ディレクターの目線blog

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

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新規投稿 【"2025年1月期/冬ドラマの期待度" を投稿＆更新しました】
2025年1月期/冬ドラマの期待度の視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!?の内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっとこうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
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[9回]

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連続テレビ小説「虎に翼」（第14週・土曜日版・2024/7/6）感想

2024/07/06 (Sat)11:09:47 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第14週『女房百日　馬二十日？』の「土曜日版」の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

ひょんなことから有名人になった寅子（伊藤沙莉）はますます仕事に追われるように。家庭を花江（森田望智）に任せきりになっていることが気になるが、星朋彦（平田満）の本の改稿作業の手伝いを引き受けてしまう。長官室を訪ねた寅子は星の息子・航一（岡田将生）と出会う。一方、家裁では日本人の男性とフランス人の女性の離婚調停を担当。息子・栄二（中本ユリス）は窃盗事件を起こし、両親ともに栄二の親権を手放したがっていた。栄二の心を開くことができない中、寅子は穂高（小林薫）の退任記念の祝賀会に出席する。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11,14週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8,13週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9,12週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学法学部専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院文学研究科史学専攻日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学教育推進機構高等教育企画室准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

土曜日版は本編で"これだけは絶対に外せない要素"の集合体

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。

「土曜日版」の感想を書く前に言いたいのは。

是非とも、「本編」を見るべし！

以上だ（笑）

それくらいに、ここ数年の朝ドラとしても。

民放を含めた全ての連ドラの中でも、今のところは秀作ドラマとして突出している。

だから、「15分×5日分」を「15分間」の “5倍濃縮”なんて都合のよい原液は作れないが当然だ。

従って、当ブログは「土曜日版」を見ることで、テンコ盛りだった「本編」の中で、「これだけは絶対に外せない要素」の集合体であると位置づけてみた。

そうすると、特に今作が “連ドラ” として “残すべき要素” が浮き彫りになったのだ。

今回は、そんな視点で書いてみようと思う。

暑いけど、水分補給しながら頑張るぞ～～～っ！

３つの "理想と理想のぶつかり合い" の順番に注目！

今回の「土曜日版」の構成は、大きく「前後編」になっている（と思う）

「前半」「前編」では、多岐川（滝藤賢一）が言った次のセリフがキーワードだ。

多岐川「現実と理想ではなく
　理想と理想がぶつかり合っていると？」

最初にもってきたのが、最高裁長官・星朋彦（平田満）の「日常生活と民法」の改稿作業だ。

寅子（伊藤沙莉）と航一（岡田将生）とのやり取りで、新民法の理想をやんわりと提示（金曜日にガッツリと盛り込むため）。

次が、穂高（小林薫）が違憲と唱えた「尊属殺」の家族会議での穂高と寅子が掲げる理想の話。

三つめが、両親の離婚調停で行き場を失いつつある栄二（中本ユリス）のための寅子らの様々な理想。

これら３つの “理想と理想のぶつかり合い”の順番に注目したい。

これ、「改稿作業」「尊属殺」「栄二の親権」と進むほどに案件として “具体的” になっているのだ。

この変化によって、寅子が徐々に苦悩し、苦闘していく様子が表現されたのだ。

後半の見どころは、役目や役割、方法と目標、筋道と結果…

