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アライブ がん専門医のカルテ

フジテレビ系・木曜劇場『アライブ がん専門医のカルテ』公式
第10話『すい臓がんと、最後の試練』の感想。


手術を控えるがん患者・佐伯の弟が、実績のある病院への転院を宣言。医局では、研修終了が近づく結城(清原翔)や奈海(岡崎紗絵)が進路に悩む一方で、心(松下奈緒)に仕事のオファーが舞い込む。そんな中、佐伯の転院を断りに現れた大手病院の理事が、結城の母親と判明。心と薫(木村佳乃)は、急ぎ佐伯の手術準備を進めるが、佐伯は転院しろと譲らない弟と口論になる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:なし
脚本:倉光泰子(過去作/ラヴソング、突然ですが明日結婚します) 第1,2,3,5,6,8,9
   神田優(過去作/アリバイ崩し承ります) 第4,7,10
演出:髙野舞(過去作/隣の家族は青く見える、セシルのもくろみ、昼顔) 第1,2,6
   石井祐介(過去作/SUITS/スーツ、民衆の敵) 第3,4,7,10
   水田成英(過去作/小説王、医龍4) 第5,9
   岩城隆一(過去作/刑事ゆがみ、絶対正義の演出補) 第8
音楽:眞鍋昭大(過去作/後妻業、ミス・ジコチュー天才天ノ教授の調査ファイル)
主題歌:須田景凪 「はるどなり」(unBORDE / ワーナーミュージック・ジャパン)

2つ同時並行に描かれる舞台の違うエピソードを巧みに連携!

前回から、心(松下奈緒)と薫(木村佳乃)の “過去の謎解き” と言う縦軸が無くなって、見違えるような心に響く医療ドラマになって来た本作。

今回は、「人生の選択」と言うのか、“医局” を舞台にした研修終了が近づく結城(清原翔)や奈海(岡崎紗絵)の進路に悩む姿と、“病室内” を舞台に、進行が速いすい臓ガンの患者・佐伯芳雄(相島一之)と佐伯の弟・隼人(丸山智己)の治療方針を巡る争う姿が同時並行に描かれて、物語が進んだ。

また、その2つ同時並行に描かれる舞台の違うエピソードを、結城の実家で母・結城美紀子(とよた真帆)が理事を勤める大病院の有馬総合病院を接着剤にして、2つのエピソードを連携させた。こう言うのは意外と難しく、特に本作のように複数の脚本家が交代制で担当する連ドラでは失敗することが多いのに、本作はその困難をきっちりと乗り越えた。

介護をやった人しか分からない心情を見事に会話劇にした!

さて、ドラマとしては、芳雄と隼人兄弟のエピソードが「がん専門医パート」との中心となっていたのが。30分頃、なぜ弟の隼人が兄の治療を「もっと良い病院で」、「もっと確かな治療を」を願っているのか。その理由を病棟の廊下で心に打ち明けるシーンがあった。

隼人「兄は これまで 10年以上 親の介護をしてきたんです。
それで 勤めていた会社を辞めて…」
 心「そうでしたか」
隼人「愚痴の一つもこぼさず ずっと耐えてきた人なんです。
   ようやく それから解放されたと思った矢先ですよ…
   兄の人生って いったい 何だったんでしょうか
   兄を助けてください。お願いします」

このシーンは個人的にとても感動した。親の介護を「ずっと耐えてきた」、「ようやく解放された」と、視聴者の誤解を恐れずに、介護をしている、介護をしてきた人たちの立場になって、ちゃんと台詞にした脚本家が素晴らしい。

私も昨年11月に母を亡くす前、既に亡き父と母の介護を15年近くやった。ケアマネさんやヘルパーさんや妹や妻の協力もあったが、やはり介護をしている時は、愚痴をこぼしたし、正に忍耐との闘いみたいな部分の連続だが、父も母も看取る時は、「やっと解放された…」と言いう気持ちになったのを鮮明に覚えている。

決して、苦労から解放されたとか、介護が必要な親を厄介払いにしたかったとか、そう言う意味でなく、“やり切った満足感” とか、“やっと山の頂上に辿り着いた達成感” のような感覚と気持ち。

