スカーレット （第133回・2020/3/9） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』（公式サイト）
第23週『揺るぎない強さ』の 『第133回』の感想。


※ 本作は、2020/2/29 にクランクアップ（撮影終了）しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。

---

昭和59年正月、喜美子（戸田恵梨香）の家に八郎（松下洸平）、武志（伊藤健太郎）を始め、百合子（福田麻由子）ら家族が集いにぎやかに過ごす。武志の病気は喜美子だけの秘密で本人には知らせてない。喜美子は明るく振る舞うものの時折、不安が押し寄せる。話題は武志が研究所を出た後の仕事に。陶芸家となる勉強を続けたいという武志。喜美子と八郎はそれぞれ助言する。武志はフカ先生から届いたハガキに描かれた絵に見入って…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

八郎が川原家に"入り浸っている"ことに違和感を覚えるが…

さて、今回を観る前に書いた投稿『「スカーレット」脚本・水橋文美江氏のラジオでの発言とインスタから思うこと』で、“今週で心配しているのは、今回の「喜美子と武志の闘病記」に八郎（松下洸平）がいつ、どう、絡んで来るのか？ それとも絡んで来ないのか？” と書いた。

すると、今回のアバンタイトルで早速、八郎が登場した。劇中では恐らく48歳の八郎が腰を曲げて腰痛の演技をしたり、正月設定で賑やかに羽根つきで顔に墨で書いたりするのも、観る人にとっては喜美子（戸田恵梨香）と武志（伊藤健太郎）に降り掛かっている暗い現実に対して “あざとい描写” に感じると思う。

ただ、私は “あざとい” と感じるよりも、時間経過が曖昧な上に、都合良く八郎が川原家に “入り浸っている” ことに違和感を覚えるが…

映像が無いから｢嵐の前の静けさ｣は､この程度しか描けない!

さて、主題歌明けは「嵐の前の静けさ」と言えば装飾として正しいだろうか。とにかく、本作は肝心な親子関係の構築の最初の部分、第72話回の「昭和35年（1960）」の結婚式直後から、第73回の「昭和40年（1965）」で武志が4歳までの5年間をすっ飛ばした。だから、武志の幼少期で回想シーンに使えるカットは限られている。

喜美子と八郎と武志の家族団らんの場面も数少ない。更に、武志の存在感が現れて来たのは、喜美子と八郎が離婚してからだから、「嵐の前の静けさ」を “家族” として描こうとすれば、この程度にしか描けないと思う。

俳優に負荷の掛かる｢作陶｣の演技を要求した演出に好感アリ

まあ、それでも、俳優さんには負荷の掛かる「作陶」の演技を要求して、これだけの放送尺を割いた、今週の演出担当の 泉並敬眞氏には好感が持てる。

因みに、泉並敬眞氏は、今作では今週と第16週しか担当しておらず、過去の演出作品も3作品しかネット上では検索できない。でも、メインディレクターの中島由貴氏のこれ見よがしのあざとく不自然な演出よりも、下手な脚本を丁寧に映像化し、視聴者に伝えようとしているように、今の私には映った…

自己ﾁｭｰの喜美子と､配慮の八郎のｷｬﾗは貫かれているが…

今週の演出家は褒めた。でも、脚本はどうだろう。序盤で八郎は病院に行ったことを八郎に伝えていないと言っていた。そして、どう見ても、前回の大崎医師（稲垣吾郎）と喜美子の診察室のシーンの翌日とは思えない。明らかに、数日間以上の時間経過をしている。

そして今回の終盤で、台所で食器の洗い物をしながら、背中越しに八郎の存在を無視しているように来週武志のアパートに行くと約束させる場面があった。確かに、喜美子は自分勝手だ。更に、喜美子は八郎の気持ちや気遣いが分からなかったり跳ね除けたりしていた。逆に、八郎は喜美子や武志の気持ちに配慮したり気遣いができる人。

