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連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第71回第15週『マツノケ、ヤリカタ。』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


晴れて夫婦となったトキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)。2人は司之介(岡部たかし)とフミ(池脇千鶴)と4人で暮らすことになる。勘右衛門(小日向文世)、サワ(円井わん)やなみ(さとうほなみ)に見送られ、トキはついに天国町の長屋を脱出!かつて暮らしていた松江城の近くに引っ越す。そして始まる家族4人での新生活!しかし、トキはある不安を抱えていた。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5,7,13,14
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12,15
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10
   小島東洋(過去作/この花咲くや,ブギウギ) 第11
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
副音声日本語吹替:西地修哉(ヘブン担当)、木村はるか(リヨ担当)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋,鈴木航,川野秀昭|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、毛尾喜泰|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田亜矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲、武井美晴|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉、大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子,厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華,澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛元美佐子、横山智和、鍛本美佐子|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉、松嶋彩|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人、川村肇|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳
※敬称略




演出によって前週までと違った雰囲気になるのも興味深い

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
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―――ここまで、ごあいさつ―――

冒頭、次のカットが面白かった。


朝ドラ ばけばけ
©NHK

松野家が貧乏長屋を出て行く場面で、カメラは荷車を押す松野家の面々を俯瞰で(上から)撮って、そのまま路地口を上からまたいで、ワンカットのまま上図の表札が並ぶ構図までつなげて見せた。

もちろん、一般的には数カットに割って映像化する場面だが、上からのアングル、ワンカットによって「何か違うな?」と思わせて、案の定、トキ(高石あかり※高=はしごだか)が表札を外す場面を強調する作戦だ。

これ、スルーしてしまえばそれまでだが、私は面白い試みだと思う。

だって、ふつうに考えたら「この視点」では見ない(見られない)光景を映像化したわけであり、これこそが広義での《映像で見せて(show)魅せる(captivate)》ことだと思うからだ。

そして、この類のカット割りは、本作のチーフ監督・村橋直樹氏は行わない傾向であり、つまり、今週の演出担当・泉並敬眞氏の個性であるともいえるのだ。

ちなみに、今週の泉並氏の演出は、村橋氏の演出よりも “コミカルさが少ない” という傾向があり、それも今回を見る限り踏襲されている(と思う)。

よって、「4人での新生活が始まる週」として、前週までと違った雰囲気になるのも興味深い


僅かな違和感で「新章幕開け」を飾るのはとてもうまい展開


ヘブン「ダイジョウブデス」
トキ「えっ?」
ヘブン「ニホン ヤリカタ… マツノケ ヤリカタ
 イキマショウ。
司之介「ええのか?」
フミ「ええの?」
ヘブン「ハイ!」
トキ「ヘブン先生…」
ヘブン「オウ…。
 コトバ… モンダイ…イロイロ タイヘン… オモウガ…。  But… ニホン スキ。  ヤリカタ シル… マナブ…。
 ニホン ヤリカタ… マツノケ ヤリカタ
 タノシミデス」

並みの仕上がりのドラマであるなら、ここで「今回は終わり」となるだろう。

「状況説明」「事情解説」の「月曜日」としては、程よき区切りであるからだ。

しかし、本作の脚本はここで終わらずに、もう一つ踏み込んできた。


フミ「あっ
 では…日本のやり方でいくっちゅうんなら…
 気になっちょること言ってもええ?」
トキ「何?」
フミ「先ほどから… 
 この人が上座に座っちょるのが気になって…」

気になっていたのはフミ(池脇千鶴)だけでにあらず、私も… である(笑)

やはり、ちょっとした違和感を盛り込んで、そこから、新しい松野家の “家長” が、年長者の司之介(岡部たかし)ではなくヘブン(トミー・バストウ)であると引き立てるのは、「新章も幕開け」を飾る意味でもとてもうまい展開だ。

