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連続テレビ小説『風、薫る』

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『風、薫る』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第125回第25週『風媒花(ふうばいか)』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


りん(見上愛)は再びシマケン(佐野晶哉)のもとへと向かう。りんの懸命な看護にもかかわらず、シマケンの体調は改善しない。医師の藤田(坂口涼太郎)が診察をするが、今後の経過によっては命に関わる場合もあるかもしれないと話す…。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原案田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~) 第1~25
   佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第23,24
脚本協力:佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第20~22
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8,11,12,19
   新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10,18,24
   橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,おむすび) 第5,9,13,17,22,25
   松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7,14,15,20,23
   内田貴史(過去作/ちむどんどん) 第16,21
   平竣輔(過去作/本作第16週の助監督) 第20
   門脇陸(過去作/本作第18週の助監督) 第22
   髙橋実香(過去作/本作第17週の助監督) 第22
制作統括:松園武大(過去作/とと姉ちゃん,半分、青い。,ちむどんどん)
   宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り(本編):研ナオコ
土曜日版ナレーション:石橋亜沙(NHK東京アナウンス室)
※敬称略




「看護記録」が解き明かす二人の絆と、最終回へ向けた見逃せない見どころ!

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―――ここまで、ごあいさつ―――

アバンタイトルから予想もしなかった「看護記録}が突然登場し、視聴者の心を一気に引き込む展開となっている。

そして、その看護記録を “軸” としながら、登場人物同士の深い人間関係が丁寧に紡がれていく。

もちろん、ダブル主人公の一人である一ノ瀬りん(見上愛)が「身近な人の一人」である‘シマケン’こと島田健次郎(佐野晶哉 ex.Aぇ! group)に、看護婦として個人的に感情移入しすぎている点は、《看護・看護婦を描くドラマ》として、全面的に正しいとは言い難い

同時に、シマケン自身、いいや、佐野晶哉の病人としての動作(芝居)にはには多少の強引さが目立つのは、‘りん’役の最上愛さんとのバランスと鑑みると、もろ手を挙げて褒められるものでもない

しかし、連続ドラマの終盤(次週の最終週)に向けた盛り上がりを構築するために、は絶対に欠かせない必須の描写である。

さらに、看護の場面そのものが細やかに描かれている点も見逃せない。

例えば、手元を強調したカメラワークや意図的なぼかし演出が効果的に機能しており、現場の緊迫感や登場人物の焦りが画面越しにしっかりと伝わってくる。


背中をさするワンカットに見えた、寄り添う優しさと驚きの好演出!

その中に、私が「本作初」で “いい感じの演出” として語りたくなった「ワンカット」があった。

それが、下図の、「7分ごろ」に‘りん’がシマケンの背中をさすりながら、湯飲みを用いて薬を飲ませる場面の「インサートカット風」の一コマである。


朝ドラ 風、薫る
©NHK

‘りん’の服装と横顔がちらっと見えるだけで手先も見えない。

シマケンに至っては顔すら見えず、若干うつむき加減であることだけが分かる程度の見せ方である。

しかし、このワンカットは、まさしく《‘りん’がシマケンの背中に “手当て(=手を当てる)” をしている》ことだけを伝えているのだ。

つまり、患者としてだけでなく親しい知人、いや、かつて愛そうとした男性である「シマケンを見守る瞳」、そして看護婦としての「白衣」と「白い頭巾」と「手当て」だけを象徴的に描写したワンカットなのだ。

このカットがあるから、これに直結する「咳き込むシマケンと、その奥で背中をさする‘りん’」の《ピントが合った手》が際立つのだ。

また、細かいことだが、最上愛さんには豆鉄砲食らったように目をパチクリさせる癖があって、ほとんどの場面に気になってきたが、今回ではそれを「驚きと気づき」にうまく活用した一瞬もあった。


朝ドラ 風、薫る
©NHK

「もう、本作には、いい感じの演出はない」と諦めていたので、これは大きな朗報である。


顔のアップと計算された静寂が引き立てる、二人の濃密なやり取り!

とは言え、演出面においては、15分間の全体を通して見れば、登場人物の顔へ大きく寄るカメラワークが強く印象に残る。

よって、「本作は、俳優を、出演者を見せたいのか!?」という、焦点を当てるべき部分への違和感はある。

と同時に、この場面で登場人物の顔に焦点を当てる(「ピントを合わせる」の意味ではありません)べきかという難しさはある。

しかし、結果としてメインとなるふたりの濃密なやり取りを見事に際立たせたのは間違いない。

とりわけ今週の演出担当・橋本万葉氏の特徴である「頻繁な場面転換」をあえて意図的に抑えたことにより、視聴者は落ち着いて登場人物の心情に没入できる環境が整ったとは言えると思う。

その影響で、言葉と言葉の間に生じる静寂(いわゆる「間」のこと)すらも計算された演出として機能した。

そのおかげもあって、少し気取ったポエムのように聞こえかねない会話であっても、だいぶ不自然さを感じさせることなく素直に心へと響いてきたと思う。


プロの看護師らしさに疑問?言葉選びに見えた惜しい引っかかり

作品全体として、これまでの本作の仕上がりを鑑みれば、それなりに見ごたえのある仕上がりになっている一方で、登場人物が口にする細かな言葉遣いには一部引っかかる部分が存在する。

具体的には、人の命や生活を預かる専門職「看護婦」でありながら安易に相手を励ますような表現「頑張って」を使ってしまう点は、物語の文脈や過去のエピソードを踏まえるとプロとしての説得力に欠ける。


りん「シマケンさん 頑張ってください」
島田「がん… てる…」
りん「そうですよね。
 もう十分 頑張ってますよね」

本来であれば、自分の発言が失敗・間違いであったと気づき、素直に謝罪や反省を口にする描写が入るべきであった。

なぜなら、「頑張って」という言葉は、英語でいう「You struggle.」のように「あなたが主体となって耐える」というニュアンスを含みやすいため、相手の孤立感を強めてしまうことがあるのだ。

