テレビ朝日ドラマスペシャル『友情～平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」～』 （2023/11/11） 感想

テレビ朝日・ドラマスペシャル『友情～平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」～』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

ミスター・ラグビーと呼ばれた男 平尾誠二とiPS細胞研究でノーベル賞受賞の山中伸弥。病と闘い全力で駆け抜けた二人の１年を本木雅弘、滝藤賢一ら豪華キャストでドラマ化！の感想。

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日本ラグビー躍進の陰で、知られざるもう一つの闘いがあった－。対談をきっかけに知り合った平尾誠二（本木雅弘）と山中伸弥（滝藤賢一）。ラグビーＷ杯日本大会開催にノーベル賞受賞、互いに人生の絶頂期の中で友情を育んだ二人。そんな最中、平尾ががんに侵され余命数カ月だと判明する。絶望する妻・惠子（石田ゆり子）の前で明るく振る舞う平尾。山中は親友を救うため奔走する。奇跡を信じた二人の最後の闘いが始まった－。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：ノンフィクション・ 山中伸弥／平尾誠二・惠子『友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の約束」
脚本：吉田紀子（過去作/Dr.ｺﾄｰｼﾘｰｽﾞ,映画｢涙そうそう,ﾘｴｿﾞﾝ-こどものこころ診療所-）
演出：藤田明二（過去作/復讐法廷,やすらぎの郷,6秒間の軌跡～花火師・望月星太郎の憂鬱）
CP：五十嵐文郎（過去作/復讐法廷,やすらぎの郷,ﾄｯﾄちゃん!）
主題歌：松任谷由実「ノーサイド」
※敬称略

まえがき

このような類の作品…

実話ベースで、有名人で、いのちの話で、死を扱うドラマという、がさつで無神経な区分けだが。

なかなか、どんな糸口、切り口で感想を書いてよいのか分からなくなる。

従って、書くのをやめようかと思ったが、いつもどおりのスタンスで書いてみる。

※以下、敬称略

＜友情の物語＞であると同時に＜意思と覚悟の物語＞

原作は既読だが…

‘ミスターラグビー’と呼ばれた平尾誠二と、‘ヒトiPS細胞の研究でノーベル賞受賞’の山中伸弥の、ジャンルを超えた親友に訪れた永遠の別れ…

そして、ふたりがベストを尽くして駆け抜けた最後の１年を描いた、知られざる実話をもとにした＜友情の物語＞だ。

“ドラマ” として興味深ったのは、＜友情の物語＞であると同時に。

山中伸弥（滝藤賢一）の視点で、平尾誠二（本木雅弘）が全力で生き抜いた姿勢が強調された＜意思と覚悟の物語＞が、予想以上に強調されていたことだ。

平尾「昔から 自分の年取った姿を
　想像できひんかったんやけど…
　それは そういう事やったんやろうな」

がん宣告を受けたにもかかわらず、前向きな姿勢で病と闘い始める。

平尾「そうか 先生 世界初なんか！
　恵ちゃん 聞いたか？ 僕ら 世界初の事をやるんや」

友情と愛情に支えながら、平尾は自らの信念に基づいて、最後の１年を全うするために、常に前向きに進んでいく。

やはり、平尾の諦めない意志と強い覚悟を丁寧に描くことで、平尾が悔いなき人生を全うするために、全力で人生に向き合う姿がしっかりと表現されたと思う。

本木さんは、病に侵されていく平尾誠二を体現するために…

いつもは、あまりキャストやスタッフの背景には触れないが。

今作は、約10年ぶりの民放ドラマ出演となる本木雅弘さんと、滝藤賢一さんのダブル主演で、初共演だ。

本木さんは、病に侵されていく平尾誠二を体現するために、撮影中に10kg減量したそうだ。

こういうことには、良い面とそうでない面があるが。

少なくても、映像的なリアリティー、撮影現場の緊張感、特に相手役、滝藤賢一さんや石田ゆり子さんの演技には良い意味で大きな影響を与えると思う。

脚本は、ラグビーファンで知られる吉田紀子氏

今作の脚本は、『Dr.コトー診療所』シリーズ（フジ/2003～）、映画『涙そうそう』（2006）、『リエゾンーこどものこころ診療所ー』（テレ朝/2023）などを手掛けた吉田紀子氏だ。