だから、好き嫌いは別にして、八郎が、喜美子と武志が自分に対して何かを隠してやしないか、怪訝な顔をずっとしている。そう言う男だから、離婚しても入り浸るとも考えられる。一方の喜美子はそれに気付かないし、気付けない。まあ、そこまでは良いとしよう。違和感は拭えないが、2人のキャラクターは貫かれているから。

喜美子が八郎と武志の病の共有し共感しやすいﾋﾛｲﾝにすべき

でも、このまま、喜美子が照子（大島優子）はもってのほか、八郎より妹・百合子（福田麻由子）に武志の病のことを告げたら、喜美子への違和感は増大し、人でなし感が強まると思う。離婚した夫婦のことは分からない。しかし、このまま複雑な心境の顔芸みたいな表情の喜美子を見せられ続けても困る。

1日でも早く、喜美子が八郎と「2人の息子」である武志の病の情報共有をして、共感しやすいヒロインに立て直すのが、残り1か月を切った本作が最初にやるべきことだと思う…

あとがき

脚本家が「 第22週からは喜美子の人生の最終章『生きるということ』を描いていきます」と言ったそうです。喜美子の人生にとって、八郎は「ドナー適合予備軍の1人」ってだけの存在なんですかね。取り敢えず、「人の命」や「人の死」を丁寧に描こうと言うのは伝わっています。

ただ、喜美子がどんどん共感しづらいキャラクターになって行くのが、荒木荘時代の喜美子が好きだった私には、残念過ぎます…

 

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽（しがらき）』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ！大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください！』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77 78
第14週『新しい風が吹いて』
79 80 81 82 83 84
第15週『優しさが交差して』
85 86 87 88 89 90
第16週『熱くなる瞬間』
91 92 93 94 95(Vol.1) 95(Vol.2) 96
第17週『涙のち晴れ』
97 98 99 100 101 102
第18週『炎を信じて』
103 104 105 106 107 108
第19週『春は出会いの季節』
109 110 111 112 113 114
第20週『もういちど家族に』
115 116 117 118 119 120
第21週『スペシャル・サニーデイ』
121 122 123 124 125 126
第22週『いとおしい時間』
127 128 129 130 131

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「スカーレット」脚本・水橋文美江氏のラジオでの発言とインスタから思うこと

©NHK

まえがき

土曜日（3/7）の朝ドラ『スカーレット』の感想が、仕事の都合で「簡単感想」になったため、少しだけ補足（と思いましたが、長文になりました）。また、この投稿は、第133回（3/9）を未見の状態で書きました。

岡田惠和氏のラジオ番組に、水橋文美江氏が出演していた

実は、あるラジオ番組の放送当日も仕事で、聴き逃し再生もない番組ゆえに、番組自体は気になっていたものの内容が分からずにいたのが、この2020年3月1日にNHK-FMで放送された『岡田惠和 今宵、ロックバーで～ドラマな人々の音楽談議～「水橋文美江」』の回。

岡田惠和氏と言えば、朝ドラ『ひよっこ』を手掛けた脚本家。あの作品は、前半戦は良かったが、終盤の行方不明のヒロインの父の扱いに失敗して、秀作の予定が凡作になった（と思っている）。そして、『スカーレット』も前半戦は良かったが、離婚したヒロインの夫と長男の扱いに戸惑っているように見える点で、類似点がある。

と言う訳で、放送直後にも、ほぼ話題になっていなかったが、1週間経った昨日に幾つかのネットニュースで昨夜（3/8）に内容が明らかになった。詳しくは下記の記事を熟読して頂くとして…

「スカーレット」最終章へ　“ヤマ場”7年飛ばしたワケ　喜美子の陶芸家としての成功は描かず「潔く」― スポニチ Sponichi Annex 芸能
     https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/03/08/kiji/20200307s00041000331000c.html

女優の戸田恵梨香（31）がヒロイン・川原喜美子を演じるNHK連続テレビ小説「スカーレット」（月～土曜前8・00）は残り3週。白血病を発症した喜美子の長男・武志（伊藤健太郎）の闘病が描かれ、喜美子たち家族にとっても、視聴者にとっても試練の展開となる。派手さこそないものも、キャラクターの機微を生々しく描き出している脚本家・水橋文美江氏（56）は今月1日放送のNHK　FM「岡田惠和　今宵、ロックバーで～ドラマな人々の音楽談議～」（隔週日曜後6・00）にゲスト出演。“執筆秘話”を明かした。

あの｢すっ飛ばした7年間｣が当初から"意図的"だったとは!?

