ディレクターの目線blog

NHK連続テレビ小説「虎に翼」シナリオ集　第4週［全26巻］ Kindle版

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第1話

新規投稿 【"2025年1月期/冬ドラマの期待度" を投稿＆更新しました】
2025年1月期/冬ドラマの期待度の視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!?の内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっとこうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。

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[20回]

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連続テレビ小説「虎に翼」（第16回・2024/4/22）感想

2024/04/22 (Mon)10:04:07 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第16回／第4週『屈み女に反り男？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

実際の事件を調べるため、まんじゅうを作ってみることにした寅子（伊藤沙莉）たち。すると涼子（桜井ユキ）が急に謝罪したいと言い出す。涼子が調べたところ、学長（久保酎吉）が元の事件を脚色し、かわいそうな女性を女性たちが弁護しているように見えるよう改変していたらしい。事実を知り、憤慨する寅子やよね（土居志央梨）たち。一方、花江（森田望智）も抱えていた思いを吐き出す。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,鎌倉殿の13人,やさしい猫）
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学法学部専任教授）
料理指導：赤堀博美（過去作/花咲舞が黙ってない,厨房のありす）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト新窓で開きます）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

昨夜の TBSの『アンチヒーロー』に続いて岩田剛典さん登場

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

今期の連ドラで特に感じるのは。

直近の連ドラで印象的な役を演じた俳優さんが、今期も特徴的なキャラクターを演じているケースが多いこと。

先週土曜日の日テレのドラマ『花咲舞が黙ってない（2024）』では、昨年放送のテレ朝ドラマ『ハヤブサ消防団』に、危険なカルト教団「アビゲイル騎士団」を支配する裏教祖の弁護士役で出演されて爪痕を残した浜田信也さんが、高慢でキザなカフェチェーンＣＥＯ役で登場した。

そして、『虎の翼』には。

昨夜放送の TBSの『アンチヒーロー』で、とてつもなく怪しい殺人容疑の被告・緋山啓太役を怪演したばかりの岩田剛典さんが、社交的で学生たちの中心的な存在の “いい人” で登場。

ついさっき感想を投稿したばかりなので、頭の切り替えが追い付かない（笑）

朝ドラらしからぬと、朝ドラあるあるの共存が面白い

昭和10年（1935）に時間経過して始まった月曜日。

鯛の尾頭付きの塩焼きに紅白のかまぼこ、山椒の葉が乗ったお赤飯と、猪爪家のおめでたい食卓だ。

「朝ドラらしからぬ朝ドラ」の証かどうか微妙だが。

まだ学生の身分の朝ドラのヒロイン・寅子（伊藤沙莉）が、お祝いの席とはいえ、手酌で瓶ビールをグイ～っと飲むのは、斬新に見えた（笑）

その一方で、正に朝ドラあるあるで、猪爪家に下宿する書生・佐田優三（仲野太賀）は障子のすき間から覗き見。

また、これまでも猪爪家は昭和あるある的な亭主関白でなく、優しい父親がいる “かかあ天下” だったが。

別居を始めた直道（上川周作）と花江（森田望智）夫婦も、かかあ天下を強調。

この辺りも、一般的な家庭との違いをやんわりと提示しており、今作らしさがうかがえる描写だ。

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花岡学生は、身内以外の重要な男性キャラクターだと推測…

で、入学式の映像も割愛して、昨夜は殺人の証拠を破棄した被告が、七三分けの学ラン姿で登場！

ここまで、３分38秒の長尺アバンタイトルの構成だ。

恐らく、花岡悟（岩田剛典）が今週のキーパーソンなのだろう。

実は、思えば、まだまだ、第4週が始まったばかり。

前作『ブギウギ』なら、スズ子が桃色争議で山寺にこもる週で、上京する前の設定だ。

子役による子ども時代がないから少し調子が狂うが、穂高重親（小林薫）と桂場等一郎（松山ケンイチ）に次ぐ、身内以外の重要な男性キャラクターであることは容易に推測できる。

