ブルーモーメント （第8話・2024/6/12） 感想

フジテレビ系・水曜22時枠『ブルーモーメント』
公式サイト：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第8話『熱雷襲来!SDMは活動停止…晴原復活なるか!』の感想。

なお、原作(漫画)である小沢かな(作者)/荒木健太郎(監修)『BLUE MOMENT』は、既刊の全3巻を読了しました。

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「生きて――」と上野香澄（平岩紙）は呟き、晴原柑九朗（山下智久）を庇って土石流に巻き込まれた。晴原が目を覚ますと、丸山ひかる（仁村紗和）が５年前の関東南部豪雨での出来事を語り始めた。
当時、上野の息子・海斗（石塚陸翔）が危険区域に取り残され、園部灯（本田翼）が代わりに保育園へ向かい、避難中に海斗を庇って亡くなった。
３カ月後、ＳＤＭは活動を停止していた。気象予報士の試験に合格した雲田彩（出口夏希）がテレビに出演する一方、晴原は研究に没頭し、ＳＤＭに後ろ向きになっていた。園部優吾（水上恒司）と汐見早霧（夏帆）が心配する中、彩の解析で危険な雷の発生が判明。奮闘する彩のもとに、突然、海斗が現れる。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作(漫画)：小沢かな(作者)/荒木健太郎(監修)『BLUE MOMENT』
脚本：浜田秀哉（過去作/絶対零度ｼﾘｰｽﾞ,ﾅｵﾐとｶﾅｺ,Chef~三ツ星の給食~,ﾎﾞｲｽ110緊急指令室）
演出：田中亮（過去作/ｱﾝｻﾝｸﾞｼﾝﾃﾞﾚﾗ,ｲﾁｹｲのｶﾗｽ,やんごとなき一族） 第1,2,4,8話
　　　森脇智延（過去作/SUITS/ｽｰﾂ1､2,ｲﾁｹｲのｶﾗｽ,競争の番人） 第3,6話
　　　下畠優太（過去作/SUPER RICH,やんごとなき一族） 第5,7話
音楽：佐藤直紀（過去作/教場I/II/0,海猿,ｺｰﾄﾞ･ﾌﾞﾙｰｼﾘｰｽﾞ,救命病棟24時[5]）
主題歌：ボン・ジョヴィ 新曲「レジェンダリー」
挿入歌：山下智久「Perfect Storm （feat. TAEHYUN of TOMORROW X TOGETHER）」
消防協力：東京消防庁
気象監修：荒木健太郎（原作と同じ）
Ｐ：高田雄貴（過去作/大奥 最終章,ｲﾁｹｲのｶﾗｽ）
　　栗原彩乃（過去作/SUPER RICH,ﾅﾝﾊﾞMG5）
※敬称略

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今回は、珍しく褒めたい部分があった

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

原作(漫画)である小沢かな(作者)/荒木健太郎(監修)『BLUE MOMENT』は、既刊の全3巻を読了しました。

前回は、浪花節と演説会のオンパレードで、特に褒める部分はなかったが。

今回は、珍しく褒めたい部分があった。

といっても、ニコイチというやつではあるが。

ニコイチとは、自動車業界で、２台の事故車両は旧型車両から、使用可能なパーツを組み合わせて１台の車両を組み上げる手法のことだ。

最初から、ヒーロー晴原を現場に急行させれば良かっただけ

一つめは次のハルカン’こと晴原柑九朗（山下智久）のセリフと言動だ。

晴原「各ポイントで
　水蒸気集中観測を開始する」

このセリフにあるように、SDMのメンバーが “現場に出向いて” 観測作業をやったことだ。

もう一つは、渋滞にはまった移動車中で、走って飛び出していた晴原に沢渡満（橋本じゅん）がつぶやいたセリフだ。

沢渡「やだなぁ ヒーローが醸し出す空気」

この二つの合わせ技で、一つ褒めたい。

賢明で聡明な読者、視聴者様ならお気づきだろうが。

これが、本来、山下智久さん主演のドラマ『ブルーモーメント』が描くべきことだった…
と、思う。

要するに、当ブログでいうところの ＜ぬくぬく＆もぐもぐルーム＞ こと、「SDM専用指揮車両」が当初から最大の邪魔モノだったということ。

何があっても ＜現場に急行＞ しなければ意味がない

SDM専用指揮車両がなければ、晴原たちは積極的に現場に赴いて観測と予測を刻々とやれたのだ。

ドラマ『TOKYO MER～走る緊急救命室～』の柳の下の泥鰌を目論んだのかもしれないが。

名作ドラマ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』を見れば分かるように、＜緊急事態で救命するヒーローたち＞ を描くなら、何があっても ＜現場に急行＞ しなければ意味がないのだ。

