連続テレビ小説「あんぱん」 （第7週／ダイジェスト版・2025/5/17） 感想 ※巧みな編集の解説と1週間の総括やってます！

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第7週『海と涙と私と』の「ダイジェスト版（土曜日版）」の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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夏休みに帰省したのぶ（今田美桜）は、銀座のパン屋について草吉（阿部サダヲ）に尋ねるが、はぐらかされ、羽多子（江口のりこ）にも詮索をたしなめられる。嵩（北村匠海）との関係に悩む中、健太郎（高橋文哉）やメイコ（原菜乃華）らの計らいで仲直りの機会を得たのぶは、嵩の土産に心を動かされる。その後、卒業を控えたのぶは、黒井（瀧内公美）に手紙の差出人の正体を問われ、嵩の絵に救われた過去を語る。そして昭和13年、のぶは女子師範学校を卒業し、新たな道へ踏み出す。
------上記のあらすじは、当ブログのオリジナル------

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原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]）  第2～6週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
　　　尾崎達哉（過去作/3000万）
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

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今週はちょっと寂しい、少し残念な思いをさせました（謝）

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

朝ドラ『あんぱん』だけを楽しみにしている人は別にして。

少しはいる（と思っております）当ブログの『あんぱん』の感想を楽しみしてくださっている読者様方には、今週はちょっと寂しい思い、残念な気持ちにしてしまったと思います。

結局、ほぼ毎回、脚本と演出の矛盾点を言及し続けてしまったので。

ただ、読者様に楽しいでもらうとは思いますが、自分に嘘ウソをついてまで投稿しようとは思いません。

今後も、同じスタンスで進めていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

また、前回（第35回）の感想が粗削りでしたので、内容の補足を追加投稿しました。
よかったら、読んでみてください。

NHK朝ドラ「あんぱん」 第35回(5/16)の師範学校の‘のぶ’とうさ子、黒井先生のやり取りに共感しにくい理由を「そもそも論」で解説します！ 

海辺の場面での矛盾を消す〈編集による改善策〉があった！

さて、改めて、この第7週は、あちらこちらに “脚本と演出の矛盾点” があったのは確かで。

もう、終わったことなので、気持ちは次週への期待に向かっている。

そこで、今回の感想で注目したのは、《脚本と演出の矛盾点を「ダイジェスト版」で克服できたのか？》　だ。

まず、序盤で、第32回（火）で、のぶ（今田美桜）と嵩（北村匠海）を仲直りさせようと、‘健ちゃん’こと健太郎（高橋文哉）とメイコ（原菜乃華）が千尋（中沢元紀）とともに2人を海に連れ出す場面で、〈編集による改善策〉　が見られた。

このときの嵩と千尋のやり取りがこれだ。

千尋「ヤムさん（阿部サダヲ）と豪さん（細田佳央太）も
　呼べばよかったかな」
千尋「豪さんは…　赤紙が来て　出征したがや」
嵩「そうだったのか…」

私は、本放送時には、それよりも大きな矛盾を言及するの選択したので書かなかったが。

実は、数名の読者様から「粗捜しのつもりはないんですけど…」と非公開でコメントをいただいていた。

私も、粗捜しをするつもりないから指摘しなかったのだが。

〈前夜の柳井家の夕食シーン〉を全て削除し矛盾を払拭！

それが、《なぜ、千尋は前夜の夕食の際に、豪の出征の話をしなかったのでしょう？》　だ。

同時に、伯父の寛（竹野内豊）がせっかく嵩に「何で　のぶちゃんを怒らせたがな」と振ったのだから、《千尋の性格なら‘のぶさんは豪さんの出征で心が動揺している’とか説明したらよかったのでは？》　という意見だ。

ホント、ごもっとも…　である。

しかし、今回の「ダイジェスト版」では、〈前夜の柳井家の夕食シーン〉　を全て削除する編集が選ばれたのだ。

このことで、「夕食で話せばよかったのでは？」の疑問を全部払しょくしたのだ。

それでも、嵩が‘ヤムおじさん’こと風来坊のパン職人・屋村草吉（阿部サダヲ）を誘うのは百歩譲ってよしとしても、さすがに　〈嵩と豪が一緒に海で語るような関係なのか？〉　の違和感までは払しょくできてはいないが（汗）

