連続テレビ小説「虎に翼」 （第32回・2024/5/14） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
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第32回／第7週『女の心は猫の目？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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寅子（伊藤沙莉）の一年先を行く花岡（岩田剛典）は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたのだった。みんなでお祝いをしようと提案した寅子に花岡はあるリクエストをする。それを聞いて、花江（森田望智）とはる（石田ゆり子）は大喜び。華やかなワンピース姿でお祝いの食事に行った寅子は、花岡から故郷である佐賀に赴任することになったと告げられる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
料理指導：赤堀博美（過去作/花咲舞が黙ってない,厨房のありす）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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冒頭から、森田望智さんの持ち味、魅力、個性が炸裂！

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

冒頭から、米谷花江〔旧姓:米谷〕を演じる森田望智さんの持ち味、魅力、個性が炸裂だ。

森田さんといえば、Netflix配信ドラマ『全裸監督』（2019）で、主人公である村西とおるの運命を大きく変えるヒロイン・恵美（のちの黒木香）役で話題になった俳優さんだ。

地上波ドラマでは、『妻、小学生になる。』（TBS／2022）で、主人公・圭介の上司で圭介に言い寄る “守屋さん” や、『作りたい女と食べたい女』（NHK／2022,2024）で、主人公の野本さんの同僚の恋の相談役 “佐山さん” でご存じの方も多いと思う。

とにかく、声質とちょっとした仕草の使い分けが絶妙で。

私としては、若手のカメレオン俳優の中で、中村倫也さん、磯村勇斗さんのような資質があると期待している俳優さんだ。

今回のアバンタイトルの花江なんて、完全に母・はる（石田ゆり子）の斜め上をいっちゃってる。

更に、森田さんに負けてたまるかと言わんばかりに寅子の兄・猪爪直道を演じる上川周作さんの絶叫（笑）

何かと堅苦しい雰囲気になりやすい法曹界を扱った朝ドラだけに、今回のアバンのようなコント風のやり取りは、朝からほんわけできて嬉しい限りだ。

衣装や建物で、うまく “"時代" を引き出している

メインタイトル映像明けでひと言。
前回の感想で書いたことのおさらい？（笑）

今作では、時々 “時代” が薄まる場面があるが、 劇中の“時代” は日中戦争中だ。

朝ドラ『ブギウギ』では、秋山（伊原六花）が中山（小栗基裕 ex：s**t kingz）からのプロポーズを断わって大阪に帰り、はな湯のツヤ（水川あさみ）は体調を崩し、六郎（黒崎煌代）に召集令状が届くころで。

『カムカムエヴリバディ』では安子（上白石萌音）と稔（松村北斗）の関係を知りつつも、安子への恋心を諦めることはできない勇（村上虹郎）のころなのだ。

そこで今回のタイトル明けで、街角の立て看板に「日本人なら ぜいたくは出来ない筈だ！（映像ママ）」と書いてあった。

こういう印象付けは、とても大事だ。

路面電車の軌道敷内の線路、男子大学生の学生帽とマント姿、ハンチング帽の紳士とプリーツラインのワンピースの淑女も、そう。

そして、街行く人たちは洋装でも、大きな呉服屋も健在である点も、うまく “時代” を引き出していると思う。

寅子の職場のシーンは、いい感じのホームドラマ！

さて、猪爪家主催のお裁縫教室のあとは、「雲野弁護士事務所のコント、おっと、コント改め、いい感じのホームドラマのくだりだ。

前回で注目した、事務員の常盤（ぼくもとさきこ）をメインにし、代表・雲野六郎（塚地武雄）と弁護士・岩居（趙珉和）を使った… やっぱりコントだ（笑）

アバンでの直道の絶叫があるからこそ際立ったのが、次のナレーションだ。

Ｎ「彼らは 花江の言う
　一握りの男ではないようです」

更にこの場面が秀逸なのは、またまたアバンでの花江の次のセリフが仕込んであるからなのだ。

花江「トラちゃんて 本当
　殿方のことが分かってないのね」

だって、当の本人、肝心の主人公である寅子（伊藤沙莉）が “殿方のことが分かってない” のだから、脚本や演出が恋バナにしたくたって、出来ない！

もちろん、やる気になれば設定をいじればよいだけだが、それだと寅子だけでなく、作風、作品自体が変わってしまう可能性がある。

従って、寅子が “殿方のことが分かってない” のは、似たような朝ドラにならないための御守りのような存在として、いい設定だとつくづく思う。

寅子が"殿方のことが分かってない"のが、朝ドラとして新鮮

Ｎ「出た 一握りの男！」

もちろん、私も一握りの男ではないほうだ。
一緒に出掛けた妻に「今日のジャケット似合ってるね」なんて言おうものなら、 “からかい上手な奥さん” が発動して「ありがとう、先週も褒めてくれたよね」と（汗）
饒舌な私が、無口になる瞬間だ。

