VIVANT （第5話/15分拡大・2023/8/13） 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『VIVANT』
公式リンク：Website、Twitter、Instagram

第5話/15分拡大『宿命編・ヴィヴァンの真実…明かされる運命の絆』の感想。

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乃木（堺雅人）の正体は、国内外で民間人に紛れて諜報（ちょうほう）活動を行う特殊部隊「別班」だった。同僚の黒須（松坂桃李）と共にテロ組織「テント」のモニター・山本（迫田孝也）を排除した乃木は、次の目的のためにある人物の元を訪れる。一方、山本の死に違和感を抱いた野崎（阿部寛）は、乃木に疑惑の目を向ける。野崎が乃木を調べ上げる中、衝撃の過去が明らかになる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：原作：福澤克雄（過去作/他の原作作品は不明）
脚本：八津弘幸（過去作下町ﾛｹｯﾄ､陸王､ﾐｽ･ｼﾞｺﾁｮｰ､おちょやん） 第1~5話
　　　李正美（過去作/半沢直樹2020､ﾄﾞﾗｺﾞﾝ桜2021） 第1,4話
　　　宮本勇人（過去作/DCU(脚本協力)） 第2,5話
　　　山本奈奈（過去作/ﾄﾞﾗｺﾞﾝ桜2021） 第3話
演出：福澤克雄（過去作/半沢直樹1,2､小さな巨人､下町ﾛｹｯﾄ､ﾄﾞﾗｺﾞﾝ桜2021） 第1~5話
　　　宮崎陽平（過去作/下町ﾛｹｯﾄ､半沢直樹2020､日本沈没2021､DCU） 第1~5話
　　　加藤亜季子（過去作/ﾉｰｻｲﾄﾞ･ｹﾞｰﾑ特別編） 第1~5話
音楽：千住明（過去作/LEADERSﾘｰﾀﾞｰｽﾞ､流星ﾜｺﾞﾝ､ｱﾙｼﾞｬｰﾉﾝに花束を､LEADERS II）
※敬称略

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やっと、やっと楽しみを感じられるかな？

前回で、ようやく乃木憂助（堺雅人）が主人公らしくなった今作。

従って、ごく普通に主人公・乃木が物語をリードして、野崎守（阿部寛）が解説して、ドラム（富栄ドラム）が視聴者を補強… という感じになったようだ。

まあ、もう第5話なのだか褒めるほどではないが、やっと、やっと楽しみを感じられるかな？ というレベル。

まだまだ、面白いとは言えないのは…

まだまだ、面白いとは言えないのは、ひらすら主人公の行動原理（動く目的）を隠して進めているから。

いくら、予算があろうが、福澤監督TBS退職祝いだろうが、全10話前後だろうから、折り返し地点のはず。

だとするなら、今回で少し見えてはきた乃木の動機やモチベーションをもう少し見せてもいいような。

これだけの素材を揃えて「ただの謎解きドラマでした」は？

あくまでも、好みの問題として。

これだけの、個性派、演技派、若手からベテランの、バラエティー溢れる俳優陣を集めて。

巨額の予算がついたなら。

骨太で、繊細で、緻密で、感動的な、記憶に残る、フツーのヒューマン・ドラマで良かったのに。

考察したいから、謎が気になるから、“先を知りたくなる連ドラ”ではなく。

展開が楽しく、流れが面白いから“次回が見たくなる連ドラ”が良かったのに。

まさか、これだけの素材を揃えて「前者でした…」は、あまりにもドラマ企画として稚拙だし、何よりもったいないと思う。

あとがき

あれだけ、放送前の番宣で出演者人が絶賛した企画と脚本ですから、「単なる謎解きドラマ」で終わるはずない…

と、願うばかり…

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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話

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拍手コメント返信(2023/8/12):「真夏のシンデレラ（第5話）感想」※みっきーは１人でこっそり視聴しておりません！

ご来訪の上、拍手とコメントをありがとうございます！

いつも ドラマや映画の感想へ、ご賛同のWeb拍手やコメントをいただきまして、ありがとうございます。

時には厳しいコメントも頂きますが、ブログ更新の励みになっております。

なお、"Web拍手のコメント"へ返信をする機能がないため、このような「お返事ページ」でお返事をいたします（謝）

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[拍手投稿]  かりめろ さん  （2023-08-08 10:18:57）
真夏のシンデレラ （第5話・2023/8/7） 感想

