連続テレビ小説「虎に翼」 （第48回・2024/6/5） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
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第48回／第10週『女の知恵は鼻の先？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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民法が改正されれば多くの人が混乱すると語る神保（木場勝己）。寅子（伊藤沙莉）は花江（森田望智）を思い出し、強く反対意見を言えない。寅子は広く意見を募るために婦人代議士・立花幸恵（伊勢志摩）らの集まりに参加するが、自分は一度弁護士をやめたということから後ろめたい気持ちを感じてしまう。狭い法曹界。寅子は民法改正の委員をしている穂高（小林薫）とばったり再会する。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
料理指導：赤堀博美（過去作/花咲舞が黙ってない,厨房のありす）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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今回も投稿が遅くなった言い訳…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

普通の、いつもの朝ドラの感想は、一度最後まで通しで見て、構成を考え。

二度目は気になったところを一時停止して、下書きを書いて。

全箇所を書き終えたら、また頭から見直し、読み直して、投稿している。

それでも、誤字脱字の類は無くならないが（大汗）

だが、今作は、投稿直前に 15分ほど寝かせて、分かりにくいところを加筆してから投稿している。

確かに、今作は分かりやすく描いてくれてはいる。

でも、できるだけ脚本家や演出家の意図や真意に近づくならば、私を含めてもう少し劇中の描写に隣接した史実や現実を知ったほうが、理解が深まると勝手に思っているからだ。

というわけで、「今回も投稿が遅くなった言い訳」は終わりにする（苦笑）

軽々に神保に反論できない寅子の屈折した感情を丁寧に描写

脚本や演出が、難しいことを描くことから逃げているという意味でなく。

15分間の冒頭から小難しく見せずに、コミカルな描写で “うまくごまかし” に成功していると思うのが、アバンタイトルでの絶妙な語りの数々だ。

民法が改正されれば多くの人が混乱すると強く主張する東京帝大教授・神保（木場勝己）。

神保は、“日本古来の相撲の横綱” の風格と圧で、「女性初の弁護士」の肩書を持つ寅子（伊藤沙莉）に強く詰め寄る。

桂場等一郎（松山ケンイチ）と‘ライアン’こと久藤頼安（沢村一樹）は、寅子がどんな “威勢のよい口答え” で反論するのか興味津々だ。

しかし、“女相撲の横綱” の立ち位置のような寅子は、どんどん土俵際に追い込まれる。

ここでいう「女相撲」とは現代のスポーツとしての「女子相撲」とは違う意味で、敢えて使ってみた。

相撲が大人気だった江戸時代の初期から、相撲は天皇の権力の象徴的な行事として、「神事」であったことを知る人はいると思う。

逆に「女相撲」は、当時「女は不浄な存在」との理由で、「享楽的で愚かなこと」「男性に求められた見世物」との意味があった。

だから、敢えて今回の例えに使ったのだ。

そう考えると、寅子や久保田聡子（小林涼子）が、GHQの顔色伺いの役割で、ある種の “女相撲の横綱” の立ち位置のもお分かりいただけるのではないだろうか。

でも、さすがに、上記のことを朝ドラに盛り込むと、靖国問題にまで波及させる輩もいるかもしれないから、やらないのだ。

しかし、何とか、寅子が“女相撲の横綱” であることを自覚しつつ。

でも、いろんな事情を鑑みると、軽々に神保に反論できない屈折した感情があるのは見てのとおりだ。

久藤の「謙虚」は「従順」「無抵抗」と同じ意味だからこそ

その心情をうまく表現したのが、次の語りだと思う。

語り「何で すぐ スンッってなるんだ。スンッ…」

言葉で表すのが難しいが、実に「スンッ」でしか表現できない「スンッってなる」だ。

「スンッ」を言語化するなら、男性諸氏の意見に対して、寅子が自分の主張を敢えて「抑える」「我慢する」「諦める」「控える」際の感情を表した表現だ。

寅子の、気が抜けた、すました、目の焦点が合っていないなどの表情とセットで利用される、今作らしさの一つでもある。

この「スンッ」を、前回では‘ライアン’こと久藤頼安（沢村一樹）の「君は思ったより謙虚なんだね」に置き換えた。

恐らく、久藤の「謙虚」は「従順」「無抵抗」と同じ意味であると思う。

で、そのことも全て心で受け止めての「何で すぐ スンッってなるんだ。スンッ…」として描かれている。

要するに、私が回りくどく解説したことを「何で すぐ スンッってなるんだ。スンッ…」だけで見事に描き切ったというわけだ（汗）

謙虚、謙虚すぎる対応しかできない寅子が丁寧に丁寧に…

主題歌明けは、前回と今回の集大成的な久藤のセリフがすべてをまとめた… といって良いだろう。

久藤「どうして そんなに ひと事なの？」

とにかく、花江（森田望智）のことを考えれば考えるほど、謙虚、謙虚すぎる対応しかできない寅子が描かれた。

もう、15分間の全てが「どうして そんなに ひと事なの？」のためにあったといっても過言でないくらい。

ひたすら、丁寧に「民法改正」の保守派と、リベラル派や革新派や自由主義の違いや。

当時の政府の立ち位置、法制局の立ち位置などが、いつも以上にきっちりと描写されている。

やはり、米国（GHQ）の要求と、日本ができることの妥協点を見出す過程だから、これくらい丁寧に描かないなら、最初から寅子が神保に食って掛かって「民法改正終了」のナレーション処理で済んでしまう。