そして。


ヘブン「カゾク… センセイ ヨブ… オカシイ。
 ヤメル。オーケー?」
司之介「あ? そげなことは簡単じゃな。フフッ。
 んっ… ヘブン。これでええか? ヘブン」
フミ「ヘブンさん」
ヘブン「ウン。イエス… ヘブン ヘブンサン」
司之介「うん」
ヘブン「ウレシイ。アリガトウゴザイマス」

ここまで盛り込んだだけでも、なかなかいい感じなのに。


今週の演出は“見せすぎないで伝える”ようで、楽しみ

演出は、上記のやり取りの直後に “間” を取って、約25秒間もワンカットで《トキの後ろ姿》だけで主人公を描いた。


朝ドラ ばけばけ
©NHK

もちろん、トキが「ヘブンさん」ではなく「ヘブン先生」と呼び続けることは百も承知なことだが。

この‘25秒間の後ろ姿’によって、具体的な表情が見えないからこそ、トキがどんな顔で考えているのかを想像できる。

と同時に、どんな理由で「ヘブン先生」と呼び続けることを説得するのかが楽しみになる。

これ、もしも、‘25秒間の後ろ姿’がなければ、トキの宣言(要求)がやり取りの中に埋もれてしまい、アクセントにもならなかったと思う。

そして、さらに、ラストカットは下図のとおり、ど~んと引いたロングショットで、誰の顔も見えない。

だからこそ、視聴者は「どんな笑顔で語らっているのだろう?」と、これまた想像できる。

どうやら、今週の演出は “見せすぎないで伝える” ようで、楽しみだ。


朝ドラ ばけばけ
©NHK

ちなみに、松野家が引っ越した新居の「武家屋敷」のロケ地は、島根県松江市にある松江武家屋敷(館内有料見学可)が使用されたそうである。

松江市指定文化財 武家屋敷|公式サイト 新窓で開きます


あとがき

今回で興味深く見たのは、やはり蛇と蛙(渡辺江里子&木村美穂 ex.阿佐ヶ谷姉妹) の影の声の使い方ですね。

基本は、従来どおり「会話に絡まない」でした。

いや、だって、これまでは、蛇と蛙は「(新居である)武家屋敷に住み着いてる」の設定だから、あくまでも「時々」でよかったと思うのですが、今回からは「常駐」しているわけですから、いつでも加わることができるわけなので。

でも、蛇と蛙は、あくまでも「影の声」であり、「語り」「ナレーション」ではないので、今のスタンスが程よいかなと思います。

今後は分かりませんので、そこも楽しみに見たいと思います。


厳選『ばけばけ』で描かれない秘話の解説リンク集
●八雲×セツ「万物に霊が宿るアニミズム思想」 → こちら 新窓で開きます
●八雲×セツの松江婚“日本語で恋” → こちら 新窓で開きます
●三之丞(板垣李光人)モデル“静かなる光” → こちら 新窓で開きます
●八雲×セツ 松江借家の“ギクシャク” → こちら 新窓で開きます
●錦織(吉沢亮)モデル“八雲+セツとの友情” → こちら 新窓で開きます
“本当は中年女中”→若いセツ、乱入 → こちら 新窓で開きます
●妾か女中か?“八雲が求めた女中の条件” → こちら 新窓で開きます
八雲はモラハラ夫?“繊細で偏屈な素顔” → こちら 新窓で開きます
●八雲先生が"英語"で伝えた日本の文化 → こちら 新窓で開きます
●女中「お信」が結んだ"八雲とセツの縁" → こちら 新窓で開きます
"禁じられた結婚"とセツ・マティの共鳴 → こちら 新窓で開きます
●八雲が"令嬢との恋"を避けた真意 → こちら 新窓で開きます
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連続テレビ小説「ばけばけ」