脚本の吉田氏と本木さんはドラマ『君と出逢ってから』（TBS/1996）でタッグを組んでいる。

その『君と出逢ってから』で本木さんが演じた主人公の名前が「戸川誠二」だった。

そう、ラグビーファンで有名の吉田氏が、主人公の名前を「平尾誠二」から引用したのは、ドラマ好きなら有名な話だ。

やはり、ラグビーを愛する脚本家ならではの熱意は大いに注ぎ込まれたと思う。

大人向けの落ち着いてじっくりと見られる"ドラマ"

演出は、ドラマ『やすらぎの郷』（テレ朝/2017）、『6秒間の軌跡～花火師・望月星太郎の憂鬱』（テレ朝/2013）などを手掛けた藤田明二氏だ。

一応、当ブログらしく演出についても書いてみる。

連ドラでは比較的、劇伴をべったりと張り付けて盛り上げるタイプの演出をやる人だが。

今作では、劇伴は必要最小限にとどめ、できるだけ俳優の芝居や空気感をいかす演出になっていたのが印象的だ。

更に、2015年9月28日の「スーパームーン」、情景カットなどを効果的に使って、時間経過だけでなく、登場人物たちの心情変化などをさり気なく描いた。

全体的に、俳優さんたちの熱量ある演技に対して、演出はできるだけ抑えめにしたことで。

とかく、これ見よがしのお涙頂戴モノになりそうなのに、大人向けの落ち着いてじっくりと見られる “ドラマ” になったと思う。

あとがき

報道機関としてのテレビ局が、正しい情報提供として、民間療法に頼りすぎの傾向に一定の苦言を呈したのも意味があったと思います。

更に、「医師」という立場からの「患者」も丁寧に描いたこと、医師と患者の信頼関係もちゃんと盛り込んだのも良かったと思います。

悔いがないように生き抜く… 意味を今一度考えさせられました。

見逃し配信（TVer）リンク
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朝ドラ「ブギウギ」の"♪楽しい～お方もぉ～～～"もCD化! 劇中歌を集めた「福来スズ子 傑作集」発売決定

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あの「♪楽しい～お方もぉ～～～」が CD化！

当ブログで NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』の感想を読んでくださっている読者様には説明不要だと思うが。

ついに、ついに、あの「♪楽しい～お方もぉ～～～」が CD化と配信決定だ パチパチ！

簡単に、ドラマの解説からやっておくと。

現在放送中の朝ドラ『ブギウギ』は。

“ブギの女王” として知られる戦後の大スター＜笠置シヅ子＞をモデルにしたフィクション・ストーリー。

＜歌手・笠置シヅ子＞が、歌や踊りに向き合い続けた波乱万丈な人生を、趣里さん演じる主人公＜福来(ふくらい)スズ子＞で、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲とともに描くサクセスストーリーであり、ホームドラマだ。

福来スズ子が劇中で歌唱した「東京ブギウギ」など６曲入り

CDについて、知り得た情報をまとめると。

この度、2023年12月13日(水)の大安に発売が決定したのが、『福来スズ子 傑作集』だ。

福来スズ子が劇中で歌唱した「東京ブギウギ」「恋のステップ」「ラッパと娘」など計６曲（カラオケバージョンも）が収録される予定だ。

因みに、本日11月11日(土)には、既に収録曲の中から「ラッパと娘」が先行配信されている。

そう、あの「♪楽しい～お方もぉ～～～」のほうじゃなくて、ちゃんと “バドジズ” したほうだ（笑）

「ラッパと娘」についてプチ解説

知らない人のために、補強しておくと。

劇中歌としての「ラッパと娘」は、草彅剛さん演じる作曲家・羽鳥善一とスズ子の＜最初のヒット曲＞として登場した。

オリジナルは、羽鳥のモデルである＜服部良一＞の作詞・作曲・編曲による、笠置シヅ子さんのデビュー曲だ。

昭和14年（1939）の夏の帝国劇場公演で、松竹楽劇団（略称：SGD）の音楽監督を務めていた服部良一氏が、ＳＧＤのスターとして人気があった笠置シヅ子さんのために書き下ろしたショーナンバー（ショーで歌うための曲）。