それと、もう一つ今作になかったこととして、しっかりと ＜晴原をヒーローに見せて魅せる工夫＞ だ。

視聴者の多くがずっと求めていたのは「いいなぁ ヒーローが醸し出す空気って！」だったのでは？

それを、なぜか、徹底的というくらいにやらないで、サブキャラの魅せ場づくりにいそしんだのが今作のスタッフだ。

ホント、笑うにも笑えない。

エピソードの順序の違いで、ドラマの印象は大きく変わる

さて、褒める部分は終わったから、気になった点を書いてみる。

冒頭から、意味不明だ。

丸山「今 話すことじゃないかもしれない」

早合点してほしくないのは、「今さら、説明するの？」ということではない。

そんなことを気にしていたら、今作の半分以上が、今風にいえば「自分語り」だから全否定することになる。

自分語りとは、聞かれてもいないのに自分の過去や自慢話を延々とやって、場合によってはウザいと思われる行為のこと。

だから、こちらにとっては “大した真実ではないこと” でも、劇中では “大した真実” なのだから、どこかの地点で誰かが自分語りするのは、十分に許容範囲だ。

でも、今作、今回の脚本も演出も間違っているのは、「今」である必要が本当にあるのか？ を理解していないように見えることだ。

ドラマ『コードブルー』のファンの人なら分かっていただけると思う。

藍沢耕作（山下智久）や白石恵（新垣結衣）に心から共感し応援できたのは、自分や大切な人が病人だったらという“要救助者目線” で、“救助者” である相沢や白石が誰よりも心強く感じられたからでは？

要救助者とは、これから救助が必要な人や、まだ救助されてない人のこと。

ドラマ『正直不動産』だって、永瀬財地（山下智久）と月下咲良（福原遥）が、お客様のために本気で営業してくる姿を見て、「自分も、さいちんや月下から物件を借りたい、買いたい」と思えたからでは？

だから、今作がやるべきは…
SDMが休止中だから自分語りをやりましょう！ ではなく。

今回の中盤以降のように、SDMが休止中だろうと「気象予測で人命を助ける晴原たち」だったのだ。

大事なニュースネタを飛ばすくらいに意味も意義も価値もある「気象予測で人命を助ける晴原たち」なら、冒頭から描いて、「やっぱり、晴原たちは信用できる、頼りになる」を強調すべきだったのだ。