しかし、看護や福祉の現場で重視される「伴走型」のコミュニケーションでは、「私はここにいて、あなたと共にいる(We are together)」という安心感を言葉と姿勢で示すアプローチをするのが一般的なのだ。

もちろん、「時代が違う」の意見もあろう。

しかし、劇中で‘りん’が「そうですよね」と自ら自分のミスを認めたと描いているのだから、ここは素直に「ごめんなさい」「すみません」の謝罪のひと言が欲しかった

他にも小さな気になる部分はあるにはあるが、これまでの本作の低品質からすれば、看て見ぬふりは十分に可能である。


熱い芝居を全部見せて!オープニングを削ってでも残すべき本編

さて、前回の放送時に感じられた「‘りん’とシマケンのやり取り」における編集の不自然さや唐突なつなぎ方についても、今回の圧倒的な芝居と演出の熱量を目にすればその理由が自ずと理解できる。

出演者たちの演技があまりにも熱を帯びていたために、予定していた放送時間内に収まりきらなくなったのだろう。

やはり、制作陣は苦肉の策としてオープニングの時間を削ってまでその熱演を本編に残す判断を下すべきだったのだ。


一部だけに偏るのはもったいない!全体を丁寧に描けばもっと好作に

今回見せてくれたような丁寧で密度の濃い描写力を、《‘りん’とシマケン》という特定の重要な場面だけでなく他の登場人物や患者のエピソードにおいても同じように発揮させるべきであった。

実力ある豪華な俳優陣を揃えているからこそ、一部のシーンだけに重みが偏ってしまう構成は非常にもったいなく感じられる。

したがって、物語の序盤から各人物の背景や心情を均等かつ丁寧に積み重ねていく構成へと改善することが求められる。

そうすることで終盤の盛り上がりだけに依存しない重厚な物語が完成し、作品全体の評価をさらに高めることができるはずだ。


あとがき

結局、本作中で‘りん’が行う看護のほぼ全てが《特別待遇の患者向け》になったのが、本当に残念と言いますか、「そうじゃない感」なんですよ。

確かに、「患者一人ひとりに向き合う」ことを描くことが “看護を描く” ことだとは思いますけれど。

「特定の患者に向き合う」のは、看護婦と言うより、むしろ、家政婦に近い印象になってしまうと思うんです。

それと、ご存じの方もいると思いますが、脚本担当の吉澤智子さんの夫は18年、55歳の時に肺がんで亡くなっているんですね。

参考:「幸運なひと」はこうして生まれた。20年考え続けたこととは? | NHKわたしごとstory | NHK 新窓で開きます

したがって、吉澤さんは‘りん’に、吉澤さんの夫は‘シマケン’に投影させている部分があると感じるので、そこがダブル主人公のモチーフである「大関和さんと鈴木雅さんの一代記」から距離が離れてしまった原因の一つのようにも思います。

いずれにしても、「あと1週間」ですから、いろんな意味で「頑張りましょう」ではなくて、「We are together!」ですね(笑)


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大空港~GATE24~

テレビ朝日系・木曜ドラマ『大空港~GATE24~』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)InstagramTikTok

第9話/最終回 6分拡大『"Welcome to Japan" ようこそ日本へ』、配信『最強の門番!最後の戦い』の感想。



城崎和雄(勝村政信)が反政府組織「民の翼」のメンバーだったことが発覚し、参事官・杉原美都里(松雪泰子)にも関与疑惑が浮上。税関職員・森万智(趣里)は名刺から真実を見抜くが、関東国際空港ではアストリア大統領の暗殺計画が進行していた。帰国した深澤然(柳葉敏郎)の娘・紬(泉有乃)と友人・ノア(瀬戸琴楓)の荷物に違和感を覚える万智。一方、早見圭一郎(眞栄田郷敦)たちが審査するクローネの入国を、深澤が突然指示する。妻・眞弓(高橋かおり)を人質に取られた深澤の異変に気づいた万智は、大統領暗殺計画とGATE24の危機に立ち向かうが…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作:なし
脚本:丑尾健太郎(過去作/誘拐の日) 第1~4,7,最終
   本村拓哉(過去作/失踪人捜索班 消えた真実) 第5,8
   吉髙寿男(過去作/ブラックトリック~裁きを操る弁護人~) 第6
脚本監修:丑尾健太郎(過去作/誘拐の日) 第5,8
演出:常廣丈太(過去作/未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3) 第1,2,7
   金井紘(過去作/キャスター) 第3,4
   藤澤浩和(過去作/銀河の一票) 第5,8
   竹園元(過去作/森英恵 Butterfly beyond) 第6
   八木一介(過去作/119エマージェンシーコールのスケジュール担当) 第7
   波多野貴文(過去作/ダブルチート 偽りの警官 Season2) 最終
音楽:林ゆうき(過去作/ スティンガース 警視庁おとり捜査検証室)
主題歌:離婚伝説「大空港」
※敬称略




派手な空港舞台だからこそ知りたい最終回を特別に見せるコツ

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人気のドラマでは、最終回に海外の場面を入れたり事件を大きくしたりして豪華に見せることがよくある。

確かに、最終回を盛り上げようとする考え方自体は間違っていない。

しかし、本作は「空港」という「派手な場所」が舞台だったため毎回の事件も大きく、最終回だけが特別に目立つわけではなかったのだ。

そのため、他のドラマの最終回と比べると、どこか物足りないあっさりとした印象を与えてしまったのは間違いない。

もしも、最終回の豪華さを本作らしく引き立てたかったのであれば、連ドラの中盤でのエピソードを少し静かな展開にしておく必要があったと思う。

結果として、全体のバランスを整えられないまま放送が終わってしまったことは、とても残念である。


せっかくの専門部署設定なのに結局主人公の探偵ドラマ?

