ？「今度みんなど ぎますね」くらい言わせろよ（腹が立っているから申し訳ない）。

愛子の手の位置と、居る意味のない世津子が気になる

続いては脚本家のやっつけ仕事で、愛子の結婚のくだり。妄想通りに結婚式無しの「入籍」だ。で、おかしな演出と言うか演技と感じたのが、階段を下りる愛子の手の位置。お腹を庇うように見えたから「妊娠」と勘違いしてしまった。もちろん「愛子に限って…」とは思うが、サプライズのためなら何でもアリなのが、この1か月間だから。

だから、どうやら、愛子と省吾はまだ一線を越えていないようだ…こんな下衆なことも言いたくなる。普通に手すりを持たせるだけで良いのにね。それにしても、世津子が居残って、愛子が出て行く…なんか不自然な。そして、このシーンの菅野美穂さん、演技を見るだけで気の毒…。そこに居る意味ないものね。

薬局の看板人形「イチコ」より印象が薄い脇役の養子話…

5分過ぎに今回最大のサプライズがやってきた。まさか描くとは思っていなかった「中華店の養子の顛末」が描かれた。ヤスハルと茜を重ねたいのは重々承知だが。

あのね。和菓子屋「柏木堂」の一郎とヤスハルの関係が描かれたのも、恐らく1度だけ。また、中華店「福翠楼」の五郎と妻・安江の印象だって、「トキワ堂薬局」の看板人形「イチコ」より印象が薄い脇役でしょ？

そんなイチコより存在感の無い脇役のエピソードを決着させるために、明らかに「子役を出しておけば視聴者は喜ぶだろう」と言わんばかりの、しょうもないシーンに仕上げてダラダラと垂れ流し放送。でも、これ以上に私が解せないのは…

蛇足感の原因は、登場人物の増やし過ぎと、脚本家の…

「柏木堂」と「福翠楼」を描くなら、秀俊と源治のバックボーンを描いた方がマシだったのでは？と言うこと。そうすれば、脇役が4人（結果的に茜を含めると5人）は削れるし、秀俊と元治がどんな人間なのか？だけ、スルーしてきた違和感も払拭できるし。

やはり、登場人物の増やし過ぎと、脚本家の個々の脇役への異常とも言える思い入れの深さ（役によって差はある）が、この「蛇足感」に繋がっているのは間違いない。だから、慌ててみね子の出番を増やして “ヒロインっぽく” は見せているが、話の中心になっていな時点で崩壊寸前なのである…

黒崎演出お得意、谷田部家の全景カットで目が覚めた

貴重な15分間も半分が過ぎようとしていた7分過ぎ。黒崎演出お得意の奥茨城の谷田部家の全景カットで目が覚めた。下手（画面左側）に大きくナメた（画面に入れ込んだ）里芋の葉っぱが印象的で、素敵な情景カットだ。画面には映っていない “小川のせせらぎ” まで聞こえてきそうだ。

ここでちょっと本作から話を外すが…。私は里芋の葉っぱを見ると思い出す歌がある。雨など降っていると、なおさら鼻歌まじりで歌いたくなる歌。それが、これ↓「あめふりこまのこ」だ。Wikiで調べてみると、1961年（昭和36年）に作詞され、翌年にNHKの『おかあさんといっしょ』の前身番組『うたのえほん』で放送されたそうだ。

今回の劇中が昭和43年だから、何となく古き良き昭和の雰囲気が合っている歌詞とメロディー。たった1カットの情景カットでこれだけ想像の翼が広がる。これが4月の黒崎演出だったのだ…

※携帯電話の方は、このリンク「https://youtu.be/hJtNm-7wGEs」から飛べます。

「すげぇ畑」を終盤のサプライズまで隠したいなら…

宗男「すげぇな畑！ああやって見ると ながながのもんだな」

久し振りに谷田部家に宗男の大声が響き渡る。しかし、ここで「すげぇ畑」の1カットがない。だから、白ける。宗男はもう一度見に行き、実と茂も畑に向かったのに「すげぇ畑」は見られずバサッと終了。

終盤でのサプライズに取っておきたいのは理解するが、違和感を抱かせるようなシーンなら、次の章での私の提案のように再構成して、宗男の台詞をバッサリと削除した方が良かったような…

みね子の手紙と実の葉書の順序を逆にしていたら…

みね子と秀俊の会話に由香が介入する1分程度のシーンがあった。何も書くことが無い。どうせ、奥茨城に帰るのは予告編でも [妄想] でも分かっていることだから。これならね。みね子の手紙と実の葉書の順序を逆にした方が良かったと思う。

今回の冒頭で、まず実の葉書を登場させて、「帰って来い」と見せておく。みね子は「忙しくて近況報告の手紙を出すのを忘れていた」と手紙を書くシーンになって、愛子→茜→手紙を読む実と続けて、手紙の最後に「近い内に休みを取って帰ります」と締めくくったあとに、田んぼの中を走るバス。この方が良くないか？

田んぼの中を走るバスの情景カットの演出的な工夫

で、この田んぼの中を走るバスの情景カットも工夫されているの。普通は地平線（水平線も）画面の縦方向の上から 1/3 か 2/3 にする。カットに安定感を出すためにね。前者は田んぼを強調できるし、後者は空を強調出来る。でもね、天気がね、さっきの谷田部家の全景カットは青空なのだが、バスのカットはどん曇り。