「ご都合主義」「騒動至上主義」の極みのような回でしたね…。ヒロインが全否定される→ヒーローがヒロインを慰め告白の流れのために他の家族の妊娠騒動を起こすという発想がすごいです（苦笑）

↓ここから管理人返信↓

一部のネットニュースでは、どこに根拠があるのかよく分からない下記の投稿をがありますけど。

おじさんが１人でこっそり視聴…？月９『真夏のシンデレラ』視聴率は爆死でもTver絶好調！のワケ

自慢できるほど「おじさん」ですけど、こっそり見ていませんし、これっぽっちも “懐かしさ” なんて感じていませんが（笑）

とはいえ、何の工夫もない、ただただ、ひたすらにヒロインを持ち上げるための、違和感だからの展開、ストーリーなので、むしろ家族みんなで見るのは恥ずかしいかも（苦笑）

それにしても、よくぞ、これをフジテレビの上層部は放送許可を出した)と思います。

出演者から「こんなはずじゃなかった」とクレームが入ったら、放送事故…（自粛）

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特集ドラマ「軍港の子～よこすかクリーニング1946～」 （2023/8/10） 感想

NHK総合・特集ドラマ「軍港の子～よこすかクリーニング1946～」
公式リンク：Website、X(旧Twitter)
「戦後の横須賀。親を亡くした戦争孤児たちはクリーニングの仕事を始める。軌道に乗り「家を借りて皆で暮らす」ささやかな夢を抱いたが、過酷な現実に襲われることになり…」の感想。

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戦後の神奈川県横須賀。誰も助けてくれない戦争孤児たちは靴磨きやたばこ拾い、時に犯罪に手を染めていた。しかし、あるきっかけで「クリーニング」の仕事に出会う。犯罪ではなく人に感謝されてお金を稼ぐ。その生活の中で、孤児たちは笑顔を取り戻し始める。自分たちの稼ぎで「家を借りて暮らす」というささやかな夢を抱くようになった子供たちだったが、さらに過酷な現実に襲われることになり…
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---

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原作：西田彩夏（映画｢ｸﾞﾗｽの氷が溶けるその前に(2012)｣で女優ﾃﾞﾋﾞｭｰ）
脚本：大森寿美男（過去作/55歳からのﾊﾛｰﾗｲﾌ､64(ﾛｸﾖﾝ)､なつぞら､ﾉｰﾗｲﾄ）
演出：田島彰洋（過去作/ｶﾞﾀの国から､青天を衝け）
音楽：渡邊崇（過去作/おかしの家､1942年のﾌﾟﾚｲﾎﾞｰﾙ､ふたりﾓﾉﾛｰｸﾞ）
語り：阿部紗英
制作統括：桑野智宏（過去演出作/ｳｪﾙかめ､梅ちゃん先生､あまちゃん､おかえりﾓﾈ）
※敬称略

エンターテインメント作品を使った "戦争" の記憶の継承

毎年、原爆の日と終戦記念日の近くになると、気になるのが「今年は、戦争関連のテレビドラマが放送されるか？」だ。

私は、先日の「原爆の日」に、千葉県佐倉市にある「国立歴史民俗博物館」に足を運び、第6展示室「現代」内の 「戦争と平和」 「戦後の生活革命」を見てきた。

夏休みのせいもあり、子供たちを連れた親御さんが訪れ、小中学生くらいの子供たちに「アメリカが敵だったのよ」「アメリカに原爆を落とされた」「長崎と広島で多くの日本人が死んだんだよ」という歴史の継承を聞いた。

厚生労働省によると、今年、被爆者健康手帳を持つ被爆者の平均年齢は 85歳を超えたという。

だから、当時を知る世代が減る中で、エンターテインメント作品を使った記憶の継承には、更に多くの意味と価値がでてくると思う。

原作者は、主人公のモデルである横須賀市内に実在したクリーニング店店主の孫

そんな中で見たのが、太平洋戦争が終わって間もない横須賀を舞台に、戦争孤児たちが貧困と混乱の時代を自力でたくましく生き抜く姿を描いた特集ドラマ『軍港の子～よこすかクリーニング1946～』だ。