本作の大きな問題は、《主人公たちが所属する特別な部署の役割が十分に描かれていなかった》ことにある。

本来なら空港で働く他のチームとの違いをはっきり見せて、その部署にしかできない仕事を描くべきだったのだ。

また、劇中のセリフでは部署の “すごさ” を説明していたものの、実際の映像や行動ではその特徴がうまく伝わってこない

その結果として、主人公たちが毎回の放送でやっていたことは、《空港を歩き回って事件を解決する探偵のような仕事ばかり》であった。

つまり、いろいろな役所や部署から専門家が集まっているという面白い設定があったのに、個人の勘や活躍ばかりを強調したため設定が台無しになったのだ。

結局、最終回まで踏襲されたように、《ただひたすらに主人公だけを目立たせる》のであれば、わざわざ特別な部署という難しい仕組みを作る必要はなかったのだ。


良い視点なのに勿体ない!不自然さが残ったもやもや展開

ドラマの本当の面白さは、たくさんのお金を使ったり有名な俳優を出したりすることで決まるわけではない。

よって、誰が見ても低予算で制作されたであろう本作だって、面白いドラマは作れるのは間違いない。

その点では、空港の搭乗口という珍しい場所に注目した点は素晴らしい

しかし、話の進み方には不自然な部分がいくつも残った。

例えば空港には多くのスタッフがいるはずなのに、特定のチームだけで全てを解決する展開は都合が良すぎる印象を与えた。

また、仲間同士の協力や専門性を描くどころか、無意味な言い争いばかりが目立ち、それぞれの役割の違いが最後まで分からなかった

さらに、一回の放送にたくさんの出来事を詰め込みすぎたため、無理に話を引き延ばしたあとに突然解決する強引な流れが目立った。

特に最終回では、家族の居場所を簡単に探せるはずなのに放置したり、以前に見ているはずの重要なお守りに気づかなかったりと、細かい場面での不自然さが目立ってしまったのは残念である。


あとがき

見るからに低予算で、ほぼワンシチュエーションドラマで、高齢者でも楽しめるように説明だらけで、私の好みではありませんでしたけど。

平均視聴率9.5 %以上(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)も取れば、ビジネス的には大当たりでしょう。

この程度の仕上がりで、10%近い視聴率を取れると分かったテレ朝が、この手のドラマを量産しないことを願うばかりです。

それにしても、最終回の演出担当を「本作初担当」にするのは、いろんな意味で驚きしかないです。


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りん(見上愛)と直美(上坂樹里)は胃がんの手術を受けたシマケン(佐野晶哉)の看護をする。シマケンには手術を受けた理由があって…。ある日、セツ(村上穂乃佳)も看護婦になりたいと言い出す。喜んだりんと直美は、看護婦養成所を作ることを思い立つ。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


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脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~) 第1~25
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脚本協力:佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第20~22
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8,11,12,19
   新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10,18,24
   橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,おむすび) 第5,9,13,17,22,25
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日常的な会話と看病がしっくり重なる心温まる場面

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今回の冒頭で、ダブル主人公の一ノ瀬りん(見上愛)と小川直美(上坂樹里)病人の話を聞いて食事を用意する様子が描かれた。

一見すると「医療の仕事」というよりも、一般的な「家政婦のよう」に見えてしまう場面である。

しかし、本作において、特に‘りん’のほうは自身のことを「トレインドナース=訓練された看護婦」と声高に主張するが、実際の映像で見る「看護の実態」は「検温と検脈」「窓を開けての換気」「手指の保温」たまに「自助具の提案」くらいしかないのだ。

その意味で、患者の病状を鑑みて「病人食を工夫して作る」を盛り込んだのは、‘りん’と直美を「訓練された看護婦」に見せる描写として悪くない

また、“バディ” として一緒に火鉢を窓際に移動し、「暖気の循環を図る」という説明を加えたのも評価できる。

さらに、直美が、今後も引き続き‘りん’が‘シマケン’こと島田健次郎(佐野晶哉 ex.Aぇ! group)の看護を続行するのを本人に許諾を受ける場面を盛り込んだのも、「過程を描く」の意味と同時に、‘りん’が「訓練された看護婦」であることを視聴者に域視させる意味でもよいことだ。

その上、た。

食事が始まる場面では、シマケンが粥の作り方や栄養について深い知識を披露しており、場面を明るく盛り上げ

このように《看護婦と患者の日常の会話》と《看護そのものの動作》を組み合わせたストーリー展開自体は、決して悪いものではない


画面構成の工夫が光る一方で編集のテンポが気になる回

第124回の放送を詳しく観察すると、カメラの位置や角度の変化に大きな特徴が見られる。

人物の顔をアップで映す画角「アップ」から、胸から上を映す画角「バスト(アップ)ショット」、腰から上を映す「ミディアムショット」、全身が見える「フルショット」、さらに部屋全体を大きく映し出す「ロングショット」まで、多様なカット(画角やアングル)が細かく切り替えられていた。

このように状況に応じて画角やアングルを切り替える手法は、登場人物の感情や位置関係をわかりやすく伝えるために非常に効果的である。

これまでの放送回と比べても、「映像表現を工夫して物語を面白く見せよう」とする制作陣の強い意欲が伝わってきた。

ところが、登場人物であるシマケンが登場する序盤の場面だけは、画面のつながりが少し不自然に感じられた。

映像の切り替えテンポが途中で急に変わるため、まるでそこだけ別の演出家が担当したかのような違和感が残ってしまったのだ。

ここからは想像の域を出ないが。

もしかすると、シマケンの出演部分が、本来の脚本上ではもう少し尺が用意されていて、撮影はしてみたものの、編集してみると規定時間内に収まらないため、アバンタイトルもやめて、ストレートに編集したのだが、それでも尺が足らず、苦肉の策でシマケンの出番を切り刻んで短く整えた… のかも?

