アンメット ある脳外科医の日記 （第1話/初回15分拡大・2024/4/15） 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、TikTok

第1話/初回15分拡大『記憶障害の脳外科医再生の物語が開幕』の感想。

なお、原作(漫画)である、子鹿ゆずる(原作)･大槻閑人(漫画)『アンメット－ある脳外科医の日記－』は、既刊13巻全巻(2024年4月16日現在)を既読。

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脳外科医の川内ミヤビ（杉咲花）は1年半前の事故で脳を損傷し、記憶障害に苦しんでいる。彼女は毎朝自分の日記を読み、失った記憶を補う日々を送っている。彼女は関東医科大学病院で治療を受けながら、丘陵セントラル病院で看護助手として働いている。新たに着任した脳外科医・三瓶友治（若葉竜也）と共に、急患の女優・赤嶺レナの治療にあたることになる。しかし、看護師長の津幡玲子（吉瀬美智子）がミヤビの医療行為を制止する。後に三瓶はミヤビの記憶障害を知り、彼女にも診察や診断をさせるよう院長に働きかける。
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

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原作：子鹿ゆずる(原作)･大槻閑人(漫画)『アンメット－ある脳外科医の日記－』
脚本：篠﨑絵里子（過去作/ｸﾛｻｷﾞ2006､2022,朝ﾄﾞﾗ｢まれ｣､竜の道）
演出：Yuki Saito（過去作/おっさんずﾗﾌﾞｼﾘｰｽﾞ,ﾘｴｿﾞﾝ-こどものこころ診療所-） 第1話
　　　本橋圭太（過去作/DOCTORSｼﾘｰｽﾞ.ｸﾞﾚｲﾄｷﾞﾌﾄ）
主題歌：あいみょん「会いに行くのに」
オープニング曲：上野大樹「縫い目」
音楽：fox capture plan（過去作/ﾔﾒｺﾞｸ､SUPER RICH､ﾌﾞﾗｯｼｭｱｯﾌﾟﾗｲﾌ）
Ｐ：米田孝（過去作/ｺﾝﾋﾞﾆ★ﾋｰﾛｰｽﾞ~あなたのSOSいただきました!!~）
　：本郷達也（過去作/星降る夜に,リビングの松永さん）
※敬称略

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「障がい」の表記について

当ブログでは、人や人の状態を表す場合、原則「障がい者」「障がい」と表記としています。
※法令、条例、規則などからの引用や固有名詞は対象としていません

なぜ、私が今作の感想を投稿する気持ちになったのか？

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

感想を書く前に ＜お断り＞ というか ＜事前説明＞ を。

ご常連の読者様はご存じのとおり、私は常日頃から次のように主張している。

ドラマの中に、不用意に、不必要に、主要キャラクターに死(余命も)や病や障がいなどの “設定” を盛り込むな。
盛り込むのであれば、絶対的な必然性を描き感じさせるべきだ。

当然、今作は ＜主人公に病や障がいがある設定＞ のドラマだ。

だから、『期待度の記事』に書いたように、見る前に原作(漫画)を既刊13巻全巻(2024年4月16日現在)を読んでみた。

その結果が… 私は見て、こうして感想まで書いているわけだ。

私のブログだから、私がどうして見るつもりになったのか、感想を書く気になったのかを綴っておこうと思う。

感想だけ読みたい人は、先に進んで構わない。

原作の原作者である子鹿ゆずる氏が元・脳外科医であること

今作を見ようと思った最大の理由は、原作の原作者である子鹿 ゆずる氏が元・脳外科医であることだ。

下記の子鹿氏が投稿した記事を読むと、今作への思いがよく分かる。

「一瞬で人生が変わってしまう恐さ」片麻痺だけではない脳卒中の後遺症とは | 文春オンライン 

簡潔にいえば、元脳外科医として「脳障害(脳の病気やケガの後遺症)を多くの人に紹介し、理解を深めてもらい、脳障害者も生きやすい社会を目指したい」との企画意図に私が賛同したからだ。

更に原作には、患者や患者の家族だけでなく、医療や福祉に携わるスタッフたちへの強いエールが込められているからだ。

もちろん、私の妻が看護師で助産師であるから、妻へのエールもあるし。

認知症の義理の両親の介護中の身としても、大いに励まされたからだ。

更に、素人がかじった程度の脳外科の知識でも、医療情報についてはかなり精査されているとも感じたし。

カンテレがどこまで広げ、掘り下げ描くのかが最大の注目点

もう少し続けさせていただく。

もう一つの理由は、原作は『モーニング』（講談社）に連載されており。

『モーニング』といえば、産婦人科が舞台の『コウノドリ』、児童精神科が舞台の『リエゾン -こどものこころ診療所-』があり。

この３つ作品は、決してハッピーエンドばかりでないエピソード群で “生きる” を描く医療系ヒューマン漫画なのだ。

※『コウノドリ』『リエゾン -こどものこころ診療所-』も実写ドラマ版の全話の感想を投稿済みです。
※今回の演出担当のYuki Saito氏は、『リエゾン -こどものこころ診療所-』も担当。