原作にあたる書籍等はないが、原作者の西田彩夏さん(32)は神奈川県伊勢原市出身で。

西田氏は、主人公のモデルである横須賀市内に実在したクリーニング店店主の孫にあたる人物。

というわけで、著者が自分の祖父への思いを語っている感じになっているわけだ。

１時間15分の"ドラマ"に、主要な子供だけでも５人は多過ぎ

う～ん、ひとことで言えば “盛り込み過ぎ” になるだろう。

いくらなんでも、１時間15分の “ドラマ” に、主要な子供だけでも５人は多過ぎる。

単純に割り算したって、一人あたり15分しか使えない。

恐らく、未来を諦めずに前進しようと試み続ける子供たちの成長譚（当需要人物が成長する様子を描いた物語）を描くつもりだったのだろう。

だったら、まず、現代から過去へ戻る “時間軸のいじり” をやめたら良かったのでは？

そう、作者の思い出話という構成をぶち壊してしまうのだ。

それこそ、主人公がのちにクリーニング店店主になったかどうかも伏せちゃって。

「みんなが、それぞれの道を歩みましたとさ」として、エンドクレジットの横っちょに、「あの子供たちは今…」的なスライドショーをくっつけたら、もっと成長譚に尺が割けたと思う。

小林優仁くんなら余裕で１時間はもたせることはできるはず

もしくは、完全に主人公一人に絞り込んで、徹底的に戦前、戦中、戦後を時間軸に従って描く。

それこそ、主人公の今日一を演じた小林優仁くんなら、余裕で１時間はもたせることはできるはずだ。

だって、現在放送中の朝ドラ『らんまん』で主人公・槙野万太郎の幼少期を見事に演じ切った少年俳優なのだから。

優れたエンターテインメント作品は、"足し算"より"引き算"

それでも “子供たち” に拘るなら、今日一の成長過程を通じて、「子供たちにとって、戦争は終戦から始まった」を少し加えたらいい。

しかし、あくまでもメインで描くのは今日一のみ。

そして、今日一がたくましく生きようとするのを助ける大人たちも徹底的に絞り込んで、その大人たちの思いを、現代の大人たちが共感できるように描く。

そうしなければ、ただの戦後を生き抜いた少年の成長物語というありふれた “ドラマ” になってしまうと思う。

やはり、この75分を見て、「あんな環境の中で生き抜いたのはスゴイ」と思えと言うのには無理がある。

もっと、人間を掘り下げるべきで、それをやるには、繰り返すが盛り込み過ぎたと思う。

優れたエンターテインメント作品は、「足し算」よりも「引き算」に優れていることを忘れないで欲しかった。

戦争について考えるきっかけにはなった視聴者はいると思う

但し、これだけ酷評したが、戦争を描く “ドラマ”を放送した意味は大いにあると思う。

今作を見て、戦争について考えるきっかけにはなった視聴者はいると思うから。

ただ惜しいのは、できれば “きっかけ” だけでなく、“今の自分は何ができるのか？” に昇華するくらいまで、主人公の生き様を掘り下げて欲しかった…

あとがき

もっと主人公に絞り込むか、完全に子供たちの群像劇にするか、二択だったように思います。

まあ、完パケ（完成品）が 75分間なら、前者の一択だったと思います。

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連続テレビ小説「らんまん」 （第19週/土曜日版・2023/8/12） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『らんまん』
公式リンク：Website、NHK高知局応援ページ、東京もご当地！首都圏の「らんまん」情報、X(旧Twitter)、Instagram

第19週『ヤッコソウ』の「土曜日版」の感想。

 

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。

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長女の園子が亡くなり、悲しみに暮れる寿恵子だったが、万太郎や母のまつに支えられながら無事に第２子を出産する。そんなある日、ロシアからマキシモヴィッチ博士が亡くなったとの知らせが届く。ロシア行きを断念した万太郎は、今、自分のやるべきことをやると決心。まずは田邊から寄贈を命じられた標本制作のため、植物採集の旅に出ることにする。高知の山奥で虎鉄という少年と出会い、彼の案内で珍しい植物を発見する。その植物を新種だと認定した万太郎は「ヤッコソウ」という和名をつける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：なし
脚本：長田育恵（過去作/ﾏﾝｺﾞｰの樹の下で､群青領域､旅屋おかえり）
演出：渡邊良雄（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房､花燃ゆ､まんぷく） 第1～3,6,7,12,13,18,19週
　　　津田温子（過去作/龍馬伝､西郷どん､いだてん） 第4,5,8,16週
　　　深川貴志（過去作/とと姉ちゃん､半分､青い｡､ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第9,10,14週
　　　渡辺哲也（過去作/ﾏｯｻﾝ､ひよっこ､なつぞら､青天を衝け） 第11,17週
　　　石川慎一郎（過去作/ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ/第18週のみ） 第15週
音楽：阿部海太郎（過去作/恋せぬふたり）
撮影：西鍵真治（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ､ﾏｯｻﾝ､べっぴんさん､まんぷく）
照明：前田藍里（過去作/大阪発地域ﾄﾞﾗﾏ｢ｱｵｿﾞﾗｶｯﾄ｣）
主題歌：あいみょん「愛の花」
語り：宮崎あおい
植物監修：田中伸幸（現・国立科学博物館､高知県立牧野植物園[2000-2015]）
制作統括：松川博敬（過去作/篤姫､てっぱん､ｶｰﾈｰｼｮﾝ等の演出担当､ｴﾝﾃﾞｨﾝｸﾞｶｯﾄ）
※敬称略