このような、ちょっとしたエピソードの順序で、ドラマの印象は大きく変わるってことだ。

なぜ、年長者の登場人物ばかりが、退場する設定なのか？

もう一つ気になったのは、これこそイマサラだが。

なぜ、年長者の登場人物ばかりが、退場する設定なのか？ だ。

細かいことは省略するが。

結論からいうと、SDMの現場スタッフの年齢層が釣り合っていない… だ。

SDMは若い人材だけで… なら、最初から晴原を最年長者に設定したキャラクター配置をすればいい。

でも今作は… そういうこと。

きっと、教えてくれる人が次々といなくなる中で、自立していく晴原たち… を描いているつもりなのだろう。

でも、消防班責任者の佐竹尚人（音尾琢真）は、第1話を大スペクタクル巨編にして、消防班統括責任者・園部優吾（水上恒司）を登場させるための役どころで終了。

予報研究部部長で晴原の上司・上野香澄（平岩紙）は、いわゆる “お涙頂戴係” であり “子役要員” だったわけだ。

また、例に出して恐縮だが、ドラマ『コードブルー』には三井環奈（りょう）、黒田脩二（柳葉敏郎）、橘啓輔（椎名桔平）が現場の長として若手を束ねていた。

ドラマ『正直不動産』では、大河真澄部長（長谷川忍）が常に現場で監視をし、 登坂寿郎社長（草刈正雄）が事あるごとに進言したのだ。

でも今作は、SDM対策本部長・園部肇一（舘ひろし）は“晴原頼み”だし、総務大臣・立花藍（真矢ミキ）のすぐに翻った。

これでは、SDMという組織自体に責任感を感じにくいのだ。

まあ、イマサラだが。

あとがき

ようやく、現場で気象観測して災害を食い止める展開になると期待したのですが。

次回は、園部と将来の総理候補と目される新時代のリーダーで衆議院議員・新島元樹（伊藤英明）とのネタですか。

今回の感想に、ここまで胸熱に書ける自分を褒めてあげたいです（笑）

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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 

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連続テレビ小説「虎に翼」 （第53回・2024/6/12） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
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第53回／第11週『女子と小人は養い難し？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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家事審判所と少年審判所の合併の話し合いはまったく進展しない。しかし多岐川（滝藤賢一）には今一つやる気が感じられない。戸惑いながらもできることを模索する寅子（伊藤沙莉）は多岐川に直接交渉を試みる。すると多岐川はなぜ早く言わないと寅子を叱責。多岐川は久藤（沢村一樹）の元に寅子を連れて行き、アメリカのファミリーコートの話を聞かせる。多岐川の熱意を初めて感じ、意外に思う寅子。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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異なる朝ドラの世界観がつながっているのは楽しい！

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時代が時代で、これまでも主人公の “歌” を盛り込んできた今作だから、どこかのタイミングで何かをやるとは思ったが。

まさか、‘タッキー’こと多岐川幸四郎（滝藤賢一）の鼻歌で「♪東京ブギウギ」を盛り込んでくるとは思っていなかった。

史実でいうと、家事審判所と少年審判所を統合するかたちで家庭裁判所が誕生したのが昭和24年（1949）1月1日。

「♪東京ブギウギ」が世間に広まったのが前年の昭和24年（1948）の正月映画『春の饗宴』（昭和23年12月公開）の劇中内で笠置シヅ子さんが歌ったのがきっかけで、その後シングルカットして大ヒット。

従って、昭和23年の冬にタッキーが鼻歌で歌うのは時代表現としてもちょうどいいし。

何よりも、異なる朝ドラの世界観がつながっているのが分かるのは、朝ドラファンには嬉しいことだ。

そして今度は、ドラマ『ふてほど』の世界観も投入（笑）

小橋「ああいうチョビヒゲのやつらは
　大抵スケベだ」
語り「憶測と偏見です」

「先が気になる」「続きが見たい」の見事なアバンタイトル

このままアバンタイトルが終わると思いきや。

今一つやる気が感じられない多岐川（滝藤賢一）に対して、先日覚醒した寅子（伊藤沙莉）が再度覚醒して食って掛かる。

寅子「人生かかってるんです」
多岐川「バカたれが！」

「そうか、悪かったな」ではなく、叱責とは！

僅か3分26秒間のアバンに、1分14秒間のメインタイトル映像だが。

その1分14秒が長く感じるくらいに「先が気になる」「続きが見たい」の展開だ！

多岐川にも久藤にも、俳優オーラが宿っており実に面白い

主題歌明けは、予想を大きく裏切る展開が待っていた。

多岐川「この大バカたれが！
　何で もっと早く言わない？
　そんなモヤモヤして
　いい仕事ができるわけがないだろう。
　かあ～っ！ これだから最近の若いもんは」
寅子「若いもんって 私もう34歳…」

寅子を一喝して払いのけるのでなく。

更に、自分から寅子の言い分を聞くわけでもなく。

いい意味で、‘ライアン’こと久藤頼安（沢村一樹）に押し付けた。

ここで興味深いのは、‘タッキー’と“ライアン”の個性の描き分けだ。

多岐川は、演者が滝藤賢一さんであることもあって、どこかドラマ『探偵が早すぎる』（日テレ／2018,2019,2022）の「千曲川光」の“なんでもお見通し”的な雰囲気が残っており。

一方の久藤は、沢村一樹さんだからドラマ『DOCTORS～最強の名医～』（テレ朝／2011,2013,2015,2018,2021,2023）の「相良浩介」風の丁寧な物言いで相手をころりとだます雰囲気が漂っている。

