大豆田とわ子と三人の元夫 （第10話/最終回・2021/6/15） 感想

関西テレビ制作・フジテレビ系・火9ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』（公式サイト）
第10話/最終回『最終回… なのに新たな恋!?』の感想。
また、本作は昨夏に全話を撮影終了しているため、要望などは基本的に書きません。

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八作（松田龍平）のレストランで、とわ子（松たか子）は初恋の相手・甘勝（竹財輝之助）と偶然再会する。仲良さそうに談笑する2人の様子を見ていら立つ鹿太郎（角田晃広）は、抱えきれない気持ちを共有するため、慎森（岡田将生）に電話をかける。その後、とわ子は自宅マンションで亡き母親の遺品がまとめられた段ボール箱を発見。その中には、母親が出しそびれた手紙があった。それを見たとわ子は…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：なし
脚本：坂元裕二（過去作/東京ﾗﾌﾞｽﾄｰﾘｰ､問題のあるﾚｽﾄﾗﾝ､ｶﾙﾃｯﾄ）
演出：中江和仁(過去作/映画｢嘘を愛する女｣､きのう何食べた?) 第1,2,6,8,最終話
　　　池田千尋（過去作/プリンセスメゾン､まどろみバーメイド） 第3,4,7話
　　　瀧悠輔（過去作/僕はどこから） 第5,9話
音楽：坂東祐大（過去作/美食探偵 明智五郎）
ナレーション：伊藤沙莉（過去作/ひよっこ､これは経費で落ちません!､いいね!光源氏くん）
挿入歌：「Ils parlent de moi feat. Maika Loubte」
　　　　　「All The Same feat. Gretchen Parlato, BIGYUKI」
主題歌：STUTS & 松たか子 with 3exes（Sony Music Labels）
　　　　「Presence I (feat.KID FRESINO)」(第1.2話)
　　　　「Presence II（feat. BIM, 岡田将生）」（第2,7話）
　　　　「Presence III（feat. NENE, 角田晃広）」（第3,8話）
　　　　「Presence IV（feat. Daichi Yamamoto, 松田龍平）」（第4,9話）
　　　　「Presence V（feat. T-Pablow）」（第5話,最終回）

独特な作風を、徹底的に貫き通したのは褒めるに値する

まず、褒めるべきは、放送開始当初は、何かを不満が多かったナレーションや、その回の主な内容を最初に語ってしまう様式や、その他いろいろなマイナス要素とされたことを、最終回の最後まで貫いたこと。

今どきは、世間の評判なりを早急に受け止め反映させて、少しでも個人視聴率稼ぎ対策を施すのが連ドラの制作現場が当然やることなのに、とにかく徹底的に貫き通したのは褒めるに値する。

さり気なくわかり難く描写して、更に独特な世界を構築するのが「坂元ワールド」

まあ、脚本が坂元裕二氏だから、日常的な会話だって「坂元節」とまで評される独特なテイストだし、演出も俳優の演技も、その独特なテイストを余すところなく、テンポ良く、ちょっとおしゃれに、そして、（ここが大事）さり気なくわかり難く描写して、更に独特な世界を構築する。

だから、当然に「面白くない」と感じる視聴者は出て来るし。同時に、「面白過ぎる」とファンになる視聴者も出て来る。これが、「坂元ワールド」なのだ。

個々のエピソードは意外と連携＆連続していない"サザエさん方式"

そして、最後に言っておきたいこと。それは、私の知る限りの過去の坂元作品の中では、若干「全話の構成」に不思議な味付けがされていたこと。

まず、連続ドラマとして見ると、意外と1話毎の話が途切れており、どちらかと言うと、1話毎もそうだし、1話の中も、登場人物は同じだけど、個々のエピソードは意外と連携＆連続していない “サザエさん方式” を利用している感じがしたこと。だから、1話完結のような見方をしても、意外と楽しめる作風に思えた。

第9話までが最終回までの「壮大なプロローグ」で、最終回のパーティーのシーンが…

もう一つは、第9話までと最終回の位置付けだ。私は、最終回の序盤を見た時点では、第9話が実質的な最終回で、この「最終回」は、主人公である大豆田とわ子（松たか子）の人生観の集大成をやるスペシャル版のような作品なのかと思った。しかし、最終回を最後まで見て、それも、どこか、どストライクでないことに気付いた。

むしろ、第9話までが、最終回までの「壮大なプロローグ」で、最終回のパーティーのシーンが「本作最大のクライマックス」で、終盤の朝の通勤シーンは「未来へのエピローグ」なのではないかと。真実は坂元氏に伺うしかない。でも、とにかく、この作風を最後まで貫いたことで、まだまだ「坂元ワールド」の魅力は衰えないと思った作品だった。

あとがき

よく、最後の最後まで作風を貫きましたね、クセの強い作品でしたが、私にとっては日常を忘れさせてくれる、心地良いフィクションでした。

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