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「こういうこと伝えたかったのね」という一種の驚き！

あしのブログに、ようきんしゃったなぁ。
（私のブログに、よくぞいらっしゃいました。）

「ようきんしゃったなぁ」のみんなぁも、ご常連のみんなぁも、あしが管理人の “みっきー” やか！
（「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人の “みっきー” です！）

「土曜日版」の感想も、蒸し暑いし、皆様は夏季連休中だと思うので、できるだけサクッと書いちゃおう。

結論からいえば、「こんなダイジェスト版にしたのか！」「こういうこと伝えたかったのね」という一種の驚きだ。

ハッキリ言って、「本編」は、園子の死、千歳の誕生、綾と竹雄、田邊家の騒動、万太郎と虎鉄、そして万太郎と寿恵子の復活が、ほぼ同等に描かれた印象だった。

もちろん、あとに放送されたほうが印象強く残るから、上記の順序とは逆に「強 → 弱」になってはいるが。

結局、何がメインなのか、良く分からなかったのだ。

実に、ナレーションが効果的に使われている

でも、「土曜日版」は、下記の３つをやっている。

●ナレーションによる補強が、時間経過を分かりやすくアピール

●俳優陣の演技が、時間に伴う心情変化を丁寧に補強

●「不幸 → 幸福」の流れが明確で、尻上がりに盛り上がりを創出

これらによって、箇条書きに近かった「本編」とは異なり、程よいテンポ感とメリハリが生まれて、“ドラマ” らしい仕上がりになっていた。

だから、落ち着いて見られるから」「こういうこと伝えたかったのね」に、なるのは当然のことだと思う。

これまでも何度も書いているが。

やはり、やれない条件があるとは思うが、できれば最後のテコ入れとして、NHKのアナウンサーさんでもいいから、「土曜日版」程度の追加ナレーションは入れたほうが良いと思う。

万太郎のために頑張る寿美子をもっと強調するべきだった

さて、もう、まとめちゃおう。

この「土曜日版」を見て感じたのは、もっと万太郎と寿恵子のシーンを残しても良かったと思うことだ。

私は、おふたりのファンでもなんでもないが、それでも、今週の「本編」にあった神木隆之介さんと浜辺美波さんの出演シーンの多さにしては、残した場面が少なすぎると思う。

いや、正しくは、寿恵子、波辺さんの印象を、万太郎、神木さんと同等に印象付けるべきだったと思う。

これ、“朝ドラ” の場合、多くは女性ヒロインが主人公が成長、開拓していくような物語が多い。

しかし、一部の “朝ドラ”、例えば 『ゲゲゲの女房』（NHK/2010年前期）、『マッサン』（NHK/2014年度後期）、『まんぷく』（NHK/2018年度後期）、そして『エール』（NHK/2020年度前期）ように、主人公かどうかは別にして（『ゲゲゲ』『まんぷく』は “妻” が主人公）メインで開拓していくのが男性（夫）で、女性（妻）が内助の功で支える… というスタイルがある。

もちろん、今作も後者だ。

このスタイルに共通するのは、メインになるキャラクター、男性（夫）の史実的な情報はたくさんあるが、女性（妻）の情報が少ないから、どうしてもキャラが弱くなりがちになる傾向だ。