私が気になったのは、番組パーソナリティの岡田惠和氏が水橋氏に、「時間の経過の飛ばし方も、凄く気持ちよかった」と絶賛したことへの返答。

岡田氏が絶賛と称した「時間経過の飛ばし方」とは、知らない、忘れた方のために少し補足すると…

喜美子が家族や家財を失っても良いと言わんばかりの強引なやり方で、7回目でやっと穴窯に初成功した後、陶芸家としての成功は詳細に描かずに、「灰と土が反応してできる自然釉の作品は陶芸家・川原喜美子の代名詞となりました」のナレーションだけで、昭和53年（1978）に第105話（2/5）に、「7年間」の時間経過をしたことを意味する。

それに対して、水橋氏は、こう答えたそうだ。

7年バーンと飛ばしたんですが、あそこは意図的です。喜美子（戸田恵梨香）にとっての成功は、陶芸家として有名になることじゃなく、穴窯で自然釉の作品を作ること。ゴールは（穴窯に初成功して）作品ができた瞬間なんです。

その後（の陶芸家として有名になっていく姿）を描くと、ゴールが見えなくなっちゃうと思ったので、飛んだんです。

その台本を渡すと、（制作統括のチーフプロデューサー）内田（ゆき）さんもOKしてくれて。プロデューサーによっては『もうちょっと、ここをやりましょう』と言う人もいると思うんですが

｢すっ飛ばした7年間｣は､戸田ｻﾝへの負担と働き方改革だと…

これを、どう捉えるか？ 水橋氏の言いたいことは分からなくもない。しかしこれは、飽くまでも「全体の構成が分かっている人」だからこそ、そう、ゴールが分かっているから言える提案であり構成であり、全体がどうなるのか分からない私には、ただの「自己満足」でしかない。なぜ、そう思うかと言えば、ここが問題なのだ。

脚本家である水橋氏は全体の構成を知っている。しかし、私は知らない。だから、 私はガッツリでなくても、喜美子が出産し子育てしながら、自分が求める「穴窯で作った自然釉の作品」を作り上げる過程は観たかったし描くべきだったと、今でも思っている。だって、私にとって本作は『信楽初の女性陶芸家の朝ドラ』なのだから。放送前からのNHKの番宣も、そう高らかに謳っていた。

だから、肝心なところを描かずに何を描くのか？ と言う疑問と疑念しかなかった。ただ、「描かない」のでなく「描けない」と言う想像もした。作陶の演技は戸田恵梨香さんに大きな負担を掛けるし、「働き方改革」のスタッフにも負担が掛かる。だから、「意図的に描かない」のでなく、「条件的に描けなかった」と納得した。

しかし、このラジオ番組で、「意図的に描かなかった」ことが分かり、愕然としたのは言うまでもない。

喜美子の両親の｢病と死｣さえ､盛り上げられなかったのに…

さて、水橋氏が2/28の自身のインスタグラムで、こんなことを言っている。

（喜美子が）陶芸家の道を歩きだしたことを表現するためには、どなたかの作品をお借りしなければなりません。あちこちから適当にというわけにもいきません。喜美子の作品はすべて陶芸家の神山清子先生からお借りすることになりました。喜美子の作品イコール神山清子先生の作品です。

神山清子先生の最愛の息子さんは白血病と闘われたという経緯があります。お借りした作品ひとつひとつに、息子さんへの深い愛情とその時々の思い出、いとしい出来事が込められていることを知りました。

