新宿野戦病院 （第2話・2024/7/10） 感想

フジテレビ系・水曜22時枠『新宿野戦病院』
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第2話『ホストvs医師の人気投票対決!客の奪い合いで大騒動!』の感想。

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新宿歌舞伎町の聖まごころ病院で働き始めた外科医ヨウコ・ニシ・フリーマン（小池栄子）。病院は順調に見えたが、美容皮膚科医の高峰享（仲野太賀）は、NPO法人『Not Alone』の南舞（橋本愛）から「社会は平等じゃないから虚しくない」と言われたことに悩む。南の言葉に納得できず、答えを探すために『Not Alone』の活動に参加する。
一方、病院には鎮痛剤を大量摂取した少女マユ（伊東蒼）や、鼻にワイヤレスイヤホンが詰まった男の子が搬送される。イヤホンは無事に取り出され、マユも母親と帰ったが悩みを抱えていた。さらに、『歌舞伎町顔面偏差値テスト』で性感染症内科医の田島琢己（馬場徹）が選ばれ、女性を巡るトラブルが発生する。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作：なし
脚本：宮藤官九郎（過去作/あまちゃん,俺の家の話,不適切にもほどがある!）
演出：河毛俊作（過去作/ﾅﾆﾜ金融道,きらきらひかる,救命病棟24時2009） 第1,2話
　　　澤田鎌作（過去作/不毛地帯,元彼の遺言状,女神の教室）
　　　清矢明子（過去作/ﾗｼﾞｴｰｼｮﾝﾊｳｽII 第8話のみ,僕たちの校内放送）
音楽：不明
主題歌：サザンオールスターズ 「恋のブギウギナイト」 
Ｐ：野田悠介（過去作/競争の番人,ｱﾝｻﾝｸﾞ･ｼﾝﾃﾞﾚﾗ,女神[ﾃﾐｽ]の教室）
※敬称略

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間違いなく第1話以上に好みが分かれる作風、作品になった

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

第1話は、私の期待値が高かったために、かなり下駄を履かせた感想になった。

第2話の感想は、少し冷静に書いてみる。

まず、第1話以上に好みが分かれる作風、作品になったのは、ほぼ間違いない。

これは完全に想像の域だが。

恐らく、主人公・ヨウコ（小池栄子）の英語と岡山弁のバイリンガルが生理的にダメというひとは多いだろう。

因みに、今作のスタッフには、英語指導担当で岩本アリス氏、岡山弁監修で片岡明日香氏が在籍しているが。

私の調べでは、その筋の専門家というよりも「英語監修ではなく、英語指導」「岡山弁監修も、岡山出身の俳優」との認識のほうが正しいような。

繰り返すが、私は時代劇ドラマで武士言葉と話すのに違和を感じないレベルで気にならない。

補足として。

岡山県発の地域ネットメディアの下記の記事には、次のように書かれているから、その辺がドラマとしての採用理由かも知れない…

英語のような連音が岡山弁の特徴

好きな or萌える岡山弁のフレーズ - Webタウン情報おかやま 

もう一つは、日本の医療業界を下に、下衆に描いていることへの嫌悪感を抱くひとも多いと思う。

私の妻は助産師で救命で働いたこともある医療従事者だが、「ドラマだからいいんじゃないの？」だ。

私も、同感だ。

というわけで、冷静に好みが分かれる要素を分析してみた… ふ～～～っ

最後の最後で、「売り掛け」と「ふりかけ」を重ねてきた

さて、ここからは、でーれー笑うた（とても面白かった）と思った感想を書いてみる（笑）

職安通りで “迂回” から、バイパス術につなげてきたので、なるほどと思ったが。

最後の最後で、「売り掛け」と「ふりかけ」を重ねてきた。

この辺の、単純ではあるが二重、三重の言葉遊びは面白いし。

「ふりかけ」は、さりげなく振り逃げちゃうのも、これまたいいのだ。

『赤ひげ』『赤ひげ診療譚』へのリスペクトとオマージュ

前回は、第1話ゆえに説明過多で助長気味になったのは否定できないが。

今回は、放送尺も通常で、説明も少なかったから、これが標準仕様だろう。

第1話の感想で。

今作は、先日地上波で放送された宮藤官九郎脚本＆監督のドラマ『季節のない街』と同様に…

山本周五郎の小説『赤ひげ診療譚』と、それを原作とした黒澤明監督の映画『赤ひげ』へのリスペクトとオマージュを感じると書いた。

前回の感想を呼んでいない人、忘れた人のために、小説『赤ひげ診療譚』中の私が大好きな名ゼリフを引用しておく。

「あらゆる病気に対して治療法などない。
　（中略）貧困と無知さえなんとかできれば、
　病気の大半は起こらずに済むんだ。
　いや、病気の陰には、
　いつも人間の恐ろしい不幸が隠れている」

