連続テレビ小説「あんぱん」 （第72回・2025/7/8） 感想 ※展開は「回りくどい」のに、流れは「あっさり」の解決策！

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
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第72回／第15週『いざ！東京』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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夜遅くに高知新報に連れてこられた嵩（北村匠海）は、言われるがまま記事に合う挿絵を描くことに。締め切りが迫るなか夢中で絵を描く嵩を、のぶ（今田美桜）は陰から見守る。無事に描き上げた嵩は、高知新報に採用される。そしてのぶは、『月刊くじら』創刊号の発刊に向け大忙しの日々を送る。順調に記事が揃っていく中、入稿日にまさかの事態が。うろたえるのぶたちに対し、東海林（津田健次郎）の目がきらりと光り…。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]）  第2～7,9,11,13,15週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ 第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万）
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

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アバンが『月刊くじら』の新展開の導入部と強調された理由

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

もう少し内容が良い方向に向かうまで、少しエネルギーは抑え目で書かせていただきます。
　※しばらくの間、テンプレです…(謝)

前回の感想で書いたように、アバンタイトルから悪くない。

活動映画風の演奏の行進曲劇伴にのせて、〈嵩とにかく必死に挿絵を描く〉である。

さらに、演出と俳優の演技が、「この場面は面白く楽しくするぞ」の思い入れをもって表現しているの伝わる。

東海林「決めかねちょった　残りの採用枠
　あいつにしますか？」

普通なら、東海林（津田健次郎）と高知新報 編集局 局長・霧島（野村万蔵）の会話の中に、この流れで棚から牡丹餅をもらえることになる嵩（北村匠海）の顔のアップを入れてもおかしくない。

しかし、今週の佐原裕貴氏の演出は「嵩のアップ」は入れずに。

霧島の「確かににゃあ」で笑うのぶ（今田美桜）と、ややピンボケだが画面手前でアップになる東海林 役の津田さんのお芝居に賭けた。

このことで、このアバンタイトルが『月刊くじら』の “新展開のイントロ” であることが強調されるのだ。

でも、もしもここに「嵩のアップ」を入れたら、「嵩が高知新報に入る物語」になり、既定路線である「主人公は‘のぶ’である物語」から少し逸脱してしまったと思う。

そう、「嵩のアップ」でなく「東海林のアップ」と「のぶの笑顔」にしたことで、既定路線を崩すことなく展開できたのだ。

もちろん、シーンの終盤で「足がしびれて倒れる嵩」を盛り込むことで、「嵩が高知新報に入る物語」がユーモラスある描写になっていくであろうことも推測できる。

のぶが自ら人生を切り拓いた女性の象徴として描かれるか？

そして、直後の「嵩が社会部に就職する」では、次の語りが印象的だ。

語り「のぶの強力な後押しがあったとは
　夢にも思っていない嵩でした」

これまでの「どちらかというと夫(男性)がメイン(著名人)の夫婦ものの朝ドラ」…

　・『ゲゲゲの女房』（NHK／2010年前期）
　・『マッサン』（NHK／2014年度後期）
　・『まんぷく』（NHK／2018年度後期）
　・『エール』（NHK／2020年度前期）
　・『らんまん』（NHK／2023年前期）