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第14週『カゾク、ナル、イイデスカ?』「ダイジェスト版(土曜日版)」の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
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ヘブン(トミー・バストウ)は錦織(吉沢亮)と出雲を巡る旅の終わりに、突然呼び出したトキ(髙石あかり)へ大事な話を切り出そうとする。婚約したトキは家族への報告に悩み、隠し事も重なって関係は不穏さを増す。松野家は反対を経て結婚を認めるが、三之丞(板垣李光人)の存在が再び波紋を広げ、両家顔合わせの場でヘブンが「カゾク、ナル、デキナイ」と告げたことで…。
------上記のあらすじは、当ブログのオリジナル------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
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   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12
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プロデューサー:田島彰洋,鈴木航,川野秀昭|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、毛尾喜泰|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田亜矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉,大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子,厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華,澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛元美佐子、横山智和、鍛本美佐子|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉,松嶋彩|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章,ネイサン・ベリー|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人,川村肇|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳
※敬称略




全体1/5以上を割いて“出雲大社での誓い”まで盛り込んだ

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―――ここまで、ごあいさつ―――

冒頭から、興味深い編集である。

自慢するわけではないが、私が第66回(2026年1月6日放送)の感想で “重要なセリフ” の一つとして、最初に掲げた蛇と蛙(渡辺江里子&木村美穂 ex.阿佐ヶ谷姉妹)による  “影の声” が残された。


蛇(N)「おトキちゃんとヘブンさん  とうとう結ばれたわねえ」

さらに、トキ(高石あかり※高=はしごだか)がヘブン(トミー・バストウ) に杵築に呼ばれこと。

間もなく日本滞在記が完成し日本に住む必要がなくなるが、「イサセテ… クダサイ」の気持ちがあること。

出雲大社での結婚の誓いまで、全体の「1/5」以上の3分強を割いて盛り込んだ。

もちろん、出雲大社全面協力によって撮影された “誓いの場面” は絶対に残したかったのは、さまざまな媒体における制作統括・橋爪國臣氏やチーフ監督・村橋直樹氏のインタビューを読めば明らかだ。

しかし、それを抜きにすれば、冒頭の約3分、「出雲大社のカット」に追加ナレーションで「トキとヘブンは結婚を誓いました」とやれば、「10秒」で済むのだ。

参考リンク:テレビドラマ史上初、出雲大社での撮影はなぜ実現? 『ばけばけ』“涙の芝居”の裏側|Real Sound|リアルサウンド 映画部 新窓で開きます


プロなら当然の「やるべきことをきっちりとやった」

また、今週一週間の流れを鑑みれば、この「冒頭の3分強」は、ある意味で「起承転結」の「起」である。

よって、ナレーション処理をせず、トキとヘブンの映像を活用して、「結婚への第一歩を歩み出した」を《映像で見せて(show)魅せる(captivate)》をやった(残した)のだ。

さらに、旅行から帰宅する場面も残して、〈結婚したら月給20円がもらえなくなる〉ことで生じる騒動である「承」のきっかけまで、丁寧に残した。

やはり今回の一連の顛末を描くには、「起」と「承」がとても重要なのだ。

いや、この「起」と「承」を安易に「ヘブンと結婚したトキは、大事なことを家族に話していませんでした」とナレーション処理したら面白味がないのは、誰にも分かること。

これを言ってしまったらおしまいだが、できないプロが多い中で、プロなら当然の「やるべきことをきっちりとやった」のだ。


本当に意外であり、なかなか的を射た編集!

「やるべきことをきっちりとやった」に対して、「やるとは思わなかった」こともある。

それが、第69回(1月8日放送)の感想で、キャプチャー画像まで引用して解説した、ギスギスなトキとヘブンを心配した錦織(吉沢亮)がヘブンに “事情” を説明する場面だ。

なぜ、「やるとは思わなかった」のか?

