連続テレビ小説「エール」 （第23回・2020/4/29） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『エール』（公式サイト）
第5週『愛の狂騒曲』の 『第23回』の感想。


※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。

---

裕一（窪田正孝）が音（二階堂ふみ）に会うために、豊橋を訪れているとあたりをつけた父・三郎（唐沢寿明）が、豊橋の関内家にやってくる。裕一を福島に連れ帰って、イギリスへの留学に送り出したい三郎と、裕一の将来を思って娘とは別れさせたい音の母・光子（薬師丸ひろ子）の思惑は一致して、裕一・音をまじえた話し合いがおだやかに始まる。妹の梅（森七菜）や姉の吟（松井玲奈）も固唾をのんで見守るが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

冒頭の2カットで､朝ドラのお約束を利用して"時代"を表現!

1カット目から、細かい演出だ。最初、 裕一（窪田正孝）と三郎（唐沢寿明）が正座をして茶を飲みながら語っているカット。ちょっとぼやけたような映像処理が施されており、そこへ音（二階堂ふみ）の姉の吟（松井玲奈）と妹の梅（森七菜）の台詞が音先行して、2カット目になると、1カット目が吟と梅の目線であることが分かる。

で、吟と音の前のガラス戸を良く見ると「型ガラス」になっているのが、奥の電球がぼやけていることから分かる。「型ガラス」は「すりガラス」違って、少し透け感があるため、ガラスの向こうの人の視線を遮りつつ向こう側の様子をある程度把握できる効果があるが、最近ではあまり見かけなくなった。

この辺の朝ドラのお約束である「覗き見」、「盗み聞き」を利用して時代の表現を見せるのは上手いなぁと思う。

三郎がﾄｲﾚに走るまでの怒涛の5分は､脚本と演出と演技の…

凄いね。主題歌明けから、三郎がトイレに走って、犬の遠吠えが聞こえるまでの怒涛の約5分間。流石、第1週目から本作に関わっている吉田照幸氏の演出が際立っている。

脚本は4人それぞれの個性を見事に描いて、演出では意図的にコミカルさを若干抑えているため「コント風」には見えないし、その辺の演技指導の微妙なさじ加減をこれまた演者が自在に演じ切った。正に、「本音を言い合える家族」を描き切った。こう言うのが、脚本と演出と演技の三位一体の凄さだと思う。

個々のキャラと4人が織り成す、正に「狂騒曲」だ!

また、それぞれの事情や考え方をコンパクトなやり取りに詰め込んだ上に、唐突に裕一から音へ求婚。展開としては “いきなり過ぎる” が、この位の方がドラマチックだし、結果も分かっているのだから良いと思う。そして、何より、今週のサブタイトルが『愛の狂騒曲』だから楽しいのがいいのだ。

番組名を「このシーンで入れるのか！」と言う驚き!

7分過ぎからの、裕一と音の2人だけのシーンで、さり気なく裕一の台詞に本作のタイトルが入った。

裕一「お互いに エール送り合って」

普通のドラマだと、主人公の台詞の中にタイトルが入るとダサくなるのだが、親子喧嘩からの急転直下の展開の中だから、全くダサくない。むしろ、「このシーンで入れるのか！」と言う驚きの方が大きい。

三郎からの究極の選択から、光子のナイスアシストが秀逸!

その後の、裕一と音の突然の接吻の現場を目撃した音の母・光子（薬師丸ひろ子）と三郎の楽しいやり取りを通過して、いつもは飄々としている三郎からの究極の選択から再開したシーンも良かった。

三郎「あんた…
　　　もし『結婚は許す。歌手は諦めてくれ』
　　　って言われたら どうする？
　　　裕一 『結婚は許すが 音楽の道は諦めてくれ』
　　　と言われたら どうする？」

音と裕一がどうこたえるのかと思いきや、娘の交際に反対していた光子がナイスアシスト（サッカーでゴールにつながるパス）を出した。

光子「汽車は走り出しました。もう止まれません」

ここのコミカルな劇伴を薄っすらと流しつつの、実は相当シリアスな内容のアンバランスさが実に絶妙。選曲も良いし、台詞も良い。

光子「頭は 駄目と言っとるけど 心が 行けって叫ぶの！」

光子と音が似たもの母子であることも描いているし、実は光子の方が上手なのも巧みに表現している。そのことで、音の個性が更に際立った。

裕一の純情さ、2人の純粋さ、光子の真剣さが光り輝いた!