それら大切な作品をお借りして喜美子の作品と謳っているからには、その思いに全く触れずにいることは同じ物作りの端くれとして敬意に欠けることではなかろうか。

チーフ演出の中島さん、内田P（プロデューサー）と十分に熟考を重ね、できる限りの配慮を胸に、私は覚悟を決めました。第22週からは喜美子の人生の最終章『生きるということ』を描いていきます

今回の長男・武志（伊藤健太郎）の病気のエピソードは、基本的に「“死” と言う “先” が見えない深刻で真面目な話」だ。逆に、だいぶ前に描かれた喜美子の両親の病気は「“死” と言う “先” が見えた深刻で真面目な話」だ。

そして、本作に於ける喜美子の両親の「死」の扱い方は、年齢的に年相応であるし、家族の順番として言うなれば「自然な順番」だったから、例え「死」を扱うにしても、ホームドラマの一場面としては “盛り上がり” に使うのは間違っていないし、先週までの作風では、変顔やコントを必要以上に盛り込むのが本作の脚本家と演出家の作風であったから、許容した。

前回の感想でも書いたが、私は医療ドラマや刑事ドラマ以外のドラマで軽率に「人の死」を扱うのは反対でも、朝ドラ、特に今作は、まあしょうがない…とないと諦めて通り過ぎるのを待った。因みに、私は、喜美子の両親の死で、ホームドラマとして面白味が増し成功したとは、1ミリも思っていないが。

武志の病は､喜美子の｢人生のただの通過点｣ではないはず…

さて、今回の武志の件だ。前述のインスタのコメントにもあるように、水橋氏は “神山清子先生の最愛の息子さんは白血病と闘われたという経緯があります。（中略）その思いに全く触れずにいることは同じ物作りの端くれとして敬意に欠けることではなかろうか。” と言っている。と言うことは、やはり「川原喜美子」のモデルは「神山清子」さんであるのとは間違いない。

そして、知っている視聴者（少なくとも、私はその1人だ）は、神山さんと長男・賢一さんの “先” を知っている。そう、史実通りに進めば、喜美子と武志の “未来” を知っているのだ。だから、土曜日を観た時に、“ 本作が「人の死」「人の命」を真面目に描こうとしているのは伝わった” と書いたのだ。

だって、前回の（と言う表現が適切かどうか分からないが）両親の病気エピの時は “死” と言う “先” が見えていたが、喜美子の人生にとっては「ただの通過点」に過ぎない。人間生きていれば、私だって既に両親を亡くしている。しかしその両親の死が「人生の転機」だとは、今は思っていない。もちろん、「人の死」についての考え方や死生観は少し変わったが…

｢武志の病気｣を通して､｢喜美子の転機｣が描かれるのは確か

話を『スカーレット』に戻そう。今週から描かれる「喜美子と武志の闘病記」（こんな表現も薄っぺらで嫌だが）は、明らかにドラマ上、喜美子の「人生の転機」であるのは間違いない。結果が「武志の死」なのかは分からない。しかし、「武志の病気」を通して喜美子の「転機」が描かれるのは確か。

それも、「子どもが親より先に…」と言う、普通に描いても超がつく程に深刻で切実で痛切なエピソード。それを、これまでのような “おふざけ” を盛り込むのはもってのほかで、これまでのような “雑な台詞や演出” をやったら絶対にダメだと思う。

本作のｽﾀｯﾌに出来るのは､"ﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞ" しかないと思う…

もちろん、 今週から今までの作風とは真逆に、表面だけを立派に取り繕う “綺麗事” に取り繕えば、「何だ？ お涙頂戴路線に変更か？」と、更に “雑さ” や “粗さ” が目につくし、鼻にもつくし、不快感に繋がると思う。

そして、本作の制作統括、脚本家、演出家にそれが出来ると思えない。だから、私は、もう「病気」は扱い始めてしまったから、せめて「死」は扱って欲しくない。本作のスタッフに出来るのは “ハッピーエンド” しかないと思う。ただ、本作の結末は分からない。だから、「人の死」「人の命」を真面目に、そして丁寧に描け！ と思う。