上記の朝ドラの妻(女性)はいわゆる “内助の功” であると同時に、「夫を夫の目の前で応援や協力をするタイプ」や「良妻賢母タイプ」が多かった。

しかし、のぶと嵩はまだ結婚前ではあるが。

現時点までで、のぶは嵩にとって、単なる「夫を支える妻」ではなく…

時代の制約を超えて（‘ハチキン’や‘女性初の新聞記者’など）自らの人生を切り拓いた女性の姿そのものとして、（案とか好意的に見れば）描かれている。

そして、今回のこの「語り」によって、嵩の創作の裏には、のぶの静かで力強い支えがあったことが描かれた。

あえて温かい目で見れば、やっと「やなせたかしさんと暢さんの物語」に大きく一歩前進した…　と言えると思う。

くじらは昔から日本では「捨てるところがない」と言われた

先週の脚本協力・三谷昌登氏が何気に受け流した『月刊くじら』の名称についての言及があったのも悪くない。

だって、以前に当ブログで書いたように、［史実］では『月刊高知』だから、なぜ『くじら』なのかは言及するべきだと思うからだ。

「親しみやすくて、壮大で」だけでなく。

のぶ「くじらのように　余すことなく
　全ての記事が
　読み応えのある雑誌にしたいがです」

ここで、大きなおせっかいをしておこう。

「くじら」は、古くから「海の恵み」として人間に重宝されてきた。

特に日本では、「捨てるところがない」と言われるほど、くじらのほぼ全ての部位が食用または生活資源として利用されてきた。

身肉や血液、皮や背油が食料や栄養食品になったり。

鯨油はかつてのランプの燃料、鯨の鬚(ひげ)は扇子やコルセットや釣り竿になったり。

月刊誌名の『高知』を『くじら』にしたのはなかなかの妙案

さらに、‘鯨が大好き’なみっきーが「くじら」うんちくを語っちゃおう。

高知県は、かつて盛んな捕鯨文化を持っていた地域の一つだ。

特に室戸市は、江戸時代から明治時代にかけて捕鯨の拠点として栄えた。

また、高知県の土佐湾は日本有数の鯨の生息地であり、現在はホエールウォッチングの観光も盛んで。

なんてったって、鯨は「よさこい節」にも登場するほど、土佐の人々にとって身近な存在なのだ。

言うたちいかんちゃおらんくの池にゃ
潮吹く魚が泳ぎよる
よさこいよさこい

出展：斎藤京子「よさこい節」｜ 歌ネット 

「おらんくの池」とは、「うちの池（＝地元の海）」のこと。

「潮吹く魚」とは、鯨のことを指す隠喩。

鯨は哺乳類だが、昔の人々は「大きな魚」として捉えていたため、「潮を吹く魚」と表現されたとされる。

つまりこの歌詞は、「うちの海には鯨が泳いでるんだぞ！」という土佐の海の豊かさと誇りをユーモラスに歌っているだ。

したがって、『月刊高知』を『月刊くじら』にアレンジしたのは、「高知県が舞台の朝ドラ」として、なかなかいいアイデアだってことだ。

モデルにはない要素を必死に活用して‘のぶ’を描いている

さて、今回の展開で、「なぜ、嵩を『月刊くじら』編集部所属にして、物語を進めないの？」の意見があると思う。

しかし、別の角度から見れば…

いいや、［史実］と［創作］のつなぎ目だから、脚本と演出が一生懸命に “暢さんにはない、のぶの創作部分” とのすり合わせをやっていると受け取れるのだ。

だって、 そもそも論 《その1》 として、 のぶのモデルある “小松暢” さんは、高知県の裕福でハイカラな家の生まれで、音楽的才能と運動神経に恵まれた多才な性格だったのだ。

一人目の夫・小松総一郎氏から当時の女性では珍しく速記とカメラ撮影を習得していたのだ。

だから、高知新聞の『月刊高知』編集部では、即戦力として働いた。

そして、あとから入社してきた柳瀬嵩さんと机が向かい合わせで知り合ったのだ。

しかし…

今作の‘のぶ’は、モデルの「小松暢さん」とはだいぶ違うのだ。

まず、大きく異なるのが、「のぶと嵩は幼なじみ」「尋常小学校の先生」「愛国の鑑」「速記もカメラも趣味程度」のくだりが全て創作（フィクション）だ。

だから、今作の脚本は猛然と、今作が組み込んだ創作パートを、嵩が『月刊くじら』編集部に配置転換されるまで」に整えようとしているのだと思う。

今回だって、「のぶが小学校の先生」だったからこその「戦争孤児たちの座談会」であり。

小学教師としての‘愛国のかがみ’の反省があるから、東海林が言った「戦争の結果や」を追求する‘のぶ’だったと思う。

ここは、賛否両論あると思うが、ここ1か月の体たらくを鑑みれば、「頑張っているほう」だと私は受け止めた。

展開は「回りくどい」のに、流れは「あっさりしすぎ」に！

いつも以上に、だいぶ褒めたので、辛辣な感想も書いてバランスを取ろう（笑）

そもそも論 《その2》 として、 今作が描くべき‘のぶ’の役目は、前回にもあった〈嵩に発破をかける、喝を入れる、背中を押す〉だ。

そして、今作が描くべき‘嵩’は、弱弱しい、頼りないの意味の‘たっすいがー’である。

であるから、今回だって、アバンタイトルで挿絵が評価された嵩を東海林が『月刊くじら』編集部に強引に引き入れて、その流れのままで、主題歌明けに「50分で漫画を描け！」で済んだのだ。

そう、展開そのものが、「婉曲的」「遠回し」「間接的」になりすぎているのだ。

であるから、本当であるなら視聴者たちは、「もどかしい」「じれったい」といった感情を抱くはずだ。

しかし、ここで困ったのは、あくまでも展開は「回りくどい」のに、流れは「簡潔すぎ」「あっさりしすぎ」の印象になっていることだ。

そのよい例（悪い例ですけど）が次の東海林のセリフだ。

東海林「よう何回も　俺の直しに耐えたな」

一体どこの文脈をどう踏まえれば、のぶが完成までに「頑張った」「努力した」と言えるのか！

「手芸の記事」は「頑張った」「努力した」と見えるが、「戦争孤児の記事」は？　ってこと。

せめて、もう少し、棚ボタ入社、（東海林らからの）コネ入社だからこそ、のぶが「試行錯誤を重ねた」「精一杯取り組んだ」に見えるように描くべきだと思う。

あとがき

「困ったときのやなせさん」と呼ばれていたのは［史実］ですよ。

『やなせたかしの生涯 アンパンマンとぼく 文春文庫　梯久美子(著) 文藝春秋』 に、無名時代のやなせさんがよく言われたと書かれています。

少しずつ〈史実に寄っていく〉ので、このままの調子で進めば、大失敗は免れそうですね。

でも、やはり、もう少し、のぶと嵩のやり取りを見たいです。

最後に、表題の解決策は、「のぶの頑張り」と「のぶと嵩のやり取り」をたくさん盛り込むことだと考えます。

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
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第15週『いざ！東京』
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【"2025年7月期/夏ドラマの期待度" を投稿＆更新しました】
【2025年7月期/夏ドラマ】の視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!!の内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。

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