更に、「改稿作業」で民法で変わった部分をきちんと視聴者に理解させておいて。

「尊属殺」のくだりで、寅子と穂高が法解釈の上では近いことも見えてくる。

そして、「栄二の親権」では、家事部と少年部の “理想と理想のぶつかり合い” だ。

これらを前半でしっかり盛り込むから、「解決編」ともいえる「後半」の面白味が出る。

「後半」の見どころは…
それぞれの役目や役割、方法と目標、筋道と結果… とでもいおうか。

後半の一つめのエピソードは、穂高の退任記念の祝賀会での「寅子の反乱」だ。

細かいことは、本編の際の感想に委ねるとして。

穂高が謙遜して言ったはずの「雨垂れ」が、寅子の逆鱗に触れた。

退任する穂高が役目を「雨垂れ」と評して、法律家だけでなく教育者としての役割をねじれたカタチで過小評価した方法と目標、筋道と結果が間違っていた… のだ。

そして、「栄二の親権」では、「両親のいずれか」という方法や筋道を一度捨て、寅子なりの新たなやり方で目標と結果を導き出した。

「星長官と航一」と「寅子と優未」の "親と子" の対比構造

これだけで終わる今作でない。

ここに、星長官と息子の航一を絡めている。

ちょっと見では、改稿作業は航一でなくても成立したのでは？と思う人もいるかもしない。

でも、そうではない。

そのことは、「土曜日版」でも決して削られることがなかった「寅子と娘・優未（竹澤咲子）」のくだりで分かる。

これ、よく見ると分かるが、「星長官と航一」と「寅子と優未」の “親と子” が対比構造になっているのだ。

そして、星親子は改稿作業によって親子の絆が深まり、佐田親子や改稿作業によって亀裂が入り始めた… と。

きっと、今後の展開で、星親子と佐田親子、航一と優未も重なって展開するような気がする。

もしも、そうなったら、相当に、先の先まで計算尽くしの脚本だということだ。

あとがき

決して、寅子自身が孤軍奮闘して、お節介を焼いて、問題解決していなんですね。

常に中立、冷静、やり過ぎないをモットーに、法と周囲の均衡を保ちつつ言動しているだけ。

なのに、不思議と “ドラマ” としては「寅子が解決した」ように見えるのが、スゴイと思います。

やはり、理想を現実にするには、騒ぎ立てるだけではダメということなのでしょうね。

私も、日本のテレビドラマがもっと面白くなるように、地道にやっていきます。
応援、後押し、お願いします…

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[33回]

これまでの感想を読む

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笑うマトリョーシカ（第2話・2024/7/5）感想

2024/07/06 (Sat)08:58:57 ドラマ

TBS系・金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第2話『深まる疑惑…事故と元恋人の秘密』の感想。

なお、原作(小説)である早見和真『笑うマトリョーシカ』は、既読。

父・兼髙（渡辺いっけい）の死は、BG株事件を隠蔽しようとする鈴木（玉山鉄二）の策略ではないかと疑う道上（水川あさみ）。さらに清家（櫻井翔）も鈴木に操られ、助けを求めるふりをしているのではないかと考える。道上が清家に会おうとする直前、道上の部屋が荒らされ、BG株事件に関する資料と取材ノートが盗まれる。道上の鈴木に対する疑念は深まるばかり。
その後、道上は清家の自叙伝「悲願」で、清家が以前秘書を務めていた代議士・武智（小木茂光）も不慮の交通事故で亡くなり、その後、清家が武智の地盤を引き継ぎ27歳で初当選したことを知る。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

原作(小説)：早見和真『笑うマトリョーシカ』
脚本：いずみ吉紘（過去作/極悪がんぼ,集団左遷!!,ｲﾝﾋﾞｼﾞﾌﾞﾙ）） 第1話
　　　神田優（過去作/ﾗｼﾞｴｰｼｮﾝﾊｳｽ1,2､競争の番人,女神[ﾃﾐｽ]の教室）
演出：岩田和行（過去作/絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~,家族のうた） 第1,2話
　　　城宝秀則（過去作/ﾒｲﾝ監督作｢世にも奇妙な物語ｼﾘｰｽﾞ｣）
　　　小林義則（過去作/ﾔｯさん~地発!いしい事件簿~,絶対零度3）
音楽：大間々昂（過去作/ﾏｲﾌｧﾐﾘｰ,ﾍﾟﾝﾃﾞｨﾝｸﾞﾄﾚｲﾝ,からかい上手の高木さん)
ＳＤ：石井和之（過去作/正直不動産ｼﾘｰｽﾞ,ﾊﾅﾌﾞｻ消防団,Believe-君にかける橋-)
主題歌：由薫「Sunshade」
政治監修：須山義正、武田一顕
法律監修：岡本直也（過去作/ｼｯｺｳ!!~犬と私と執行官）
児童福祉監修：永野咲
警察監修：石坂隆昌（過去作/映画｣見えない目撃者｣）
医療監修：中澤暁雄<（過去作/ｲﾝﾋﾞｼﾞﾌﾞﾙ,ｱﾄﾑの童,ﾘﾊﾞｰｻﾙｵｰｹｽﾄﾗ）
Ｐ：橋本芙美（過去作/4分間のﾏﾘｰｺﾞｰﾙﾄﾞ,危険なﾋﾞｰﾅｽ,夕暮れに､手をつなぐ）
※ＳＤ：サウンドデザイン ※敬称略