いや、そう推測させるための、長尺のアバンに違いない。

嵐の前の静けさ、不穏な空気、不気味な静寂…

さて、メインタイトル映像明けは、次の語りのとおりの雰囲気だ。

Ｎ「平和～に過ぎていきました(字幕ママ)」
　　※　　※　　※
Ｎ「ＴＨＥ　平和(字幕ママ)」

嵐の前の静けさ、不穏な空気、不気味な静寂であり、

私たち視聴者にとっては、何か騒動の前の虫の知らせを感じさせる描写だろう。

サブタイトル『屈み女に反り男？』を少し掘り下げてみる

とにかく、この内容だけでは、次回以降を見ないと何も書けない（苦笑）

そこで、第4週のサブタイトル『屈み女に反り男？』を少し掘り下げてみる。

「屈み女に反り男」とは、女性は少し下を向いて控えめな姿が美しく、男性は少し胸を張って誇らしげな姿が立派だという意味だ。

昭和より以前の昔の日本人が考えた、男女の理想の姿を現している。

例えば、時代劇などでお姫様がうつむいて静かに歩く姿や。

今でも結婚式などで和装の新婦が、新郎の着物の背中の家紋あたりに目線を置き、両膝を付けるようにやや内股で歩く姿が「屈み女」だ。

逆に、時代劇の武士が胸を張って堂々と道を歩く姿が「反り男」だ。

で、今作の今回は、寅子たちは、男子学生たちを “反り男” であると決めつけて登校したのに、腰が低くて面食らった。

しかし、ラストで特別講師として現れた梅子（平岩紙）の夫・徹男（飯田基祐）は、一見物腰はしなやかだが…

Ｎ「出たスンッ」

うまく言えないが、私には間違いなく「先が気になる朝ドラ」「次が見たい連ドラ」の月曜日になっていた…

あとがき

いずれにしても、今作が描くのは、寅子たちと男性との対峙で、寅子たちが勝っていくはずです。

その意味では、今週もこれまでと、ほぼ同じなはずですよね。

そこで今週の最大の見どころは、月曜日で “いい人” オーラ全開の花岡学生と徹男弁護士がどう動いて、寅子たちに軍配が上がるのか？

今のところ二人に接点はなさそうなので、どうつなげて描くのに注目しようと思います。

そして、昨日じっくり考えまして、『虎に翼』は “これ” を目指しているのかも？にたどり着いたので、別の投稿で書こうと思います。
少し、お待ちくださいませ。

みっきーの翼（第4回）

「どこがみっきーの翼なの？」と問われたら元も子もないが（笑）

読者のルールーさんから私の手料理の写真を見たいとのリクエストにお応えして。

昨日(4/21)は農協直販所に朝一番で並んで新鮮野菜を購入。

今年は、タケノコの豊作年だそうで。
朝採りタケノコ、トマト、春ニンジン、カブ、エシャレット、菜花、春キュウリを買いました。

夕食用に妻と一緒に作ったのは。
上から、菜花のお浸し、オクラの梅肉ごま和え、キノコと新玉ネギの炒め物、大根おろし、義母直伝のタケノコの塩コショウ炒め。

そして、定番のタケノコご飯。

いつもは薄味ですが、今回は少し甘め濃いめの味付けにしました。

以上、これだけのことです（汗）

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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[38回]

これまでの感想を読む

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アンチヒーロー（第2話/15分拡大・2024/4/21）感想

2024/04/22 (Mon)07:57:48 ドラマ

TBSテレビ系・日曜劇場『アンチヒーロー』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

Episode 2／15分拡大『-拒絶-』の感想。

町工場の社長殺害事件。検察が提出した新証拠に揺れる公判。しかし、明墨（長谷川博己）は過去の殺人事件の裁判記録を調べ上げ、ある仮説を立てる。一方、弁護士としての正義に揺れる赤峰（北村匠海）は、拘置所の緋山（岩田剛典）に会いに行く。緋山は本当に無実なのか、それとも･･･。
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

