連続テレビ小説「虎に翼」 （第81回・2024/7/22） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
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第81回／第17週『女の情に蛇が住む？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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航一（岡田将生）の行きつけである喫茶ライトハウスを経営していたのは涼子（桜井ユキ）と玉（羽瀬川なぎ）だった。再会を喜ぶ寅子（伊藤沙莉）だったが、玉はある事情を抱えていた。二人はこの場所で、昼は喫茶店、夜は高校生に勉強を教える塾を開いているという。涼子たちの塾には山の境界線をめぐる民事調停で関わった森口（俵木藤汰）の娘・美佐江（片岡凜）の姿もあった。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11,14,16週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8,13週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9,12週
　　　伊集院悠（過去作/ｵｰﾃﾞｨｵﾄﾞﾗﾏ･FMｼｱﾀｰ｢告白の対価｣静岡局制作） 第15週
　　　相澤一樹（過去作/BSﾌﾟﾚﾐｱﾑ:善人長屋 第5話のみ,単発:月食の夜は） 第17週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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余計な情報は要らない派への… 細かい配慮、気遣いか？

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。

金曜日の映像は、航一（岡田将生）と寅子（伊藤沙莉）が喫茶ライトハウスの前に立ち。

航一が「こちらです」といって、単独で入店するとオフの女性の声で「はい お待たせいたしました。失礼します」があって。

「Tea Room Lighthouse」の看板の直後に、ガラス戸越しに寅子と涼子（桜井ユキ）の目が合って。

寅子の「涼子様？」という編集だった。

しかし今回は、涼子のセリフの一部削除と、寅子のセリフの追加があった。

大きく異なるのは、寅子が「Tea Room Lighthouse」の看板を見た際に、前回はなかった「ライトハウス」と「燈台？」の二つのつぶやきが加えられていた点だ。

字幕表記が「灯台」ではなく、旧漢字である「燈台」であることから、マスター・増田（平山祐介）が経営していたカフェー「燈台」とつながっている… との意図だろう。

もちろん、次週の予告編を意図的に見ない視聴者もいるわけで。

そんな視聴者たちへの配慮があって、敢えて「ライトハウス」と「燈台？」を強調しなかったのが真意だろう。

私は、リアタイ視聴組や、余計な情報は要らない派への細かい配慮、気遣いとして良いと思うし、見習うところがあると感じた。

茶色は白と組み合わせると、上品で優しい印象

さて、感想に入ろう。

語り「昭和27年。
　寅子と涼子 17年ぶりの再会です」

白（ホワイト）と茶色（ブラウン）で統一されたインテリア。

カラーコーディネート目線では、茶色やブラウンは、土や木などから連想する色で、自然（ナチュラル）、温もり、落ち着きの印象を備えた色。

茶色は白と組み合わせると、上品で優しい印象になる。

この度の寅子の衣装も、スーツがブラウン系でブラウスが白になっている。

一方の涼子は、上が白で、パンツが黒で、航一のカラーコーディネートに寄せてあるが、色の割合は逆転している。

そして、かつて涼子のお付きだった玉（羽瀬川なぎ）が、黒と茶色の車椅子に座って現れた。

車椅子がギシギシときしむ音を発していたが、海の近くは塩害によって金属部の痛みが進むから、そんなことを表現しているのかも？

尾野真千子ｻﾝの…憲法の条文をセリフに変える巧みな演技力

玉「驚かせて申し訳ありません。空襲の時のケガで」

涼子と玉が、右手を左手で隠すように体の前に置いていることに、育ちの良さ、礼儀正しさが見える。

ご存じだと思うが、ホテル従業員の基本の待機姿勢も、両手は右手を下、左手を上にして、前で重なる… だ。

これは、右手は相手を傷つける武器を持つ手の象徴し、その右手を隠し抑えることで「私は、あななに敵意はありません」を無言で伝える姿勢なのだ。

開始３分間、あまりにも懐かしい“トラつば・アベンジャーズ” の再結集に、オッサンの私までウルウルしてしまったが。

ちゃんと「目を覚ましなさい」といわんばかりに、先日の『あさイチ　プレミアムトーク　尾野真千子』で、伊藤沙莉さんや脚本の吉田恵里香氏が絶賛していた、「憲法の条文をセリフに変える巧みな演技力」の披露だ。

語り「日本国憲法 第14条 2項に こうあります。
　『華族 その他の貴族の制度は
　これを認めない』。
　涼子の身に何が起こり
　この地にたどりついたのでしょうか」

憲法の条文そのままなのに、自然に…

桜川男爵家存続のために婿を取らざるを得なくなり、法律家になるための高等試験受験を断念して、有馬男爵家の子息と結婚するまでしたのに、桜川男爵家が崩壊した涼子と玉の壮絶な人生が見えるようだ。

