嘘解きレトリック （第9話・2024/12/2） 感想

フジテレビ系・月9『嘘解きレトリック』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第9話『資産家の孫を名乗る2人の青年!偽物はどっち?』の感想。
なお、原作(漫画)である都戸利津『嘘解きレトリック』 は未読。

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祝左右馬（鈴鹿央士）の探偵事務所に藤島千代（片山友希）が訪れ、実原久（余貴美子）から依頼が入る。25年前に駆け落ちした娘・依里（吉田美佳子）の子どもを名乗る徳田史郎（濱尾ノリタカ）と本条皐月（野村康太）のどちらが本物か見極めてほしいというものだった。嘘が分かる鹿乃子（松本穂香）は史郎の嘘を察知するが、それをどう証明するか悩む。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作(漫画)：都戸利津『嘘解きレトリック』 
脚本：武石栞（過去作/ｷｰ局地上波ﾄﾞﾗﾏ不明） 第1,3,8話
　　　村田こけし（過去作/ｷｰ局地上波ﾄﾞﾗﾏ不明） 第2,7話
　　　大口幸子（過去作/ｶｲｼﾞ2 ~人生奪回ｹﾞｰﾑ~3名共同脚本の1名） 第4,5,9話
演出：西谷弘（過去作/ﾗｳﾞｿﾝｸﾞ,ｼｬｰﾛｯｸ+ｱﾝﾄｰﾙﾄﾞｽﾄｰﾘｰｽﾞ） 第1,3,8話
　　　永山耕三（過去作/ﾓﾝﾃ･ｸﾘｽﾄ伯,ｼｬｰﾛｯｸ+ｱﾝﾄｰﾙﾄﾞｽﾄｰﾘｰｽﾞ） 第2,7話
　　　鈴木雅之（過去作/元彼の遺言状,ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~） 第4,5話
　　　岩城隆一（過去作/絶対正義,ｱﾗｲﾌﾞ,競争の番人←すべて演出捕,「いちばんすきな花｣第9話のみ担当） 第6話
　　　河毛俊作（過去作/きらきらひかる,救命病棟24時2009,新宿野戦病院） 第9話
音楽：菅野祐悟＆眞鍋昭大（過去作/花咲舞が黙ってない2024）
主題歌：eill「革命前夜」
撮影：長谷川諭（過去作/ｶﾞﾘﾚｵ,,ﾘｰｶﾞﾙ･ﾊｲ,世にも奇妙な物語）
　　　木下雄介（過去作/競争の番人,PICU 小児集中治療室,わたしのお嫁くん）
照明：田部谷正俊（過去作/映画｢ｻﾑﾗｲﾌ｣,映画｢県庁の星｣,映画｢感染2004｣）
VFX：菅原悦史 （過去作/映画｢劇場版 ｺｰﾄﾞ･ﾌﾞﾙｰ -ﾄﾞｸﾀｰﾍﾘ緊急究明-｣,映画｢逃走中 THE MOVIE｣）
選曲：藤村義孝（過去作/映画｢劇場版ﾗｼﾞｴｰｼｮﾝﾊｳｽ｣,映画｢七人の秘書 THE MOVIE｣,映画｢ｺﾞｼﾞﾗ-1.0｣）
美術プロデューサー：三竹裕典（過去作/映画｢劇場版 ﾙﾊﾟﾝの娘｣,映画｢劇場版ﾗｼﾞｴｰｼｮﾝﾊｳｽ｣,　映画｢翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~｣）
美術デザイン：柳川和央（過去作/ｶﾞﾘﾚｵ,ｼｮﾑﾆ2013,正義の天秤）
フードコーディネーター：はらゆうこ（過去作/VIVANT,ﾐｽﾃﾘと言う勿れ, ﾄﾞｸﾀーX~外科医･大門未知子~,99.9％ -刑事専門弁護士）
Ｐ：鈴木吉弘（過去作/電車男,ｶﾞﾘﾚｵ,ﾗｳﾞｿﾝｸﾞ,この素晴らしき世界）
　　　狩野雄太（過去作/知ってるﾜｲﾌ,ｽﾀﾝﾄﾞUPｽﾀｰﾄ,366日）
※敬称略