原作：なし
脚本：山本奈奈（過去作/ﾄﾞﾗｺﾞﾝ桜2021,VIVANT） 第1,2話
　　　李正美（過去作/半沢直樹2020､ﾄﾞﾗｺﾞﾝ桜2021,VIVANT） 第1,2話
　　　宮本勇人（過去作/VIVANT） 第1,2話
　　　福田哲平（過去作/ｲﾝﾊﾝﾄﾞ.ﾊﾟﾝﾄﾞﾗの果実） 第1,2話
演出：田中健太（過去作/DCU､ﾍﾟﾝﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾚｲﾝ,ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）第1,2話
　　　宮崎陽平（過去作/半沢直樹2020,日本沈没2021,DCU,VIVANT）
　　　嶋田広野（過去作/わにとかげぎす）
音楽：梶浦由記（過去作/花子とｱﾝ､作詞･作曲｢炎｣(LiSA),ｷｯﾁﾝ革命）
　　　寺田志保（過去作/ﾊﾟｰﾌｧｸﾄ･ﾌﾞﾙｰ,ｷｯﾁﾝ革命）
Ｐ：飯田和孝（過去作/義母と娘のﾌﾞﾙｰｽｼﾘｰｽﾞ,ﾏｲﾌｧﾐﾘｰ,VIVANT）
　　　寺田志保（過去作/？）
法律監修：國松崇（ﾄﾞﾗﾏ｢ｾｸｼｰ田中さん｣日本ﾃﾚﾋﾞ社内特別調査ﾁｰﾑの外部有識者）
警察監修：大澤良州（過去作/小さな巨人）
主題歌：milet「hanataba」
※敬称略

北村匠海さんが大雨の中で佇んでいたのを見て…

私のブログに来てくれて、ありがとうございます。
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赤峰（北村匠海）が緋山啓太（岩田剛典）を追跡して大雨の中で佇んでいたのを見て。

「もしかして、北村匠海さん、こっちのドラマでも刺されるの!?」なんて心配したドラマ好きもいたのでは？（笑）

「こちらの正義が正しい」と言い切らない、描き切らない！

リーガルドラマといえば、一般的には勧善懲悪の世界観を踏襲すると相場が決まっている。

しかし今作は違う。

そして、ありがちな “正義” と “悪” という対峙構造にもなっていない。

敢えていうなら。

“主人公の正義” と “主人公以外の正義” の対決になっている… だろうか。

ここで、敢えて “主人公たちの正義” と書かない理由は、当ブログの読者様ならお判りいただけると思うので省略する。

絶妙なのは、序盤も、中盤も、クライマックスも、後味も、すべて…
「こちらの正義が正しい」と言い切らない、描き切らない点だ。

連ドラとして、どっちの正義が勝っても不思議でないし、楽しめるように構成されているのがホントにお見事。

ここに、アンチなのにヒーローであるという『アンチヒーロー』というタイトルの意味が強く刻まれていると思う。

＜映像で見せて(show)魅せる(fascinate)べき!＞を達成！

更に評価したいこと。

それは、伏線だ、回収だ、謎解きだ、とだけ面白がる視聴者向けの “考察系ドラマ” の部分をいい塩梅で残しつつ。

証拠さえ揃えば、あとは弁護士と検察の腕次第で有罪にも無罪にもなってしまう日本の刑事裁判制度の恐怖を描くスリリングなリーガルドラマに仕上げてきたことだ。

今作を高評価しているなら、如何にドラマ（＝人間の本質を描くこと）において、大切なのは。

たくさんの謎を散りばめることでも、ヒントを各所に埋め込みまくることでも、結論をやたらと先送りすることでもないことは分かるはず。

映像作品としての “ドラマ” として最も大事なのは、口が酸っぱくなるほど訴え続ける…

“テレビドラマ” なのだから＜映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！＞を、ちゃんとやり切ること。