あとがき

今週で心配しているのは、とにかく喜美子には関係者が少ないこと。近年の朝ドラ中で最も友人や知り合いが少ない部類では無いでしょうか？ そんな中で、本作はヒロインの離婚を選択しました。となると、今回の「喜美子と武志の闘病記」に八郎（松下洸平）がいつ、どう、絡んで来るのか？ それとも絡んで来ないのか？ がとても気になります。

だって、公式サイトの「あらすじ」にある「5分間動画」には、元夫婦だろうが八郎の姿は1カットも無く、八郎よりも、幼馴染で親友でも “赤の他人” の照子（大島優子）と号泣して抱き合っている喜美子しかないからです。

もし、その順番通りだったら、喜美子は “人でなし” になると思うのです。とにかく、今週はいろいろな意味でラスト1か月を安心して見られるか、不快になるか…の山場のような気がします。

 

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第8週『心ゆれる夏』
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49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
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第19週『春は出会いの季節』
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テセウスの船 （第8話・2020/3/8） 感想

TBSテレビ系・日曜劇場『テセウスの船』（公式）
第8話『事件を止めろ! 黒幕出現!?』の感想。
なお、原作の漫画、東元俊哉「テセウスの船」（講談社モーニング）は、未読。

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心（竹内涼真）と文吾（鈴木亮平）は小学校の放送室でみきお（柴崎楓雅）と向き合い、学校の外へ連れ出そうとするも、みきおが突然泣き出す。駆け付けたさつき（麻生祐未）らにとがめられた心と文吾は、みきおが何もしないよう見張ることしかできない。そんな中、お楽しみ会で児童に振る舞われる鍋にみきおが毒を入れた可能性が浮上。一方、別の場所で新たな事件が起きる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：東元俊哉「テセウスの船」（漫画）
脚本：高橋麻紀（過去作/結婚式の前日に、朝が来る、いつかこの雨がやむ日まで）
演出：石井康晴（過去作/花より男子ｼﾘｰｽﾞ､逃げ恥､花のち晴れ）) 第1,2,4話
　　　松木彩（過去作/下町ﾛｹｯﾄ2018#10､ｸﾞｯﾄﾞﾜｲﾌ#7､Heaven?'4,7） 第3,7,8話
　　　山室大輔（過去作/ごめんね青春!､天皇の料理番､ｸﾞﾗﾝﾒｿﾞﾝ東京）） 第5,6話
音楽：菅野祐悟（過去作/半分､青い｡､東京ﾀﾗﾚﾊﾞ娘､ｼｬｰﾛｯｸ ｱﾝﾄｰﾙﾄﾞｽﾄｰﾘｰｽﾞ）
製作：大映テレビ(最近作/下剋上受験､銀と金､屋根裏の恋人､わたし旦那をｼｪｱしてた)

今回は"みきお以外の犯人"が誰なのか?が本当の見所だった

今回は、かなり大胆に、且つ挑戦的な映像で視聴者を攻めて来たと思う。だって、世間では「共犯説」や「犯人複数説」が俄かに囁かれていて、この第8話でその “みきお以外の犯人” が誰なのか？ が本当の見所だった。

徹底的に"みきお以外の犯人"を見せない選択でﾄﾞﾗﾏを魅せた

しかし、巧みな計算による演出によって、“みきお以外の犯人” が存在することは明瞭になったが、それが誰なのかを微塵も感じさせなかった。これは、視聴者から「引っ張り過ぎ！」と受け取られるか、「謎が深まった」と受け取られるかの大きなドラマ上の勝負であり、賭けだ。

そして、本作は共犯者を「見せない」選択をし、謎解きドラマとして謎解きの楽しさを「魅せる」ことに成功したと思う。

あとがき

これを「引き伸ばし」だとか「繰り返しばかり」と言う人は、見ても面白くないだろうから離脱した方が良いと思います。逆に、「焦らし方に、やられてる！」と言う人は、来週まで待ち遠しくてたまらない作品に仕上がっていると思います。

ここまで、割り切った脚本と演出は、私は悪くないと思いますし、（ふと気が付くと肩に力が入っていますが）気軽に楽しめるホームドラマの要素もあって良いと思います。

 

