連続テレビ小説「あんぱん」 （第59回・2025/6/19） 感想 ※詰め込みたいなら1週間の構成をもっと考慮すべし！

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第59回／第12週『逆転しない正義』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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銃撃された岩男（濱尾ノリタカ）は、嵩（北村匠海）にリンはよくやったと言って息絶える。八木（妻夫木聡）は、リンは親のかたきをうったのだと言い、嵩に岩男のかたきをとりたいかと尋ねる。そして、やり場のない怒りを爆発させる八木。初めて見る八木の姿に、嵩は立ちすくむだけだった。やがて食料難は限界を達し、嵩はとうとう地面に倒れこむ。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]）  第2～7,9,11週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ 第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
　　　尾崎達哉（過去作/3000万）
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

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ネタの盛り込みすぎで、タイトル映像ですら邪魔だった…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

結論から言おう。

その前に、きょうの午後あたりに、負けず嫌いの制作統括の倉崎憲氏が、今回でメインタイトル映像を省略したことの “言い訳” をやると思うが。

おそらく間違いないのは、 そもそも論 《その1》 として、 エピソードの盛り込みすぎで、1分15秒のメインタイトル映像ですら足らなかった…　それだけである。

だって、きっと来週から終戦をやるので、戦時中を描けるのは残り2回しかない（と私は考えています）。

更に完全な推測だが、明日の金曜日は。

［史実］を鑑みれば、確実に（もう書いちゃいますよ）、のぶ（今田美桜）の夫・次郎（中島歩）が、〈終戦後の復員と病の悪化による体調不良〉　ための伏線を張っておく必要が絶対にあるのだ。
　※投稿済みの下記をご参照ください
NHK朝ドラ「あんぱん」のぶの結婚相手・次郎のモデル“小松総一郎さん”の小松暢さんとの出会いから別れまで解説します！｜ディレクターの目線blog 

よって、時間が、尺が足りないだけなのだ。

だったら、脚本家や演出家や制作統括が肝いりの “戦時中” をあと1週だけ延ばすという英断をやればよかっただけのこと。

「描きたくてしょうがないこと」と「実際に表現している内容が」が乖離して、そこを発端にグズグズになったのは、視聴者たちは朝ドラ『虎に翼』（NHK／2024年前期）の‘男女差別のくだり’で見たばかりなのだ。

そう、「また、作り手の情熱が空回り？」でしかないのだ。

メインタイトル映像を削ってまで盛り込みたいなら、脚本の第1稿が出来た時点で全体の編成を再考したらよかったと思う。
時すでに遅し…　だが。

嵩を《食に関心が薄い人》に描いてきたこともマイナス要因

さて、どこから斬り込もうか？

じゃあ、最初は次の嵩（北村匠海）のセリフからだ。

嵩「タンポポの根っこは食べられるぞ」

タンポポの根っこは、私は「タンポポコーヒー」としてたまにいただく。
「薄めのコーヒー」でおいしいものではないが、無農薬・無添加のカフェインレスコーヒーとして重宝する。