今作は、それを達成していると言っても過言でない。

ちゃんと『日曜劇場』らしさも忘れない手堅い作風もお見事

それでいて、今作のスタッフやキャストがうまく盛り込んでいるのが、『日曜劇場』らしさだ。

大ヒット作『半沢直樹シリーズ』に代表される、いわゆる「オッサン俳優たちの顔芸（良い意味で）」を随所に散りばめて、“らしさ” によってエンターテインメントとして一段上がっている。

「ほかの２サスやスペシャルドラマとは違うから、そこんとこヨロシク！」と言わんばかりに。

第1話は「一話完結」でないこともあって、方向性が見えづらかったが。

この第2話で、既に今作の “カタチ(フォーマット)”ができたような安定感。これは、もっと化けるかもしれない。

あとがき（その１）

一つ気になったのは、役柄、俳優さんによって「２月」のイントネーションが違ったことですね。

NHK放送文化研究所の基準では、正しいアクセントは「尾高型<おだかがた>」で［ニカ゜ツ＼］と発音します。
※「カ゜」は「ガ」ではなく、鼻濁音を示す。

「頭高型<あたまだかがた>」のように［二＼カ゜ツ］ではありません。

まっ、どうでも良いことですけど、気になりました。

あとがき（その２）

逆に良かった点。

特に地上波ドラマはその時々にタイムリーなので情報提供の役割もありますね。

過呼吸症候群の緊急対処法として有名なのが、紙袋を使ったペーパーバック法（紙袋を口にあてて呼吸する方法）でした。

でも今は、紙袋が口を多い呼吸困難の危険性があるので、推奨しないのが一般的で、そのことが作中に登場しました。

現在は、「落ち着く」「腹式呼吸を意識する」「頓服薬を飲む」をやりましょうってことです。（看護師の妻、談）

こういう情報の周知徹底は意味があると思います。

久し振りの「骨太の日曜劇場」に今後も期待します。

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花咲舞が黙ってないオリジナル・サウンドトラック

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花咲舞が黙ってない（2024）（第2話・2024/4/20）感想

2024/04/21 (Sun)10:09:26 ドラマ

日本テレビ系・土10ドラマ『花咲舞が黙ってない（2024）』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第2話『銀行の裏切り?』の感想。

なお、原作(小説)となった池井戸潤『花咲舞が黙ってない』、池井戸潤『不祥事』は、未読。

東京第一銀行臨店班の花咲舞(今田美桜)と相馬健(山本耕史)が銀行のトラブルを解決!!芝崎次長(飯尾和樹)が受けた“たそがれ研修”は中年行員に「自立して生きろ」と引導を渡す研修。昨年は暴れた受講者畑仲(三宅弘城)がいた。そんな中、赤坂支店でコーヒーチェーン白石珈琲の出店情報が流出!?社長白石吾郎(斉藤暁)や担当の八代(武田航平)の話を聴く内に犯人は社員ではないとわかり…。機密報漏洩事件の真相を暴け！
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

原作(小説)：池井戸潤『花咲舞が黙ってない』、池井戸潤『不祥事』
脚本：松田裕子（過去作/花咲舞が黙ってない,東京ﾀﾗﾚﾊﾞ娘,正義のｾ） 第1,2話
　　　ひかわかよ（過去作/ｾｼﾙのもくろみ,個人差あります）
演出：南雲聖一（過去作/花咲舞が黙ってない,東京ﾀﾗﾚﾊﾞ娘,ﾊｺﾂﾞﾒ） 第1,2話
　　　佐久間紀佳（過去作/花咲舞が黙ってない,あなたの番です,真犯人ﾌﾗｸﾞ）
　　　鈴木勇馬（過去作/花咲舞が黙ってない,ﾘﾊﾞｰｻﾙｵｰｹｽﾄﾗ）
音楽：菅野祐悟、得田真裕
挿入歌：あかせあかり「いつか叶えたくて」
ＣＰ：田中宏史（過去作/悪女(わる)~働くのがｶｯｺ悪いなんて誰が言った?~）
Ｐ：小田玲奈（過去作/悪女(わる)~働くのがｶｯｺ悪いなんて誰が言った?~）
　　　鈴木香織（過去作/ﾌﾞﾗｯｼｭｱｯﾌﾟﾗｲﾌ）
　　　能勢荘志（過去作/ﾊﾟﾝﾄﾞﾗの果実~科学犯罪捜査ﾌｧｲﾙ~）
※敬称略