従って、今作が、カンテレがどこまで広げ、掘り下げ、描くのかが最大の注目点なのだ。

原作者がドラマ化を快諾した理由は、主人公の変更案

前置きが長くなったが、感想に入る前に大事なことを書いておきたい。

それは、「原則として、原作と実写ドラマ版は比較しない」の立場だから、敢えて第1話の感想で書いておきたいこと。

それは、原作と、この実写ドラマ版は “主人公” が違う点だ。

原作は、俗に「ワーカホリック(＝仕事中毒)」で自由で自己主張の強い、アメリカ帰りの脳外科医・三瓶友治が主人公。

細かいことは下のリンクを読んでいただくとして。

杉咲花主演『アンメット』原作者、多数の実写化オファーから「主人公変更」提案のカンテレ選ぶ | マイナビニュース 

簡潔に書けば、「脳障害の主人公が、同じ病の患者と “生きる” を乗り超えるドラマを作りたい」というカンテレの企画に、原作の子鹿氏が快諾した…） となる。

確かに、三瓶が主人公だと完全に医療ドラマになるし、医学系の難しい展開にならざるを得ない。

しかし、自身が患者でもあるミヤビが主人公なら、医師側と患者側の両面からドラマが構成できる。

この点は、発達障害で研修医が主人公の『リエゾン -こどものこころ診療所-』に似ている。

ほぼほぼ、言いたいことは書いたから本編の感想に移ろう。

ここまで読んでくださった読者様には、大いに感謝したい！

今作を楽しめるかどうか、今作に引き込まれるかどうか…

さて、いよいよ「本編」の感想だ！ふ～～～ぅ

「月曜から暗いのはイヤ！」「また障がいのドラマ？」と感じた人は見なければいいだけの話だ。

今作を楽しめるかどうか、今作に引き込まれるかどうかは、後半のアメリカ帰りの脳外科医・三瓶友治（若葉竜也）が不慮の事故で脳を損傷した脳外科医の川内ミヤビ（杉咲花）に自分の行動の意味を説明した、次のセリフに共感したり、セリフが心に刺さった人だと思う。

三瓶「僕は できないことを
　やれとは言ってません。
　（中略）今できることを提案しています。
　足りない部分は
　周りがフォローすればいい。
　当然のことです。
　あなたは障がいのある人は
　人生を諦めて ただ生きてれば
　いいと思っているんですか？」

これ、死(余命も)や病や障がいに限らず、認知症などの加齢による変化だけでなく。

貧困などによる生活苦に悩む人たち、職を失っている人たち、更に災害で被災した人たちのも、広く深くつながっていく概念だと思う。

極論をいえば、食べて寝て起きて息をしている状況が “生きている” ではなく。

自分が今できることをやれるだけやることで、一種の生きがいを感じることが “生きている” ことなのだと。

もちろん、いろんな意見があると思うが。

「やれることをやる」は、私がいつも書いている「今、自分が、相手が、生きていることこそが奇跡なんだ」に実に連携していく考え方だ。

奇跡は決してファンタジーでなく、希望や夢を失わずに生きている今こそが奇跡なのだ。

そう思う私に、ドンピシャのドラマが久し振りにやってきた… そう思う。

杉咲花さんと若葉竜也さんに過去の役のイメージが被らない

テレビドラマ、連ドラとして、良いと思ったこと。

私が加齢で記憶が乏しいのもあると思うが。

メインの杉咲花さんと若葉竜也さんに、過去に演じた役のイメージがほぼ被らないことだ。

お二人は朝ドラ『おちょやん』（NHK/2020年度後期）で共演されているし。

個々に、いわゆる “はまり役” 的なものをもっている俳優さんだ。

しかし今作に限っては、それらの匂いが、痕跡を感じない。

それぞれ、ミヤビに、三瓶に見える。

これは、偉そうにいわせていただけば、きっちりと役作りが成されているためだと思う。

ほかの俳優さんたちも、意外と「あの役みたい」なのがない。

これは、視聴者から色眼鏡で見られないという価値がある。

やはり、私を含めて、どうしても先入観が邪魔することもあるし、それが既視感と変化して、正しく評価できないことがあるからだ。

あとがき

三瓶「記憶を失っても 強い感情は忘れません」

「アンメット＝unmet」は直訳で「満たされない」の意味。

満たされないと感じるから、満たされたいと人は思います。

でも、現実社会では、誰もが満たされた毎日を過ごせるわけではありません。

しかし、満たされるために、自分が今できることを精一杯やって見ることには価値がありますし。

そんな人に寄り添って、助け合うことこそが、いま求められている共生社会だと思います。

一話完結で患者は完治するし、主人公には魔法の治療方法が舞い降りるわけでないですが。

心が温まるという意味でハッピーエンドな医療＆ニューマンドラマだと思います。

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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