だって、そもそも、トキが借金や雨清水家の存在をヘブンに隠していることを編集で強調し、それに激怒するヘブンを盛り込めば、トキが家族にヘブンとの結婚を報告せざるを得ないことは、それなりに表現できるからだ。

しかし、「ダイジェスト版」の編集では〈出勤前の不機嫌なヘブン、三之丞の身分を隠すトキ〉を丸々削除し、〈錦織が「建前」という日本人特有の気遣い(配慮、心遣い、心配り、思いやり)を英語で説明する場面〉だけを残した。

この編集によって、ヘブンの怒りの根源、言うなれば “ヘブンの本心・本音” が明瞭になったのだ。

私は、「残す」なら、〈出勤前の不機嫌なヘブン、三之丞の身分を隠すトキ〉と一緒に残すと思ったので、本当に意外であり、なかなか的を射た編集だと思う。


パーティーを6分も残す編集で、作り手の意図が強く伝わった

そして、〈錦織が「建前」をヘブンに説明〉と〈トキがタエ(北川景子)に結婚を報告〉を残して、結婚披露パーティーだ。

トキの「建前」を理解したヘブン、家族の大切さを身に染みるトキを強調することで、ヘブンの “カゾク” への強烈な嫉妬心や郷愁や憧れが、実に明瞭になったタイミングで… である。


蛇(N)「さまざま家族の秘密を抱えたまま
 2人の結婚披露パーティーが始まりました」

ここのパーティーだが、「本編」では、第69回の10分過ぎから約4分半と、第70回(1月9日放送)の約13分半の合計「約18分」あったが、「ダイジェスト版」でも「約6分(約1/3)」も残されていた。

要するに〈結婚披露パーティー〉は、解釈次第では今週の「転」と「結」の合体版だったのだ。

そう、トキが自身が抱えたトラブルをもとにした「禍を転じて福と為す」である。

さらに、私たち視聴者は、ヘブンの出自を知っているから、より、ヘブンの “カゾク” への強烈な嫉妬心や郷愁や憧れがクッキリと見えるし伝わるのだ。

パーティーを「約6分も」残す編集で伝わるのは、本作が、特に本作の後半戦が “トキとヘブンの物語” になって行くという作家の意図である。

もちろん、「本編」も「ダイジェスト版」も、全体の、全編の主人公はトキで間違いない。

しかし、物語自体は「主人公・トキと、夫ヘブンの物語」になるという意味だ。

そのことが、ヘブンがトキに「ママさん」と言わせるように「ゴメンナサイ。ドウゾ」と促すセリフを残した編集に見て取れる。

作り手の意図が強く伝わった編集だということだ。


いつ、トキとヘブンはお互いを結婚相手として意識したのか

いい機会なので、少しだけ脱線してみる。

ネット界隈では「いつ、トキとヘブンはお互いを結婚相手として意識したのか分かりにくい」との論調があるそうだ。

私は、以前の感想で、トキがヘブンを意識したのは第65回(2025年12月26日)で「橋の上で大きなため息をついた瞬間」であると書いた。

昨日(2026年1月9日放送)の『あさイチ プレミアムトーク トミー・バストウ』内の髙石あかりさんのインタビューで、髙石さんも同じ瞬間を気付いた瞬間だとおっしゃっていた。

そして、トミーさんは、第48回(12月3日放送)で描かれた、大寒波で風邪をひいたヘブンを必死に看病するトキを見て「この人だ」と認識したと演じた… ようなことをおしゃっていた。

人が人を好きになる、愛する瞬間は「あのとき」と限定できるものでもないと思うが、演じたお二人の意見を鑑みると、トキとヘブンは意外と長い期間、お互いを意識しながらも、秘密を抱えて生きてきたことも分かる。

やはり、異国人同士、明治という時代が生んだ悲恋ともいえると思う。

【見逃し配信】
あさイチ プレミアムトーク トミー・バストウ|NHK ONE 新窓で開きます
 ※配信期限:1月16日(金)午前9:53


あとがき

再構成もさることながら、丁寧な編集だった思います。

セリフの切れ目を中心に切り貼りするのではなく、「本編」にもあった “間” を残すようなフレーム単位での細かな編編ですね。

本来であれば、「2週またぎ」にしても良いような情報量でしたが、三連休が挟まるって間延びすることや、後半戦のスタートダッシュをつける意味でも、「一気に一週間で!」となったのかもしれません。