予想以上にリメイク、通常の連ドラとしても良くできている

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

流石に、もう、原作と比較する人はいないと思うが。

まだ、前作の実写ドラマ版とは比べている人がいるようで。

いずれも、好きにしたら良いと思う。

さて、今作。

時に、辛口の意見、手厳しい指摘、辛辣なツッコミをするのをご存じの常連さんの読者様は、きっと気持ちが悪いと思うに違いないが、正直に書く。

予想以上に、リメイクとしても、通常の連ドラとしても良くできていると思う。

その理由を細かく書いてみる。

設定の説明を最小限に留めた、大人の仕上がりを評価したい

第一に、第1話と同様に、登場人物の位置づけや感情、場面ごとや状況の “設定の説明” をこれ見よがしに組み込まない、大人の仕上がりを評価したい。

最近の連ドラ、ドラマ全般にいえるのは、ひと言 “説明過多” だ。

第1話の説明過多は、多少はやむを得ないとは思うが。

でも、最近は限度を超えて、説明をやりまくる駄作がほとんどだ。

その理由は、視聴者に徹底的に分かりやすすぎるくらいに作らないと、そっぽを向かれるからだ。

大した内容でないのに、「分かりにくい！」と、自分の理解力不足はそっちのけで… だ。

でも、今作は “設定の説明” を冒頭のナレーションでサクッと済ませておしまいだ。

あとは、ほぼすべて、“物語” と “展開” で、見せて（show）魅せて（fascinate）いる。

評価したのは、説明の要素に “取って付けたようなセリフ” も利用していないことだ。

全体の会話劇を見ているだけで、人物設定や、事態や時局が伝わるような脚本と演出になっている。

もしかすると、お世辞でなく、今期ドラマで一番しっかりと“ドラマ” なのだから＜映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！＞をやっていると思う。

今作のメイン監督の南雲聖一氏の演出について

『ディレクターの目線blog』らしく、ディレクター、演出について少し触れてみる。

演出担当は、前作、そして前回に続いて、今作のメイン監督の南雲聖一氏。

南雲氏といえば、ドラマ『ハケンの品格（日テレ／2007）、『曲げられない女』（日テレ／2010）、『東京タラレバ娘』（日テレ／2017）※メイン『正義のセ』（日テレ／2018)、『ハコヅメ?たたかう!交番女子?』（日テレ／2021）のメイン監督だ。