そんな(私だけかも知らないが)介護をやった人しか分からないような心情を、これ以上弟の世話にはなれない…と意地を張る姿で弟に接する兄と、お金で親の介護に人生を注がせた罪を償おうとする弟が、このやり取りをきっかけに兄弟の蟠りが解れていく…のが実に感動的だった。

また、このシーンで良かったのは、敢えて「仲が良かった兄弟の幼少期の回想シーン」を盛り込まなかったこと。盛り込んじゃうのは簡単だが、そうすると映像が散文(説明)的になる。だから、脚本家と演出家は回想を入れないことで、視聴者に想像する “幅” を与えた。この辺のテクニックも見事だと思う。

医療ドラマなのに「手術をしない主人公」の心の、見事な見せ場!

35分頃、薫と結城らによる芳雄への手術が終わるが、残念ながら外科的アプローチでは根治療には至らなかった。落胆し自分を責める弟の隼人に、心が術後の治療方針を話すくだりも良かった。

 心「膵臓がんは 決して治らない病気ではないんです」
隼人「どうしても 考えてしまうんです。
   有馬総合病院で手術していれば
   がんは とりきれていたかもしれないと…」
結城「手術は 失敗したわけではありません」
隼人「でも 実際 兄は…」
 心「有馬総合病院なら根治できたかどうか それは 分かりません。
   でも お兄さまなら きっと乗り越えられると
   私たちは そう思っています。とても強い方ですから。
   膵臓がんと告知されても 取り乱すこともなく 冷静で
   常に前を向いてらっしゃいました。
   ここからが 長い闘いになります。
   支えになってあげてください」
隼人「私に… 何ができるでしょうか?」
 心「顔を見せてあげたり そばにいてあげたり
   それでいいと思います。一緒に闘いましょう」

患者と患者家族に、付かず離れずのさじ加減で寄り添う心の腫瘍内科医としての “強さ” と “優しさ” に、弟の隼人が無言で頷き頭を下げるシーンも印象的だった。医療ドラマなのに「手術をしない主人公」である心らしい、見事な見せ場を作ったと思う。

言葉と思いで患者家族まで治療する主人公。そして、隼人を演じた丸山智己さんが松下奈緒さんの芝居を “受け” る演技も素晴らしかった。

幼少期の仲良し兄弟の姿が見えるような優れた表現力!

42分頃、芳雄の病室に集まる、隼人と心と結城。この先長い治療を続ける兄を不憫に思う弟に対して、兄が行った台詞が良かった。

芳雄「幸せかどうかなんてな 自分が決めるんだ」

そして、文句も言わず両親の介護をし、それが終わったらすい臓がんに侵された兄が、弟に言って欲しかったこの言葉↓に泣けた…

隼人「強えな 兄ちゃん」

平坦な表現になってしまうが、子どもの頃から “強え兄ちゃん” が大好きで、いつどこに行くにもくっついていた弟の姿が見えた瞬間だった。

最終回直前回として、秀作の第10話!

そして、暫く置き去りにされていた結城の「人生の選択」のエピソードは、心のこの台詞から再び始まる。

心「家族の期待が重荷になる… そういうこともあると思う。
でも それって ホントに背終わなくちゃいけないことなのかな」

結城が「お父さんのような医者になりたい」と、 横浜みなと総合病院で外科医を目指すことを、母に宣言する。 そんな息子の強い決意を、医師である夫を尊敬しつつ、息子の自立を誇らしく嬉しそうに認めた母親も、いい家族だと思う。

で、心の一人息子・漣(桑名愛斗)が、進路に迷う母・心に「ママのなりたいものに なったらいいよ」で締め括った主人公家族の物語も、微笑ましくて良かった。全てが丸く収まったような展開のラストに、新事実が判明。最終回直前回として、秀作の第10話と言って良いと思う。

あとがき

今回も、素晴らしい内容でした。

最終回前にして、病院内のロケ地(病院の外観は別の場所)である北里大学病院のある相模原駅で「新型コロナウイルス」の陽性患者が出て、公共交通機関を利用する病院役のエキストラを呼べず、ロケ地である病院も大忙しと言うことで、急遽、院内の手術室や病室のシーンをスタジオセット撮影に切り替えて撮影を続けていると聞きました。