恐らく、溢れ出た放送尺は数秒間だと思われるから、今回専用の短めの「メインタイトル映像」を創作し、対応するくらいの見せ場づくりはやる価値も意味もあったと思う。


出来栄えが良いからこそ目立つ積み重ね不足と違和感

これまでの放送回に比べると全体の出来栄えが向上していたからこそ、細かな編集の不自然さが余計に目立ってしまうのだ。

本来であれば、登場人物同士の間合いや丁寧な動作を描く今回のスタイルこそが、ドラマ制作において目指すべき基本の形と言える。

そう、厳しい評価を下させていただけるなら、《今回の脚本と演出が、許容範囲の最低レベル》であってほしい… のだ。

しかし、これまでの放送で主人公が看護を学ぶ過程や苦労が十分に描かれてこなかったため、逆に今回の活躍が唐突に見えてしまうのだ。

急に手際よく看護を始めたり、患者に指導したりする姿を見せられても、これまでの物語の流れとつながらず、疑問が残ってしまう。

このように未解決の課題や描写の抜け落ちが残ったまま物語が進んでいくため、どれほど良い場面を作っても違和感を消し去ることができないのだ。


芝居の「間」の大切さと尺不足が生んだ唐突な場面展開

上↑の感想の本文でも書いたとおり、今回は「正味13分40秒間」では足りなかったのだと思う。

脚本の分量もだが、俳優さんたちのお芝居の「間の取り方」がいつも以上にしっかりと取ってあったので、結果的に尺不足になったと思う。

そこが顕著に分かるのが、10分過ぎでセツ(村上穂乃佳)も看護婦になりたいと言い出す場面と、その直後(直結してます)の夜の縁側で‘りん’と直美がお茶を飲むシーンへの切り替えし(切り替わり)が唐突すぎることだ。

例えば、「夜空に浮かぶ満月の情景カット」や「流れ星が一つ飛んでいく風景カット」があったら、どんなに‘りん’と直美の安堵の心情が映像化できたのでは?

こんな感じの《ほんの僅かに‘間’が短い》のが、序盤のシマケンの部分に多いのだ。

しかし、何度も書くが《芝居に‘間’を設けること》は、ドラマの深みに与える点や、視聴者が内容を理解する上で、非常に有用な策である。

むしろ、約5か月と2週間も、《芝居に‘間’を設けること》を蔑ろにしてきたことが、本作への低評価の大きな要因であるのは間違いない。

あと、残り6回しかないが、最終回まで《芝居に‘間’を設けること》を徹底していただきたいと願うばかりである。


作品の質をさらに高めるための具体的な改善策

本作において視聴者が素直に引き込まれるようにするためには、過去の行動と現在の活躍をつなぐ工夫が必要となる。

第一に、主人公がどのような経験を経て看護の技術や知識を身につけたのかを示す「回想や説明」の場面を、事前に組み込むことが望ましい。

第二に、シマケンの登場場面のように「編集が不自然」にならないよう、「人物の感情の波」に合わせてカメラのアングルを切り替えるルールを統一すべきである。

第三に、「本編」の重要な描写や独特の間合いをしっかり残すために、メインタイトル映像の長さを調整して放送時間を有効活用する柔軟性が求められる。

こうした積み重ねを行うことで、登場人物の行動に納得感が生まれ、作品全体の品質をさらに引き上げることができる。


あとがき

今回のエピソード群が残念なのは、いつも書くことですが《積み上げがない》から《違和感しかない》ことです。

先週からの流れで、「恵風派出看護婦養成所を作りたい! 作ろう!」と意気込むまでは許容できます。

でも、「養成所完成」も「‘りん’と直美が “先生” も兼任する」は、さすがに “一足飛び” 過ぎです。

まっ、もう残りの放送時間がないので、積み重ねや積み上げをやっている余裕はないのでしょう。

明日と最終週では、医師の藤田(坂口涼太郎)や今井(古川雄大)、トメ(原嶋凛)らが特別講師として登場させて、[史実]にある明治32(1899)年刊行の『派出看護婦心得』にならって《看護の実用書の出版》で最終回でしょう。


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朝ドラ『風、薫る』なぜ失速した?視聴者がモヤモヤした4つの違和感と最終回への不安
© 2026 mickey_director / Image generated using ChatGPT (OpenAI)


NHK連続テレビ小説『風、薫る』の課題を検証する

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朝ドラ『風、薫る』は真面目なテーマに挑んだものの、人物の変化や時代の描写に不自然さが目立った

視聴者が置き去りにされた原因と、物語をより魅力的にするための課題を検証してみたい。


あんなに冷たかったのに…突然の改心にモヤモヤが止まらない!

明治19(1886)年の第19回(2026年4月23日放送)で、ダブル主人公の一人である一ノ瀬りん(見上愛)と娘の環(瀧七海:宮島るか〈3歳時〉、英茉〈4 - 9歳時〉、山田詩子〈10歳時〉)は、価値観のすれ違いから夫の奥田亀吉(三浦貴大)のもとを飛び出した。

それから13年が過ぎた明治32(1899)年の第118回(2026年9月9日放送)において、亡くなった義理の母である貞(根岸季衣)から届いた手紙が紹介された。

しかし、かつて幼い孫の環を突き放していた貞が、急に温かい言葉を綴る様子には説得力が感じられない

同様に、娘の進学に激しく反対していた父親の亀吉が、突然物分かりの良い態度へ変化した展開も不自然である。

いくら年月が流れたとはいえ、心の変化を描く大切な場面が抜けているため、視聴者は置き去りにされてしまった。

このように、登場人物の勝手な変化だけで和解を描こうとする手法は、感動を押し付けられているように思えてしまうのだ。

だからこそ、これまでの不和が解消される工程を、もっと時間をかけて表現するべきだったと言える。


失敗したツヤの復帰劇にモヤモヤ!努力だけじゃ納得できない

第65回(2026年6月26日放送)で薬の扱いを間違えて病院を追い出された三浦ツヤ(東野絢香)が、第121回(2026年9月14日放送)で13年ぶりに再び姿を現した。