どう考えても、香苗の行動原理に矛盾がある…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

原作(小説)である早見和真『笑うマトリョーシカ』は、第1話終了後に読みました。
基本的に、原作のネタバレは書きません。

相も変わらず。
トラブル依存症候群（人間描写が蔑ろにしてまで、物語の構築を騒動ばかりに依存するドラマづくりのこと：「騒動至上主義」改め）なのは、諦めるし。

これだけトラブル三昧だと、説明過多になるのもやむを得ないとも思う。

でも、第2話を見終えてもよく分からないことがある。

それは、なぜ、今作において、厚生労働大臣・清家一郎（櫻井翔）と清家のブレーンである鈴木俊哉（玉山鉄二）が重要な登場人物として扱われているのか？

主人公が東都新聞文芸部の記者・道上香苗（水川あさみ）であるから、いろいろ調べるのは理解するが。

なぜ、香苗が清家と鈴木に興味を抱き調べているのかの “行動原理” が、今一つ見えてこない。

いや、「記者だから、いろいろ調べる」なら、「28年前の交通事故」や「父の死の真相」と同列で “調べたい” でないと、完全なご都合主義にしか見えないのでは？

これ、大人の事情で「清家と鈴木だけ」にしたいなら、他の２つの事件を調べると香苗に危険が及ぶ “設定” を作るだけで済むのに。

まあ、ご都合主義になる理由は原作の改編だから、ここでは書かない。
※知りたい人だけ「あとがき」の後半を読んでほしい

あとがき

私、上質で良質なサスペンスやミステリーは大好物ですが。

最近の “考察系ドラマ” みたいなのは、正直いって苦手です。

別に、私は結末には興味がなくて、過程を重視するタイプなので。

感想は、今回が最後になりそうです。

で、ご都合主義になる理由ですが…

◆◆◆◆◆ここから文字色を反転します◆◆◆◆◆

原作の主人公は「清家一郎」で、清家が周囲を操る人間ドラマ。
それを、今作は主人公を記者の香苗にして。
謎解きドラマに改編（私は「改悪」だと思いますが）してるから。
ですから、香苗の行動原理に矛盾があるのです。

◆◆◆◆◆ここまでで文字色を終了します◆◆◆◆◆

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【これまでの感想】
第1話

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ビリオン×スクール（第1話/初回15分拡大・2024/7/5）感想

2024/07/06 (Sat)08:23:25 ドラマ

フジテレビ系・金曜9時枠のドラマ『ビリオン×スクール』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第1話/初回15分拡大『山田涼介×学園ドラマ!スゲェ2人がやってきた』の感想。

賀美零（山田涼介）は、日本最大の財閥『加賀美グループ』のCEOであり、天才的な発明家で、現在は高精度なAI開発に取り組んでいる。幼少期は好奇心旺盛で優しかったが、成長とともに自己中心的な性格が目立つようになった。彼は秘書兼ボディガードの芹沢一花（木南晴夏）と共に、身分を隠して私立絵都学園に教師として赴任し、教育用AIプログラムの開発を目的としている。
絵都学園には「やる気ゼロ」「才能ゼロ」「将来性ゼロ」の3年0組があり、西谷翔（水沢林太郎）や紺野直斗（松田元太）、東堂雪美（大原梓）、竹中天珠（山下幸輝）、城島佑（奥野壮）らがいる。紺野は西谷に「新しい担任が1ヵ月以内に辞めるか賭けよう」と提案する。
新担任の加賀美と副担任の芹沢が3年0組にやってきた。加賀美は生徒たちに「これからは俺の配下として働け」と言い放つ…
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

