連続テレビ小説「虎に翼」 （第82回・2024/7/23） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『虎に翼』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第82回／第17週『女の情に蛇が住む？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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寅子（伊藤沙莉）は「学校に友達はいない」という優未（竹澤咲子）の発言が気にかかる。出勤すると、杉田（高橋克実）が深田（遠山俊也）をマージャンにしつこく誘っていた。自分が参加すると言いだす寅子だが、歓迎されない。そんな中、寅子は新潟地裁である暴行事件を担当することに。被害を受けた１９歳の少年・元木（山時聡真）は、市内で頻発するひったくり事件に関わっているようだった。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：吉田恵里香（過去作/恋せぬふたり,生理のおじさんとその娘）
演出：梛川善郎（過去作/べっぴんさん,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第1,2,4,7,10,11,14,16週
　　　橋本万葉（過去作/とと姉ちゃん,生理のおじさんとその娘） 第3,8,13週
　　　安藤大佑（過去作/とと姉ちゃん,となりのﾏｻﾗ,やさしい猫） 第5,6,9,12週
　　　伊集院悠（過去作/ｵｰﾃﾞｨｵﾄﾞﾗﾏ･FMｼｱﾀｰ｢告白の対価｣静岡局制作） 第15週
　　　相澤一樹（過去作/BSﾌﾟﾚﾐｱﾑ:善人長屋 第5話のみ,単発:月食の夜は） 第17週
音楽：森優太（過去作/海の見える理髪店,あなたのﾌﾞﾂが､ここに,忘恋剤）
主題歌：米津玄師「さよーならまたいつか！」
法律考証：村上一博（明治大学 法学部 専任教授）
裁判所考証：荒井史男（元名古屋高裁長官　定年退官）
風俗考証：天野隆子（過去作/ごちそうさん,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
旧字考証：三浦直人（明治大学大学院 文学研究科 史学専攻 日本史学専修）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
医事考証：冨田泰彦（過去作/育休刑事,らんまん.どうする家康）
ジェンダー・セクシュアリティ考証：前川直哉（福島大学 教育推進機構 高等教育企画室 准教授）
タイトルバック制作：シシヤマザキ（公式サイト ）
取材：清永聡（NHK解説委員:司法･事件･公文書管理･災害）
語り(本編)：尾野真千子（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,長谷川町子物語,足尾から来た女）
語り(土曜日版)：山下誠一郎（過去作/Eﾃﾚ｢小雪と発酵おばあちゃん｣）
副音声解説：山崎健太郎（過去作舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
制作統括：尾崎裕和（過去作/恋せぬふたり,鎌倉殿の13人）
※敬称略

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「お手伝いさんが主人公と娘を助けるのが、『ブギウギ』に似ていると思います」

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
当ブログに来てくださり、ありがとうございます。

室内でも熱中症の危険があるとのこと。
こまめに水分補給してくださいね。

前回の感想で、いろいろな意味で、意味不明なコメントをいただいた。

「お手伝いさんが主人公と娘を助けるのが、『ブギウギ』に似ていると思います」

ネットニュースを見たら、似たような記事を幾つか見かけたりもしたのだが。

私は、似ているかどうかよりも、「そういう時代だった…」と思って見ていたので、敢えて意味不明と書いたのだ。

だいぶ前にも書いたが。

今作の寅子のモデル「三淵嘉子さん」と、前作『ブギウギ』のスズ子のモデル「笠置シヅ子さん」は、大正3年（1914）生まれの同い年。
実際に、三淵さんと笠置さんは面識がなかったそうだが。

この時代に生まれた女性たちの多くが、夫や大切な男性を戦争や戦争関連死で先立たれ、女手一つで我が子を育て上げたのは事実だ。

更に、三淵さんも笠置さんも、それなりの富裕層（極貧生活者ではない）なら、いろいろな助けを優先的に得られた可能性は高いと思う。

要するに、『虎に翼』と『ブギウギ』がどうこうの前に、同じ時代を生き抜いた女性を描くドラマとして、似たような描写が出てくるのは、その時代を描くこととして当然だと。

むしろ、それらを含めて、作品間を超えて… 「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」と「主人公が生きているから成立する世界」がつながっていると評価したいくらいなのだ。