脚本の演出も俳優も意識はしていないと思うが。

どこか漂う俳優オーラみたいなものが、多岐川にも久藤にも宿っており、本当に面白い。

ついつい滝藤賢一さん、多岐川幸四郎にばかり目がいくが…

終盤では。

多岐川「多岐川幸四郎を
　見くびってもらっちゃ困る」

きっと、「神のものは神に、カエサルのものはカエサルに、トリック返し」を思い浮かべた人も多かったのでは？

おぉっと、ついつい滝藤賢一さん、多岐川幸四郎にばかり目がいくが。

描いていることは、本当はすごく複雑で難解なこと。

そこを、少年審判所所長・壇（ドンペイ）と家事審判所所長・浦野（野添義弘 ）をうまく絡めて、分かりやすく伝えている。

更に、花岡（岩田剛典）の壮絶な生き様を思い出す寅子を盛り込んで。

ラストでは、不遇の学生生活を送り、朝鮮半島に帰ったはずの“トラつば・アベンジャーズ” の‘ヒャンちゃん’こと崔香淑（ハ・ヨンス）も再登場。

少年審判所所と家事審判所の合併の面では大きな進展はなかった今回だが。

だが、合併にかかわる重要人物たちの心境や、揺れる寅子の思いなどの描写により、「怒涛の時代」であることは伝わってきた。

あとは、木曜日と金曜日で、本作らしさが戻ってくるか、お手並み拝見だ。

あとがき

今回も… でしたけど。

きっと、よい意味での部外者である母・はる（石田ゆり子）を利用して、寅子が平常心になれば “今作らしさ”は戻ってくると思います。

でも、猪爪家に尺を割くと、合併話の尺が削られるわけで。

でも、「家族、家庭のため」が今週の大きなテーマですから、 弟・直明（三山凌輝）も活用して、金曜日には一気に “トラつばらしさ” を盛り返すと信じます。

おっと、あくまでも、全体の雰囲気が多岐川のキャラクターに持っていかれているという意味での、“トラつばらしさ” の復活です。

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

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感想の趣旨について

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【これまでの感想】

第1週『女賢しくて牛売り損なう？』
1 2 3 4 5 土 
第2週『女三人寄ればかしましい？』
6 7 8 9 10 土 
第3週『女は三界に家なし？』
11 12 13 14 15 土 

朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由 

第4週『屈み女に反り男？』
16 17 18 19 20 土 
第5週『朝雨は女の腕まくり？』
21 22 23 24 25 土 
第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土 
第7週『女の心は猫の目？』
31 32 33 34 35 土 
第8週『女冥利に尽きる？』
36 37 38 39 40 土 
第9週『男は度胸、女は愛嬌？』
41 42 43 44 45 土 

納得！「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…？ 

第10週『女の知恵は鼻の先？』
46 47 48 49 50 土 


朝ドラ「虎に翼」花岡（岩田剛典）のモデルは山口良忠さん？正義感を貫いた判事の生き様！ 
朝ドラ「虎に翼」寅子、花江、よねで描かれる100年前の“同年代の女性の多様性”を考える 
朝ドラ「虎に翼」多岐川幸四郎（滝藤賢一）のモデルは“家庭裁判所の父”宇田川潤四郎さん？「花子とアン」との意外なご縁も！ 
朝ドラ「虎に翼」への質問に回答「轟の、花岡への感情に “恋愛要素” はあったと思いますか？」 

第11週『女子と小人は養い難し？』
51 52 

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夜ドラ「柚木さんちの四兄弟。」 （第10話／第3週・2024/6/11） 感想

NHK総合・夜ドラ『柚木さんちの四兄弟。』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第10話／第3週〔全8週・全32話〕の感想。

なお、原作(漫画)である藤沢志月『柚木さんちの四兄弟。』は未読。
2023年10月から12月までAT-Xほかにて放送されたテレビアニメ（DVD BOX 発売中）も未鑑賞。

