さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～ （第1話/初回25分拡大スペシャル・2024/1/14） 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第1話/初回25分拡大スペシャル『それが彼の運命』の感想。

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俊平（西島秀俊）は、20代の頃から海外で活動してきた指揮者。音楽に対して常に情熱的に向き合う才能豊かな人物だったが、5年前の‘ある事件’をきっかけに、家族は俊平のもとを去り、俊平自身も音楽界から離れていた。ある日、数十年ぶりに帰国した俊平は、市役所に勤務する娘・響（芦田愛菜）、高校生の息子・海（大西利空）と5年ぶりに再会。久々の同居生活を海は無邪気に喜ぶが、響の態度は冷たい。そんな折、俊平は市役所職員で市民オーケストラの団長を務める古谷（玉山鉄二）から、指揮者就任を頼まれる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：なし
脚本：大島里美（過去作/花燃ゆ,凪のお暇,妻､小学生になる｡）
演出：坪井敏雄（過去作/凪のお暇,ｶﾙﾃｯﾄ,わたﾅｷﾞ,妻､小学生になる｡） 第1話
　　　富田和成（過去作/ﾏｲﾌｧﾐﾘｰ 第5話のみ）
　　　石井康晴（過去作/逃げ恥,ﾗｽﾄﾏﾝ-全盲の捜査官-,ﾌｪﾙﾏｰの料理）
　　　元井桃（過去作/※地上波ﾄﾞﾗﾏ演出歴なし）
音楽：菅野祐悟（過去作/ﾃｾｳｽの船,危険なﾋﾞｰﾅｽ,罠の戦争,ゆりあ先生の赤い糸）
撮影監督：神田創（過去作/怪奇恋愛作戦,ｶﾞｰﾙｶﾞﾝﾚﾃﾞｨ,罠の戦争,鎌倉殿の13人）
音楽監修：広上淳一（東京音楽大学教授）
全面協力：東京音楽大学
料理監修：vita（過去作/下剋上球児,いちばんすきな花,ゆりあ先生の赤い糸,ﾏｲ･ｾｶﾝﾄﾞ･ｱｵﾊﾙ,ﾌｪﾙﾏｰの料理,ﾄｸﾒｲ!警視庁特別会計係,うちの弁護士は手がかかる）
主題歌：アイナ・ジ・エンド「宝者」
※敬称略

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西田敏行さんの出演シーンがほぼすべて着座だったので…

西田敏行さんの出演シーンがほぼすべて着座だったのだとても心配…
お芝居もテンションもアドリブも歌声もお元気そうで何よりだが。

早速、本編の感想だ。

●市役所勤務のヒロインが…
●関係者の天才指揮者(マエストロ)と共に…
●解散危機の地元のポンコツ交響楽団(オーケストラ)の再生と…
●自身と家族のやり直しを描く…

『リバーサルオーケストラ』（日テレ/2023冬）とは似ても似つかない…（苦笑）

TBSの新作ドラマ、日曜劇場『さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～』の第1話の感想だ（汗）