彼女が持っていた看護の専門書にはびっしりとメモが書き込まれており、努力を重ねてきたことが示された。

しかし、どれほど勉強に励んでいたとしても、重大な失敗を犯した人物を簡単に受け入れる展開には疑問が残る

また、明治15(1882)年に主人公の父親である一ノ瀬信右衛門(北村一輝)が危険な感染症であるコレラで命を落とした過去も描かれた。

だが、「貧しさゆえに助からなかった」という設定は “悲劇性を強調するばかり” で、登場人物の行動の動機として十分に生かされていない

そのため、人々のために無償で看護を提供する活動(=無償の派出看護)を始めても、その尊さが心に響いてこないのだ。

つまり、挫折からの立ち直りや深い志を抱く過程が省略されているため、物語の深みが損なわれているのだ。


朝から重すぎて気が滅入る…真面目すぎて面白みがない問題

この作品では、患者の死に直面した看護婦が強い衝撃を受ける惨事ストレス(≒PTSD)という深刻な問題が取り上げられた。

しかし、現実の苦しみを強調しすぎた結果、ドラマ全体の雰囲気が終始暗くなり、爽やかさが失われてしまった。

また、‘りん’の周囲には3人の男性が登場して恋愛模様も描かれたが、物語の重苦しさをやわらげる効果は薄かった

結局、世の中の厳しい現実を伝える意図は理解できるものの、毎朝楽しみに鑑賞する作品としては娯楽性が足りないのである。

実際に、命の現場で戦う人々への理解を深める目的があったとしても、ドラマとしての面白さが欠けていては本末転倒なのである。

刺激的な展開を避けて真面目な姿勢を貫いた点は理解できるが、単調な流れが続いて集中力を保つのが難しい。

ゆえに、メッセージの主張ばかりが目立ち、物語として引き込まれる要素が不十分であった。


見た目が全然変わらない!親子の違和感と威厳不足が残念すぎる

劇中の時間は「約17年~18年」も経過しているにもかかわらず、登場人物たちの外見にほとんど変化が見られない

そのため、成長した娘と母親が並んだ際に、まるで歳の近い姉妹のように見えてしまう違和感が生じている。

それだけでなく、日本で初めての本格的な看護婦として偉業を成し遂げていく主人公たちの迫力や威厳も感じられない

今後の放送で急に貫禄を出そうとしても、これまでの積み重ねがなければ視聴者は戸惑うばかりになるはずである。

また、状況を言葉で解説するナレーションに頼って実績を説明するような結末になれば、評価はさらに下がってしまう。

このように、時代の移り変わりや人物の重みを表現する工夫が、最後まで行き届いていなかったのである。


もっと心に響く作品にするために!改善してほしかった4つの点

この作品をさらに面白くするためには、登場人物の感情が変化していく過程を逃さずに描くことが不可欠であった。

具体的には、対立していた家族が許し合ったり、大きな失敗をした人物が立ち直ったりする様子を、省略せずに丁寧に見せる必要があった。

それから、テーマが重くなりすぎないように、心が明るくなるような場面や温かい交流を適切な割合で混ぜ合わせるべきであった。

さらに、年月の経過に合わせてメイクや服装を変化させ、登場人物の成長や人生の重みを自然に見せる表現も求められた。

これらの要素を整えることで、伝えたいメッセージと物語としての楽しさが両立し、より多くの人に愛される作品になったはずである。


あとがき

今回の分析では、ドラマ『風、薫る』の構成や演出について、客観的な視点から検討を行いました。

本作は看護の歴史や現場の苦悩といった社会的なテーマに真摯に向き合おうとした姿勢がうかがえる一方で、ドラマとしての面白さや登場人物の心理描写において課題が残る結果となりました。

特に、登場人物の心情の変化や歳月の経過を表現する手法において、視聴者の理解を助ける丁寧な演出が不足していたと考えられます。

視聴者が作品に引き込まれるためには、メッセージの正しさだけでなく、物語としての魅力や自然な説得力が不可欠であることを示していると考えます。


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連続テレビ小説『風、薫る』

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『風、薫る』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第123回第25週『風媒花(ふうばいか)』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


東京府看護婦規則ができるという掲示が出るが、内容に納得のいかないりん(見上愛)と直美(上坂樹里)は柳生(中村倫也)に会いに行く。そんなある日、意外な人物の派出看護の依頼があって…。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原案田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~) 第1~25
   佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第23,24
脚本協力:佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第20~22
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8,11,12,19
   新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10,18,24
   橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,おむすび) 第5,9,13,17,22,25
   松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7,14,15,20,23
   内田貴史(過去作/ちむどんどん) 第16,21
   平竣輔(過去作/本作第16週の助監督) 第20
   門脇陸(過去作/本作第18週の助監督) 第22
   髙橋実香(過去作/本作第17週の助監督) 第22
制作統括:松園武大(過去作/とと姉ちゃん,半分、青い。,ちむどんどん)
   宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り(本編):研ナオコ
土曜日版ナレーション:石橋亜沙(NHK東京アナウンス室)
※敬称略




終盤の強引な展開に見える制作者たちの「看病」と「看護」の混同

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アバンタイトルの冒頭から、よく分からない。

逆に、よく分かるのは、脚本家や演出家や制作統括が必死に「正式な看護婦はスゴイんだぞ」をラスト2週間で盛り込み、ダブル主人公の二人に次世代の看護婦育成物語として、華麗な結末を迎えさせようとしていることである。

そんな中で、東京府看護婦規則ができるという掲示を見たダブル主人公の一人である小川直美(上坂樹里)が鼻息荒く次のように言っていた。


直美「2年以上 看護をなりわいとしていると
 医者等の証明があれば
 試験は免除されるって」

もちろん、正式な看護婦免許のない「元看病婦」の新入り、ツヤ(東野絢香)に関することである。

すると、今度はもう一人の主人公である一ノ瀬りん(見上愛)がしれ~っと次のことを言ってのけた。


りん「あ でも ツヤさん 帝都医大病院に
 2年以上 勤務していたから
 病院から その小名著をもらえばいいんじゃない」

え~と、東京府看護婦規則には、「看護をなりわいとしている」という厳格な条件がある場合に限り、試験目が免除させると書いてある… と、本作自身が述べたばかりなのだ。

で、《ツヤは看病婦である》と描いたのも、これまた本作自身なのだ。

何が言いたいのか?