その年の暮れに、笠置シヅ子さんの正式デビューのための楽曲となり、この曲から＜笠置×服部＞のコンビによる音楽の世界が始まるのだ。

あとがき

恐らく、CD化は放送前から決まっていたと思いますが。

それこそ、多くの視聴者に発売時期に評価を受けていないと、「なんで？」となるはずで。

そう考えると、作り手たちの本気度、矜持を感じざるを得ません。

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連続テレビ小説「ブギウギ」 （第6週/土曜日版・2023/11/11） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ブギウギ』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、YouTube

第6週『バドジズってなんや？』の「土曜日版」の感想。

 

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。

---

大和礼子（蒼井優）は、待遇改善を訴えて山寺にこもってストライキを始める。スズ子（趣里）たち多くの劇団員もそれに従った。会社と正面から対立し、「桃色争議」として世間に大きく取り上げられるが、その代償はとても大きなものだった・・・。 　桃色争議から１年、スズ子は法事で本家がある香川へ行くことになる。久しぶりに会う香川の親戚たち、しかし、皆なにか様子がおかしい。そこで、スズ子はある衝撃の事実を知ることになる。
---上記のあらすじは[公式サイト]より引用---

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原作：なし
脚本：足立紳（過去作/六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,拾われた男 Lost Man Found） 第1～6週
　　　櫻井剛（過去作/表参道高校合唱部!,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
演出：福井充広（過去作/てるてる,家族純情きらり,ﾐｽ･ｼﾞｺﾁｮｰ） 第1,3週
　　　二見大輔（過去作/半分､青い｡,なつぞら,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ）
　　　泉並敬眞（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2週
　　　鈴木航（過去作/あさが来た,べっぴんさん,ｽｶｰﾚｯﾄ） 第4,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,とと姉ちゃん,おちょやん） 第6週
音楽：服部隆之（過去作/王様のﾚｽﾄﾗﾝ,翔太の寿司,のだめｶﾝﾀｰﾋﾞﾚ,HERO）
歌劇音楽：甲斐正人（過去作/映画｢蒲田行進曲｣(松竹/1982)劇伴担当）
舞台演出：荻田浩一（過去作/元宝塚歌劇団所属の演出家）
ロゴ・OP映像：牧野惇（過去作/東京ﾊﾟﾗﾘﾝﾋﾟｯｸのｵ-ﾌﾟﾆﾝｸﾞ映像）
主題歌：中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
語り：高瀬耕造（NHK大阪アナウンサー）
「土曜日版」ナレーション：北郷三穂子（NHK大阪アナウンサー）
制作統括：福岡利武（なつぞら,青天を衝け）
　　　　　櫻井壮一（過去作/おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
※敬称略

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心で「♪楽しい～お方もぉ～～～」をヘビロテしながら…

ウチのブログに来てくれて、ありがとさん。
（私のブログに来てくれて、ありがとうございます。）

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、ウチが管理人のみっきーやで！
（「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人のみっきーです！）