どうやら、経験の浅い演出担当になっても、今作らしい脚本も演出も継承されるようだ。

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

あの伝説の "前髪クネ男（勝地涼）"のオマージュか（笑）

メインタイトル映像明けは、「お仕事モードのトラちゃん」のくだりだ。

ここで、新たな登場人物のお出ましだ。

入倉「最初は ガキ絡みの事件はいいかもしれませんね」

新潟地方裁判所の刑事部で判事補・入倉始（岡部ひろき）だ。

航一の部下という設定だが。

それよりも、寅子の父・直言を演じた名脇役・岡部たかし（52）さんのご子息だ。

岡部ひろきさんは、朝ドラ『らんまん』で、笠崎みえ（宮澤エマ）が経営する料亭「巳佐登（みさと）」で働く平左役に続いて、２年連続２度目の出演で。

この入倉役は、オーディションで手に入れたそうだ。

キョロッと可愛い目と、唇の使い方が父親譲り…

‘ハーシー’こと小橋浩之（名村辰）に続いて、前髪を気にする男性キャラは、もちろん、あの伝説の “前髪クネ男（勝地涼）”のオマージュか（笑）

稲さんが生きていたのが、まずうれしい

中盤では、涼子と玉が、昼は喫茶店、閉店後は東京の大学や国立大を目指す高校生に勉強を教える塾を開いていることが分かった。

また、涼子たちの塾に、先週、山の境界線をめぐる民事調停で関わった森口（俵木藤汰）の娘・美佐江（片岡凜）がいて、法学部志望であることも判明。

さらに、10分過ぎには、「新潟が舞台だから」と若干の期待はしていたが。

花江（森田望智）の実家である米谷家で働く女中・稲（田中真弓）が、佐田家に出没、いいや出動！だ。

先日（7月20日）放送されたドラマ『GO HOME～警視庁身元不明人相談室～』（日テレ／2024）第2話に、‘ルフィー’田中真弓さんと‘ドラえもん’水田わさびさんがゲスト出演したばかり。

稲さんが生きていたのが、まずうれしい。

そして、衝撃的、且つ、斬新で、惚れ惚れしちゃうのが、次の稲のセリフだ。

稲「花江お嬢様から
　寅子さんをお手伝いしてあげてほしいと」

そして、もう「佐田家で手紙」の場合は “イマジナリー○○” がお約束なのか（笑）

今回は、イマジナリー花江が降臨！！

脚本における小道具の使い方が本当にうまい

先日の、優未（竹澤咲子）を励ますための手紙もそうだったが。

手紙をよこす相手と、手紙をよこさない相手の描き分けがあるから懐かしさや驚きも感じるし、気遣いや思いやりも感じ取れる。

脚本における小道具の使い方が本当にうまいと思う。

ただ、先日の「イマジナリー猪爪家ご一行」が登場したときは、照明も変えていたし、手持ちカメラになっていたが、今回は照明の違いだけ。

そこは、とても短い尺ではあるが踏襲しても良かったかもしれない。

それにしても。

もう、今作で、「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」と「主人公が生きているから成立する世界」がつながっているのがスゴイなんて言う必要なないと思っていたが。

玉の英語、先週の調停も、しっかりと活用されているのは、やはりスゴイと思う。

今作５人目の演出は、相澤一樹氏

最後に。

先週までの感想欄の「スタッフリスト」を見ていただければ分かるとおり。

今週の演出担当である相澤一樹氏は、当初のリストには名前の記載がなかったスタッフだ。

私の勉強不足で知らなかったので、過去の担当作品を調べてみた。

●NHK BSプレミアム『善人長屋』（2022）の全8話中の第5話の演出のみ担当

●NHK BSプレミアム『大富豪同心３』（2023）のプロデューサー

●NHK 第46回創作テレビドラマ大賞『月食の夜は』の演出

まあ、朝ドラの半分過ぎで、若手演出家の体験学習は珍しくないことだが。

詳しくは、下記の感想内の “加藤亜季子氏の『日曜劇場』単独初演出作品” をご参照のこと…

ブラックペアン シーズン2 （第3話・2024/7/21） 感想 

因みに…

●『ブギウギ』（NHK／2023年後期）の演出は６名体制

●『らんまん』（NHK／2023年前期）は７名体制

●『舞いあがれ！』（NHK／2022年度後期）はなんと８名体制

５人目なんて、まだまだ驚く範疇ではないのだ（苦笑）

あとがき

最後の語りが、私の心情を全部語ってくれました。

語り「お利口さんのふりをされるよりはマシ。
　だけど…」

「土曜日版」ではカットされていたことを言及しましたが。

これ、「溝を埋めようともがく女」と「自ら溝を作りにいく厄介で面倒な男」のくだりと似てますね。

寅子は優未との間の「溝を埋めようともがく母親」で、優未は友達をつくらない「自ら溝を作りにいく厄介で面倒な娘」という関係です。

いよいよ、航一と優未も絡むのかな？

今週も楽しみです。

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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