そこで、上から 1/3 の線上に山々の尾根を持って来た。上手（画面右側）に大きな緑の山、手前の下部には広～く緑の田んぼ。このコントラストの中を赤いラインのバスが下手から上手へ走ることで、目線が空に行かずに、“不安だけれど期待を持ってバスが向かっている” ことを表現している。これはいいね。

※参考『[演出プチ講座] 映像の掟～画面内の人物の位置や視線（目線）の向きには意味がある～』

三きょうだいが野道を話しながら歩くｶｯﾄにも意味がある

次郎の話は置いておいて。「赤坂編」になってから毎日毎日窮屈な映像ばかり押し付けられていたのがよーく分かる、今回の奥茨城の映像。12分頃のみね子とちよ子と進が野道を歩くシーンもいいよね。ここは下部の緑と上部の農家がちゃんと画面の上から 1/3 の線上に置かれてるでしょ？だから、落ち着くの。

そして、三きょうだいの会話をカットが進む毎に、カメラは引いて行くのも良いね。特に3人が走り出すカットは、遠くで小さく映る3人が、今度は画面の上から 2/3 の線上に配置されて、安定感もさることながら、上手方向に走ることで、“安心、楽しさ、慈しみ” を表現しているってわけ。アマガエルも印象的だ。

雨が、すべてを美しく魅せた

ロケ日が偶然に雨天だったのか？脚本の遅筆で天気を狙っている余裕なんてないだろうから、偶然に雨が降ったのだろう。しかし、画面の大半を締める緑色の中に、みね子が差す傘の赤色が映えるのなんのって。こう言うのを見ると嬉しくなる。

雨降りのおかげでみね子の歩く速さも遅くなって、ゆっくりと田舎の時間が流れる感じもいい。そして、最後の花栽培風景のドン引きで俯瞰気味のカットで終わったのも良かった。これは美術さん、頑張ったね。ロケ地の選択もグッド。高低差や奥行き感があって、日が当たりそうだし。

改めて､「実と世津子のくだりは不必要だった」と感じた

9分からの約6分間を見てしまうと、「実と世津子のくだりは不必要だった」と改めて感じた。

妙なことをせずに、記憶喪失で入院しているところを綿引巡査が見つけてくれると言う「みっきー編のプロット（参照）」で進めたら、もっと今回のお花畑が美しく感動するものになったに違いない。だって、あそこに立っているのは、実を演じている雨男なのだから…

あとがき

4年間も経過しているのに、成長期のちよ子と進が…。これを言ってはおしまいですね、止めましょう。それにしても、引っ越す度にハグするも昭和43年らしくないし、微動だにしないみね子のパッチンも不自然だし。でも、奥茨城の風景には、久し振りに癒されました。しかし、内容は泣けてくるほどスッカスカ…でしたが。

最後に。前回の感想に、96回ものWeb拍手とたくさんのコメントを頂き、ありがとうございます。奥茨城の風景、撮影も見事でしてね。でも、中華店の養子のくだりに、あんな尺を割く必要があったでしょうか？残り3回。結局、谷田部一家の上京から重箱返還までもが、箇条書きになりそうですね、なんか、なんかなぁ。

     
   
   
     

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【これまでの感想】
●[妄想] 「ひよっこ」の昭和40年と言う時代設定に、再び“名作の予感”（2017/05/04）
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●「ひよっこ」 最終週は? 脚本家「登場人物みんなが少し幸せになっている」（2017/09/25）

第1週『お父ちゃんが帰ってくる！』
1 2 3 4 5 6
第2週『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』
7 8 9 10 11 12
第3週『明日（あす）に向かって走れ！』
13 14 15 16 17 18
第4週『旅立ちのとき』
19 20 21 22 23 24
第5週『乙女たち、ご安全に！』
25 26 27 28 29 30
第6週『響け若人のうた』
31 32 33 34 35 36
第7週『椰子（やし）の実たちの夢』
37 38 39 40 41 42
第8週『夏の思い出はメロン色』
43 44 45 46 47 48
第9週『小さな星の、小さな光』
49 50 51 52 53 54
第10週『谷田部みね子ワン、入ります』
55 56 57 58 59 60
第11週『あかね荘にようこそ！』
61 62 63 64 65 66
第12週『内緒話と、春の風』
67 68 69 70 71 72
第13週『ビートルズがやって来る』
73 74 75 76 77 78
第14週『俺は笑って生きてっとう！』
79 80 81 82 83 84
第15週『恋、しちゃったのよ』
85 86 87 88 89 90
第16週『アイアイ傘とノック』
91 92 93 94 95 96
第17週『運命のひと』
97 98 99 100 101 102
第18週『大丈夫、きっと』
103 104 105 106 107 108
第19週『ただいま。おかえり。』
109 110 111 112 113 114
第20週『さて、問題です』
115 116 117 118 119 120
第21週『ミニスカートの風が吹く』
121 122 123 124 125 126
第22週『ツイッギーを探せ！』
127 128 129 130 131 132
第23週『乙女たちに花束を』
133 134 135 136 137 138
第24週『真っ赤なハートを君に』
139 140 141 142 143 144
第25週『大好き』
145 146 147 148 149 150
第26週『グッバイ、ナミダクン』
151 152

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【"2025年1月期/冬ドラマの期待度" を投稿＆更新しました】
2025年1月期/冬ドラマの期待度の視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!?の内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

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