これを読めば、私が説明する必要はないだろう。

貧困と無知が招いた病気やケガを治しても根本治療ではない

今回の全てのエピソード…

鎮痛剤のオーバードーズで救急搬送された赤い髪のトー横キッズの少女・マユ（伊東蒼）や、鼻の奥にワイヤレスイヤホンが詰まってしまった10歳の男の子と母親などなど。

貧困と無知が招いた病気やケガで、それを医療行為で治療したところで、病気の陰に潜む本当の “人間の恐ろしい不幸” は治せない… を描いたに過ぎないのだ。

「過ぎない」と書くとネガに受け取ったように感じるかもしれないが、ここは「ブレていない」と解釈してほしい。

前回に続いて、今回もヨーコが患者たちの貧困と無知が招いた病気やケガを治したとて、現状の何の解決にもなっていない、諸行無常であると描いたわけだ。

諸行無常とは仏教用語で、最近の大半の解釈は、人生ははかなくて、命はもろいものであるとの意味とする人が多い。

しかし、本来の「諸行無常」は、万物は常に目まぐるしく変化と消滅を繰り返すという意味。

人が生まれるのも、人が死ぬのも、成長するのも、病気になるのも、不幸になるのも、幸福になるのも、これら全てが常に目まぐるしく変化と消滅を繰り返すのだと。

従って、生も死も、成長や病気も、不幸も幸福も、変化と消滅を繰り返すのが常だから「無常＝常がない」ではなく、努力や信仰心によって努力して、今、その瞬間、一刻一刻を大切に生きることが重要だということだ。

宮藤官九郎氏の脚本が好きな人なら、彼の作品には、時々仏教の概念が登場するのはご存じのはずだ。

今作にも、上記のような “諸行無常の世の中” へのアンチテーゼとエールだと思うのは、これまた推し過ぎか（笑）

ドラマ『フルーツ宅配便』『明日、私は誰かのカノジョ』

脱線ついでに、もう一つだけ。

今回を見て、２つの深夜ドラマを思い出した。

１つは、新宿・歌舞伎町にある交番の地域課に勤務する警察官・岡本勇太を演じる濱田岳さん主演のドラマ『フルーツ宅配便』（テレ東／2019）。

濱田さんがデリヘル店長を演じ、風俗嬢たちの赤裸々な日々を描いた作品。

もう１つは、聖まごころ病院で小児科医・横山勝幸を演じる岡部たかしさんがゲスト出演されたドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』（2022／毎日）。

岡部さんは、‘レンタル彼女’に入れ込む変態チックなオッサンで。

その中で、人気ホストに異常に入れ込みまくる風俗嬢が描かれる。

どちらも、今の日本の、いわゆる “夜の世界” をリアルに描いたドラマだが、今作に通じるものがあると思う。

ただ、両作品と違うのは、今作は堂々とプライムタイムで放送しちゃっていることだ。

従って、長くなったが、これはクドカンのチャレンジなのだ、きっと。

安定路線の企画で置きにも行けるのに、あえての問題作の提示。

ここに、共感するかどうかのほうが、今作を楽しめるかどうかの境目になると思う。

映像だけでなく物語中でヨーコと高峰享を目立たせてほしい

脱線しまくってしまったから、最後の章はいつもの感じで書いてみる。

もう少しだけ頑張ってほしいのは、小池栄子さんと仲野太賀さんのダブル主演なのに… だ。

映像的には、ヨーコと高峰享のふたりは人目を引くが。

物語、ストーリーの中では、そんなに際立っていない点だ。

個人的には、NPO法人「Not Alone」と、南舞（橋本愛）のくだりを削って、ヨーコと高峰を押すだけでだいぶ印象は変わると思う。

まあ、「しり上がりに面白くなるのがクドカンドラマ」であるとするなら、「まだ2話」だから、もう少し待ってみようと思う。

あとがき

もっと、ブラックジョークをきつめに盛り込んでもいいかも？

現状から万民向けにするよりも、何事もやるならやり切ったほうが良いと思います。

FODにて先行配信で次回を見た方、ネタバレコメントはご遠慮ください！

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第1話 

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