原作：なし
脚本：我人祥太（過去作/落JKと廃人教師,奪われた僕たち,ｺﾞｰｽﾄﾔﾝｷｰ）
演出：瑠東東一郎（過去作/浦安鉄筋家族,極主夫道,魔法のﾘﾉﾍﾞ） 第1話
　　　西岡和宏（過去作/親愛なる僕へ殺意をこめて,元彼の遺言状,婚活1000本ﾉｯｸ）
音楽：宮崎誠（過去作/今だから､新作ﾄﾞﾗﾏ作ってみました第3夜「転･ｺｳ･生」）
主題歌：Ado「ルル」
Ｐ：江花松樹（過去作/うちの弁護士は手がかかる,ｸﾗｲﾑﾌｧﾐﾘｰ）
※敬称略

瑠東東一郎ワールド満載の、SF風ぶっ飛び学園ドラマ

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

まず、「えっ、このドラマの感想書くの!?」では（笑）

確かに、『2024年7月期/夏ドラマの視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!』 では「見ない、書かない」リストに知れていたのが今作だ。

でも、このあとの TBS金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』が好みに合わなそうだから、「主演・山田涼介×演出・瑠東東一郎さ」に期待してみようか… というわけだ。

そもそも、私は「俳優・山田涼介」が好きだし、瑠東東一郎監督作品も好きだから、どちらも “やり切れば” 化ける可能性はあると踏んだのだ。

で、結論からいうと。

非常に好みが分かれる作風だが…
久し振りに良い方向に瑠東東一郎ワールドを前面に押し出した＜SF風ぶっ飛び学園ドラマ＞ だった。

主人公・加賀美零の存在感が際立って光っている

とはいえ、お世辞にも脚本がイマイチすぎる。

とにかく、「初期設定ありき」で思いつくままにセリフで畳み掛けて進行している感じだ。

そう、下手なコント見たいといえば分かっていただけるだろうか？

しかし、それなりにストーリーはあるし、意外と感想のラストも用意されている。

そしておそらく、主人公・賀美零（山田涼介）の部分だけでも、山田さんへの “当て書き” だと思われる。

従って、賀美零の存在感が際立って光っている。

最近のドラマは、主人公がいるのに群像劇風の主人公埋没ドラマが多いから、これだけでかなり良い。

この布陣で「攻めまくりの瑠東演出」をやれば…

そんなイマイチな脚本を、超個性的な演出が後方支援しまくっている。

瑠東東一郎氏といえば、『おっさんずラブシリーズ』（テレ朝／2018）がメジャー代表作かもしれないが。

私が、これこそが「攻めまくりの瑠東演出」と推しているのは次の作品群だ。

『探偵が早すぎる』（読売／2018）
『浦安鉄筋家族』（テレ東／2020）
『極主夫道』（読売／2020）
『古見さんは、コミュ症です。』（NHK／2021）

その中でも、佐藤二朗さん主演の『浦安鉄筋家族』は日本のドラマ史に残る名作ハチャメチャホームドラマといっていい。

そして、今作に出演中の水野美紀さんは『浦安鉄筋家族』、MEGUMIさんは『おっさんずラブシリーズ』『極主夫道』に出演されているから、最強のコメディエンヌを揃えたのは間違いない。

更に、木南晴夏さんや神木隆之介さん、市村正親さんら、硬軟を巧みに演じられる俳優さんが脇を固めている。

もう一度書くが。

好みは別れると思うが、この布陣で「攻めまくりの瑠東演出」をやれば面白くない筈はない… と思う。

ハードルは高いが、超えれば、かなり楽しめる！

全体的な印象は、「山田涼介さんありき」「主人公のキャラクターが全て」の今作… ということだ。

このハードルを乗り越えられれば、あとは普通に楽しめると思う。

また、主人公が開発した超高精度動的教育用AIプログラムを搭載したAI教師・ティーチ（安達祐実）の存在が、全体のアクセントになっている上に、今後の展開に影響しそうで、意外といい。