おっと、そんな話ではなくて。

ここの描写、決して悪いとは思わないが。

前回の空腹の嵩に卵を分け与える中国人女性ヤン・チュアンユン（天野眞由美）のくだりと合わせて、どうしても違和感がぬぐえないのだ。

だって、嵩が壮絶な空腹と戦っているという描写そのものに説得力を感じないからだ。

なぜなら、 そもそも論 《その2》 として、 嵩を　《食に対する関心が薄い人》　の設定に描いてきたことも、マイナス要因になっていると思うからだ。

朝田パンに買い物に来るのは、主導的だったのは嵩でなく千尋（中沢元紀）だったし。

柳井家で数回あった食事のシーンだって、嵩が積極的に食事を楽しんでいるようには見えなかったし。

第10回（4月11日放送）では、家族でカレーライスを食べているのに突然急に席を立っていなくなったし。

第52回（6月10日放送）では、配給のカレーライスを康太（櫻井健人）へ差し出したし。

"嵩は少食"で《戦時下の空腹は人を変える》無理がありすぎ

「実は、嵩はパンとカレーライスが苦手」と「実は、嵩は食が細い」の設定だとしたら、それこそ…

そもそも論 《その3》 として、 『アンパンマン』を生み出す張本人としてどうかと思う。

だって、生前のやなせかしさんの食へのこだわりは半端なかったわけだから。

話を戻そう。

少なくとも「嵩は誰よりもグルメ！」の印象は乏しく、「嵩は食が細い」の印象が強いのだ。

そんな設定と状況で　《戦時下の極限渋滞での空腹》　によって　《空腹は人を変える》　をやるのは無理がありすぎると思うのだ。

だって、「嵩は少食」だから、食欲旺盛な康太たちを配置して　《都合よく史実に寄せた》　だけに見えてしまったのだから。

であるから、今回のタンポポの根っこも、悪くはないが、それ以上ではないと思う。

きっと、今作が「嵩は少食」と描いてきたから、こんな記事を放流したのだろうが…

北村匠海が語る、朝ドラ「戦争シーン」の覚悟　撮影中「昼は乾パン1枚」水も飲まず…リアルを追求 - スポニチ Sponichi Annex 芸能 

もっと「清を思う嵩」を丁寧に積み重ねておくべきだった…

いつぶりなのか分からないが、超久しぶりに新撮影分の嵩の父・柳井清（二宮和也）が‘イマジナリー清’として登場だ。

決して間違っているとは思わないが。

いくら「手帳」を強調されても、ここまで「嵩の父親」としての印象が薄い清が登場しても「？」しかないのだが。

だからと言って、ここで育ての親の寛（竹野内豊）を‘イマジナリー寛’として登場されろ！とも思わない。

やっぱり、ここは、もっと「実の父を思う嵩」を丁寧に積み重ねておくべきだったと思う。

登美子（松嶋菜々子）以上に印象が乏しい清が何を言っても違和感のほうが増大なのだ。

むしろ、「人は人を助け」であるなら、‘イマジナリー寛’で十分だったと思うし。

あとで総括するつもりだが、これも、結局は、積み重ねをせずに、ただただ “詰め込みすぎをやり続けたゆえの弊害” だと思う。

「泣いた」「感動！」「戦争反対」と感じるだけでいいの？

きっと、ネット界隈はだろう。

確かに、こうやって “死” と “死に際” を盛り込んで、俳優らの迫真の演技があれば、そう感じるのは間違っていないし、否定もしない。

しかし、これは、「赤ちゃんはかわいいのが当然」「犬猫は万人にとってかわいい」といった言説が、暗に他者にも同様の感情を求める圧力があることと似ていると思う。

その “前提の共有” を強要されることに対する違和感や拒否感があるから、「そう感じるだけでいいの？」と考えてしまうのだ。

また、たとえば、赤ちゃんの未発達さや脆弱さや、動物の弱さや無防備さなどに、人間が本能的・文化的に反応して「かわいい」と感じるといった分析を省略することもどうかと思う。