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湊（山口暖人）は、宇多（泉有乃）と森田（原田琥之佑）のデートをぶち壊そうと、尊（大野遥斗）と二階堂（山城琉飛）と一緒に二人を尾行する。食べ歩きをする宇多と森田の姿を見つめる湊と尊。その様子から二階堂（山城琉飛）は、尊（大野遥斗）は宇多に気があるのではという思いを強めていく。そんな中、湊は森田に階段上り競争の勝負を挑まれるのだが、尊もそこに参戦すると名乗り出る。宇多が見守る中、三人での勝負が始まる。
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

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原作(漫画)：<藤沢志月『柚木さんちの四兄弟。』
脚本：荒井修子（過去作/和田家の男たち,ｶﾅｶﾅ,ﾊﾟﾊﾟとﾑｽﾒの7日間）
演出：瀬田なつき（過去作/声ガール!,あのｺの夢を見たんです｡） 第1,2週
　　　伊野部陽平（過去作/いつかﾃｨﾌｧﾆｰで朝食を,受付のｼﾞｮｰ） 第3週
　　　玉澤恭平（過去作/水は海に向かって流れる）
　　　菊池俊次（過去作/家､ついて行ってｲｲですか?）
音楽：王舟（過去作/ｺﾀｷ兄弟と四苦八苦,阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし）
制作統括：三本千晶（制作統括初）
　　　樋渡典英（過去作/育休刑事(ﾃﾞｶ)）
　　　渡辺悟（過去作/褒めるひと褒められるひと）
Ｐ：北林督世（プロデューサー初）
※敬称略

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"学生服による青春回想"より"6歳が父親役"のほうがいい！

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

先月に最終回を迎えたドラマ『からかい上手の高木さん』が終わって、寂しい思いをしていたのだが。

まさか、こんなに早く、本物の中学生の俳優が中学生の恋バナを描くドラマが見られるとは思わなかった。

もちろん、私が苦言を呈し続ける、ぼちぼち ＜20歳以上の俳優が学生服を着て学生時代を演じた回想シーン＞ を多用するはやめませんか？ にも通じることだ。

で、＜20歳以上の俳優が学生服を着て学生時代を演じた回想シーン＞ とは真逆の ＜6歳の俳優がスーツを着て父親を演じるシーン＞ とは！（笑）

あとがき

今回は、次回の “結末” のための下準備という感じでしたね。

少し宇多（泉有乃）の心理描写不足は否めませんけど。

二階堂（山城琉飛）を利用して、うまくまとめてほしいです。

【注】原作(漫画)やテレビアニメ版のネタバレのコメント、お控えください。

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【これまでの感想】
第1週 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 

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NHKドラマ10「燕は戻ってこない」(全10回) （第7話・2024/6/11） 感想

NHK・ドラマ10『燕は戻ってこない』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)

第7話〔全10回〕の感想。

なお、原作(小説)となった桐野夏生『燕は戻ってこない』は未読。

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代理出産の「プロジェクト」は破綻しつつあった。リキ（石橋静河）の妊娠が判明したとたん、悠子（内田有紀）が家を出て行ってしまい、基（稲垣吾郎）は不安と孤独に苛まれる。悠子を愛していたからこそ代理出産を望んだはずが、今やその悠子を失おうとしている。リキは双子を妊娠していた。重いつわりに苦しむリキ。誰を頼ることもできず、やむを得ず基に連絡を取る。事態を知った千味子（黒木瞳）が行動を起こす。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作(小説)：桐野夏生『燕は戻ってこない』
脚本：長田育恵（過去作/群青領域,朝ﾄﾞﾗ｢らんまん｣）
演出：田中健二（過去作/朝ﾄﾞﾗ｢ｶｰﾈｰｼｮﾝ,半分､青い｡,なつぞら｣） 第1,3,4,5,7話
　　　山戸結希（過去作/映画｢溺れるﾅｲﾌ｣,映画｢21世紀の女の子｣） 第2話
　　　北野隆（過去作/半径5ﾒｰﾄﾙ,ｴﾙﾋﾟｽ-希望､あるいは災い-） 第6話
音楽：Evan Call（過去作/ﾊﾗｽﾒﾝﾄｹﾞｰﾑ,鎌倉殿の13人）
制作統括：清水拓哉（過去作/正義の天秤 Season2,生理のおじさんとその娘）
　　　磯智明（過去作/なつぞら,十三人の刺客,どうする家康）
※敬称略