今作も、もれなく引き継がれてしまっている。

そんな中でも、今週の、特に後半は寿美子が万太郎のために頑張っていた。

だからこそ、万太郎のために頑張る寿美子をもっと強調するべきだったと思う。

あとがき

今週は、金曜日でだいぶ株が上がったと思います。

この調子で、進んで欲しいです。

みっきーの植物図鑑（第97回）

今朝歩いて見つけた、公園のまだ成ったばかりの青いイガグリです。

農園のように管理されていない栗の木のイガグリは、ほぼ虫が食っているので食用には適しませんが。

<因みに、「青栗」は “夏” ではなく “秋” の季語です。

結びに

ほなな～！また来とうせ。
それでは、また来てね。

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【これまでの感想】

第1週『バイカオウレン』
1 2 3 4 5 土
第2週『キンセイラン』
6 7 8 9 10 土
第3週『ジョウロウホトトギス』
11 12 13 14 15 土
第4週『ササユリ』
16 17 18 19 20 土
第5週『キツネノカミソリ』
21 22 23 24 25 土
第6週『ドクダミ』
26 27 28 29 30 土
第7週『ボタン』
31 32 33 34 35 土
第8週『シロツメクサ』
36 37 38 39 40 土
第9週『ヒルムシロ』
41 42 43 44 45 土
第10週『ノアザミ』
46 47 48 49 50 土
第11週『ユウガオ』
51 52 53 54 55 土
第12週『マルバマンネングサ』
56 57 58 59 60 土
第13週『ヤマザクラ』
61 62 63 64 65 土
第14週『ホウライシダ』
66 67 68 69 70 土
第15週『ヤマトグサ』
71 72 73 74 75 土
第16週『コオロギラン』
76 77 78 79 80 土
第17週『ムジナモ』
81 82 83 84 85 土
第18週『ヒメスミレ』
86 87 88 89 90 土
第19週『ヤッコソウ』
91 92 93 94 95

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初恋、ざらり （第6話・2023/8/11） 感想

テレビ東京系・ドラマ24『初恋、ざらり』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第6話『「怒ってますか…？」伝わらない想い。』の感想。
なお、なお、原作の漫画・ざくざくろ「初恋、ざらり」は、全話を既読。

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岡村（風間俊介）は有紗（小野花梨）ともっと真摯（しんし）に向き合わねばと思うが、言いようのない罪悪感を覚える。一方、有紗は冬美（若村麻由美）から、岡村と支え合いなさいと助言される。そんな中、職場でひそかに所長（渡邊聡）の誕生日会の準備が進められることになるが、迎えた誕生日当日、用意されていたプレゼントが見つからないという事件が。その時、有紗はある行動を取る。 ---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：漫画・ざくざくろ「初恋、ざらり」
脚本：坪田文（過去作/ｺｳﾉﾄﾞﾘ1,2､おじさんはｶﾜｲｲものがお好き｡） 第1,2,6話
　　　矢島弘一（過去作/ﾊﾙｶの光､警視庁･捜査一課長3）
　　　池田千尋（過去作/ﾌﾟﾘﾝｾｽﾒｿﾞﾝ､大豆田とわ子と三人の元夫） 第3話
　　　紡麦しゃち（過去作/） 第4,5話
　　　藤沢桜（過去作/福岡恋愛白書17 おはようﾏﾄﾞﾝﾅ） 第5話
演出：池田千尋（過去作/ﾌﾟﾘﾝｾｽﾒｿﾞﾝ､大豆田とわ子と三人の元夫） 第1,2,3,6話
　　　七字幸久（過去作/私と夫と夫の彼氏）
　　　倉橋龍介（過去作/ﾘﾌﾞｽﾀ-Top of Artists!-､警部補ﾀﾞｲﾏｼﾞﾝ） 第4,5話
音楽：元倉宏、小山絵里奈
ｵｰﾌﾟﾆﾝｸﾞﾃｰﾏ：a子「あたしの全部を愛せない」
ｴﾝﾃﾞｨﾝｸﾞﾃｰﾏ：ヒグチアイ「恋の色」
ﾀｲﾄﾙﾛｺﾞ：黒木香（BayBridgeStudio）
ﾁｰﾌﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ：祖父江里奈（過去作品/しろめし修行僧､ｼｼﾞｭｳｶﾗ）
※敬称略