正確に言うなら、「残りわずか1.5週」になっても、本作の脚本家や演出家や制作統括は《‘看護’と‘看病’の区別ができていない》のである。

もちろん、「‘りん’が必死にツヤを助けたいと思って早合点しちゃった」と超超超好意的に解釈はしておくが。


プロの仕事が見えないから主人公たちの奮闘に実感が湧かない

前章では、つい感情的に書いてしまったので、ここからは冷静に考えてみる。

物語の中でスポットライトが当たる人物がいる一方で、同じように頑張っている仲間たちが置き去りにされている。

ドラマ全体を通して、‘りん’や直美らがどんな思いで仕事(=看護)に向き合っているのかという根本的な部分が描き切れていないからだ。

実際に画面を見つめていても、専門職(=看護婦)としての特別な作業や苦労はほとんど描かれず、他の仕事(=看病婦や家政婦)との違いすら伝わってこない

本来であれば、患者と向き合う手助けや専門的な知識を生かす場面がもっと頻繁に登場してもおかしくないのだ。

そうした日常の奮闘が見えないまま「25週間も続けてきた」からこそ、登場人物たちが “プロの看護婦” として画面の中に存在しているという実感が湧きにくくなってしまうのだ。


過去の言葉と噛み合わない展開が見ている側にモヤモヤを残す

重要な人物に対して自分の思いを訴え出る場面でも、これまでの展開との間に大きなズレが生じてしまっている。

衛生局の柳生(中村倫也)から「意見を聞きたい」と求められていた過去があるにもかかわらず、今回の訴えでは具体的な実績や覚悟が感じられないからだ。

もし彼女たちが強い意志を持つ人物として描かれてきていれば、厳しい問いかけに対しても「自分たちの実力を試験で証明してみせる」と言い返すくらいの勢いがあってもよかったのである。

つまり、専門的な資格や実力を疑問視されている状況だからこそ、口先だけでなく《行動で信頼を勝ち取る姿勢》を見せるべきだったと言える。

半年間も続く朝ドラのエピローグの一部としての大切な場面で《肝心な主張や行動が抜けてしまった》ため、見ている側としても不完全燃焼な気持ちが残ってしまうのだ。

そう、ひと言で表すなら、映像表現が致命的にできていないのである。


地道な成長の積み重ねがないとドラマの結末に心が響かない

物語がいよいよクライマックスに向かっているにもかかわらず違和感が消えないのは、これまでの描写の蓄積があまりにも少なすぎるからだ。

主人公たちが本当にその職業に誇りを持ち、成長してきたのかどうか、最後まで確信を持てない状況が続いてしまっている。

人が成長していくドラマに心動かされるためには、小さな失敗を乗り越えたり、泥臭く努力したりする日々の姿が絶対に欠かせない

そうした地道なシーンを省略したまま、歴史年表に書かれた箇条書きの情報を、さも重要な場面のように寄せ集め、結果的につなぎ合わせても、登場人物の決断に心を寄せることは難しいのだ。

要するに、積み重ねがないまま進む展開は、どれほど大掛かりであっても視聴者の心に深く響かないというもどかしさしか創出しないのである。


画面の隅々まで丁寧につくり込むことが物語の没入感を生む

物語の良し悪しを決めるのは「大まかなあらすじ」だけでなく、登場人物が見せる「細かな日常の動作」である。

例えば、雪が降る日に傘を閉じたりするような何気ない動きであっても、演じる人によって動作にバラつきがあると途端に違和感が生まれてしまう。

特に、二人で同時に同じ動作をする場面では、互いの手つきや立ち振る舞いの違いが余計に強調されて目立ってしまうものだ。

今回では、二人とも各自が左手に大きな荷物を抱えているため、右手だけで傘を閉じる動作をやったわけだが、明らかに見上愛さんの動作のほうが自然体であり、上坂樹里さんの動作はぎごちなかった

ご存じでない方もいると思うが、NHKのドラマ撮影現場では一般的に、段取り(演技の動線を決める)、テクニカルリハーサル(俳優の動きに合わせて撮影や照明スタッフが確認)、ドライリハーサル(本番に近い形で演技を一度通す)、カメラリハーサル(スタッフ全員が行う本番同様に動きながら撮影テスト)が行われて、本番(テイク)となる。

また、明治期の看護を扱う作品であれば、時代考証、所作指導、方言指導、医療・看護指導担当者が、リハーサル段階で細かな修正が入るはずだ。

つまり、撮影時点までに「4回も」リハーサルがあるのに、今回の「傘閉じの動作」には異論が入らなかったということだ。

しかし、どう見ても、15分間の終盤で、しかも、‘最強の客寄せパンダ’改め‘集客力のある俳優と登場人物’である‘シマケン’こと島田健次郎(佐野晶哉 ex.Aぇ! group)を登場させる絶好の見せ場であり、(一応は)ストーリーに集中したい場面でこうした不自然な動作が目に入ると、せっかくの気持ちが途切れてしまう原因になりかねないのだ。