いずれも、働く女性たちにスポットライトを浴びた話題作ばかりだ。

南雲氏の演出で注目すべきは、細かい部分い注意が払われることによる、映像から伝わるリアリティの創出だ。

花咲舞の朝食の、早食いに注目！

例えば、序盤での花咲舞（今田美桜）の朝食シーン。

舞の叔父・花咲健（上川隆也）のセリフどおりの「早食い」だ。

よく見ると分かるが、カットが切り替わっているとはいえ、今田さんがちゃんとご飯を食べながらセリフをしゃべっている。

それも、大食い、早食いの動作をやりながら、上川さんとセリフのやり取りとやっている。

もちろん、今田さんの演技力、二人の息があっているのもあるが。

普通の演出なら、ここまでガッツリと早食いを長尺で使わないと思う。

使っても、ほんの数秒で「じゃあ、行ってきま～す」でも十分なのだから。

でもここで、早食いをキッチリとお味噌汁まで飲んでいることを印象付けることで、主人公が手抜きをしない、途中で投げ出さない性格であることが見えるのだ。

「白石珈琲」で舞と相馬と白石社長の席の位置に細かい配慮

11分ごろに始まる「白石珈琲」での舞と相馬健（山本耕史）と白石社長（斉藤暁）のやり取りも細かい配慮）がある。

まず、シーン頭(冒頭)で晴れの天気で看板を強調。

そして、３人が座るのが、窓際でなく、やや奥の席。

普通、この類の設定では窓際の席に設定して、雰囲気作りをやるのが定番だ。

しかし、ここでは白石社長や夫人の出しゃばらない、一歩下がった佇まいを表現するために、奥のほうの席に陣取った… と思う。

傘を持って入店してくる女性客にも注目してみる

24分ごろの再び「白石珈琲」の場面にも注目だ。

まず、看板のカットに雨が降っている。

日替わりを印象付けるためだけでなく、暗雲が立ち込めそうな予感が漂う。

まっ、これは、のちの物件探しの場面でも、舞たちが傘をさしているから “つながり” として普通だ。

でも、注目すべき演出は、社長夫人がアイスクリームを出した直後、背後のドアから入店してくる客役のエキストラの女性）だ。

ちゃんと、さっきまで外で傘を差してきた演技になっているのだ。

これ、傘立てが店の外にある設定でもいいはずだ。

ドアから入ってすぐのところに、傘立てがあるのがむしろ普通。

でも、この女性客は傘を持ったまま、夫人の案内で上手(画面右側)にハケる。

これ、傘を持参させることで「外が雨」であることが示されるうえに、「傘立てがない」ことで余計な動作で視聴者の集中を削がない効果を狙っていると思う。

白石珈琲担当の八代が入店してくる動作にも注目

最後に一つ、細かい演出をご紹介したい。

32分ごろ、「白石珈琲」で舞が支店で白石珈琲担当の八代（武田航平）に偶然出会うシーン。

矢代が店内に入って来て、カウンターからお水(お冷)を直接もらって、椅子に座る。

これ、普通に考えたら、先で夫人がアイスを持ってきたのだから、店員がお水を持ってくるはずだ。

でも、この演技指導により、矢代がしっかりと店に足を運んで馴染みになっていることが伝わる。

更に、店員のエキストラが登場しないことで、余計な映像無しに、展開を進めることができる。

ほかにも、たくさんあるが、こういう細かい演出、演技指導、演技の積み重ねが秀作につながっていくのだと思う。

劇画チックはピンポイント、勧善懲悪からヒューマンドラマ

長くなったので、まとめよう。

やはり、主演俳優が違うのだから、作品としてもリブート、再出発していることを強調したいのだろう。

スタッフも、ほぼ前作と同じだから、「ここを変えよう、ここは残そう」の取捨選択がキッチリとやられている印象だ。

特に前作と異なる点は、コミカル要素を減らして、劇画チックな演出はピンポイントに絞り込む。

そして、前作は『水戸黄門』的な勧善懲悪ドラマだったのを、今作は『正直不動産』風のお仕事系ヒューマンドラマに仕立て直したのだ。

良い意味で、ちょっと生意気で馴れ馴れしいけど、憎めない可愛らしさがある今田さん向けに、アレンジした可能性が強いと思う。

そして、それが、今のところを功を奏している… と思う。

過去の遺物に頼らず、チャレンジ精神旺盛で、丁寧なドラマは応援したい。

あとがき

私、基本的に視聴率で「見る or 見ない」を決めないので、どうでも良いのですが。

こういう秀作（になると思う）は、多くの人に見てほしいです。

その意味では、もう一工夫が必要でしょうね。

あまりお勧めしませんけど、今に合ったゲストの投入でしょうかね。

「前作のほうが」の人へ、お言葉ですが、このままブレずに進んでほしいです（笑）

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菅野祐悟

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連続テレビ小説「虎に翼」（第3週・土曜日版・2024/4/20）感想と、これまでの総括

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第1話

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[20回]

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2024/04/20 (Sat)12:23:22 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第3週『女は三界に家なし？』の「土曜日版」の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