スタッフは万全の体制、キャストもほぼ漏れがない安定感で

前述のように、昨年放送された “あれ” と設定は似ているが。

地元オーケストラへのかかわりを通じて
不器用な父と娘の絆と人生の再構築と再出発を描く
アパッシオナート(情熱的)なヒューマンドラマのようだ。

脚本とメイン監督は、『凪のお暇』（TBS/2019）や『妻、小学生になる。』（TBS/2022）のコンビ。

そのほか、音楽、撮影監督、主題歌担当など、スタッフは万全の体制。

キャストも、安定感抜群のベテラン勢と、人気の中堅どころと、新鮮な若手を配置して、ほぼ漏れがない。

従って、問題になりそうなのは 、“あれ” との既視感と、出演者への好みだろう。

やたらと＜回想シーンを盛り込まない＞と＜縦軸や考察要素をちらつかせない＞に注意すれば、『日曜劇場』らしい、豪華で、月曜からの活力をもらえる作品になると思う。

中心に描くことを＜主人公の家族＞と明確に強調した

意外と？ 良かった点を挙げてみる。

一つめは、“あれ” と違って、中心に描くことを＜主人公の家族＞と明確に強調した点だ。

俳優陣のラインナップを見れば、 主演の西島秀俊さんと、ほぼメインの芦田愛菜さんの出番をもっと多めにして。

玉山鉄二さんや石田ゆり子さんをこれ見よがしに出して…

廃団の危機にある市民オーケストラ「晴見フィルハーモニー」のメンバーの私生活部分も盛り込んで… と、やりそうだが。

あくまでも、俊平（西島秀俊）、市役所に勤務する娘・響（芦田愛菜）、高校生の息子・海（大西利空）の３人家族に重点を置いて描いていた。

今回のテーマ曲(と、いうべきか？)である『運命』の解説のくだりでも、ティンパニ奏者の大学生・内村菜々（久間田琳加）の過去の盛り込みもサクッとやって済ませていた。

恐らく、今後は、「一人＝１クラシック曲」みたいな構成になり、人物描写が複雑に絡まるとは思うが。

時間延長した第1話で、全体をスッキリまとめたのは大いに評価したい。

全体をスッキリまとめた、見せた… 映像的な配慮

全体をスッキリまとめた、見せた… 映像的な配慮もあった。

実は、事前の「番宣」では、メインは俊平と響で。

二人に絡むのは、団長兼ファゴット奏者で晴見市役所観光課の職員・古谷悟史（玉山鉄二）と、トランペット奏者で響と同じ市役所の観光課勤務。森大輝（宮沢氷魚）とプロオーケストラのフルート奏者・倉科瑠李（新木優子）の三人が強調されていた。

しかし、今回の字幕を見て、最重要人物はカフェ「うたカフェ二朗」の店主で晴見フィルハーモニーの最古参・小村二朗（西田敏行）であると、TBSが表明していたのだ。

それが分かったが字幕放送の文字色だ。

字幕放送 (じまくほうそう)とは 主な表現や番組ごとの特色【ピクシブ百科事典】 

主人公演じる西島さんが主人公用の「黄色」は当然だが。

芦田さんの「青色」と、西田さんの「緑色」は共に準主役用で、二番手、三番手となる。

このことから、今作の中心人物は上記の三人であると、TBSが主張しているのだ。

そして実際の映像も、そうなっている。

簡単にいえば、作り手の考えと放送された内容に乖離がないってことで、しっかり意図どおりに作り込まれていることを意味する。

劇中に登場した落語「大工調べ」「あくび指南」プチ解説

小難しい話が続いたから、ここでひと休み。

劇中に、響が夢中になっている落語家として柳亭小痴楽（本人役） が顔出しし、二つの演目が登場した。

一つめは、冒頭近くで自転車通勤中の響が聴いていた「大工調べ」。

「大工調べ」の内容は、大工の与太郎と家主の源六の、家賃滞納にまつわる言葉の行き違いが原因で起こった騒動。

恐らく、父と娘の “行き違い” に重ねていると思われる。

二つめは、役所の食堂で響きが聴いていたのが「あくび指南」。

「あくび指南」は、八五郎は習い事の好きな熊五郎に誘われて「あくびの指南所」に行くが、熊五郎がなかなか “あくび” がでなくて “あくび” をしちゃうという考えオチの話。

熊五郎がほぼ無理やりに八五郎を指南所に連れて行くことと、響きが‘推し’を大輝に説明するくだりがリンクして見えた。

「夏目家」の「２階へ続く曲がった導線の階段」にも注目

また、美術セットでいうと。

「夏目家」のメインセットに設置されていた「２階へ続く曲がった導線の階段」が見えているのが良かった。

二階を作るのは最近のドラマの流行りではあるが。

今作のように比較的長い導線が見える階段は少ない。

この長めのアプローチがあることで、登場人物の後ろ姿で見せる感情が伝わりやすかった。

ここの階段シーン、今後も注目したい。

初めて"学生服を着ない社会人"に挑戦している芦田愛菜さん

最後に、あまり書かないし書きたくない俳優のこと。
※専門外のうえ、熱狂的ファンが…（困）

今作、芦田愛菜さんがどう演じるのか注目している。

これまでの芦田さんは「愛菜ちゃん」らしい優等生的な役や演技が多かった。

更に、日本のテレビドラマ史上最年少で初主演、ドラマ『マルモのおきて』ではゴールデン帯の連続ドラマ史上最年少で主演を務め “大人気子役” としての地位を確立している。

でも今作の「夏目響」役では、初めて “学生服を着ない社会人” に挑戦している。

それも、優等生とは一味も二味も違った “親子関係がこじれた娘” だ。

第1話を見た限りでは、ストレートな演技が響に似合っており、柔軟な西島さんのお芝居と相乗効果で “こじらぜ親子” がいい感じだった。

今後の演技も楽しみだ。

あとがき

いちばん評価するのは「時間延長をあまり感じさせなかった」ことです。

不用意に「回想」「過去」を盛り込まず。

説明に必要な分量だけ盛り込んで、あとは「今」を丁寧に描写。

西島さんの家事シーンなんて、ドラマ『きのう何食べた？』を彷彿させつつ、ドジなところが新鮮でしたしね。

やはり、主人公と主演俳優を的確にしっかりと＜映像で見せて(show)魅せる(fascinate)べき！＞です。

あとは、“あれ” の既視感を払しょくさすれば。。。だと思います（笑）

※『日曜劇場』の感想で褒めないと、熱狂的な信者から誹謗中傷コメントがくるのでコメント欄はしばらく閉鎖しておきます…
そのうち、開放するつもりですが。

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