徹底的に"溝を埋めようともがく女"を強調するエピソード群

前回の感想に書いたが。

今週の、いや先週にまたがるであろう寅子（伊藤沙莉）が「学校に友達はいない」と衝撃発言をした優未（竹澤咲子）が気になるくだりの突破口は、航一（岡田将生）で…

「溝を埋めようともがく女」と「自ら溝を作りにいく厄介で面倒な男」が…

「娘との溝を埋めようともがく母親」と「母や友達と自ら溝を作りにいく厄介で面倒な娘」にリンクすると想像している。

だから、航一の出番を増やすと、それが分かってしまうし、あっという間に進展してしまう可能性がある。

そこで、できるだけ航一を小出しにしつつ… が、今週の構成の最大ポイントだと勝手に決めている（笑）

だから、今回も、まずは「溝を埋めようともがく女」を徹底的に強調するエピソード群になっていたのだと思う。

アバンタイトルの構成がうますぎる！

「溝を埋めようともがく女」エピソードの第一弾が「寅子、マージャンに挑戦？」だ。

寅子「それに マージャンを通じて
　本当に仲がよくなれるかもしれないもの」

もう、寅子自身がセリフにして言っているのだから、“溝を埋めようともがく” で間違いない。

一方、直結された「下校時の優未」のシーンでは、敢えて「母や友達と自ら溝を作りにいく厄介で面倒な娘」と真逆のアプローチ。

これによって、そう、「なぜ？」「なんで！」となって、メインタイトル映像明けへの期待が爆上がりになるという算段だと思う。

「法廷劇」風の演出による"事件全容の説明"はいつも楽しい

メインタイトル映像明けは、雰囲気がガラリと変わって、本庁で寅子が初めて受け持つ刑事裁判のくだりだ。

前回で、新潟地方裁判所の刑事部で判事補・入倉始（岡部ひろき）が次のように言った裁判だ。

入倉「最初は ガキ絡みの事件はいいかもしれませんね」

久し振りの「法廷劇」風の演出による「事件全容の説明」だ。

リーガルドラマとしては、ここ数週間は（たぶん）見なかった演出だから、今作らしさの一つとして悪くない。

そして、「今日の感想も３時間超コースか…」と確信したのが（苦笑）、次の寅子。

寅子「家裁は 当事者たちの幸せを考えて事件を見ますが
　刑事事件は 目の前にいる人間が
　罪を犯したのか 犯していないのかを
　公平な立場で見極める。
　でも どうしても私は
　彼らの人生に思いをはせてしまう。
　いや 法律で決まっているといえば
　それまでなのですが」

これ、リーガルドラマというか、ここまで日本国憲法にこだわる今作だから重要なセリフだと思う。

ある世論の争いが、今回の寅子の悩みと似ていると思う

ほんの少しだけ脱線する。
ここ数日世間で話題になっているのが、下記のニュースだろう。

パリオリンピック日本代表 体操女子 宮田笙子選手19歳 喫煙 飲酒で五輪辞退 日本のエース | NHK | #パリオリンピック 

世間の議論が意外にも分かれているのは、今回の寅子の悩みと似ている思う。

「罪を犯したのか 犯していないのかを公平な立場で見極める」という立場と。

「彼らの人生に思いをはせてしまう」の立場だ。

偶然にも、当事者が「19歳」であることも、今回の“ガキ” こと少年・元木敏雄（山時聡真）の年齢と合致する。

ここで、宮田選手の一件について議論を深めることはやらない。

しかし、この一件を頭に浮かべると、寅子の思いだけでなく、この話を盗み聞きしていた涼子（桜井ユキ）の思いにも近づけると思う。

涼子「多くの子供たちや ご家庭を見てきた
　トラコちゃんだから
　見極められる真実がある」

涼子「きっと やろうと思えば結婚後も挑戦できた。
　しなかったのは 私よ」

１曲の劇伴を、またがる３つのシーンで使いことで…

続いては、日曜日に優未と稲（田中真弓）が留守番をするくだり。

敢えて「続いては」と書いたのは、劇伴が「水曜日の喫茶ライトハウス」から「日曜日の佐田家」が一曲でつながった演出になっていたからだ。

何となくではあるが、この音編集によって、「母や友達と自ら溝を作りにいく厄介で面倒な娘」に加えて ≪涼子と玉（羽瀬川なぎ）の溝≫も重ねているような感じだ。

そして、劇伴は同一のまま「日曜日の喫茶ライトハウス」へ。

かなりシリアスになりそうな、店内のバックスペースにいる涼子と玉に直結されたのは、航一の『マージャンの本」きっかけで劇伴が止まった “マージャン談議” だ。

しかし、ここで興味深いのは、「自ら溝を作りにいく厄介で面倒な男」の航一が、自ら溝を埋めにきたことだ。

どうやら、今週は今作初担当の若手演出家の担当だが、吉田恵里香氏の脚本は通常運転で盛り込んでくるようだ。

手作りのおまんじゅう…

次の展開は、今作の間、中で「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」と「主人公が生きているから成立する世界」がつながっているくだりだ。