感想に入る前に、イントロダクションって感じで…

今週の中ほどから、「♪楽しい～お方もぉ～～～」がヘビロテしちゃった皆様、おはようございます。

先週同様、昨夜、私が「週５回分」を１本につないだ「みっきーズ・カット版」を妻と見た。

見終えた妻が次のように笑って言った。

「ずっと、新しい学校のリーダーズの『オトナブルー』がヘビロテしてたのに… 今度は『♪楽しい～お方もぉ～～～』になっちゃったよ」

だそうだ（笑）

というわけで、心で、「♪楽しい～お方もぉ～～～」をヘビロテしながら感想を書いてみる。

実にポイントが全部入りの見事なダイジェスト版に不満なし

総括すると…

特に不満も指摘もない。

実に、ポイントが全部入りの見事な “ダイジェスト版” だった。

以上

「以上」というわけにはいかないか（笑）

当ブログらしく、いろいろと読み解いてみよう。

今作は、エンターテインメントを描く作品なのだから…

まず、この「土曜日版」の編集意図が良く分かったのが、次の作曲家・羽鳥善一（草彅剛）のセリフが序盤で強調されたからだ。

羽鳥「歌は誰かが歌って それを観客が聴いて 初めて完成するんだ」

結局、今週で描いてきたのは、スズ子（趣里）によって楽曲「ラッパと娘」が、どのように歌として完成するか？ だ。

そこを「土曜日版」として、最初に強調したのはとても良いことだ。

やはり、エンターテインメントを描く作品なのだから、演者と観客の融合を描くべきだと思うから。

「なるほど、そうだよね」と思ったこと

次に気になった、いや、「なるほど、そうだよね」と思ったこと。

それは、私が「本編」の感想で指摘した映像的な演出の工夫が、ほぼ全部削除されていたことだ。

例えば、以下の３つがそう。

●スズ子と秋山（伊原六花）が上京してきた直後のワンカットで街を行きかう人々や車を使った部分。

●演出家の松永（新納慎也）からスズ子がチョコレートを持った際の「めまいショット」。

●羽鳥のピアノ室にあった「ロシアの指揮者、エマヌエル・メッテル」の写真のアップ。

削除したことを否定しているのでない。

言いたいのは、演出家が “ドラマ” を、より楽しくメリハリのある作品にするための “装飾” や “味付け” をちゃんと認知し。

「土曜日版」では不要だと、的確に判断していることを大いに評価しているのだ。

ほら、ちゃんと羽鳥の息子・カツオ（髙田幸季）の「オピッコ！」を残して、羽鳥の「ちびっちゃいそうだ」をいかしてる（笑）

このように、自身がやった数々の演出を、“ドラマ” や “物語” を構築していく上で取捨選択できているってわけだ。

これ、何気ないことだが、簡単にできることではない。

だって、普通は、余計な味付けこそ見せたくなるのもだからだ。

特に物足りなかった２点

そういう編集だと思って見ても、やっぱり物足りないなぁと思う。

特に物足りなかった２点を紹介したい。

一つは、「ＣＭＴ（チズ・マシンガントーク）」だ。

そう、下宿屋の女将・小村チズ（ふせえり）のマシンガントークのシーンだ。

スズ子「はああ～ ようしゃべる人やなあ」

やはり、あの程度の「ＣＭＴ」では、「ようしゃべる人」にはちょっと遠い。

もう一つは、旗揚げ公演の初日だ。

本番前の楽屋の緊張感、ステージ袖の緊迫感、舞台上での圧巻のステージなどなど。

やはり、「本編」を見て知っていると、物足りなく感じてしまった。

「ああ、あそこも削ったんだ…」みたいに。

しかし、これは決して悪いことではない。

もしも、世間の評判を聞いて「土曜日版」だけ見た人に、「本編を見たい」を思わせれば良いのだから。

今週の「土曜日版」は、「もっともっと見たいシーンがあった」と思わせただけでも、凄いと思う。

あとがき

来週で歌うであろう楽曲のことを知りたくない人は「みっきーの植物図鑑」へ飛んでくださいませ。

事前に知っておくと楽しめると思うので、簡単な楽曲の解説だけしちゃおうと思います。

来週に登場するのは、1940年4月に発売されたスローテンポの「センチメンタル・ダイナ」です。

センチメンタル・ダイナ／笠置シヅ子 YouTube 

1935年の大ヒット曲で、ディック・ミネの「ダイナ」へのアンサー・ソングと言われている曲です。

前半がスローテンポでブルースのように哀愁漂う旋律なのに対して、後半は一気に軽快にスイングする構成で。

1968年リリースのザ・ビートルズの「ヘイ・ジュード」の曲構成に似ているので、聞いてみてほしいです。

The Beatles - Hey Jude YouTube 

来週は、何でヘビロテしちゃうのかな（笑）

みっきーの植物図鑑（第160回）

千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館に併設する「くらしの植物苑」で見つけた、秋らしい植物の写真です。

名前は「リュウキュウマメガキ（琉球豆柿）」です。

５m以上の高い木の上になっている「柿の実」なので、望遠で撮ってます。

大きさは、１～２cmくらいの、小さな柿なので「マメガキ(豆柿)」で。

リュウキュウといっても、本州（関東地方以西），四国，九州，沖縄に多いです。

実は、苦くてまずく、毒性もあるので食べられません。

遠目で「変わったドングリ」に見えたので撮影したら「柿」だったというわけです。

結びに

ほんなら、また来てな。
それでは、また来てね。

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【これまでの感想】

第1週『ワテ、歌うで！』
1 2 3 4 5 土
第2週『笑う門には福来る』
6 7 8 9 10 土
第3週『桃色争議や！』
11 12 13 14 15 土
第4週『ワテ、香川に行くで』
16 17 18 19 20 土
第5週『ほんまの家族や』
21 22 23 24 25 土
第6週『バドジズってなんや？』
26 27 28 29 30

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きのう何食べた？ season2 （第6話・2023/11/10） 感想