でも、やはりここは寅子の苦悩を強調しておくことで、この先が面白くなるという計算だろう。

まだまだ新章の序章、イントロダクションの中のイントロ

ただ、ちょっと解せないのは、寅子がこの苦難を乗り切る “タイミング” と “エネルギー源” が、まだ見えていないことだ。

要素はそれなりに揃っているし、ラストではキーパーソンになりそうな花岡悟（岩田剛典）が登場するも、そのまま終了。

私は、今回で寅子にチョコレートを渡したアルバート・ホーナー（ブレイク・クロフォード）が、寅子の肩に触れた際の表情から、久藤とホーナーがいい意味でのお節介を焼いて、それが寅子のブレイクスルーの “エネルギー源” になると予想したのだが。

それに、今回のラストで、寅子と花岡が弁当箱を開けるところまで含めなかった点は、寅子がこの苦難を乗り切る “タイミング” と関係があるとも思うし。

今回は、大きな進展はなかった。

でも、よく考えれば、新章である「裁判官編」としては、寅子は裁判官にもなっていないのだ。

従って、まだまだ新章の序章、イントロダクションの中のイントロみたいな部分だ。

焦らずに、待つのが良さそうだ。

婦人代議士・立花幸恵のモデルは、市川房枝さんか？

今回の中盤で、婦人代議士・立花幸恵（伊勢志摩）が登場した。

公式では、「立花幸恵」のモデルに言及はないが、恐らく「市川房枝」さんだと思われる。

市川房枝さんは、幼少期によくテレビで見かけたが、白髪に丸メガネ、ハキハキした物言いが印象的だった。

大正13年（1924）に『婦人参政権獲得期成同盟会』を結成し、婦人参政権運動を起こした。

女性の地位や権利の向上に、第二次世界大戦前から戦後も尽力し続けた。

劇中で、寅子が立花への印象を語りが次のように言っていた。

語り「一度逃げ出した自分と 自分より長い間
　戦い続けてきた彼女たちを
　一緒にすることはできませんでした」

このことからも、寅子のモデルである三淵嘉子さんとの年齢や活動とも重なる点はある。

また、「幸恵（ゆきえ・さちえ）」と「房江（ふさえ）」も似ているから、モデルであると推測できる。

あとがき

ネタバレというより、史実を書きますと。

今の劇中は「昭和22年（1947）5月」で、今作がどこまで描くか分かりません。

でも、三淵嘉子さんの史実は、昭和47年（1972）6月、女性として初の裁判所所長として新潟家裁所長に就任するまでの約25年間は「出世街道」なわけです。

要するに、この先で何の工夫もしなければ「箇条書き」になるということです。

ですから、今週を見ても分かるように、「寅子の年表の箇条書き」に見えないための工夫が、あちこちに散りばめられているわけですね。

それが、「スンッ」であり、封印中の「はて？」であり。

今回登場した花岡、未だ分からず状態の轟（戸塚純貴）と よね（土居志央梨）だと思います。

新章のイントロは「今週と来週」と捉えたほうが良いかもしれません…

朝ドラ「虎に翼」花岡（岩田剛典）のモデルは山口良忠さん？正義感を貫いた判事の生き様！ 

みっきーの植物図鑑（第233回）

久し振りの直物図鑑です。

今回は近所の栗畑に咲き始めた「栗の花」です。

なぜ、今回に「栗の花」なのか？

栗の花の花言葉は、「公平であれ」「贅沢」「満足」です。

「公平であれ」は、栗のイガの中には美味しい実が均等に入っていることが由来だそう。

「贅沢」「満足」は、栗という食べ物が貴重品だったことが由来だそう。

まだまだ食料不足の時代と、平等を描く今作に重なると思いまして…

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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【これまでの感想】

第1週『女賢しくて牛売り損なう？』
1 2 3 4 5 土 
第2週『女三人寄ればかしましい？』
6 7 8 9 10 土 
第3週『女は三界に家なし？』
11 12 13 14 15 土 

朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由 

第4週『屈み女に反り男？』
16 17 18 19 20 土 
第5週『朝雨は女の腕まくり？』
21 22 23 24 25 土 
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26 27 28 29 30 土 
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31 32 33 34 35 土 
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納得！「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…？ 

第10週『女の知恵は鼻の先？』
46 47 

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