実は家族と常連客の恋模様を観察する恋愛コンシェルジュ！

二つ目の　〈編集による改善策〉　は、《のぶをはじめ朝田三姉妹の結婚観や人生観の物語》　に仕立て直したことだ。

秀逸なのは、若い登場人物の中でもトップ2だと思われる　≪メイコの健太郎への片思いエピソード》　を強調することで。

“姉二人の恋愛事情もお見通しの恋バナ通” のメイコ自身は、好きな人と結婚して家庭を持つタイプで。

蘭子は、好きな人と結婚して家庭を持ちたいけど今は…　な状況で。

肝心の‘のぶ’は、嵩は大切な人だけど、自分は先生になって生徒に体育を教えたい人。

こんな、朝田三姉妹の三者三様を描きつつ、うまく「まもなく師範学校を卒業する‘のぶ’の物語」の印象を強めてきたのだ。

「本編」では「なぜ、千尋が朝にあんぱんを5個も買いに来たの？」だったが。

この編集なら、メイコが朝田パンの看板娘で、実は家族と常連客の恋模様をひっそり観察している “恋愛コンシェルジュ” に、むしろ千尋が引き寄せられた…　に見える！

やはり、のぶと師範学校での担任教師・黒井雪子（瀧内公美）のあれだけのやり取りで、《のぶの結婚観や人生観の物語》　を描いたとするのは無理がある。

でも、逆に「ダイジェスト版」の前半で、“恋愛コンシェルジュ・メイコ” を強調する編集のほうが、黒木の重苦しい過去に引っ張られすぎない絶妙な効果を生んでいる。

これ、なかなかよくできた編集だと思う。

「すれ違い」より《のぶの結婚観や人生観の物語》を強調！

「ダイジェスト版」の前半で、今週が　《のぶの結婚観や人生観の物語》　であることを編集で力説したからこそ。

シーソーの空き地から始まるエピソードも、《のぶの結婚観や人生観の物語》　がベースになった…

《のぶと嵩の人生観、金銭感覚、愛国心、教育観、美意識、価値観などの相違からくるすれ違いエピソード》のプロローグになった。

そして、「御免与駅」以降は、《のぶの嵩の後悔と反省》　へと（あえて言います）華麗につなげた…　と思う。

「のぶ、体操の先生になる！」そのものが必要なのか？

ただ、今週の「ダイジェスト版」を見たからこそ、思いを新たにしたこともある。

それは、前半の　《のぶの嵩のすれ違い》　と　後半の《のぶの嵩の後悔と反省》と、終盤の　《のぶと黒井先生とのやり取り》が、ほぼ無関係であることだ。

「本編」以上に、師範学校の部分が漠然とした印象になったと思う。

だって、この程度の描写や表現では、のぶの教師への決意なんて描き切れていないし。

教師になってから、理想の教師像を必死に目指すのぶを描くようには見えないし。

のぶ自身が、生涯にわたって教壇に立つように、第1回でも描かれていないのだ。

だったら、「のぶ、体操の先生になる！」そのものは必要なのか？　と思うし。

むしろ、持ち前の男勝りで勝気な性格で、明るくて足が速い、朝田パンの‘ハチキン看板娘のぶ’だけで十分だったと思うのだ。

まあ、今から言ってもしょうがないが。

あとがき

残念だったのは、寛の次のセリフが削除されたことですね。

寛「今は平行線に思えても
　いつか　2人の道が
　交わる日が来るかもしれん」

第1回からも、寛の「いつか交わる」からも分かるように、二人は結婚するんです。

ということは、ある意味で「小学時代ののぶと嵩は、ずっと変わらない」のです。

そう、今作が描くべきは「のぶと嵩は、ずっと変わらない」ことなんですね。

だから、いくらすれ違いやケンカを盛り込んだって「のぶと嵩は、ずっと変わらない」んです。

ですから、本当の意味でもったいない、残念なのは、小学生時代の高学年時代や、中学や高校時代、師範学校と芸術学校に進む前の「すれ違わず、気持ちが通じ合っているのぶと嵩」に、もっと尺を割くべきだったと思います。

だって、史実で言えば、結婚まででも、10年あるんです。

それまで、ずっと「すれ違うけど変わらない」をやるんでしょうか？

ここは、もう少し工夫してほしかったと思います。

そろそろ、中園ミホさんの本気を見せてくれると期待します。

来週も、好き勝手に書きますが、お気が向きましたら読みに来てくだると嬉しいです。
そして、Web拍手だけでも投稿の励みになりますので、よろしくお願いいたします。

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
土佐弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 

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