連続テレビ小説「虎に翼」 （第79回・2024/7/18） 感想

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第79回／第16週『女やもめに花が咲く？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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父親の話が聞きたいと言う優未（竹澤咲子）に寅子（伊藤沙莉）は優三（仲野太賀）の話をすることができない。寅子は航一（岡田将生）の言葉から優三の死を受け止めきれていなかったことに気付く。一方、どうしても人と関わることを諦められない寅子は、帰り道に出会った高瀬（望月歩）に声をかける。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11,14,16週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8,13週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9,12週
　　　伊集院悠（過去作/ｵｰﾃﾞｨｵﾄﾞﾗﾏ･FMｼｱﾀｰ｢告白の対価｣静岡局制作） 第15週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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深読み予想が、じわじわと当たりつつ進んでいる…

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。

こういう表現が感想として適切か微妙だが。

今週の展開は、先々週からの「優未の反乱」と「寅子の新潟赴任」を巧みに絡めた展開になっており。

7月14日(日)に投稿した下記の記事の深読み予想が、じわじわと当たりつつ進んでいるから、気持ちがいい（笑）

朝ドラ「虎に翼」 新潟で優未が「スンッ」と「お利口さんのふり」をやめるのに必要なものは？ 

次郎弁護士への落胆がにじみ出る航一の表情が印象的！

やはり、木曜日のアバンタイトルで引用されたのは、この度の「優未の反乱」「寅子のよそ者扱い」「高瀬の爆発」を解決へ導く重要なセリフだということだ。

航一「思い出にできるほど
　お兄さんの死を
　受け入れられていなかったんでしょうね」

この航一（岡田将生）のセリフにつづく地元の弁護士・杉田次郎（田口浩正）とのやり取りが、私の心に染み入ってきた。

次郎「皆 戦争で 誰かしら大事な人を
　亡くしてるわけですからね。
　いい大人ですし
　そこは乗り越えていかねえと。
航一「なるほど」
次郎「えっ？」
航一「そう言われると分かっているから
　彼は 乗り越えたふりをするしか
　なかったんでしょうね」

「やはり、この人もそう人なのか…」と落胆がにじみ出る航一の表情が印象的であり。

その一瞬で冷めきった航一の変化に、瞬時に反応する寅子（伊藤沙莉）の裁判官としての鋭い観察眼が私の心を揺さぶる。

言葉を失ったまま、次郎の退室を見届けた寅子が遠くを見る目で、航一に背中を向けたまま話し出す。

下記の３つが、あらゆる要素につながっているような…

ここで、先の投稿に書いたことを、また引用してみる。

今作が、ここ週週間で描き続けている “朝ドラとしてはリアルな母親像” から私に見えるのは、次の３つなのだ。

●自分が優位な立場にあると、権力の強い側にいることに意外と無自覚になる。

●人間は、自分にない権力や権限には神経質になりがちだが、自分のものにした権力や権限に対しては配慮を欠けやすくなりがち。

●倫理観が強く聡明な正義(正義感)は、場合によっては、誠実に生きることが困難な弱者の声を封じてしまうことがある。

既に察した読者様もいらっしゃると思う。

地元の弁護士・杉田太郎（高橋克実）と次郎が、無意識、無自覚に高瀬（望月歩）に強要したといいたくなる行為が ＜上の３つ＞ にピタリと当てはまる！ と。

そして、＜上の３つ＞ は、寅子が優未（竹澤咲子）に対して、「良かれと思い」やっていた子育てにも通じている… と。

だから、寅子は我が身を振り返り、羞恥を覚え、航一の顔を見られずに、次のように本音をこぼす…

寅子「自分の話をされているようでした」

山場を迎えるエピローグとしてもよくできたアバンタイトル

いよいよ、「シン・寅子の誕生」「寅子の覚醒」「トラちゃんの開眼」の序章のはじまりだ。

これに似た展開があったのを覚えておられるだろうか？

第10週『女の知恵は鼻の先？』と第11週『女子と小人は養い難し？』あたりの展開と構成だ。

ホーナー（ブレイク・クロフォード）から子供たちにとチョコレートをもらった寅子（伊藤沙莉）が、公園で偶然に再会した花岡（岩田剛典）の子供たちにチョコの一部を渡すが。

花岡が違法である闇市の食べものを一切拒否して栄養失調で亡くなったと聞き。

多岐川（滝藤賢一）が「自分は子供たちに差し出すものがなかった」として、花岡の妻の絵を飾り。

汐見（平埜生成）とのやり取りで、寅子が ＜差し出せるものがある大人を “大人” と認めてくれるんだ＞ と悟る展開だった。

その後、寅子は最高裁長官の星朋彦（平田満）から新たな辞令を受けて、「シン・寅子の誕生」「寅子の覚醒」「トラちゃんの開眼」したのだ。

そのときと、とても雰囲気が似ていると思う。

花岡の急逝と、間接的に戦争で夫を亡くした花岡の妻・奈津子（古畑奈和）を自身で改めて咀嚼することで、自分が次のステージである家庭裁判所で何をやるべきかを察したのが寅子。

一つのエピソードの山場を迎えるエピローグとしても、よくできたアバンタイトルだ。

"溝を埋めようともがく女""溝を作りにいく厄介で面倒な男"