更に、主人公の零と校務員・内巻雫（神木隆之介）のやり取りも新鮮で面白い。

第1話は説明が多かったから、通常運転になる次回が本当の勝負になるかも。

あとがき

久し振りに、主演俳優とメイン監督がピッタリとシンクロしているドラマだと思います。

あとは、脚本がストーリーで見せて魅せてくれれば。

でも、オリジナル脚本でつくってきたのは大いに評価したいです。

テレビドラマなのですから、原作からストーリーを安直に拝借するのではなく。

演出と俳優も含めた総合エンターテインメントとして考え、オリジナル脚本で勝負すべきです。

その意味では、我人祥太さんの経歴から考えたら、メッチャ頑張っていると思います。

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連続テレビ小説「虎に翼」（第70回・2024/7/5）感想 ※穂高先生が最高裁判決に書き記した反対意見を全文掲載！

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2024/07/05 (Fri)11:14:39 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
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第70回／第14週『女房百日　馬二十日？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

祝賀会の翌日、穂高（小林薫）と寅子（伊藤沙莉）はお互いの立場から遠慮せずに想いをぶつけ合う。寅子は栄二（中本ユリス）に向き合い、彼の言葉を引き出そうとする。栄二は寅子の言葉をきっかけに、頼りたい人の存在を思い出す。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

前回での「寅子の反乱」が…

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前回での「寅子の反乱」が、昨夜になっても思った以上にネット上で賛否を呼んでいるのに驚いた。

当ブログの見解は、読者のてぃわんさんからの拍手コメントにお応えするかたちで昨夜投稿済み。

もしも、読んでおられない方がいたら、今回の感想は「既読」を前提で書くので、読んでいただきたい。
※「FCブログ」さんにある分家「緊急時＆トラックバック用ブログ」には掲載していない。

拍手コメント返信（2024/7/4）：虎に翼(第69回) ※私は寅子が“ブチ切れ”た理由をこう解釈しました(長文です)

今回は、久し振りに３時間要した大作です（笑）

「この先を見れば分かるから」と説いているようなアバン

冒頭から実に面白い。

きっと、脚本家も演出家も「ネットが荒れる」を十分に想定しているに違いない。

僅か 39秒間の短めのアバンタイトルに、今回の予告編というべき興味深いイントロをもってきた。

まずは、職場の机に突っ伏して動かない寅子（伊藤沙莉）で、反省の念を描き。

多岐川（滝藤賢一）の「あれは法曹界の歴史に残る」で、寅子の反省が無意味なほどの騒動であることを強調し。

勢いよく扉を開ける寅子を凝視する穂高（小林薫）で “何かが起こりそうな予感” を漂わせた。

もう、この「39秒間」だけで、前回の「寅子の反乱」が、穂高も寅子もただただ言葉の選択、感情表現のやり方が、少し間違っていただけで。

法律家としての恩師と弟子のような信頼し合いや。

女性の社会進出を理想に掲げる同志のような分かり合いが伝わってくるし。

テレビの向こうから「この先を見れば分かるから」と、やさしく説いていいるように私には見えた。

なかなか、ニクいアバンタイトルだ。

まずは、寅子らしく自身の言動には責任を持っていると提示

本編も実にいい。

今回は「各自で考えて！」と投げ出すつもりはない。

でも、セリフの引用が多くなるのはご容赦願いたい。

だって、私にとっての名ゼリフは備忘録に残したいからだ。

穂高「私は古い人間だ。
　理想を口にしながら
　現実では既存の考えから
　抜け出すことができなかった。
　だが君は違う。
　君は既存の考えから飛び出して
　人々を救うことができる人間だ。
　心から誇りに思う」