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TBS系 日曜劇場「テセウスの船」オリジナル・サウンドトラック
テセウスの船 コミック 全10巻セット

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トップナイフ-天才脳外科医の条件- （第9話・2020/3/7） 感想

日本テレビ系・土10ドラマ『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』（公式）
第9話『妻・里美の治療の為に全てを捨てる覚悟の今出川から、 深山は脳外部長の後任を託されるが…。』、ラテ欄『最終章! ワンチームで難手術』の感想。
なお、原作の小説、林宏司「トップナイフ」（河出文庫）は、未読。

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頭蓋底腫瘍で転院してきた患者は今出川（三浦友和）の妻・里美（有森也実）だった。理事長の前園（村井國夫）に辞表を提出し、独断で黒岩（椎名桔平）と西郡（永山絢斗）を入れたのはこの手術のためと認めた今出川は、深山（天海祐希）を加えた3人にオペを頼む。一方、落下した鉄筋が頭部に刺さった中学生・徹（田中奏生）がドクターヘリで搬送され、母・良美（鈴木杏）が駆け付ける。
---上記のあらすじは[[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：林宏司「トップナイフ」（小説）
脚本：林宏司（過去作/救命病棟24時[2]､医龍ｼﾘｰｽﾞ､BOSSｼﾘｰｽﾞ､ｺｰﾄﾞﾌﾞﾙｰ[1,2]）
演出：大塚恭司（過去作/女王の教室、左目探偵EYE、高嶺の花） 第1,6話
　　　佐久間紀佳（過去作/Missﾃﾞﾋﾞﾙ、あなたの番です） 第2,3,7,9話
　　　茂山佳則（過去作/ﾌﾗﾝｹﾝｼｭﾀｲﾝの恋､ﾌﾞﾗｯｸﾘﾍﾞﾝｼﾞ） 第4,5,8話
音楽：横山克（過去作/リバース、わろてんか、ホリデイラブ、刑事ゼロ)
　　　鈴木真人（過去作/べしゃり暮らし、絶対正義、私のおじさん、刑事ゼロ)
主題歌：JUJU 「STAYIN' ALIVE」（ｿﾆｰ･ﾐｭｰｼﾞｯｸｱｿｼｴｲﾃｯﾄﾞﾚｺｰｽﾞ）

ここまで医師たちの私生活を盛り込み過ぎると緊張感が無い

折角、前回で、 患者の治療に苦悩するのを幸子（広瀬アリス）に限定して、患者を1人に絞り込んだことで、「1話に患者と担当医を1組」にして最終章に向けて “右上がり” を期待したのに、また…と言うか、遂に最終章に入ったのに、盛り込めるだけ盛り込んで来た。

どうやら、「親子愛」や「夫婦愛」を重ねて描いているつもりだろうが、医師たちの個人的な話の部分の放送尺が長過ぎて、医療ドラマらしい緊張感も緊迫感もない。せめて、バーでゆっくり酒を飲むシーンくらい無かったら、少しはマシに見えたのに。それに、幸子とバーの達也（古川雄大）って本作に必要だろうか…

あとがき

どうして、脳外科医の活躍部分より、医師らの私生活部分に尺を割くのか理解出来ません。きっと、大人の事情で、それぞれの出番を確保しなくてはいけないのでしょうが。

そして、驚いたのは、最終回の放送前にに、公式サイトで「Blu-ray & DVD BOX」が、2020年9月2日に発売決定がアナウンスされたこと。深夜ドラマなら最終回の前に告知することは多いですが、プライムタイムの連ドラでは珍しいと思います。

まあ、この内容で視聴率10％をキープしているのですから、お目当ての出演者が頑張っているのだと思います（今の『月9』を同じですね）。ですから、早々に映像作品発売を告知して、で高価な出演料を回収しようと言うことなんでしょうね、きっと。だったら、最初からもっとしっかり作り込んだら良かったのに。こんなに主役級の俳優陣を集めたのですから…

 