さぞ、ご苦労されての撮影だと思いますが、その苦労がきちんと映像に反映され、秀作の医療ドラマが最終回を迎えるまでになっていることにも感動です。


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拍手[12回]

2020/03/12 12:57 記事更新
連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第23週『揺るぎない強さ』の 『第136回』の感想。


 本作は、2020/2/29 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


武志(伊藤健太郎)が応募した次世代展の結果発表の日、喜美子(戸田恵梨香)は八郎(松下洸平)や直子(桜庭ななみ)らを集め食事会を計画する。お祝いと同時に、まもなく入院する武志の病気も打ち明けるつもりだと告げると、武志は伝えたくないと拒否。喜美子は医師の大崎(稲垣吾郎)に電話し、助言を受ける。一方、窯業研究所では検査入院を報告した武志を掛井(尾上寛之)が励ます。夜になって家族が集まるも武志の姿はなく…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

喜美子が腰に手を当てて仁王立ちするのは無くならないか?

本編とは全く関係ないが、私、あの喜美子(戸田恵梨香)が腰に手を当てて仁王立ちのように上から目線で話すのが苦手、と言うか嫌い。戸田恵梨香さんなら、ただ立って喋る芝居だって、幾らでも他のやり方があるだろうに…と思う。演出家の指示ならしょうがないが、それならそれで、なぜ腰にて当てて仁王立ちなのか…

いい大人が「性格の検査」なんてちゃらけたことを言うのは…

5分過ぎに、掛井(尾上寛之)から次世代展の落選が報告されたあとの「性格の検査」のくだりだが。分かる、分かるのだ。何も知らない掛井が、武志(伊藤健太郎)に “武志に秘めた才能” があるようなことを言って、更にドラマとして武志に試練を与えて盛り上げようとする意図は。

でも、それをやるために、いい大人が「性格の検査」なんてちゃらけたことを言うのは、ちょっとやり過ぎのような。普通に「検査入院します」で良いし、むしろ、掛井から「川原、話があるから放課後ちょっと来い」と呼び出して、「ここだけの話だが…」と始めたら良かったと思う。なぜ、やって違和感を覚えることばかりやるのだろう…

大崎医師が「ハハッ 冗談です」と言うのも場違いなような…

7分過ぎも同じ。夕方、家族を集めた食事会の準備をしている最終に、喜美子が医師の大崎(稲垣吾郎)から電話をかける。ここの演出も意味無く遠回り。喜美子が支度の手を止めて、電話に目をやって、次のカットは病院で電話中の大崎になって、電話中の喜美子に戻る。こんな妙な動作の省略する意図って何?

普通に、喜美子が大崎に電話を掛ける芝居をさせて、電話に出る大崎で良いのでは? その上、「かけようと思っていたんです。ハハッ 冗談です」と話を切り出す大崎も意味不明。それこそ、大崎が台詞の中で言っていた「申し訳なさそうな声」で電話を掛ける喜美子を、かけようかかけまいか電話機の前で悩む喜美子を戸田恵梨香さんに芝居して貰えば良かったと思う。

そうすれば、大崎医師の言った「揺るぎない強さ」が母である喜美子には既に備わっているが、まだ武志には備わっていないと言う “母と子の対比” が、より強調出来たのに。やはり、本作は「母と子」を描くのが下手だと思う。繰り返すが、なぜ、やって違和感を覚えることばかりやるのだろう…

直子の「(口が)柔らかい。ハハハハ… 冗談や」も場違いなような…

11分過ぎの、喜美子が武志の病気のことを話す大切なくだり。喜美子が直子(桜庭ななみ)と百合子(福田麻由子)に「口 堅いか?」と問うて、直子が「柔らかい。ぶぶっ ハハハハ… 冗談や」と返す場面があった。これも、分かる、分かるのだ。

天然キャラの直子を利用して、シリアスな話の前段におふざけを加えることでギャップが生まれて盛り上げようとする意図は。でも、これを「直子らしい」と思って観る人がどれだけいるだろう? 確かに「次世代展の入選のお祝い」のつもりで来ているのだろうが、ドラマとして場違いな台詞だと思う。

妹を最初にした事にプチ称賛、八郎を次回にしたのはプチ英断!

