ザ・トラベルナース[2] （第6話・2024/11/28） 感想

テレビ朝日系・木曜ドラマ『ザ・トラベルナース[2]』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第6話『ナースが隠し撮り!天才外科医の秘密、炎上暴露!』、ラテ欄『天才外科医の秘密!? ナースが炎上暴露!』の感想。

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院長の薬師丸卓（山崎育三郎）に招かれた天才外科医・上杉基弘（三宅弘城）は、突然「医療への熱意を失った」と辞職を申し出る。彼に敬意を持つトラベルナース・那須田歩（岡田将生）は理由を知りたがるが、上杉は心を閉ざしていた。一方、新米ナース・中村柚子（森田望智）はSNS動画の不振に悩み、上杉の秘密を暴露する動画を投稿し、歩とスーパーナース・九鬼静（中井貴一）を激怒させる。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作：なし
原案：中園ミホ（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 1～4､6､7）
脚本：中園ミホ（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 1～4､6､7） 第1話
　　　香坂隆史（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 7.ｲﾝｼﾞﾋﾞｼﾞﾌﾞﾙ） 第2～5話
　　　山岡真介（過去作/共に共同脚本→ｼｪｱﾊｳｽの恋人,万博の太陽） 第6話
演出：金井紘（過去作/前作,ﾗｼﾞｴｰｼｮﾝﾊｳｽ1､2,信長協奏曲） 第1,2,6話
　　　片山修（過去作/前作,相棒ｼﾘｰｽﾞ,ﾄﾞｸﾀｰX 7） 第3,4話
　　　山田勇人（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 3,6,7） 第5話
音楽：沢田完（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ）
主題歌：斉藤和義「泣くなグローリームーン」
ＥＰ：内山聖子（過去作/前作,妖怪ｼｪｱﾊｳｽ,南くんが恋人!?）
※敬称略

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第6話の脚本は、今作はシリーズ通して初担当の山岡真介氏

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―――ここまで、ごあいさつ―――

見ながらずっと気になったのは、脚本が少々粗削りで、ところどころ「？」と感じる箇所があったこと。

もちろん完全無欠の脚本なんて滅多にないのだが、今作に限っては2シーズン続いて、そんなことはなかったのだ。

特に、状況説明における “本当の意味での初期設定＝初見の人向けの情報” が少なかった。

まあ、人気シリーズで、第6話まで進んでいるから、初期設定の説明は省いて、素早く本編に進む作品は、今期なら秀作だと思う NHK・ドラマ10『宙(そら)わたる教室』が全く同じ構成だから、それはそれで構わないのだが。

でも今作は、先週1週間抜けているだけに、むしろ思い出させる意味でも…　そういうことだ。

で、この第6話の脚本担当が、今作はシリーズ通して初担当の山岡真介氏だ。

山岡真介氏と言えば、ドラマ好きなら、「共同脚本が多い作家」との印象が強いのでは。

新人脚本家を、安定している連ドラの中盤以降に担当させて、腕試しさせることはよくあるが、山岡氏は新人ではないし…

というわけで、メインライターの中園ミホ氏と香坂隆史氏の体調などに何かないと良いのだが。

徹底的に"人を見て人を治すナース"を描いてきたからこそ！

「本編」の感想だ。

今シーズンである『2』から登場した…
元地下アイドルで、動画配信をやっているナースインフルエンサー‘ユズッコ’こと新米ナース・中村柚子（森田望智）を中心に据えたエピソードだ。

したがって、かなり今どきの要素が組み込まれており。

2022年にニューヨークの病院で、難病を患ったスーパーナース・九鬼静（中井貴一）とそのまま現地で働いていたトラベルナース・那須田歩（岡田将生）のふたりが “やや時代についていけないおじさんキャラ” 設定になるのが新鮮だ。

そんな時代遅れを感じさせる状況の中で、静の口癖である「人を見て人を治すスーパーナース」を飛び越えるような「人を見て人を治すスーパードクター」の誕生だ！

これまで、徹底的に「人を見て人を治すスーパーナース」を描いてきたからこその、静と歩の院長の薬師丸卓（山崎育三郎）に招かれた天才外科医・上杉基弘（三宅弘城）への、次々と飛び出す献身的＆お節介なアドバイスが秀逸だ。

もちろん、一部の人は「柚子みたいな意識低い系の看護師いるの？」なんて思うかもしれないが。

大学病院で働く現役の看護師・助産師である妻が言うに、「想像を超えるおバ●がいるよ。‘ユズッコ’なんてかわいい新人だよ」だそうだ（汗）

というわけで、「入院する際は、選べるなら新人ナースが仕事を覚えた秋以降にしましょう」が妻からの読者様へのアドバイスだ（笑）

"連ドラ" だからこそ創出できたエピソード!!

脱線したので、感想に戻ろう。

今回で秀逸なのは他にもある。

『1』の終盤にあった静の命のくだりをいかした展開の上に、『2』の第1回の静と歩の対峙構造を全編に活用して、ふたりの違いを丁寧に描いただけでなく。

静の　≪人を見て人を治す≫　に内包されている本当の意味をきっちりと上杉医師に反映させたことだ。

当然、柚子のやった言動、上杉の設定や顛末は、いささか “作り話っぽすぎ” る感じは否めない。

しかし、今作は “連ドラ” であり、フィクションを描く “ドラマ” なのだから、やるならやるで、キッチリとやり切るべきだ。

この点を、最後までブレずに描き切ったのは、今作のチーフ監督・金井紘氏の手腕によるところが大きいだろう。

もちろん、脚本的にも、患者に寄り添う優しい人間ではあるがが、医師として自信が持てず、看護師からも信頼が薄い…　若手外科医・小山衛（渡辺大知）の成長を盛り込んだのは、医師を退場させる展開が多い今作としては新鮮味もあって評価できる。

結局、今回は、“連ドラ” だからこそ創出できたエピソードだってことだ。 お見事だ。

あとがき

脚本以外で気になったのは、柚子の最終的な落としどころと、その過程。

劇中では、看護部長・愛川塔子（寺島しのぶ）が頑張ったことになっていましたが。

柚子のプリセプターだった金谷吉子（安達祐実）を絡めても良かっただろうし（今回は不在）。

何より、柚子のトンでも言動に‘医師生命’を救われた上杉が薬師丸院長に直訴するなどのフォローがあったほうが、人情モノとして一段格上げしたと思うのですが。

でも、それはそれで、やりすぎになるのかな？

最後になりましたが、岡田将生さん、高畑充希さんとのご結婚おめでとうございます！

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