花咲舞が黙ってない（2024） （第2話・2024/4/20） 感想

日本テレビ系・土10ドラマ『花咲舞が黙ってない（2024）』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第2話『銀行の裏切り?』の感想。

なお、原作(小説)となった池井戸潤『花咲舞が黙ってない』、池井戸潤『不祥事』は、未読。

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東京第一銀行臨店班の花咲舞(今田美桜)と相馬健(山本耕史)が銀行のトラブルを解決!!芝崎次長(飯尾和樹)が受けた“たそがれ研修”は中年行員に「自立して生きろ」と引導を渡す研修。昨年は暴れた受講者畑仲(三宅弘城)がいた。そんな中、赤坂支店でコーヒーチェーン白石珈琲の出店情報が流出!?社長白石吾郎(斉藤暁)や担当の八代(武田航平)の話を聴く内に犯人は社員ではないとわかり…。機密報漏洩事件の真相を暴け！
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

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原作(小説)：池井戸潤『花咲舞が黙ってない』、池井戸潤『不祥事』
脚本：松田裕子（過去作/花咲舞が黙ってない,東京ﾀﾗﾚﾊﾞ娘,正義のｾ） 第1,2話
　　　ひかわかよ（過去作/ｾｼﾙのもくろみ,個人差あります）
演出：南雲聖一（過去作/花咲舞が黙ってない,東京ﾀﾗﾚﾊﾞ娘,ﾊｺﾂﾞﾒ） 第1,2話
　　　佐久間紀佳（過去作/花咲舞が黙ってない,あなたの番です,真犯人ﾌﾗｸﾞ）
　　　鈴木勇馬（過去作/花咲舞が黙ってない,ﾘﾊﾞｰｻﾙｵｰｹｽﾄﾗ）
音楽：菅野祐悟、得田真裕
挿入歌：あかせあかり「いつか叶えたくて」
ＣＰ：田中宏史（過去作/悪女(わる)~働くのがｶｯｺ悪いなんて誰が言った?~）
Ｐ：小田玲奈（過去作/悪女(わる)~働くのがｶｯｺ悪いなんて誰が言った?~）
　　　鈴木香織（過去作/ﾌﾞﾗｯｼｭｱｯﾌﾟﾗｲﾌ）
　　　能勢荘志（過去作/ﾊﾟﾝﾄﾞﾗの果実~科学犯罪捜査ﾌｧｲﾙ~）
※敬称略

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予想以上にリメイク、通常の連ドラとしても良くできている

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！ 当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

流石に、もう、原作と比較する人はいないと思うが。

まだ、前作の実写ドラマ版とは比べている人がいるようで。

いずれも、好きにしたら良いと思う。

　

さて、今作。

時に、辛口の意見、手厳しい指摘、辛辣なツッコミをするのをご存じの常連さんの読者様は、きっと気持ちが悪いと思うに違いないが、正直に書く。

予想以上に、リメイクとしても、通常の連ドラとしても良くできていると思う。

その理由を細かく書いてみる。

設定の説明を最小限に留めた、大人の仕上がりを評価したい

第一に、第1話と同様に、登場人物の位置づけや感情、場面ごとや状況の “設定の説明” をこれ見よがしに組み込まない、大人の仕上がりを評価したい。

最近の連ドラ、ドラマ全般にいえるのは、ひと言 “説明過多” だ。

第1話の説明過多は、多少はやむを得ないとは思うが。

でも、最近は限度を超えて、説明をやりまくる駄作がほとんどだ。

その理由は、視聴者に徹底的に分かりやすすぎるくらいに作らないと、そっぽを向かれるからだ。

大した内容でないのに、「分かりにくい！」と、自分の理解力不足はそっちのけで… だ。

でも、今作は “設定の説明” を冒頭のナレーションでサクッと済ませておしまいだ。

あとは、ほぼすべて、“物語” と “展開” で、見せて（show）魅せて（fascinate）いる。

評価したのは、説明の要素に “取って付けたようなセリフ” も利用していないことだ。

全体の会話劇を見ているだけで、人物設定や、事態や時局が伝わるような脚本と演出になっている。

もしかすると、お世辞でなく、今期ドラマで一番しっかりと“ドラマ” なのだから ＜映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！＞ をやっていると思う。

今作のメイン監督の南雲聖一氏の演出について

『ディレクターの目線blog』らしく、ディレクター、演出について少し触れてみる。

演出担当は、前作、そして前回に続いて、今作のメイン監督の南雲聖一氏。

南雲氏といえば、ドラマ『ハケンの品格（日テレ／2007）、『曲げられない女』（日テレ／2010）、『東京タラレバ娘』（日テレ／2017）※メイン『正義のセ』（日テレ／2018)、『ハコヅメ?たたかう!交番女子?』（日テレ／2021）のメイン監督だ。