やはり、今回を見て単純に「戦争反対」と強く掲げるのは、あまりにも思考や観察を放棄しているように見える。

だから、もう少し掘り下げようと思う。

なぜ、空腹の極限状態の中に、他の要素を盛り込むのか？

今回で。最も気になったのは。

《なぜ、食糧難による空腹の極限状態を描く中に、他の要素を盛り込むのか？》

これに尽きる。

もちろん、それは、作り手たちが「戦争とは何か？「正義とは何か？」という部分を謙虚に、かつ誠意をもって描くことよりも。

「戦争は悲しいことですよ」「戦争は立場によって正義を変えちゃいます」的な曖昧な価値観の押し付けをやるから。

今作の描写や表現を正当化し免罪符としているように見えるのだ。

もちろん、「銃撃戦を描け！」「白兵戦（近接戦闘）やゲリラ戦も盛りこめ！」なんて言うつもりはない。

だって、冷静に見ることが出来た人は分かると思う。

食糧難で飢餓状態なのは、嵩の近くにいる兵士だけだったことに。

盛り込みたい要素の“全部入れ”を簡単にできた方法もある

だから、何をさておいても、無理やりにでも、食料難と飢餓状態を強調するべきだったのだ。

どうしても、お涙頂戴で敵討ちを盛り込みたいなら、それこそアバンタイトルでやって、タイトル映像で切り離して、「一方の嵩たちは…」とやるだけでよかったのでは？

だって、本来であるなら、（やたらと回想シーンを盛り込むのは反対ですが）、タンポポの根っこ場面あたりで、「ヤンの回想」を組み込んでもいいくらいなのだ。

それこそ、前回と今回の構成をがらりと変えてしまって、さらに回想も使わない作戦だってできたのだ。

とにかく、敵討ちのくだりは前回でやってしまって。

今回の前半で、嵩たちが近隣を巡回中に敵軍に襲われて、ヤンの住居に逃げ込む。

そこで、ヤンにゆで卵をめぐんでもらい、改めて敵軍を攻めに行くも途中で空腹で倒れて。

そこで、‘イマジナリー清’を盛りこめばいいのだ。

このような2日間の構成にすれば、盛り込みたい要素の “全部入れ” を簡単にできたと思う。

食糧難や飢餓状態があってこそのヒーローがアンパンマン！

もちろん、嵩のモデルであるやなせたかしさんと『アンパンマン』を鑑みれば、戦争に対する思いや、戦争での正義の意味も、今後のために重要な要素であるのは間違ない。

しかし、それら以上に重要なのは “食糧難” ではないのか！

アンパンマンというヒーローは、お腹を空かせた人々に、自分の顔（あんパン）を分け与えることで、飢えを救う。

そう、ちょっと語弊があるが、食糧難や飢餓状態があってこそのヒーローなのだ。

だから、戦争や正義より、食糧難を何よりも強調するべきだったのだ。

あとがき（その1）

●月・火曜日：宣撫班での紙芝居
●水・木曜日：補給路の停止・朝田パン・ゆで卵・敵討ち・父の清

並べると分かると思いますが、4日間で描くにはネタが多すぎるのです。

だから、木曜日では紙芝居のことなんて忘れているし、ゆで卵ですら過去のことになっていませんか？

そう、結果的に “全てのネタがほぼ箇条書き” なのです。

もちろん、紙芝居で反発ばかりの中国人との和解があって、ゆで卵の中国人老婆にリンクして。
乾パンから朝田パンになって、餓死寸前から三途の川で父に会って。

でも、こうやって超好意的に脳内補完したところで、所詮は “箇条書き” にしかならないのです。

せめて、語りで補強と補完をするべきだったと思います。

あとがき（その2）

最後に、黄中国人少年・リン・シュエリヤンを演じた渋谷そらじさんの名演技はすごかったですね。

でも、小さなことですが気になりました。

それは、次のセリフのときです。

リン「イワオさんは　ぼくのやさしい先生でした」

この「イワオさん」を言った直後、渋谷さんが一瞬だけカメラ目線になるんですね。

ここ、今作のチーフ監督でもある柳川強さんがチェックしてあげるべきだったと。

あのカメラ目線でせっかくの演技が台無しに感じる人もいるわけですよ。

それに、柳川さんは‘ミスターロマンチック’なんだから、やってよ…　ですよ。

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
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拍手コメント返信（2025/6/14）：あんぱん(第55回) ※反戦の理由が「痛いから」「死にたくないから」だけでいいのか!? 

拍手コメント返信（2025/6/17）：あんぱん(第57回) ※『アンパンマン』の名を借りて“独りよがりの正義”を描いてはダメ！ 

第12週『逆転しない正義』
第56回 第57回  第58回 

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【"2025年7月期/夏ドラマの期待度" を投稿＆更新しました】
【2025年7月期/夏ドラマ】の視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!!の内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

感想の趣旨について

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