つまり、細部へのこだわりや丁寧な立ち振る舞いの統一があってこそ、見ている人は物語の世界に最後まで浸り続けることができるのである。

そして、そこを軽んじて手抜きするのは、プロとしてどうかと思う… と、言わざるを得ない。


日々の工夫と丁寧な積み重ねが心に響く素晴らしい作品を作る

物語への説得力を高めるためには、まず専門職(プロ)としての日常的な仕事風景を丁寧に見せ、主人公たちの実力と努力をしっかり証明していく必要がある。

普段の仕事ぶりが画面から伝わってくれば、重要な場面での訴えや決断にも自然と強い説得力が宿るようになる。

次に、キャラクターの性格や過去のやり取りに矛盾が出ないよう、筋の通った行動と力強い言葉を発させることが大切だ。

さらに、道具の扱い方や二人で合わせる動作など、画面のすみずみにまで配慮した丁寧な演技指導を行うことが望まれる。

こうした細かな工夫と誠実な積み重ねを凝縮させることによって、誰にとっても深く共感できる素晴らしい物語へと変化していくはずだ。


あとがき

今回の15分間を見て分かったのは、ドラマにおける「描写の積み重ね」がいかに作品の説得力を左右するかという点に集約されます。

すなわち、視聴者が登場人物に寄り添い、物語に深く引き込まれるためには、派手な展開以上に日常の地道な努力や統一された美しい所作が重要となるのです。

そして、脚本家や演出家や制作統括が細部にまで誠意を行き届かせることこそが、物語全体の完成度と信頼感を確かなものにすると実感できるのだと気づいたと思います。



急遽、私の本作への違和感を徒然に書いてみました。
私のように「モヤモヤ」している読者様の助けになると思います。

朝ドラ『風、薫る』なぜ失速した?視聴者がモヤモヤした4つの違和感と最終回への不安

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フリーランスのホテル宴会(婚礼含む)&映像ディレクター"みっきー"が、テレビ、映画、CM、ディズニー、音楽などエンターテインメント全般の感想を綴ります。愛するが故に、記事により毒を吐きますがご勘弁を。