涼子「あの日の　おまんじゅうのおかげです。ありがとう」

第3週『女は三界に家なし？』で描かれた、学生時代の実際の判例「毒まんじゅう事件」を元にした法廷劇につながるエピソードだ。

涼子に「お付き」を"抱え続けさせる"ことへの負担の軽減…

そして、エンディングに向けて、“トラつば・アベンジャーズ” の危機のくだり… か。

実は、下記の妄想ポスターを作る際に、最後まで迷ったのが「玉を含めるか否か？」だった。

妄想映画｢ﾄﾗつば･ｱﾍﾞﾝｼﾞｬｰｽﾞ／ｳｨﾒﾝｽﾞ･ﾌｧｲﾄ｣

でも、「６人」とのセリフがあったから加えたわけだ。

しかし、このエピソードが単純に重苦しいというだけでなく、かなり深刻で、ある意味で人間の尊厳にもかかわる重大で重要なテーマを含んでいるのは、玉が「涼子のお付き」という身分であることだ。

「お付き」とは、身分の高い人のそばに仕えて、世話をする役、係のことだ。

今作における「女中」も「お付き」も、当時は封建的主従関係で家主らへの忠誠を要求されたのは似ている。

しかし、江戸時代以前は別にして、今作の劇中の時代の「女中」は「住み込みで働く女性」のことで。

「お付き」は上級武士や貴族の世話係であるから、お付きになるには家柄や血縁関係、教育や訓練、推薦や任命など、さまざまな要素が関与していた。

従って、「一時的な嫁入り修行」が出発点的な「女中」とは違ったはずだ。

また、お付きの人々は、その役割と身分によって時間や行動の制約が厳しかっただろうし。

でも、今回のラストの２分間では、玉のお付きとしての苦悩よりも、玉という「お付き」を涼子にいつまでも “抱えさせる” ことへの負担の軽減を願っていると…

次回からの “トラコちゃんだから 見極められる真実” から目が離せない！

あとがき

涼子様と玉の関係を描くと、身分制度やアイデンティティまで内包すると思っていたので。

描くと、こうなりますよね。

一方で意外だったのは、優未のくだりの印象の薄さ。

今週は、少なくとも、“トラつば・アベンジャーズ” と優未の二本立てだと思っていたので意外でした。

きっと、寅子と優未は２週跨ぎでしっかり描く予定なのでしょうね。

期待します…

みっきーの翼（第12回）

7月20日（土）の夜、東京都足立区で開催予定だった『足立の花火』が落雷の危険によって、開始20分前に中止になったことは、ニュースでご存じだと思います。

東京・足立区の花火大会　「落雷の恐れがあるため」開始20分前に中止決まる | TBS NEWS DIG 

打ち上げ場所の荒川を挟んで私と妻の実家がありまして、生まれ故郷の花火大会なのです。

この日は、妻の実家へ介護に行きまして、帰宅時間になったら町中が大混雑になったので、花火大会開催前に首都高で千葉に帰ろうとした時の「カーナビ」の画面です。

18時12分は中止の発表の前で、カーナビにもイベント開催のアイコンが並んでいますよね。

私たちは、全く雨に降られずに千葉の自宅まで帰って来て、X(旧Twitter)を見て「中止」を知りました。

下は、私が撮影編集したコロナ禍前の足立の花火の動画です。

足立の花火2019 60分13,000発の高密度花火のダイジェスト版[4K再生対応][最新版]

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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【これまでの感想】

第1週『女賢しくて牛売り損なう？』
1 2 3 4 5 土 
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6 7 8 9 10 土 
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11 12 13 14 15 土 

朝ドラ「虎に翼」は、「戦隊モノ」でなく「和製アベンジャーズ」だと本気で思う理由 

第4週『屈み女に反り男？』
16 17 18 19 20 土 
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第6週『女の一念、岩をも通す?』
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31 32 33 34 35 土 
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納得！「虎に翼」の演出語る「マーベル映画を意識」やはり“トラつば・アベンジャーズ”は正解だった…？ 

第10週『女の知恵は鼻の先？』
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午後LIVEニュースーン 午後4時台・「虎に翼」取材担当者がドラマの裏側を語る“第12週の寅子と家裁がやったこと”

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朝ドラ「虎に翼」星航一（岡田将生）のモデルは“初代最高裁長官の長男”三淵乾太郎さん？渋沢栄一との遠いご縁も！”

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拍手コメント返信（2024/7/4）：虎に翼(第69回) ※私は寅子が“ブチ切れ”た理由をこう解釈しました(長文です)

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拍手コメント返信（2024/7/10）その2：虎に翼(第73回) ※「直明と花江の寅子への忠告は１年後では遅かったのか？」を考えてみた

朝ドラ「虎に翼」 新潟で優未が「スンッ」と「お利口さんのふり」をやめるのに必要なものは？

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感想の趣旨について

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