生徒数が減り、存続の危機に陥る明律大学女子部。宣伝のため２年生の寅子（伊藤沙莉）たちは３年生と合同で法廷劇を上演することになった。よね（土居志央梨）は涼子（桜井ユキ）が書いた法廷劇の脚本を「甘い」と批判し、寅子と言い合いになる。本番の日。女子部をからかう男子学生・小橋（名村辰）らの妨害があり、法廷劇は中止に追い込まれる。けがをしたよねを運んだ女子部一同は、よねが働きながら苦労して弁護士を目指していることを知る。かける言葉が見つからない寅子は、実際の事件を徹底的に調べようと提案する。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,鎌倉殿の13人,やさしい猫）
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学法学部専任教授）
料理指導：赤堀博美（過去作/花咲舞が黙ってない,厨房のありす）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト新窓で開きます）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

モノクロ仕上げの寸劇に、プロのナレーションで補強

私のブログに来てくれて、ありがとうございます。
「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人のみっきーです！

今週の「土曜日版」で一番驚いたこと。

それは、法廷劇の説明用のモノクロ仕上げの寸劇を盛り込んだ上に。

本編では寅子（伊藤沙莉）が弁士役だったのに、「土曜日版」の語り担当・山下誠一郎さんで録り直して作り込んだこと。

このほうが、圧倒的に分かりやすい（笑）

というか、今回は全体的に語りが多めだった。

それだけ、内容が詰め込まれており、要点を押さえた映像だけでは分かりにくいとの判断だろう。

これはこれで懸命な決断だ。

今回は今作を "好意的に捉えている人" のひとりとして書く

あとは、特に書くことはない（汗）

というか、私が書きたいのは、第1週から第3週、第1回から第15回の総括だ。

ってわけで、急きょ、これまでの総括をやってみたい。

これも、折角の休日にわざわざ当ブログ、私の駄文を読みに来てくださった読者様へのサービスということで読んでいただければ嬉しい限りだ。

朝ドラに限らないが、どのドラマでも賛否両論がある。

今作だって、然りである。

そして私がよく言うのは「好意的に見ている人は、それはそれで良いと思う」だ。

たまに、私が好意的に受け止めている人を揶揄していると勘違いする人がいるが、それこそ勘違いだ。

むしろ、好意的に見られる人は見たらいいし、見られない人もいることを理解すべき… と思っている。

だから、今回は『虎に翼』を “好意的に捉えている人” のひとりとして書く。
（ほんと、前置き名が長くてごめんなさい…）

朝ドラが「戦隊モノ」「アベンジャーズ」になるとは！！！

ここからが本題。

なぜ、私が『虎に翼』を “好意的に捉えている人” のひとりなのか？

それは、言わずもがな、今作を「朝ドラらしからぬ朝ドラ」として挑戦している作品だと評価しているからだ。

やはり、ここまで〔イマイチ〕が続くと、内部からは改革、外部からは後方支援しないと朝ドラは変わらないと思うから。

私が「朝ドラらしからぬ朝ドラ」と思う理由は数々あれど。

この第3週を見て、ほぼ確信したのは、前回の感想に書いたことだ。

前回の感想を未読な方は、是非ともそちらを読んでから戻ってきてほしい。

まさか、朝ドラが「戦隊モノ」「アベンジャーズ」になるとは！！！

簡潔にいえば、寅子ひとりでなく、５人の個性を発揮して “正義を取り戻し邪悪を対峙する展開” になりそうな点が、「戦隊モノ」、特に大人気の米国SF映画シリーズ『アベンジャーズ』に見えてしょうがないのだ。

ハリウッド映画流の掟について、簡単に解説

さてここで、少しだけ簡単にハリウッド映画流の掟について触れておく必要がある。

簡単に書くので、読んでいただきたい。

誤解を恐れずに簡素に書くと。

ハリウッド流の脚本術において、複数のキャラクターが組んで主人公になる場合、個々の設定について “あまり詳細をツッコんで描かない” という特性がある。

要するに、あまり一人ひとりを深掘りせず、“全体を一つの塊” として活躍することを重視する傾向だってこと。

そうする理由は、個々の設定描写にこだわり過ぎると、単純に説明の分だけ尺が長くなるし、個々の活躍を描いても尺が長くなって、観客が飽きてしまう恐れがある。

更に、ハリウッドの場合は、男性、女性、LGBTQ、白人、黒人、アジア人のように、様々境遇のキャラクターを盛り込まないと製作が許可されない。

だから、全部を説明していたら、とてつもない分量になるから省くのだ。

その半面で、バラ売りができる。

例えば『アベンジャーズ』なら、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、スパイダーマンなど、個別に主人公にした作品を作り、説明も金儲けもできる、それがハリウッドシステムだ。