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【ハンドルネーム】
みっきー
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宴会/映像ディレクター(フリーランス)
【自己紹介】
東京下町生まれ千葉県在住。
ホテル音響照明映像会社を経て、2001年独立。
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競争の番人
京都人情捜査ファイル
きょうの猫村さん
きょうは会社休みます。
行列の女神~らーめん才遊記~
嫌われる勇気
キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木
銀河の一票
緊急取調室[2]
緊急取調室[3]
緊急取調室[4]
緊急取調室[5]
金田一少年の事件簿N(neo)
銀と金
クジャクのダンス、誰が見た?
グッド・ドクター
グッドパートナー
グッドワイフ
CRISIS 公安機動捜査隊特捜班
海月姫
グ・ラ・メ!~総理の料理番~
グランメゾン東京
黒い十人の女
黒革の手帖2017
クロサギ(2022)
クロスロード ~救命救急の約束~
黒服物語
  • 過去の連ドラの感想記事一覧(け、こ)
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刑事7人
ケイジとケンジ 所轄と地検の24時
ケイジとケンジ、時々ハンジ。
警視庁アウトサイダー
警視庁いきもの係
警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~
警視庁ゼロ係[2]
警視庁ゼロ係[3]
警視庁・捜査一課長
刑事ゆがみ
警部補・杉山真太郎
ゲゲゲの女房
下剋上球児
下剋上受験
結婚相手は抽選で
結婚式の前日に
Get Ready!
健康で文化的な最低限度の生活
限界団地
恋がヘタでも生きてます
恋せぬふたり
恋仲
恋はつづくよどこまでも
恋です!ヤンキー君と白杖ガール
恋はDeepに
合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~
コウノドリ[1]
コウノドリ[2]
こえ恋
ごくせん2002特別編[再]
極主夫道
心がポキッとね
心の傷を癒すということ
5→9 ~私に恋したお坊さん~
ゴシップ#彼女が知りたい本当の○○
ゴーストライター
珈琲いかがでしょう
後妻業
コタキ兄弟と四苦八苦
コタツがない家
コタローは1人暮らし
ごちそうさん
孤独のグルメ[4]
孤独のグルメ[5]
孤独のグルメ[6]
孤独のグルメ[7]
孤独のグルメ[8]
孤独のグルメ[9]
孤独のグルメ[10]
コード・ブルー[3]
この素晴らしき世界
この世界の片隅に
古見さんは、コミュ症です。
ごめん、愛してる
ごめんね青春!
これは経費で落ちません!
婚姻届に判を捺しただけですが
コントが始まる
  • 過去の連ドラの感想記事一覧(さ~し)
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[さ~し]
最愛
最高のオバハン 中島ハルコ
最後から二番目の恋
最後の鑑定人
サイレーン
サイン―法医学者 柚木貴志の事件―
櫻子さんの足下には死体が埋まっている
サギデカ
先に生まれただけの僕
SAKURA~事件を聞く女~
桜の塔
さすらい温泉 遠藤憲一
サムライせんせい
さぼリーマン甘太朗
さよならノワール
さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~
ザ・ロイヤルファミリ
残念な夫。
3人のパパ
35歳の少女
37.5℃の涙
3年A組 今から皆さんは、人質です
G線上のあなたと私
シェフは名探偵
Chef~三ツ星の給食~
視覚探偵 日暮旅人
シグナル 長期未解決事件捜査班
時効警察はじめました
地獄先生ぬ~べ~
しずかちゃんとパパ《再編集版》
下町ロケット
下町ロケット[2018]
七人の秘書
シッコウ!!~犬と私と執行官~
知ってるワイフ
GTO[2]
死にたい夜にかぎって
死幣ーDEATH CASHー
地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子
下北沢ダイハード
しもべえ
シャーロック アントールドストーリーズ
死役所
獣医さん、事件ですよ
就活家族~きっと、うまくいく~
就活生日記
19番目のカルテ(最終回)
集団左遷!!
10の秘密
重版出来!
重要参考人探偵
准教授・高槻彰良の推察 Season1
正直不動産
正直不動産2
JKは雪女
女囚セブン
少年寅次郎
少年寅次郎スペシャル2020
昭和元禄落語心中
知らなくていいコト
シリーズ江戸川乱歩短編集IV
シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。
新・刑事吉永誠一
新宿セブン
新宿野戦病院
新・信長公記~クラスメートは戦国武将~
深夜食堂[3]
  • 過去の連ドラの感想記事一覧(た)
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[た]
DIVER-特殊潜入班-
大貧乏
DIVE!!
大恋愛~僕を忘れる君と
高嶺の花
田鎖ブラザーズ
戦う!書店ガール
玉川区役所 OF THE DEAD
民王
ダメな私に恋してください
タリオ 復讐代行の2人
探偵が早すぎる
探偵さん、リュック開いてますよ
探偵の探偵
探偵・由利麟太郎
小さな巨人
ちむどんどん
中学聖日記
超速パラヒーロー ガンディーン
ちょっとだけエスパー
終のひと
作りたい女と食べたい女
作りたい女と食べたい女(2)
燕は戻ってこない
妻、小学生になる。
デート ~恋とはどんなものかしら~
Tシャツが乾くまで
dele/ディーリー
ディア・ペイシェント~絆のカルテ~
DCU Deep Crime Unit ~手錠を持ったダイバー~
デザイナー 渋井直人の休日
デジタル・タトゥー
デスノート
テセウスの船
出入禁止(デキン)の女
テディ・ゴー!
デッドストック
デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
天国と地獄 ~サイコな2人~
天使と悪魔
天使にリクエストを~人生最後の願い~
転職の魔王様
天皇の料理番
TWO WEEKS
東京スカーレット~警視庁NS係~
東京センチメンタル
東京タラレバ娘
東京独身男子
同窓生~人は、三度,恋をする~
東京サラダボウル
東京放置食堂
逃亡医F
透明なゆりかご
ドS刑事
時をかける少女
毒島ゆり子のせきらら日記
トクサツガガガ
ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~
ドクターX ~外科医・大門未知子~[3]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[4]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[5]
ドクターX ~外科医・大門未知子~[6]
ドクターX~外科医・大門未知子~[7]
ドクターカー
DOCTORS 3 最強の名医
Dr.倫太郎
特捜9
トクメイ!警視庁特別会計係
匿名探偵[2]
とげ~小市民 倉永晴之の逆襲~
ど根性ガエル
突然ですが、明日結婚します
トップナイフ ―天才脳外科医の条件―
とと姉ちゃん
トドメの接吻
隣の家族は青く見える
となりの関くんとるみちゃんの事象
ドラゴン桜(2021年版)
虎に翼
ザ・トラベルナース
ザ・トラベルナース[2]
ドリームチーム
トリリオンゲーム
トレース~科捜研の男~
ドロ刑 -警視庁捜査三課-
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[は]
バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~
バイプレイヤーズ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~
バイプレーヤーズ~名脇役の森の100日間~
バカボンのパパよりバカなパパ
白衣の戦士!
ハゲタカ(テレ朝)
ばけばけ
ハケン占い師アタル
ハケンの品格[2020]
ハコヅメ~たたかう!交番女子~
はじめまして、愛しています。
初めて恋をした日に読む話
八月は夜のバッティングセンターで。
初恋、ざらり
花子とアン
花咲舞が黙ってない
花咲舞が黙ってない[2024]
花のち晴れ~花男 Next Season~
母になる
ハヤブサ消防団
ばらかもん
ハラスメントゲーム
ハルカの光
ハル ~総合商社の女~
ハロー張りネズミ
半沢直樹[2020]
半分、青い。
パーフェクトワールド
BG~身辺警護人~
BG~身辺警護人~(第2章)
「PJ ~航空救難団~』
ヒガンバナ~警視庁捜査七課~
ひきこもり先生
悲熊
美食探偵 明智五郎
人は見た目が100パーセント
火の粉
100万回 言えばよかった
病室で念仏を唱えないでください
病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~
ひよっこ
ひよっこ2
ビリオン×スクール
Believe -君にかける橋-
昼のセント酒
HERO[2014]
ファーストクラス[2]
ファーストペンギン!
ファイトソング
FINAL CUT
ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
フェルマーの料理
VRおじさんの初恋
不機嫌な果実
ブギウギ
不適切にもほどがある!
不便な便利屋
ブラックペアン
ブラックペアン シーズン2
フラジャイル
フランケンシュタインの恋
ブラックリベンジ
フリンジマン
フルーツ宅配便
ブルーモーメント
プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮
べしゃり暮らし
ヘッドハンター
べっぴんさん
ペテロの葬列
Heaven?~ご苦楽レストラン~
保育探偵25時
ボイス 110緊急指令室
ボーダーライン
HOPE~期待ゼロの新入社員~
ボク、運命の人です。
僕たちがやりました
ホクサイと飯さえあれば
僕とシッポと神楽坂
僕の初恋をキミに捧ぐ
僕のヤバイ妻
僕はどこから
僕らは奇跡でできている
僕達はまだその星の校則を知らない
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
星降る夜に
ホテルコンシェルジュ
ホリデイラブ
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[や]
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
やさしい猫
ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~
屋根裏の恋人
山田孝之の東京都北区赤羽
ヤメゴク
ユーミンストーリーズ2024
ゆとりですがなにか
ユニコーンに乗って
ユニバーサル広告社
妖怪シェアハウス
ようこそ、わが家へ
4号警備
40万キロかなたの恋
4分間のマリーゴールド
[ら]
ライオンの隠れ家
ラヴソング
ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~
ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~
THE LAST COP/ラストコップ
ラストチャンス 再生請負人
ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~
ラストマン-全盲の捜査官-
らんまん
リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~
リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
リエゾン-こどものこころ診療所-
陸王
リコカツ
リスクの神様
リバース
リバーサルオーケストラ
リピート ~運命を変える10か月~
リブート
#リモラブ ~普通の恋は邪道~
竜の道 二つの顔の復讐者
路(ルウ)~台湾エクスプレス~
ルパンの娘[1]
ルパンの娘[2]
流星ワゴン
臨床心理学者 火村英生の推理
レッドアイズ 監視捜査班
恋愛時代
レンアイ漫画家
レンタル救世主
レンタルなんもしない人
レンタルの恋
六畳間のピアノマン
6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
[わ]
ワイルド・ヒーローズ
若者たち2014
私 結婚できないんじゃなくて、しないんです
私たちはどうかしている
ワタシってサバサバしてるから
わたし、定時で帰ります。
わたしを離さないで
私のおじさん~WATAOJI~
私の家政夫ナギサさん
罠の戦争
わにとかげぎす
わろてんか

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