そして、まあ、言っちゃあなんだが、面倒な展開で喜美子が妹二人に真実を告げた。ただ、ここで唯一褒めたい。それは、武志の病気のことを最初に告げたのが、妹二人だったってこと。もちろん、先日から書いているように、最初に八郎(松下洸平)に相談すべきと言う考えは変わっていない。

しかし、それが叶わぬ今は、二人の妹に最初に告げると言う選択をして脚本家をプチ称賛しておく。更に、八郎への報告は次回に回したのも、ギリギリではあるがプチ英断だと思う。やはり最初に告げるのは、親友の照子(大島優子)でもダメだし、親戚になったとは言え信作(林遣都)も絶対にダメ。

だって、本作はホームドラマ、家族を描くのが本来の目的なのだから。

喜美子は、常に湧き出る熱意で自ら行動を起こす人で無いの?

それにしても、クランクアップしているし、明らかにネタ不足による引っ張り作戦で、あと16回(今回を入れて、約4時間分)しかないのに、モヤモヤが増大している私。そりゃあ、作り手の意図としては「苦悩する喜美子」を強調することで、「息子への愛情」や「母親としての存在意義」みたいなのをリアルに描いているつもりなのだろう。

好意的な視聴者も、そう見ているに違いない。でも、私は不思議に思う。だって、川原喜美子と言う主人公は、自分の中で沸々と湧き出る熱意のような “エネルギー” を源にして、自ら行動を起こす人間ではなかったのか!? ってこと。この喜美子の設定だけは、幼少期から貫かれている。

そう、ダメダメな脚本でも、唯一連ドラとして “連続性” を保っている部分だ。女中修行の時も、美術学校入学を決めた時も諦めた時も、深野組で絵付け師になろうと決めた時も、結婚した時も。もちろん、最近では穴釜に没頭した時には、喜美子がそう言う人間である事を知っているから “家族の協力” があったし、そう言う展開こそが本作らしさであり、見所なのでは?

「絶対に治してやる!」と周囲を巻き込むのが喜美子でしょ?

年を取って落ち着いた? 年齢を重ねて消極的に変わった? うん、そう言う好意的な解釈もあろう。でも、人間は生活を変えられるが性格は簡単に変えられない。それは、ドラマでも現実の世界でも同じこと。

だとしたら、息子が不治の病に侵されたのを知った瞬間に、「母ちゃんが絶対に治してやる!」と、穴窯の時以上の熱量の “エネルギー” を源にして、いつも通りに、まず八郎に相談し、家族を巻き込み、大崎医師はもちろんのこと、昔の知り合いたち、特に交友関係の広くて、信楽住人でない、例えばちや子(水野美紀)や草間(佐藤隆太)に相談して積極的に、武志に気付かれないところで奮闘するべきだったのではないだろうか。

そう言う展開なら、今回の「口が堅いの 柔らかいの」のくだりなんて抜群の癒し効果になったと思うし、そう言うのが『スカーレット』が目指した「女性の生き様を描く朝ドラ」なのでは…

あとがき

不満も、モヤモヤもたくさんあります。でも、「人の命」を丁寧に描こうとしているのは伝わりますし、そのために引っ張り気味になるのも、ご都合主義的な展開になるのも、喜美子らしからぬ言動の連続なのも承知でやっている…と、思うことにします。


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拍手[23回]

僕はどこから

テレビ東京系・ドラマホリック!『僕はどこから』公式
第10話の感想。
なお、原作の漫画、市川マサ「僕はどこから」(ヤンマガKC)は、未読。



薫(中島裕翔)は山田(高橋努)の暴行で意識を失い、智美(間宮祥太朗)は拳銃の引き金を引き続けていた。その頃、権堂(音尾琢真)に布で口をふさがれた千佳(上白石萌歌)は倒れ込んでしまう。東宮寺(若林豪)との約束の時間が迫る中、智美はついに山田の弟分・駿(岡崎体育)と対面する。家族同然の仲間を次々と殺害され怒る駿は、智美に向け発砲。被弾した智美の腹から血があふれ出す。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---