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スカーレット （第132回・2020/3/7） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『スカーレット』（公式サイト）
第22週『いとおしい時間』の 『第132回』の感想。


※ 本作は、2020/2/29 にクランクアップ（撮影終了）しています。
※ 従って、僅かな編集への期待と、直感的な賛美や愚痴を書いています。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。

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大崎医師（稲垣吾郎）から武志（伊藤健太郎）が白血病だと告げられる喜美子（戸田恵梨香）。激しい動揺を隠し日常生活を送るが、一人になると武志の病気のことが頭から離れない。武志本人にはまだ診断結果を伝えておらず喜美子は教えるかどうか悩む。武志の余命はあと数年。唯一治る可能性として骨髄移植を教えられるが、武志にあうドナーを見つけるのは容易ではない。家にやってきた照子（大島優子）に喜美子は感情を抑えられず…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

本作が｢人の命｣を真面目に描こうとしているのは伝わった!

これから結婚披露宴の仕事で外出するので、簡単感想で。

いつもドラマの感想に書いているように、医療ドラマや刑事ドラマ以外のドラマで軽率に「人の死」を扱うのは反対だ。その意味で、今回の15分間を見た限りでは、本作が「人の死」「人の命」を真面目に描こうとしているのは伝わった。

無駄な演出を排除して、俳優の演技に委ねるべき!

伝わったから敢えて言うのは、例えば、序盤で大崎医師（稲垣吾郎）から武志（伊藤健太郎）が白血病だと告げられる喜美子（戸田恵梨香）の時に、必要以上にカットを切り替えたり、喜美子と照子（大島優子）が言い合う場面を、わざわざ手持ちカメラで撮影したりする必要なんてないと思う。この3人の演技に任せて、じっくり心理描写をするだけで良いのだ。

あとがき

取り敢えず、この先を真面目に描こうと言う作り手の姿勢は見えたように思います。そして、稲垣吾郎さんが加わり、作品に深みも出て来たと思います。

ですから、これまでのような、おふざけシーンは多少はあっても良いですが、きちんと「息子の病に向き合う喜美子」を、「女中仕事に向き合った喜美子」を描いた時のように、丁寧に丁寧に人間関係を含めて書いて欲しいです。何となく、ドラマとしての展望の「先が明るくなった」ような気がした15分間でした。途中離脱せずに見続けている読者の皆さん、いよいよですね。

帰宅後に、「追記」するかも知れません…

 

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【これまでの感想】

第1週『はじめまして信楽（しがらき）』
1 2 3 4 5 6
第2週『意地と誇りの旅立ち』
7 8 9 10 11 12
第3週『ビバ！大阪新生活』
13 14 15 16 17 18
第4週『一人前になるまでは』
19 20 21 22 23 24
第5週『ときめきは甘く苦く』
25 26 27 28 29 30
第6週『自分で決めた道』
31 32 33 34 35 36
第7週『弟子にしてください！』
37 38 39 40 41 42
第8週『心ゆれる夏』
43 44 45 46 47 48
第9週『火まつりの誓い』
49 50 51 52 53 54
第10週『好きという気持ち』
55 56 57 58 59 60
第11週『夢は一緒に』
61 62 63 64 65 66
第12週『幸せへの大きな一歩』
67 68 69 70 71 72(Vol.1) 72(Vol.2)
第13週『愛いっぱいの器』
73 74 75 76(Vol.1) 76(Vol.2) 77 78
第14週『新しい風が吹いて』
79 80 81 82 83 84
第15週『優しさが交差して』
85 86 87 88 89 90
第16週『熱くなる瞬間』
91 92 93 94 95(Vol.1) 95(Vol.2) 96
第17週『涙のち晴れ』
97 98 99 100 101 102
第18週『炎を信じて』
103 104 105 106 107 108
第19週『春は出会いの季節』
109 110 111 112 113 114
第20週『もういちど家族に』
115 116 117 118 119 120
第21週『スペシャル・サニーデイ』
121 122 123 124 125 126
第22週『いとおしい時間』
127 128 129 130 131

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