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「余貴美子×演出・河毛俊作」は『新宿野戦病院』のコンビ

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

第9話の脚本と演出担当の組み合わせは、今作初コンビである「脚本・大口幸子×演出・河毛俊作」だ。

脚本の大口幸子氏は、第4,5話の「人形屋敷」と呼ばれる綾尾家の “人形殺人事件” の前後編を書いた脚本担当。

したがって、左右馬の友人で刑事の端崎馨（味方良介）の姉・怪談雑誌記者・雅（北乃きい）の依頼を受けて…　や、豪邸を舞台にしていることも類似点だ。

だから、何だというわけではないが（汗）
前後編をきれいにまとめただけあって、今回も安定の仕上がりだ。

ディレクターの目線として注目するのは、今回が今作初担当の演出家・河毛俊作氏だ。

一般的に、人気や評判の良い連ドラの終盤には新人監督の腕試しをやることは多い。

しかし、河毛俊作氏と言えば、フジテレビ屈指のベテラン監督でヒット作も多い。

では、なぜ、突然、今回の演出担当になったのか？

想像の域を出ないが、今回の大物ゲスト・余貴美子さんが関係していると推測できる。

河毛監督は、あの2024年夏ドラマのフジの名作『新宿野戦病院』のチーフ演出で、余貴美子さんとタッグを組んだ仲なのだ。

だから、当然のことながら、相性は抜群だし、ベテラン同志阿吽の呼吸だったことは容易に想像できる。

伝えるべきを確実に書く脚本と、さりげなく伝える演出

さて、今回のエピソードだが。

連ドラとしても “これまでの描写” があるから成立する内容の上に…
連ドラ構成の終盤として、きっちりと前回の第8話があってこその内容にもなっている点が実に細かい。

例えば、アバンタイトルで。

祝左右馬（鈴鹿央士）の探偵事務所に藤島千代（片山友希）が仕事の依頼でやってくるが。
かねてから千代を苦手として気乗りしない‘屋外にいる’左右馬に、浦部鹿乃子（松本穂香）が間を取り持つ場面。
屋外での左右馬と鹿乃子のやりとりが、事務所まで聞こえてきたので千代が外に出てくるくだりだ。

前回の感想で触れたとおり、今作の世界では（当然）時代的に建物の遮音効果が不十分だから、屋内の音が外に、逆もある設定になっている。

そのことが、脚本だけでなく、今作初担当の演出家にも踏襲されているのはいたって普通なのだが。

こんな簡単なことすらできないのが、現在放送中の朝ドラ『おにぎり』だ（困）

また、前回では、事務所のお隣で左右馬がツケで食事をしている小料理屋「くら田」の弁当発注個数事件を解決したわけだが。
その時の依頼料は、作りすぎた弁当で、いわゆる現金としてはタダ働きだった。

だから、今回の「くら田」でのやりとりも、実に前回があってこその内容だったわけだ。

お手本（原作＝未読）があるのは承知しているが。

それでも連ドラの脚本として “抜け落ちではダメ” な部分をしっかり残す脚本と、そこをさりげなく伝える演出に注目しないわけがないのだ。

丁寧に紡いだからこその小粋な事件でも伝わる今作の秀逸さ

全体の印象は　＜かなり丁寧に作り込まれたミステリー＞　だ。

決して、目を覚ますような大事件でく、劇中の時代にありがちな「お金持ちの遺産相続」のエピソードだ。

しかし、ありがちだからこそ…

探偵・祝左右馬（鈴鹿央士）の人並外れた洞察力と鋭い推理力と。

探偵助手・浦部鹿乃子（松本穂香）の “人の嘘が聞き分けられる能力” の合体を。

きっちりと、映像で見せて（show）さらに魅せて（fascinate）くる余裕を感じる仕上がりだ。

ちょっと目を離すと分かりにくい内容だが、嘘を見抜いた合図と “鈴の音と映像効果” によって、今作らしさ溢れる映像で分かりやすく描いた。

ホント、これまでしっかりと描き続けてきたからこその、小粋な事件でも伝わる今作の秀逸さ。

お見事だ。

あとがき

次回の第10回が最終回ではないようで… ホッ

それでも、この段階になって、‘謎の男’徳田史郎（濱尾ノリタカ）を登場させるとは！

再登場があるのか…　見逃せません!!

当方おっさんですけど、次のシーンなんてキュンとしましたよ。

左右馬「カワイイね　鹿乃子君。
　どうして　下りてこないの？」
鹿乃子「何でもないです」
鹿乃子(M)「何でもないです
　 　先生の嘘のない言葉で
　恥ずかしかったのが
　本当に何でもなくなりました」

テンプレですが、久しぶりに「見てよかった月9」「人に薦めたい月9」です！

え～～～と、『モンスター』も一応見てますが。
弁護士の活躍より、毎回、ネタで魅せちゃうのはどうかと思いますねぇ。

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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