さて、今作に話を戻そう。

今作らしい描写が、黄色の華やかなワンピース姿でお祝いの食事に行った寅子が花岡（岩田剛典）に喜びを話した直後だ。

花岡「ずるいよな 猪爪は… そういうことを
　さらっと言ってのけるから」

寅子に自覚症状はないが、明らかに花岡にとっては、十分すぎるくらいに “からかい上手の猪爪さん” のくだりだ。

もう、手を振って去っていく花岡が “西片” に見えてくる…（分かる人は分かりますよね？）

これほどまでに、寅子が “殿方のことが分かってない” と、本当に朝ドラとして新鮮だ。

普通の朝ドラなら… 比較はやめておこう。

"男性たち"の描き方には、男女の描き分けに濃淡がある

時間経過をして、昭和15年（1940）春になった。

寅子の弟・直明（正垣湊都）が岡山で寄宿舎生活するために引っ越すことに。

今作は、一部のネット上で「フェミニズムドラマだ」と揶揄されているが。

今回の兄、弟、父、そして雲野弁護士事務所の “男性たち” の描き方を見れば、その時々で男女の描き分けに濃淡があることが分かるのに。

そして、猪爪家のくだり、職場のくだり…

この二つから、「朝ドラらしからぬ朝ドラ」らしからぬ「朝ドラらしいホームドラマ」を見た満足感を味わえた（ややこしい？）

よねの再結集は、かなり秀逸な展開

意外と、いいや、かなり秀逸な展開だと感じたのが、男装の女性・山田よね（土居志央梨）の再集結だ。

折角、数週間を割いて描いた “トラつば・アベンジャーズ” が終わってしまうのはもったいないと思っていたのだ。

でも、ここで よねが戻ってくれば、女性の友として、「男は強くあるべし」の轟太一（戸塚純貴）との対立役として、女性の社会進出に熱い信念を持っている同士として、寅子の強い味方になるはず。

『ブギウギ』なら、ヒロイン鈴子の良き先輩として茨田りつ子…

『らんまん』なら、ヒロイン寿恵子と似た境遇の田邊聡子…

『舞いあがれ！』なら、ヒロイン舞の親友の久留美…

『ちむどんどん』は… いないか。

特に今作は “女性たちの” が大きなテーマだから、寅子と同性のキャラクターが傍にいるのは良いと思う。

Ｎ「正式に弁護士資格を手に入れたのでした」

そして、数分後には、昭和15年（1640）10月に。

ついに、寅子が「弁護士」の肩書の名刺を手にする。

これ、いろんな手法が考えられたと思うが、社会人になって名刺を持ったことのある人。

特に、何らかの資格を取得したり、独立したり…
そんな経験がある人なら。自分の肩書が変わったのを名刺を見て実感するのは共通体験だと思う。

それこそ、文面、電話、直接上司から… などもやれたと思うが、次のナレーションがあるからこそ名刺の意味が出たと思う。

Ｎ「正式に弁護士資格を手に入れたのでした」

そう、寅子は “手に入れた” のだ。

そして、一方の よねは “手に入れていない” と、対比させて。

もちろん、父のスクラップにも利用できるし、右から左への横書きの「でかした」も悪くない。

で、驚くべきは、スクラップで「続く」と終わらなかったことだ。

雲野から初仕事を任され… そうになるところまで組み込んできた。

ここまでテンポが速いのに、内容はたっぷりあるのは、本当にお見事としか言いようがない。

あとがき

これだけのテンコ盛りですから、入れられなかった可能性はありますが。

できれば、はると花江が花岡との結末を興味津々に聞くシーンがあっても良かったかなと思います。

まあ、無くても想像できますけれど。

とにかく、テンポがよく、内容も破綻しておらず、よくできていると思います。

みっきーの植物図鑑（第230回）

昨日(5/13)の千葉県北西部は外出するのが怖くなるほどの大雨と強風でした。

でも、今朝はスッキリと晴れまして。

１日ぶりに朝のウォーキングで見つけたのが、こちらの大輪のピンクのバラ。

バラは品名が多く細分化しているのでよく分かりませんが、「カトリーヌ・ドヌーブ」に似ていると思いました。

バラ「カトリーヌ・ドヌーブ」は、映画『シェルブールの雨傘』（1963）や『昼顔』（1967）などに出演し、“世界一エレガントで、粋なパリジェンヌ” と称される私が大好きなフランス人女優の名前に由来しています。

比較的少なめの花弁(花びら)の数でやわらかな線を描きつつ、淡いオレンジ色のグラデーションで優雅さを醸し出すのが特徴。

ピンクのバラの花言葉は、「しとやか」「上品」「感謝」。

感謝の気持ちを添えたいときに、ピンクのバラを贈ると良いと思います。

2024年もバラの季節になったので、あちこちのバラ園に行こうと思います。

花が大好きだった亡き妹の分まで見てきます…

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

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【これまでの感想】

第1週『女賢しくて牛売り損なう？』
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第2週『女三人寄ればかしましい？』
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第3週『女は三界に家なし？』
11 12 13 14 15 土 

朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由 

第4週『屈み女に反り男？』
16 17 18 19 20 土 
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