アンナチュラル （第10話/最終回 10分枠大スペシャル!・2018/3/16） 感想

TBSテレビ系・金曜ドラマ『アンナチュラル』（公式）
第10話/最終回 10分枠大スペシャル!『旅の終わり』、ラテ欄『崩壊の危機…UDIメンバー最後の戦い』の感想。

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連続殺人事件の容疑者の男が警察に出頭する。男は複数の遺体を処分した事を自供するが、殺人は否認。このままでは死体損壊と死体遺棄だけで処理される可能性が高く、警察は焦る。一方、宍戸（北村有起哉）がメディアで容疑者と事件について持論を展開。宍戸による容疑者のインタビュー本も売れ、一躍時の人となっていた。そんな中、ミコト（石原さとみ）は検事・烏田（吹越満）から容疑者を追い詰めるため取引を持ち掛けられる。警察の圧力に加え中堂（井浦新）まで取引に賛成する中、ミコトは…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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脚本：野木亜紀子（過去作/重版出来!、逃げるは恥だが役に立つ）
演出：塚原あゆ子（過去作/ﾘﾊﾞｰｽ､Nのために､夜行観覧車） 第1,2,4,5,8,最終話
　　　竹村謙太郎（過去作/警視庁ｾﾞﾛ係ｼﾘｰｽﾞ､火の粉､ﾊﾞｲﾌﾟﾚｰﾔｰｽﾞ） 第3,6,9話
　　　村尾嘉昭（過去作/リバース、ラブホの上野さん） 第7話
プロデュース：新井順子（過去作/ﾘﾊﾞｰｽ、Nのために、夜行観覧車）
音楽：得田真裕（過去作/家売るオンナ、嫌われる勇気、カンナさーん!）

感想の下書きが、止まらない…

申し訳ないが、仕事が忙しくて、毎度のようにテレビを詳細に見ながら感想を書く時間がない。しかし、そんな中でも、細切れに最終回を見ては感想の下書きをしているが、とにかくまとまらない。

その理由は幾つかあるが、その1つに、「最終回はそれ以前の9話分の総括にもなっているため、最終回を本気で理解し楽しもうとすると、どうしても第1話から見直さなければいけないし、そうしたくなるのだ。従って言い訳になるが、いつもの「感想の濃厚版」はもう少しお待ち頂きたい。

「中堂の案件」を最終回まで引っ張るべきだったか否か?

とは言ったものの、書きたくてしょうがない自分もいる。そこで今回の感想ではいつも絶賛ばかりだから、今どう判断しようか悩んでいることを書いてみる。それは「中堂の案件」を最終回まで引っ張るべきだったか否かだ。いや、第1話にこんなやりとりがあったのを覚えているだろうか？ミコトが東海林をからかうシーンだ。

ミコト「アメリカはいいよね～
　　　　再調査ってなったらお墓から死体まるごと
　　　　掘り起こせばいいんだもん」
東海林「そのかわりゾンビがでるけどね」
ミコト「出ないから筋肉が腐ったら動けないし歩けないから」
東海林「ウォーキンできないデス(デッド)」

この第1話の会話の延長線上に、最終回での「ウォーキングできないデッドの国かぁ…」と言う東海林の呟きがあり、それを発端に、夕希子の遺体が8年前にアメリカで埋葬されており、テネシー州では当時「土葬」が多く、まだ解剖することが出来ることに気付く流れはご存知の通り。

これ、普通なら中堂を始めUDIラボの見識ある人間なら、もっと以前に築いていてもおかしくないのでは？と言う疑問が湧いてくる。

脚本家・野木亜紀子氏の脇役・東海林への愛情を感じる…

しかし、第1話でのこのやり取りを覚えていれば、むしろ本作ならではの “心地良いご都合主義” であり、いつもは少々ふざけたムードメーカー役の東海林に最終回だからお手柄をあげようなんて脚本家・野木亜紀子氏の脇役への愛情を感じ取ることも出来る…

「中堂の案件」をもっと早い段階で解決していたら…

ただ、そう言う伏線があったとしても、「中堂の案件」をもっと早い段階で解決していたら、『アンナチュラル』にまた違った価値観が付加された可能性がある。それはメリットとデメリットを隣り合わせているから選択が難しいのだが。

私は本作の数多い面白いところの1つに、死体を解剖して死因を特定する監察医のドラマ脚本を通して、脚本家自身が現代社会を解剖して社会の本質を描く姿が見えてくるのだ。本作には「かなり特殊な職業を描くお仕事ドラマ」の一面と、「死体を通して人間を描くヒューマンドラマ」の一面もある。

「連ドラ」と「一話完結型」 何れの面白さを優先するか?

実際はその両面が絶妙なバランスで、出たり入ったりして “本作らしさ” になっているのだが、ただ本作を単純に「連続ドラマ」として捉えると、「中堂の案件＝赤い金魚26人連続殺人」もUDIラボが担当する大きな1つの事件として描くことも出来たはず。

もしもそうだったら、もっと中盤で中堂のことは決着が着く訳だから、ミコトと中堂の関係も更に進んだものが見られたはず。それも見たかったなと言うのが私の正直な気持ち。ただ、いくら各話にそれぞれの面白があるとして、現実的には仕上がりには凸凹がある。

本作が類稀な傑作だから、あれこれ考えてしまうのだ!

それを考えると、「赤い金魚26人連続殺人」を全話の中盤までに片付けて、残りは「一話完結」にするのは、かなり勝負に出ることになる。どっちが良かったのか悩ましいところだ。いずれにせよ、ここまで全話の構成を改めて考えたくなる連続ドラマも珍しい。やはり、本作が類稀な秀作、いや傑作だから、あれこれ考えてしまうのだ。

あとがき

前回 第9話の濃厚版の感想に 221回もの Web拍手やたくさんのコメントを頂き、ありがとうございました。最終回の内容の感想に行くまで、まだまだ時間が掛かりそうです。必ず「濃厚版」を書きますので、録画がある方は残しておいて下さい。お願いします。

                 

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【これまでの感想】
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感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
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