テレビ東京系・ドラマ24『きのう何食べた？ season2』
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第6話『仲良し4人で初詣！　特製の黒豆と豚の角煮』の感想。

なお、原作の漫画、よしながふみ「きのう何食べた？」（講談社「モーニング」）は、既刊22巻（2023年10月23日現在）を既読。

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12月30日、史朗（西島秀俊）と賢二（内野聖陽）は航（磯村勇斗）から初詣に誘われる。大みそかの夜に集まると聞き、昼にしか参拝したことがない史朗は寒い夜に人混みの中で徹夜するのを拒否。だが、反論する賢二の思いをくみ、誘いに応じる。当日、お参りの後に夜遊びを満喫したい賢二だが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：漫画・よしながふみ「きのう何食べた？」
脚本：安達奈緒子（過去作/透明なゆりかご,ｺｰﾄﾞ･ﾌﾞﾙｰ3,きのう何食べた?,朝ﾄﾞﾗ｢おかえりﾓﾈ｣）
演出：中江和仁（過去作/きのう何食べた?,大豆田とわ子と三人の元夫） 第1,2話
　　　松本佳奈（過去作/東京ｾﾝﾁﾒﾝﾀﾙｼﾘｰｽﾞ,きょうの猫村さん,ｺﾀﾛｰは1人暮らしS1） 第3,4話
　　　平田大輔（過去作/ﾃﾚﾋﾞﾄﾞﾗﾏ不明） 第5,6話
音楽：福島節（過去作/｢今夜すきやきだよ｣音楽ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ）
　　　澤田かおり（過去作/きのう何食べた?,今夜すきやきだよ）
OPテーマ：大橋トリオ「カラタチの夢」
EDテーマ：Bialystocks「幸せのまわり道」
CP：祖父江里奈（過去作/孤独のｸﾞﾙﾒ2021~,しろめし修行僧,ｼﾞﾃﾞｶﾗ,初恋､ざらり）
※敬称略