原作:市川マサ「僕はどこから」(漫画)
脚本:高橋泉(過去作/わにとかげぎす)
演出:瀧悠輔(過去作/わにとかげぎす) 第1,2,10
   熊坂出(過去作/わにとかげぎす) 第3,4,5,9
   大内隆弘(過去作/健康で文化的な最低限度の生活) 第6,7,8
音楽:諸橋邦行(過去作/銀と金、駐在刑事)
主題歌:I am/Hey! Say! JUMP(J Storm)

銃撃戦も中々の見応え! 実写版ならではの台詞も良かった!

先週の感想で、 もう少し中盤での「宝土清掃」での銃撃戦を激しく描いていたら面白くなったのに…と書いたが、今回の序盤から始まった山田(高橋努)の弟分・駿(岡崎体育)との銃撃戦は、今どきのドラマ、それも深夜ドラマでも頑張ったと思う。

また、駿が、撃った智美(間宮祥太朗)に「間宮祥太朗に似てるって言われない?」なんて洒落た台詞を盛り込んだのも実写版ならではのご愛敬で悪くない。

『青春異能クライムサスペンス』に相応しい最終章!

そして、終盤前には、久し振りに薫(中島裕翔)の “文章を書き写すことで書いた人間の思考をコピーしてしまう異能” が活かされた展開で、山田と駿の兄弟が抱えた “心の闇” と “歪んだ兄弟愛” に一つの句読点が打たれた。

更に、終盤で描かれた薫と智美の学生時代からの、立場は違えどもどこまでいつも繋がっている “青春時代の絆” も描かれ、いよいよ『青春異能クライムサスペンス』に相応しい最終章になったと思う。

あとがき

中島裕翔さんは、2016年の『HOPE~期待ゼロの新入社員~』で主役を演じてから注目していますが、やはり薫のような、おどおどしつつも芯が強い役を演じると本領を発揮しますね。俳優業が本職の中にまじって好演しているのが嬉しいです。

そして遂に次回が最終回。これまたどんな展開に着地するのか全く想像が出来ません。最終回に期待します。それにしても、世間で本作が話題にならないのが残念です…


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拍手[10回]

相棒 season17

テレビ朝日系・『相棒 season18』公式
第19話『突破口』の感想。



右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、青木(浅利陽介)が持ち込んだ資料により、政治家の口利き疑惑の鍵を握るゼネコンの経理担当職員が転落死した事件を調べる。上層部が自殺の線を強いる一方で、右京は遺体の指の骨折が気になる。被害者の同僚・山野(中本賢)は、右京と話すうちに不審者を見たことを思い出し、動揺。後日、上司に相談する山野を、何者かが見つめて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

全体に漂う「チーム相棒」みたいな雰囲気に満ちた作品

●脚本:太田愛/演出:片山修(敬称略)

今回の脚本を担当した太田愛氏は、アタリハズレが多い脚本家ではあるが、稀に長期シリーズの連ドラ『相棒』らしいエピソードを書く…と言う印象が強い。そして、今回は、正に『相棒』ですか書けないキャラクターたちを、ちょっと捻った形で使ったエピソード。

全体に漂う「チーム相棒」みたいな雰囲気に満ちた作品は、他の脚本家が書く「過去のキャラ」を使った作品とは、明らかに一線を画した内容で、とても良かった。

右京らしい正義感とコミカルな冠城が上手く融合した秀作

また、「右京(水谷豊)の正義」を押し付けることもなく、でも、「右京らしい正義感」を漂わせて、更にコミカルな要素は冠城(反町隆史)がきっちりと担当して、なかなか満足度が高い内容だった。

あとがき

弁護士の連城(松尾諭)まで登場するとは思いませんでした。久し振りに『相棒』らしい『相棒』を観られて良かったです。来週が最終回とは残念です…


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連続テレビ小説「スカーレット」

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』公式サイト
第23週『揺るぎない強さ』の 『第135回』の感想。