この章は、今作専用の毎週書いているフォーマット

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

この章は、今作専用の毎週書いているフォーマット。 前回も書いたが、繰り返す。

■我が家は、結婚35年ほどで子なし夫婦世帯。
■妻は助産師で既に数百人の赤ちゃんを取り上げている。
■私は1,000組超の結婚披露宴の演出を手掛けている。
■従って、結婚、出産などについては、いろいろ考えがある。

が、今作の感想で、「代理出産」などの議論をするつもりはない。

>更に、原作は未読だ。

"人のいい義母"からの豹変ぶりで、一気に面白味が増した

まずは、ようやく “美魔女・黒木瞳” の登場だ。

黒木瞳さんといえば、この10年くらい、いわゆる “毒親” の役が多いし、ハマっている。

例えば、ドラマ『過保護のカホコ』（日テレ／2017年）では、大学生の娘を徹底的な過保護で育てる母親役。

ドラマ『ファーストラヴ』（NHK／2020年）では、娘と法廷で対立する母親。

そして先日最終回を迎えたドラマ『JKと六法全書』（テレ朝／2024）では、「おばあちゃん」とは決して呼ばせない権力志向の強い弁護士の “祖母”だ。

というわけで、ドラマ好きなら今期は２本、黒木さんの “毒母＆毒祖母” を見ていたことになるわけだ。

さすがの“人のいい義母”からの豹変ぶりで、一気に “連ドラ” としての面白味が増したのは言うまでもない。

最終章に入るための整理整頓回

さて、 “連ドラ” としては最終章直前の… というか、最終章に入るための整理整頓回といった感じだろう。

これまでの展開をざっとおさらいしつつ。

主人公である‘リキ’こと大石理紀（石橋静河）と草桶千味子 （黒木瞳）の一騎打ちを主軸に。

振り回される元バレエダンサー・草桶基（稲垣吾郎）とその妻（元妻か）・悠子（内田有紀）を盛り込んで。

下衆な言い方になるが、理紀の“煩悩の象徴” しての ＜基以外の男性の中だし（膣内射精）＞ に関して触れなかったのは、次回以降のネタということだろう。

前回以上に「苦笑の苦味が強くなった」

演出担当が、今作のメイン監督である田中健二氏に戻ってきた。

前回の感想でも触れたが。

前回は、悲劇であり喜劇でもある英語の「悲喜劇」の意味の「トラジコメディー」らしさが強調されていた。

今回は、悲劇の部分にはホラー映画的要素で装飾し、喜劇の部分には よりブラックコメディ風を盛り込んできた。

そんな脚本と演出と俳優陣の演技によって、前回以上に「苦笑の苦味が強くなった」そんな感じだ。

物語が大きく動き出す兆候

書店での理紀のモノローグだ。

理紀(M)「職業 代理母。
　私が代理母に向いているとしたら
　ただ一つ 母性ってものがないからだ」

この直後、急ぎ足の男性客が理紀の腹部にぶつかる。

条件反射でお腹を触り、ざわざわした気持ちになる理紀。

まず、序盤で理紀の中に母性はないが、代理母としての自覚はありそう… に描く。

一方で、今一つ本心が見えてこない基は、バレエ教室の生徒の母親にこう言って、我に返る。

基「子どもは遺伝子の奴隷じゃない」

視聴者の多くが、基こそが “遺伝子の奴隷” だと認識していた基の衝撃のひと言だ。

基本人も、他人へ本心をアウトプットしたことで、自分自身が “遺伝子の奴隷” であると自認した… ということだ。

このセリフは、演出上でも強烈な劇伴と回想シーンによって強調されていたことからも、“ドラマ” としての重要な言葉であるのは間違いない。

やはり、メインの登場人物の一人が、自分自身の本質を僅かであっても自覚すると、物語が大きく動き出す兆候でもあるし、単純に面白味が期待できると思うからだ。

悠子の頭の中は"自分自身の欲求と不満"で満ち満ちている

まだまだ、最終章ではないことが分かるのは、終盤で家出？ をしていた悠子が戻ってきて、千味子に詰め寄るくだりだ。

悠子「お金に物を言わせて
　貧しい女性 蹂躙(じゅうりん)してるだけなんですよ」

因みに、蹂躙(じゅうりん)とは、ふみにじること。暴力・強権などをもって他を侵害すること。