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前回は「不問」とした演出について、今回は言及してみる

原作は、既刊22巻（2023年10月23日現在）を既読。

前回の感想でも書いたことだが。

今回の演出も、前回と同じ平田大輔氏。

前回があまりにもシリアス路線に演出されたので、解説は「不問」にしたわけだが（苦笑）

今回は、前回よりもコミカルになったとは思う。

でも、今回も随所に気になった演出があるので、今回は「不問」で逃げずに書こうと思う。

なぜ、ここで、アップを入れないの？

そもそも、平田氏の演出は、極端と言ってよいくらいに「アップが少ない」のだ。

特に、「原作」にないシーンは、に「アップが少ない」のだ（困）

状況説明、季節説明のために全体を見せたいから「引きの画」を撮りたい、使いたいのは理解する。

でも、もう少し「寄りの画」を効果的に使って、メリハリやリズムを生み出し、視聴者の満足度に貢献しても良いと思う。

例えば、序盤の初詣のシーンで。

‘シロさん’こと史朗（西島秀俊）がお祈りをしている時のシロさんの真剣な表情のアップ、あっても良くない？ ってこと。

ほかにも、ニューイヤーパーティーの約束が決まった直後。

小日向さん（山本耕史）と、‘ジルベール’こと航くん（磯村勇斗）が画面手前に歩いてきて、‘ケンジ’こと賢二（内野聖陽）が画面中央で小さくなる。

こここそ、ちょっぴりいじけたケンジのどアップか～ら～の～富士山のどアップじゃないの？

まだまだある、終盤の見せ場、ケンジが「家内安全御守」を手にしてじっと見つめるカット。

御守りが白とミルク色地に金文字なのに、背景が黄色と白の目玉焼きに、白い袋って、強調されないくない？

ちょっとだけ盗んで（＝カメラの位置を変えて）、コーヒーカップを背景にして、更にコーヒーから湯気を立たせたらホームドラマになったのに。

こういうの、本当に多い。

良いところもあるにはあるのは認めるとしても

いやいや、良い演出もあるのだ。

ニューイヤーパーティーでシャンパンを飲んでいるが、原作ではないのに、ちゃんと今作ではシャンパンストッパーを使い、小日向さんの几帳面さを表現していた。

また、事故物件の事情説明のくだりでは、キッチンの包丁にさり気なく照明を入れてあったのはサスペンス風で悪くない。

ほかにも、良いところもあるにはあるのは認めるとしても。

どうやらドラマの演出の経験が少ないようだからしょうがない面もある。

それでも、素人が気づくくらいのことは撮影現場で誰かが指摘しても良いと思う。

もちろん、私の見立てが全くの見当違いの場合も大いにあるが（大苦笑）

年末年始と賃貸の更新という"区切り"で因数分解できるお話

さて、今回は、時期としては非日常的な「年末年始」ではあるが、描かれたことはいつもどおりの “日常” だ。

むしろ、物語の中心は、シロさんのカミングアウトと、格安物件と、家内安全の祈り… だ。

年末年始と、賃貸物件の更新という、ある意味での “区切り” で因数分解できるお話だ。

そこへ、うまいこと「パートナーシップ宣言制度」を盛り込んで、シロさんとケンジのホームドラマに仕上げてきた。

とまあ、これ以上あまりかくことがない（汗）

だって、もう、今作のいいところは、散々書いてきたし。

演出は不問にしちゃうと、ホント、悪いところもないわけだから。

10年以上前の同性カップルの結婚披露宴のお話を…

というわけで、今回は四方山話でお茶を濁そう。

今回登場した「パートナーシップ宣言制度」が始まったのが、2015年。

ご存じでない方のために説明しておくと。

私はホテル専門のイベント・ディレクターが本業で、時折といっても、もう30年以上、2,000組以上の結婚披露宴の演出も手掛けてきた。

その中で、忘れられないのが、ちょうど「パートナーシップ宣言制度」が始まった直後の、同性カップルの結婚式と披露宴のお手伝いの仕事だ。

何せ、同性カップルの結婚式も披露宴も、誰もが知る一流ホテルだったが初めてだった。

だから、いろいろ手探りで企画や内容を決めていったのだが。

本番当日、主人公のお二人に笑顔を届けたのは、私たちスタッフでなく、参列者の友人たち、それも同性カップルの人たちと、お二人のご両親の存在だったのを鮮明に覚えている。

同性カップルの婚姻届け受理、一流ホテルでの結婚式や披露宴は、私の想像を遥かに超える高い壁だったのだ。

だから、当のお二人は当然のこと、親御さん、同じ立場の人たちの笑顔と涙に感動してしまった。

あれから、10年以上がたち、今では同性カップルの挙式は珍しくなくなったが。 今作のシロさんとケンジを見ていると、アラフィフ・カップルゆえの抱える問題はあるんだなぁと。

でも、今作の中のふたりは、背伸びせず、できることにちょっとだけプラスして幸せを感じることができる人たちだ。

そこを見るだけで、こちらも救われる… と、思う。

あとがき

相手を思うがための “秘密” ってのも良いものですね。

シロさんの気遣い、ケンジの怖がりも、ほっこりしました。

次回は、老眼鏡ですね。

私、近視と乱視が強いので、もう15年前から「老眼鏡」です。

でも、「老眼鏡」って言いたくないので「遠近両用」って主張してます（笑）

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フェルマーの料理 （第4話・2023/11/10） 感想

TBS系・金曜ドラマ『フェルマーの料理』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TicTok

第4話『世界一の美食家から最高評価を掴みとれ』の感想。

なお、原作の漫画・小林有吾「フェルマーの料理」は、未読。

---

海（志尊淳）が突然、コース料理の担当替えを発表。国内外で強い影響力を持つレストランレビュアー・綿貫の予約が入り、彼の最高評価を得るための変更だという。海は、思わぬ抜てきに途方に暮れる岳（高橋文哉）に、「プロになれ」とだけ告げる。一方、蘭菜（小芝風花）は料理を着々と理想の味に仕上げていく。岳はそのプロの仕事ぶりに感心するが、彼女の秘めた苦悩を知り…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