 本作は、2020/2/29 にクランクアップ(撮影終了)しています。
 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。


武志(伊藤健太郎)の部屋で喜美子(戸田恵梨香)は家庭医学書を発見。白血病のページに付せんがあり、武志が自らの病気に気づいていることを知る。喜美子は平静を装い、武志と話を続ける。人生を陶芸にかけようとしている武志に、喜美子は切ない思いに。同時に母として真摯に向き合う覚悟を固める。武志に余命を尋ねられ、喜美子の中で病と闘う気持ちがこみあげる。入院が一週間後に決まり、何も知らない八郎(松下洸平)が来て…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

「割った」のでなく「割ったしもうた」でないの?

主題歌明けに、武志(伊藤健太郎)の部屋で喜美子(戸田恵梨香)が思い出話をする場面で、武志がこんなことを言った。

武志「ああ あの この前割った赤い皿やろ?」

あれは、「割った」のでなく「割ったしもうた」でないのか? 八郎(松下洸平)のことを思って意図的に割ったのでなく、本当は意図的なのだが故意で割ってしまった体(てい)で結果オーライになった…と記憶しているのだが。

こう言う部分が、脚本家複数説を疑いたくなるところ。折角、仕切り直しをしてばかりなのに、脚本家がこの体たらくでは先が思いやられる。

武志が好意的解釈をしたにしても、否定しない喜美子って!?

また、ちょっと引っ掛かったのが、上↑の台詞の直後の武志と喜美子のこの↓やり取りだ。

武 志「お父ちゃんの作品は
    お母ちゃんがおったから出来たんや」
喜美子「ハハ… よう そんなこと言えるな」

なぜ、喜美子は否定しなかったのだろう? 武志の言い分では、母親は父親がいなくても立派な陶芸家になれたけど、父親は母親無しでは陶芸家としてダメだった。で、父親は母親の才能に負けて離婚して信楽から出て行った…と解釈しているようだし、それを喜美子は否定しなかった。え~と、先週までに描かれたのって、そう言うことだっけ?

武志の中で「好意的な解釈」をしているのは無きにしも非ずだが、少なくとも私が見て来た内容とは、かなりいい加減に話がすり替わっている。ここへ来て、敢えて、喜美子を「先に陶芸家として有名だった夫よりも優れた才能の陶芸家」に描く必要なんて無いのでは? だって、「母と息子の闘病記」なのだから。

本作の水曜日と言えば、やっと何か "事" が動く日!

さて。本作の水曜日と言えば、やっと何か “事” が動く日だ。そして、その “事” は喜美子(戸田恵梨香)が武志(伊藤健太郎)に武志の病名を告げると言うことだった。

陶芸に人生を懸けようとしている武志を見て、切ない気持ちになる喜美子が、武志に「白血病や」と病名を告げて、息子と一緒に病気に向き合う覚悟を決めた。そして、余命を聞かれて「3年から5年や」と答えて、将来の目標を変更せざるを得なくなった息子と、本気で病気と闘う気持ちが込み上げ、それを武志に告げる…

これだけ「盛り上がる要素」がてんこ盛りなのに盛り上がらず

これだけ「盛り上がる要素」がてんこ盛りなのに、15分間を見終えても、これと言った感想が浮かんで来なかった。その理由は簡単だ。喜美子にも、武志にも、喜美子と武志の母子にも、感情移入出来ないからだ。

そりゃそうだ。月曜日から言っているように、本作は、ある意味で月曜日から仕切り直して、「信楽焼の女性陶芸家でシングルマザーが骨髄バンクの無い時代に、息子の慢性骨髄性白血病を治療するために、大崎医師と共に奮闘する闘病記の朝ドラ」になったばかり。

合計で45分間も放送していないのに、最初の山場が来てしまったのでは、感情移入なんて無理に決まってる。

"説明"は丁寧にやっても所詮は"説明"で、心には響かない!