いずれも、働く女性たちにスポットライトを浴びた話題作ばかりだ。

南雲氏の演出で注目すべきは、細かい部分い注意が払われることによる、映像から伝わるリアリティの創出だ。

花咲舞の朝食の、早食いに注目！

例えば、序盤での花咲舞（今田美桜）の朝食シーン。

舞の叔父・花咲健（上川隆也）のセリフどおりの「早食い」だ。

よく見ると分かるが、カットが切り替わっているとはいえ、今田さんがちゃんとご飯を食べながらセリフをしゃべっている。

それも、大食い、早食いの動作をやりながら、上川さんとセリフのやり取りとやっている。

もちろん、今田さんの演技力、二人の息があっているのもあるが。

普通の演出なら、ここまでガッツリと早食いを長尺で使わないと思う。

使っても、ほんの数秒で「じゃあ、行ってきま～す」でも十分なのだから。

でもここで、早食いをキッチリとお味噌汁まで飲んでいることを印象付けることで、主人公が手抜きをしない、途中で投げ出さない性格であることが見えるのだ。

「白石珈琲」で舞と相馬と白石社長の席の位置に細かい配慮

11分ごろに始まる「白石珈琲」での舞と相馬健（山本耕史）と白石社長（斉藤暁）のやり取りも細かい配慮）がある。

まず、シーン頭(冒頭)で晴れの天気で看板を強調。

そして、３人が座るのが、窓際でなく、やや奥の席。

普通、この類の設定では窓際の席に設定して、雰囲気作りをやるのが定番だ。

しかし、ここでは白石社長や夫人の出しゃばらない、一歩下がった佇まいを表現するために、奥のほうの席に陣取った… と思う。

傘を持って入店してくる女性客にも注目してみる

24分ごろの再び「白石珈琲」の場面にも注目だ。

まず、看板のカットに雨が降っている。

日替わりを印象付けるためだけでなく、暗雲が立ち込めそうな予感が漂う。

まっ、これは、のちの物件探しの場面でも、舞たちが傘をさしているから “つながり” として普通だ。

でも、注目すべき演出は、社長夫人がアイスクリームを出した直後、背後のドアから入店してくる客役のエキストラの女性）だ。

ちゃんと、さっきまで外で傘を差してきた演技になっているのだ。

これ、傘立てが店の外にある設定でもいいはずだ。

ドアから入ってすぐのところに、傘立てがあるのがむしろ普通。

でも、この女性客は傘を持ったまま、夫人の案内で上手(画面右側)にハケる。

これ、傘を持参させることで「外が雨」であることが示されるうえに、「傘立てがない」ことで余計な動作で視聴者の集中を削がない効果を狙っていると思う。

白石珈琲担当の八代が入店してくる動作にも注目

最後に一つ、細かい演出をご紹介したい。

32分ごろ、「白石珈琲」で舞が支店で白石珈琲担当の八代（武田航平）に偶然出会うシーン。

矢代が店内に入って来て、カウンターからお水(お冷)を直接もらって、椅子に座る。

これ、普通に考えたら、先で夫人がアイスを持ってきたのだから、店員がお水を持ってくるはずだ。

でも、この演技指導により、矢代がしっかりと店に足を運んで馴染みになっていることが伝わる。

更に、店員のエキストラが登場しないことで、余計な映像無しに、展開を進めることができる。

ほかにも、たくさんあるが、こういう細かい演出、演技指導、演技の積み重ねが秀作につながっていくのだと思う。

劇画チックはピンポイント、勧善懲悪からヒューマンドラマ

長くなったので、まとめよう。

やはり、主演俳優が違うのだから、作品としてもリブート、再出発していることを強調したいのだろう。

スタッフも、ほぼ前作と同じだから、「ここを変えよう、ここは残そう」の取捨選択がキッチリとやられている印象だ。

特に前作と異なる点は、コミカル要素を減らして、劇画チックな演出はピンポイントに絞り込む。

そして、前作は『水戸黄門』的な勧善懲悪ドラマだったのを、今作は『正直不動産』風のお仕事系ヒューマンドラマに仕立て直したのだ。

良い意味で、ちょっと生意気で馴れ馴れしいけど、憎めない可愛らしさがある今田さん向けに、アレンジした可能性が強いと思う。

そして、それが、今のところを功を奏している… と思う。

過去の遺物に頼らず、チャレンジ精神旺盛で、丁寧なドラマは応援したい。

あとがき

私、基本的に視聴率で「見る or 見ない」を決めないので、どうでも良いのですが。

こういう秀作（になると思う）は、多くの人に見てほしいです。

その意味では、もう一工夫が必要でしょうね。

あまりお勧めしませんけど、今に合ったゲストの投入でしょうかね。

「前作のほうが」の人へ、お言葉ですが、このままブレずに進んでほしいです（笑）

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第1話 

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