教え子から暴言を吐かれた穂高が、寅子に最初に投げかけたのは、意外にも、いや穂高ららしい “素直な謝罪” だ。

そして、このくだりで最大に注目したいのが、次の寅子のひと言だ。

寅子「昨日のことは撤回はしませんが」

寅子らしく自身の言動には責任を持っていると提示したわけだが。

これ、寅子の性質として当然だとするだけでなく、裁判官としても、至極当然だ。

寅子は多くの人から愛される理由は…

そして、私が、このセリフを評価したいのは。

寅子は自分の言動の全てに “責任” を持っていることが分かるからこそ、寅子を信頼できるのだと確信できるからだ。

少しだけ脱線する。

私は、人に愛される人の共通点は、容姿や性格が良いのもあると思うが。

「責任が持てる人」「責任感のある人」であると思っている。

そして、「責任が持てる人」「責任感のある人」には、必ず “安心感” や “信頼感” が備わっており。

その “安心感” や “信頼感” こそが、愛される源であると思うのだ。

で、前回の穂高の発言は認めることはできないと改めて伝えた上で、寅子が言う。

寅子「先生の教え子であることは
　心から誇りに思っています」

ちゃんと、尊敬の念は真摯に伝える。

だから、「寅子は多くの人から愛される」のだと思う。

相思相愛の師弟関係だからこそ、本音どうしの衝突と和解

この前段までが一区切りだ。

穂高の立ち位置が、寅子の対面から傍の机に移動して、寅子に背中を向けるところから、今度は穂高が本音を吐露するシチュエーションになる。

流れ始める劇伴は、少し明るめでゆったりとしたヴァイオリンの音がほのぼのな感じで。

穂高「これ以上嫌われたくない」

背中を向け手でしか言えない… このセリフこそが、今の穂高の本当の気持ちなのだろう。

そして、すっきした表情の穂高が、寅子へエールを送る…

穂高「佐田君気を抜くな。
　君もいつかは古くなる。
　常に自分を疑い続け時代の先を歩み
　立派な出涸(でが)らしになってくれたまえ」

これがあるから、これ用意しているから、関係者は昨日に “言い訳” をやらなかったと解釈している。
※私の知らないネット上で、あったかどうか知らないが。
それは、ともかく。

寅子と穂高の間にも “安心感” や “信頼感” があるということだ。

だから、互いを人間として愛することができる。

そんな、相思相愛の師弟関係だからこそ、本音どうしの衝突と和解だ。

前回の終盤で、巧みにトラブルを盛り込んで。

次回（今回）の序盤（メインタイル抜きで、約3分半）で、スッキリと解決。

ホント、連ドラとしての構成としてもお見事だ。

こういう良作を、トラブル依存症候群（人間描写が蔑ろにしてまで、物語の構築を騒動ばかりに依存するドラマづくりのこと：「騒動至上主義」改め）のドラマ制作者に見て学んでほしいものだ。

調停シーンの映像は、正に「愛の裁判所」のビジュアル化！

5分過ぎからは、今週描き続けている日本人男性・梶山裕司（菟田高城）とフランス人女性・梶山ルイーズ（太田緑ロランス）の離婚調停における、一人息子である栄二（中本ユリス）の親権問題だ。