そして、光子が亡き夫・安隆（光石研）の遺影と十字架を持って来て、裕一と音に「愛の誓い」をさせるシーンも良かった。

若いからこその猪突猛進の裕一の純情さと、遺影に真面目に誓う2人の純粋さ、それらを温かく優しく見守る光子の真剣さが光り輝いた。そして、いきなり重役を担うことになった妻・まさ（菊池桃子）に “欲のない男性” であると評価された三郎がどんな作戦に出るのか、本当に楽しみだ。

あとがき

今回の15分間を見て、改めて思ったのは。これまでの裕一は、基本的に誰かに背中を押され、応援されて動く人でした。しかし、音についてだけは自分の判断で音に会いに行き、一気に求婚して認められましたね。でも、話が急転直下した原因を作ったのは、三郎が来たこと。もしかして、三郎は裕一の背中を押しに、応援しに来たのかな…って。

それだと、三郎は “欲のない男性” だからこそ、兎にも角にも「豊橋に行かねば！」と思ったのかな…と。そう思って、録画を見直してみると、三郎が裕一を必死に応援している（けしかけている）ように、益々見えました。さて、結婚が見えた2人の演奏会がどうなるのか、楽しみです。

【お願い】読者の皆さんも大変な状況とは思いますが、仕事激減の折、勝手なお願いで恐縮でございますが、Amazonと楽天市場からお買い物する際は、当blogのリンク経由で買って下さると、ブログを書き続けるモチベーションアップになりますので、引き続き、よろしくお願いいたします（謝） ※暫く“テンプレ”です。

 

「楽天市場」からのおすすめ商品


「Amazon」からの最新のお知らせ

トラックバックは、下記の「ミラー & TB用ブログ」へお願いします。
【FC2ブログ】http://dmesen.blog71.fc2.com/blog-entry-11272.html

---

【これまでの感想】

第1週『初めてのエール』
1 2 3 4 5 土
第2週『運命のかぐや姫』
6 7 8 9 10 土
第3週『いばらの道』
11 12 13 14 15 土
第4週『君はるか』
16 17 18 19 20 土
第5週『愛の協奏曲』
21 22

---

感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。

【すべてのコメントの「投稿時の文字数」について】
投稿の際は、できれば文字数200以内のご協力をお願いいたします。

【すべてのコメントの「非公開希望」について】
表題か本文中に「非公開希望」と書いてくださると助かります。

【すべての投稿されたコメントについて】
当blogの『無断転載禁止＆まとめサイトへの引用禁止、コメント，トラックバック＆リンク・ポリシー』に基づき、不適切な書き込み（読む人を不快にさせる内容、誹謗中傷、特定の個人への攻撃）は、恐れ入りますが管理人の判断で、非公開、または削除させていただく場合もございます。何卒ご理解・ご協力くださいませ。

【Amazonアソシエイト、楽天アフィリエイト、忍者AdMaxについて】
商品リンクや広告は「成果報酬型広告」です。
私に少しポイントが入りますが、商品の値段は変わりません（謝）

｢共感!｣｢納得!!｣なら"Web拍手"と一緒にﾎﾟﾁｯと…
｢違うでしょ?｣｢怒!!｣でも意思表示でﾎﾟﾁｯと…
押していただけると､うれしいです♪

◎Web拍手のために、こんな下まで来てくだり、本当にありがとうございます（感謝）