これが、例えば、2時間ドラマだったらどうだろう? ドラマが始まって、主人公とその息子がどんな暮らしをして来たのか僅か数分しか描かれていない状態で、「最初のクライマックスですよぉ~」を言われても困るだけ。

本作も前回と今回で必死に台詞で、武志が生まれてからの23年間を説明しているが、これは前回の感想で書いた通り、単なる説明に過ぎない。説明は丁寧にやっても、所詮は説明であって心には響かない。

やはり、ここは20分程度の説明台詞で解説するのではなく、しっかりと放送尺を割いて、喜美子と八郎と武志の3人家族の暮らしを丁寧に描写しておくべきだったと思う。

喜美子と八郎の夫婦を描く時、武志を絡ませなかったのが…

逆に、喜美子と八郎の夫婦については、これでもかと言わんばかりに、交際以前のイチャイチャに始まって離婚話まで延々と描いた。まあ、夫婦を描く必要は絶対にあるが、そこに武志を絡ませなかったのが、本作が「連ドラ」として大失敗したところ。もう、それは取り返しがつかない。だから、感情移入出来なくて当然だと思う。

武志に病名を告げる前に告知の是非で夫婦喧嘩していたら…

そして、なぜだか、終盤の13分過ぎに八郎が登場した。未だに、喜美子が武志の病気のことを八郎に隠しているのが、どうしても “人でなし” に見えるのだが。で、なぜか「葉書」を持って来る。

本来なら、この脚本家は、離婚した夫婦の関係が、結婚していた時より良くなっていると言う設定にしたのだから、武志に病名を告げる前に、これまでのように、また「告知する」、「告知しない」で(元)夫婦喧嘩をしたら良かったのでは?

そうしたら、少なくとも喜美子が “人でなし” に見えることもないし、先週まで描いたことと、連ドラとして “繋がって見えた” と思う。

あとがき

武志が病気のことを知ってから八郎が、「闘病記」に関わるのって妙な感じがしませんか? なんか、八郎の使い方が下手ですよね。

八郎が信楽を出て離婚するタイミングも、喜美子が7回目の穴窯で自然釉を成功させた直後でなく、3年後に喜美子の個展を見に来てもすれ違って郵便のやり取りでした。今回も、年末には検査結果が出ると言っていたのに、まだ八郎は武志の病気のことを知らない。一体、八郎は、いつ知るんでしょう?

恐らく、いつものパターンなら金曜日までは話が動きますから、金曜日には知ると確信していますが、だとすると、今回、八郎が登場した意味が無いような…。でも、演出的には、今週はあまり間違っていないので、明日の作り込みに期待しましょう!


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やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
やさしい猫
ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~
屋根裏の恋人
山田孝之の東京都北区赤羽
ヤメゴク
ユーミンストーリーズ2024
ゆとりですがなにか
ユニコーンに乗って
ユニバーサル広告社
妖怪シェアハウス
ようこそ、わが家へ
4号警備
40万キロかなたの恋
4分間のマリーゴールド
[ら]
ライオンの隠れ家
ラヴソング
ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~
ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~
THE LAST COP/ラストコップ
ラストチャンス 再生請負人
ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~
ラストマン-全盲の捜査官-
らんまん
リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~
リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
リエゾン-こどものこころ診療所-
陸王
リコカツ
リスクの神様
リバース
リバーサルオーケストラ
リピート ~運命を変える10か月~
#リモラブ ~普通の恋は邪道~
竜の道 二つの顔の復讐者
路(ルウ)~台湾エクスプレス~
ルパンの娘[1]
ルパンの娘[2]
流星ワゴン
臨床心理学者 火村英生の推理
レッドアイズ 監視捜査班
恋愛時代
レンアイ漫画家
レンタル救世主
レンタルなんもしない人
レンタルの恋
六畳間のピアノマン
6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
[わ]
ワイルド・ヒーローズ
若者たち2014
私 結婚できないんじゃなくて、しないんです
私たちはどうかしている
ワタシってサバサバしてるから
わたし、定時で帰ります。
わたしを離さないで
私のおじさん~WATAOJI~
私の家政夫ナギサさん
罠の戦争
わにとかげぎす
わろてんか
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