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約１分20秒間の長回しワンカットに注目

メインタイトルのクレジットを見なくても、今作の熱烈な視聴者ならお気づきになったのでは？

今回の演出が、第3話以来の池田千尋氏だったことに。

池田氏の演出であることが最初で一番分かりやすいのが、岡村（風間俊介）と兄・龍之介（浜中文一）が食堂で語らうシーンの長回しカットだ。

「まちがいさがし」のくだりの直後からの約１分20秒間の長回しワンカットがそれ。

このカットで、突然に登場した兄の状況説明と、岡村との関係、更には家族間のかかわり方などを、まるで隣の席に座って聞き耳を立てて聞いているような雰囲気の創出だ。

これに似た演出が、池田氏が脚本と演出を担当した第3話にもあったのを覚えているだろうか。

楽々運送のビル屋上で岡村が同僚・久美（西山繭子）に有紗（小野花梨）のことを相談する場面では、約50秒間の長回しがあった。

今回は、その、ほぼ倍の長さ。

やはり、どうしてもカット数が多くなると、映像が説明っぽくなってしまう。

そう、「ここを見てください」「ここを聞いてください」という感じで。

でも、普通の生活で我々が相手と話す時に、当然だがカット割りなんてしない。

見たいところを見て、聞きたいことを聞こうとする。

そのことを映像でやることで、視聴者が作品の世界に没入しやすくなる。

今回の長回しも、作品の序盤でやることで、グイっと視聴者を引き込む作戦として成功したと思う。

「支え合い」と「悪者になる」という価値観や言葉の解釈

今回も、ストーリーについては、どうやってまとめて良いやら…

ということで、思いつくままに書いてみる。

今回で描いてきたのは、価値観の相違であり、価値観の固定化でもあり、言葉がもつ曖昧さであり… という感じだろうか？

例えば、「支え合い」と「悪者になる」という価値観や言葉の解釈だ。

一般的に「支え合い」といえば、互いに相手の助力（手助け）となり、関係や状態などを維持していく（続ける）ことだ。

「悪者になる」は一概にいえないが、「他人のために自ら悪者を買って出る」とか「その人を悪者扱いする」とか。

今回の有紗は、「自分がやっちゃった」と思い言い出すことで事態の終息を望み…

事態の終息でホッとした “本当の悪者” の湯川祥子（尾上紫）を見て、これが自分にできた支え合いだと思ったわけだ。

要するに、物事を系統的に捉えずに（捉えられずに）、その時その時の状況と状態における自分の感情だけを口にしている… といっても良い。

一方の岡村は、物事を系統的に考えているうえに、物事を客観視しているから、なぜ全く悪くない有紗が結果的に悪者になったことで事件が解決とするのかに疑問しかないし。

更に、有紗自身が、自分の持つ違和感を覚えないことへの違和感に悩む。

一般的な「知恵」と、仏教用語の「智慧」の違いについて

ここで、仏教の教えに興味のあるずぶの素人のオッサンが、知ったかぶりで書いてみる。

「ちえ」という単語はご存知だと思う。

しかし、漢字で書くと、一般的な「知恵」と、仏教用語の「智慧」の大きく二つに分かれる。

「知恵」は、「俗世（世の中）をうまく生きるための知的な能力やアイデア」のことを指す。

「智慧」は、「物事をありのままに把握して、真理（真実）を悟り、人の苦しみを無くすための認識力」のことを指す。

要するに、目の前の騒動に対して、（自分を含めた）誰かを悪者に仕立ててうまく事を進めるように考えるのが “知恵” であり。

騒動に対して、誰も悪者にすることなくうまく事を進めるように考えるのが “智慧” ということ。

自然に"智慧"ある行動をとった有紗の奥深い心理描写

私が思うに、岡村は、有紗が事態を収束するための “知恵” という “道具” に利用されたことに、憤りと不安と悩みを抱えたと思う。

一方の有紗は、ただ、「私がやったのかも？」と言えば良いのかな？ 程度しか考えていない。

しかし、今回のエピソードが興味深いのは、知的能力に問題があるとされる有紗がとった何気ない行動が、実は “智慧” にすごく近いことだ。

繰り返すが、「智慧」は、「物事をありのままに把握して、真理（真実）を悟り、人の苦しみを無くすための認識力」のこと。

有紗は、プレゼントが紛失した状況を見て、単純に「私がやったかも？」と言いただけだが、その場は落ち着いた。

あとから、湯川が有紗に事実を伝え、「助かった…」と “飴玉” をくれたという状況だけで、有紗は “助け合い” をやったと満足になった。

たったそれだけのことだが、実は所長（渡邊聡）の誕生日会の準備をしてきた人たちの苦しみを無くす行動をしていたのだ。

有紗は真理を悟っているとは思えないが、物事をありのままに把握するという行動は誰よりもピュアにできる人だ。

だから、自然と “智慧” のある行動をできたのかも？

岡村だけでなく、私を含め “知恵” に固執する人間には分からない境地を描いた深いエピソードだともいえる。

あとがき

岡村が憤りを感じてイラつく姿を見て、「怒ってないですかね？」と泣きじゃくる有紗が切ないです。

有紗も岡村も、相手の苦しみを無くしたいと思っていれば、分かり合える日は来ると思います…

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