メインタイトル映像明けは、重苦しい雰囲気に厄介で面倒な航一を強調して、ちょっぴりユーモア要素を入れ。

航一「あ…。
　すみません　褒めたつもりでした」
寅子「えっ あっ そうなんですね」

その流れで、帰路の途中でずる休みをした高瀬に遭遇。

寅子「高瀬さん…。
　ごめんなさい。
　私 この先も きっと波風を立ててしまう。
　あなたが嫌でも 高瀬さんのために
　上司として 人として
　できることをしたいと思ってしまう」

この「できることをしたい」で止めずに、「したいと思ってしまう」に、溝を埋めようと必死にもがくが諦めの悪い女としての寅子が表現されており。

「溝を埋めようともがく女」をしっかりと描いたことで、前段の「自ら溝を作りにいく厄介で面倒な男」も同時に際立つという展開だ。

「溝」のキーワードできれいに括った点は少々ドラマの脚本すぎるが。

きっと、今後も続くであろう寅子と航一の初期の人間関係を言い表す描写としては、むしろドラマらしくて良いと思う。

一つの語りを２カットに分けた編集に注目！

さて、軽めに高瀬のフォローをやったら、次は「優未の反乱」への対応だ。

しかし、優未の心は、高瀬のように通りすがりの会話で解決できるようなことではない… と描いた上で。

語り「全て一気に解決することはできない。
　でも 一つ一つやっていくしかない」

ここでの演出が秀逸なのは、上記の語りを前後に分割して、前半を佐田家、後半を三条支部とまたがせた編集だ。

このカット割りによって、語りの「全て」が「優未の反乱」「寅子のよそ者扱い」「高瀬の爆発」を含んでいることが映像で伝わるのだ。

太郎と次郎に「限りなく灰色」のイメージ創出

演出によるカットの構成が秀逸なのは、朝に寅子が高瀬に調べ物を依頼する場面から始まる。

まず、さり気なく寅子の背後に、ピンボケさせた庶務課・小野知子（堺小春）をちょこっと見切れさせ。

廊下では、きょろきょろと協働不審な様子の知子をチラ見せ。

その後、太郎と次郎の真正面からのツーショットは、日が当たる太郎は明るめのグレーのスーツで、日陰の次郎は暗めのグレーのスーツで。

リーガルドラマらしい演出では「白と黒＝正義と悪」の代名詞だが、ここでは「どこまでもグレー＝限りなく灰色」のイメージ創出だ。

そして、限りなく灰色をセリフで具体化させたのが、次の高瀬だ。

高瀬「あの人たちが やりそうなことだ」

太郎「つまり まるく収まって
　いかったってことらて。
　（中略）この土地流のやり方でね」

これ、太郎次郎は、最初から、高瀬が図書館で見つけた古文書も、森口（俵木藤汰）家の蔵にあった地境協定文書の存在も知っていて、森口側に付いていたけど、形勢が悪くなったから慌てて事前協議をやって、解決せたということだとすると。

かなり、「持ちつ持たれつ」も「この土地流のやり方」も問題山積だ。

庶務課・小野の太郎次郎に関与している可能性すらあるし。

そんな中で、寅子がよそ者としてどんな手腕を発揮して、「シン・寅子の誕生」「寅子の覚醒」「トラちゃんの開眼」が見られるのか楽しみでしょうがない。

あとがき

あとは、仕事上では「中立な寅子」と「曲がったことが大嫌いな寅子」をやりつつ。

娘との対峙では「溝を埋めようともがく母」が何をするのか？

明日の金曜日が待てません…

みっきーの植物図鑑（第237回）

超久し振りの「植物図鑑」です。

ここ最近、梅雨の雨続きで、朝ウォーキングができなかったので。

今朝、数日ぶりに歩いたら、『みっきーの植物図鑑（第233回）』で咲いていた「栗の花」のあとに、イガグリがなっていましたよ。

猛暑、酷暑のあとに、秋が待っているということだと思います…

涼しさを感じられる記事を投稿したので、よかったら読んでみてくださいね！

夏季限定！崎陽軒の冷やしておいしい「いかシウマイ」は“お刺身感覚”のワサビ醤油で未知の領域へ♪【自腹食レポ】 

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

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【これまでの感想】

第1週『女賢しくて牛売り損なう？』
1 2 3 4 5 土 
第2週『女三人寄ればかしましい？』
6 7 8 9 10 土 
第3週『女は三界に家なし？』
11 12 13 14 15 土 

朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由 

第4週『屈み女に反り男？』
16 17 18 19 20 土 
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第6週『女の一念、岩をも通す?』
26 27 28 29 30 土 
第7週『女の心は猫の目？』
31 32 33 34 35 土 
第8週『女冥利に尽きる？』
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第9週『男は度胸、女は愛嬌？』
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納得！「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…？ 

第10週『女の知恵は鼻の先？』
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午後LIVEニュースーン 午後4時台・「虎に翼」取材担当者がドラマの裏側を語る“第12週の寅子と家裁がやったこと”

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拍手コメント返信（2024/7/4）：虎に翼(第69回) ※私は寅子が“ブチ切れ”た理由をこう解釈しました(長文です)

第15週『女房は山の神百石の位？』
71 72 73 74 75 土 

拍手コメント返信（2024/7/10）その2：虎に翼(第73回) ※「直明と花江の寅子への忠告は１年後では遅かったのか？」を考えてみた

朝ドラ「虎に翼」 新潟で優未が「スンッ」と「お利口さんのふり」をやめるのに必要なものは？

第16週『女やもめに花が咲く？』
76 77 78 

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