寅子と調停員の根本（清水伸）と長峰（福田温子）の顔は見ているがピンぼけで。

後頭部と背中しか見えない栄二にピントが合っている構図だ。

そして、寅子のアップ、栄二のアップでカットバックすることで、よい意味での「寅子と栄二の対峙構造」が始まるのが分かるという演出だ。

この演出が秀逸なのは、栄二に話しかける寅子までピンボケのまま進行したことだ。

これによって、「栄二＝視聴者」になると当時に、栄二にとっては「目の前の３人が誰にも見えない＝いるけど、いないのと同じ存在」であることが伝わる。

そして、やさしい言葉を栄二にかけるのか？という場面で。

栄二にとって、自分の将来（誰の育てられるのか？）を案ずるばかりだった（と思う）大人たちとは一線を画したことをいう寅子。

寅子「あなたは犯した罪と向き合わなければならない」

このセリフをきっかけに、寅子と調停員たちにピントが合って…

寅子「でもそれと同時にあなたが生きて
　大人になるまで見守り育てることは
　私たち大人全員の責任なの」

このあとの展開、やり取りも全文掲載したいくらいだ。

寅子らしく、いいや、寅子だからそこその、優しさ、愛情、思いやりがたくさん詰まった言葉の数々。

それらによって、頑なだった栄二の心が少しずつほぐれていく。

寅子の提案に大きくうなずいた栄二にも、寅子の “安心感” や “信頼感” が伝わった… そういうことだ。

そして、このやりとりこそが、以前に多岐川が主張した「愛の裁判所」ということになる。

補足として。

多岐川幸四郎のモデルである、「家庭裁判所の父」と呼ばれた宇田川潤四郎さんが、家庭裁判所のことを「愛の裁判所」と呼んだのが史実で。

寅子のモデルである三淵嘉子さんも、次のように語っている。

「家庭裁判所は愛の裁判所ということができませう」
※「法律のひろば」1949年４月号「愛の裁判所」より

多岐川「しょうがない人はいずれ死ぬ」

10分過ぎ…

語り「穂高先生は眠ったまま
　穏やかに亡くなられました」

甘味処「竹もと」にて、山盛りのあんこに日本酒に。

退任記念の祝賀会に出席していた桂場（松山ケンイチ）、久藤（沢村一樹）、多岐川らが、穂高の弔いに集まっている。

もちろん、この場面で「やたらと “死や余命”“病気や障がい”を盛り込むな！」なんて無粋はいわない。

多岐川「しょうがない人はいずれ死ぬ。
　だからいつ死んでもいいように
　我々は全力で生きて
　全てを出し切るしかないのさ」

“死や余命”を盛り込むなら、きちんと「生きることの大切さ」も描くべき、ただそれだけなのだ。

まあ、こういう当然のことをやらない、やれない、やろうともしないプロが山ほどいるわけだが。

これまでの桂場と「竹もと」との関係を全てが凝縮された！

そして、酒に弱い桂馬が酔った勢いで理想を語りだす。

多岐川も、上手に桂場を煽る。

さりげなく、「俺たち」に寅子も入っていて。

桂場「周りに何と言われようと
　己の描く理想のために
　虎視眈々こしたんたんと突き進むしかない！
　だから泣いてる暇なぞない！」

虎視眈眈とは、敵や相手のすきを狙って、じっくりと機会をうかがうこと。
虎が目前の獲物に狙いを定めて、鋭い目つきで観察する習性から生まれた言葉だ。

そして…

桂場「トラコが虎視眈々？（字幕ママ）」

無粋だが、ちゃんと「虎」が入った四文字熟語になっているのが、脚本家の強いこだわりであり。

この「竹もと」でのやり取りが、これまでの、特に桂場と「竹もと」との関係を全てが凝縮されている。

こういうのこそ、あからさまな伏線と回収とは別物の、巧みに設定をいかした展開というのだ。

本当に、抜群な15分間だった。

穂高先生が最高裁判決に書き記した反対意見を全文掲載！

最後に、これをおまけに書いておこうと思う。

語り「穂高先生が最高裁判決に書き記した
　反対意見は次のようなものでした」
穂高(M)「この度の判決は　道徳の名の下に
　国民が皆平等であることを
　否定していると言わざるをえない。
　法で道徳を規定するなど許せば
　憲法14条は壊れてしまう。
　道徳は道徳。法は法である。
　今の尊属殺の規定は
　明らかな憲法違反である」

ここまで盛り込むとは、凄すぎる！

あとがき

“トラつば・アベンジャーズ” の出番なし。

前回と今回は、寅子が法律家を目指した原点に直結するエピソードだったということです。

それだけに、序盤の、その昔に寅子を見出した穂高と、成長した寅子のやり取りは秀逸でした。

後半の “愛の裁判所” の部分も、セリフが徹底的に精査されており、言葉数の少ない栄二の心情まで伝わりました。

演出、特に映像と劇伴も、やり過ぎず足りなすぎずのいい塩梅で、俳優陣の見事なお芝居を＜映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！＞を完遂してくれました。

更に最後には、来週以降へのネタ振りまで収めて。

これで文句を言ったら罰が当たると思います（笑）

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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