---

原作：漫画・小林有吾「フェルマーの料理」
脚本：渡辺雄介（過去作/未満警察ﾐｯﾄﾞﾅｲﾄﾗﾝﾅｰ,Dr.ﾁｮｺﾚｰﾄ） 第1～3話
　　　三浦希紗（過去作/死役所,明日､誰かのｶﾉｼﾞｮ） 第4話
演出：石井康晴（過去作/逃げ恥､ｵｰﾙﾄﾞﾙｰｷｰ､ﾗｽﾄﾏﾝ-全盲の捜査官-） 第1,2話
　　　平野俊一（過去作/TOKYO MER､ﾏｲﾌｧﾐﾘｰ､ﾗｽﾄﾏﾝ-全盲の捜査官-） 第3,4話
　　　大内舞子（過去作/TOKYO MER､ｱﾄﾑの童､王様に捧ぐ薬指）
撮影監督：木村信也（過去作/映画｢冷たい熱帯魚｣｢ｸﾞﾚｲﾄﾌﾙ･ﾃﾞｯﾄﾞ｣｢ﾆｾｺｲ｣｢総理の夫｣）
音楽：木村秀彬（過去作/ﾌﾞﾗｯｸﾍﾟｱﾝ､ｸﾞﾗﾝﾒｿﾞﾝ東京､ｵｰﾙﾄﾞﾙｰｷｰ､ﾗｽﾄﾏﾝ､ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
主題歌：10-FEET「Re方程式」
※敬称略

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「日替わりランチプレート」くらいのお得感と満足感

原作は未読。

今回は、レストランレビュアーの話だったから、そんな感じで書いてみる（笑）

まず、総評。

一人前になり切れていない主人公が、先輩らのアドバイスを自分なりに咀嚼して、変化し、成長する姿が描かれたのは認める。

蘭菜（小芝風花）の過去を盛り込んで、海（志尊淳）との確執のネタを前進させたのも悪くない。

一応、『対偶』という数学用語も盛り込んで、ぎりぎりだが主人公らしさもあるにはある。

“ドラマ” としての要素は一応すべて盛り込まれているという意味で。

ファミレスの「日替わりランチプレート」くらいのお得感と満足感はあった。
※ファミレスの料理にはファミレスの価値があると思います…

でもさすがに、日本一の… は、ないと思う。

もちろん、通いたい（＝次回も見たい）と思わせるかは話が別だ。

前菜として＜ニアミス＞は必要？？？

“ドラマ” の「前菜＝ツカミ」として良く分からなかったのが。

主人公・岳（高橋文哉）と国内外で強い影響力を持つレストランレビュアー・綿貫（早乙女太一）との＜ニアミス＞の使い方だ。

来店後に、「実は、あの市場で出会った人が…」とやらないのなら、意味がないのでは？

この展開なら＜コース料理＞である必要もないのでは？

“ドラマ” を「コース料理」に例えるなら、＜コース料理＞である必要もないのでは？ ってこと。

いろいろ、描きたい事情、特に “失敗させて” をやりたいから＜コース＞でないと面倒なのは理解するが。

いくらなんでも “プロ” が全体の “流れやバランス” を後から考えるって？

綿貫の評判も大切だが、“プロ” なら顔の見えないすべてのお客様の『最大公約数』を満足させる料理を作るのが普通では？

まだ、岳が＜コース全体＞を考えたのなら納得しやすいが。

海のお眼鏡にかなっている布袋（細田善彦）、王（朝井大智）、 蘭菜が最初に指摘しないのは、いくら何でも、 “ドラマ” として “流れやバランス” をご都合主義に変動させすぎでは？

この内容だったら、綿貫を複数名のご来店設定にして。

「プラッター」と呼ばれるフレンチの伝統的な「大皿料理」で度肝をの抜くくらいはやるべきだったと思う。

主人公らしさの＜味付け＞が薄すぎる

今回のメイン料理、いや『フェルマーの料理』らしさの味付けとして最も薄味すぎたのが、“主人公らしさ” の創出だ。

まず、岳の試行錯誤や苦悩が、ほぼ映像化されていない。

もちろん、描きにくいのは分かるし、全部を描く必要はない。

でも、結局は、数学用語『対偶』を持ち出して、あれこれやってはいるが。

対偶を言い換えれば、「諦めるな！」、「ほかにも方法があるはず」ってことでしょ？

温度を上げすぎないだけ。

要するに、意地悪な言い方をすれば「揚げ浸しの創作料理」としてはおいしかったけど、コースの前菜としてはダメってだけ。

やはり、もう少しイチジクにたどり着く過程、「あんかけ」に至る経緯なども描いてほしかった。

あとがき

総括しますと。

今回は、食べ放題のブッフェのごとく、あれこれとテーブルに料理を並べすぎて。

お店の “一番の推し” は作り忘れちゃった… って感じですかね。

タダ飯に文句を言っちゃ申し訳ないですがが（苦笑）

今回、料理の見せ方、魅せ方も物足りなかったです。

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