ここが面白いのは、相も変わらず悠子の頭の中は “自分自身の欲求と不満” で満ち満ちているってことだ。

でも、その “欲求と不満” が時どき器（頭の中）から吹きこぼれると“慈悲の心と正義感”を振りかざして調整しようとする。

その象徴たるセリフが上↑で千味子に言った言葉だ。

きっと、もっともっと“欲求と不満” が吹きこぼれ、“慈悲の心と正義感”が器のすき間を埋め尽くしたとき、自分が自分で隠蔽している ＜基以外の男性の中だし（膣内射精）＞ の真実に押しつぶされるのが怖くて手放すに違いない。

このあたりが、最終章のはじまりになれば、もう一段階面白くなると思う。

あとがき

千味子「加害者の絆とでも言うのかしらね。
　この罪悪感。
　この先 あなたと背負っていくんだと思うと…」

「あとがき」なので、めっちゃ脱線しますよ。

このセリフの直前、千味子が電動式コーヒーミルでコーヒー豆を挽くカットがありました。
やや、荒々しい回転音が印象的な。

昔の米国の西部劇映画には、カウボーイや開拓者が荒野で野宿をし、焚き火でお湯を沸かし、ブリキのマグカップでコーヒーを飲むシーンがありました。

作品によっては、ブーツを脱いで靴下の中にコーヒー豆を詰めて、ぐるぐると回して岩に叩きつけ、お湯の中に砕けた豆をぶっこんで飲んじゃって、口に残った豆は地面に吐き捨てる… みたいな荒っぽいものもありました。

いずれも、ならず者(まともではない者)や常識にとらわれない人間の象徴としての演出です。

そう考えると、今回の千味子とコーヒーも似たところがあるように思います。

原作既読の方は、ネタバレにならないようご協力をお願いいたします。

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拍手コメント返信（2024/6/11）：轟の、花岡への感情に “恋愛要素” はあったと思いますか？の欠落分について補足

ご来訪の上、拍手とコメントをありがとうございます！

いつも ドラマや映画の感想へ、ご賛同のWeb拍手やコメントをいただきまして、ありがとうございます。

時には厳しいコメントも頂きますが、ブログ更新の励みになっております。

なお、"Web拍手のコメント"へ返信をする機能がないため、このような「お返事ページ」でお返事をいたします（謝）

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[拍手投稿]  Au さん  （2024-06-11 14:27:02）
朝ドラ「虎に翼」への質問に回答「轟の、花岡への感情に “恋愛要素” はあったと思いますか？」 

よくわかりました。「書き手が明確なイメージを持っていても、トータルとしては必ずしも前面に出さない」という提示の仕方は興味深い方法だなあと思いました。

ただ、「吉田氏には申し訳ないが、橙色下線ﾏｰｶｰ太字（ﾎﾟｼﾞﾃｨﾌﾞ･親近感･楽しい･健康）だ。」という箇所があったのですが、後半部分は何か文章が書かれていたのではないでしょうか？　これまでも時々、このように文章の一部に文字飾りの解説が入っていることがあったのですが、今回はどうしても自分で推測できなかったので、お聞きする次第です。

※当方にて適宜改行を入れさせていただきました。

↓ここから管理人返信↓

書き忘れた部分は、以下のとおりです。

吉田氏には申し訳ないが、轟の初期設定が『虎に翼』の根幹に影響するとは思えないからだ。

要するに、「作品全体に影響を及ぼさないから盛り込んだ」だけだと思うということです。

今回の脚本を見れば（想像すれば）、作品の大切な部分はいつもどおりに丁寧に無駄なく書かれて、素早い展開でも見事に書かれています。

ですから、「全体には影響のない部分に意図的にフック（引っ掛かり）を作ることで、全体は変わらずに、みんなにセクシャリティの問題をふと立ち止まって考えるきっかけになるかも？」だったのではないでしょうか？

少し、吉田さんを擁護しすぎかなぁ（笑）

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