これを理解すれば、『虎に翼』で私が言いたことも分かると思う。

「主人公＝寅子たち５人」だから、朝ドラらしくない

そう、皆様のお見通しのとおりだ。

●世間知らずで自信家で、全てに全力の人・猪爪寅子
●男装の女性で、女性の社会進出に熱い信念を持つ山田よね（土居志央梨）
●華族のお嬢様で有名人で、成績優秀な桜川涼子（桜井ユキ）
●一番年上の同級生で、夫が弁護士、3人の息子の母親の大庭梅子（平岩紙）
●朝鮮半島からの留学生で、日本語が堪能だが差別を受ける崔香淑（ハ・ヨンス）

ほ～ら、完全に『アベンジャーズ』風なのだ。

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まだまだ、付いて来てほしい（願）

これまでの朝ドラのヒロインは、自分で問題を解決して前進していくキャラクターが多かった。

朝ドラ『とと姉ちゃん』（NHK／2016年度前期）と朝ドラ『べっぴんさん』（NHK／2016年度後期）は、若干ではあるが、「ヒロインと仲間の女子たち」で世の中を変えていくストーリーだったが。

今作は「ヒロインと仲間の女子たち」とも違う。

ある意味で「主人公＝寅子たち５人」だから、朝ドラらしくないのだ。

私は、これはこれで挑戦的で良いと思う。

寅子だけを特別視しないほうが、むしろ良い

もちろん、異論反論はあると思うし。

もしも、私の見立てが間違っていたとすると、「？」と思う節はいくつもあるのだ。

例えば、未だによねが弁護士を選択した理由も、怒りの矛先も明確に描かれていない。

今週の饅頭づくりのくだりでは、それぞれの役割が強すぎて、寅子の存在感が乏しい。

これまでの私なら「もっと、主人公を主人公に見せて魅せるべき！」と豪語しただろう。

しかし、今作を『アベンジャーズ』風だと考えれば、寅子だけを特別視しないほうが、むしろ良いわけだ。

この辺は、人それぞれの解釈で良いと思う。

映画『アベンジャーズ』以上に映画『ドリーム』が似ている

最後に、「本編」の感想で一切書かなかったこと。

実は、映画『アベンジャーズ』以上に今作に似ている映画がある。

それが、以前に当ブログで紹介したアメリカの伝記映画『ドリーム』（2016）だ。

興味がある人は、下記の投稿に詳しく書いてある（ネタバレ無し）

管理人が【超おススメ】の映画『ドリーム』（NHK総合で3月12日深夜放送予定）を見ようと思われた方へ ※劇場公開時の感想あります！

簡単に説明すると。

アメリカ初の有人宇宙飛行「マーキュリー計画」を陰で支えた NASAで働く３人のアフリカ系アメリカ人の女性の活躍を、実話に基づいて描いた感動作。

女性差別、黒人差別が激しかった 1960年代の白人＆男性至上主義の中で、「数学の才能がある女性」「頭がいい黒人」というだけで差別を受けつつ戦い続けて、名誉と人格と尊厳を勝ち取った話だ。

この中に、働くビルにトイレがなく台風の中をハイヒールで数10分も走るくだりもある。

戦う女性たちに興味があるなら、映画『ドリーム』と比べて見るのも面白いと思う。

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あとがき

もしも、「朝ドラらしからぬ朝ドラ」に共感してくださるなら、「寛容になりましょう！大目に見ましょう」の心で、スタッフとキャストのチャレンジ精神をもう少し見守って良いと思います。

だって、まだまだ第3週が終わっただけですから。

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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