がしかし、その英断こそが、ひといきに(途切れなく)「主人公・トキと、夫ヘブンの物語」へ発展させたと思います。

このまま、息切れすることなく進んでいただきたいです。

喪中につき、ご挨拶が遅れました。
本年も、よろしくお願いいたします。

昨日(1月9日)に新しい補足記事を投稿したので、そちらも「まだ」の読者様にはお勧めいたします!
朝ドラ「ばけばけ」嘘をつく人や威張る人をひどく嫌う…怒りん坊のハーンを支えたセツの愛と知恵 新窓で開きます


厳選『ばけばけ』で描かれない秘話の解説リンク集
●八雲×セツ「万物に霊が宿るアニミズム思想」 → こちら 新窓で開きます
●八雲×セツの松江婚“日本語で恋” → こちら 新窓で開きます
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拍手[29回]

探偵さん、リュック開いてますよ

テレビ朝日系・金曜ナイトドラマ『探偵さん、リュック開いてますよ』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)InstagramTikTok

第1話『Bad Matsutake Mushroom Over Harvester』の感想。


西ヶ谷温泉の廃業旅館「ゆらぎや」で探偵兼発明家として暮らす一ノ瀬洋輔(松田龍平)は、町の依頼を受けつつ静かな日々を送っている。ある日、幼なじみの清水としのり(大倉孝二)が動画配信者・南香澄(片山友希)を連れて現れ、部屋を貸してほしいと頼むが洋輔は拒否する。香澄は洋輔に興味を抱き動画を投稿し続け、周囲の奇妙な町人たちにも惹かれていく中、洋輔は松茸泥棒捜索の依頼を受けることになる…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作:なし
脚本:沖田修一(過去作/0.5の男) 1
   近藤啓介(過去作/今日もふたり、スキップで)
   守屋文雄(過去作/キツツキと雨※沖田修一と共同脚本) 演出:沖田修一(過去作/フルーツ宅配便) 1
   近藤啓介(過去作/今日もふたり、スキップで)
   東かほり(過去作/映画「とりつくしま」)
音楽:池永正二(過去作/0.5の男,パーセント)
主題歌:My Hair is Bad「ここで暮らしてるよ」
※敬称略




温泉のように“ほっこり癒される”新感覚ミステリー

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『冬ドラマの期待度』の記事にも書いたとおり、実にテレ朝の金曜ナイトドラマの感想を投稿するのは『リエゾン-こどものこころ診療所-(2022)』以来の、当ブログにとっての珍事である(笑)

さて、本編のほうは、温泉街の古びた旅館で暮らす探偵兼発明家が、近所の風変わりな依頼をのんびり解決する、まさに温泉のように “ほっこり癒される” 新感覚ミステリーだ。

内容は… 特に語ることがない(笑)

というのも、いかにも深夜ドラマ、いかにも、ゆる~い探偵ものと言った感じで、特筆すべきことはない。

しかし、ゴールデンタイム(午後7時から10時までの最も視聴率の高い時間帯)に放送される連ドラとは違った、自由奔放さと説明臭さのなさが何よりも醍醐(だいご)味である。

また、映画『モヒカン故郷に帰る』(2016)、ドラマ『0.5の男』(WOWOW/2023)で、主演の松田龍平さんと三度目のタッグを組む沖田修一氏の脚本と演出だから、相性はピッタリだ。

撮影現場を見なくても、松田さん特になし沖田氏が互いにアイデアを出し合って作り込んだことは伝わる作風だ。

繰り返すが、特に「感動はしない」し、犯人を知ったところで「なるほどね」と溜飲が下がるわけでもない

しかし、せわしない日常の中で、一瞬だけでもホッとできる時間を過ごせるのは間違ない。

これを読んで興味を持っていただけたら、一話だけでも見てほしい。
 ※見て楽しんでほしいので、あえて、内容には一切触れません。


あとがき

今後の感想は、気分次第にします…


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拍手[17回]

朝ドラ「ばけばけ」嘘をつく人や威張る人をひどく嫌い、怒りん坊のハーンを支えたセツの愛と知恵
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【忠告】
朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



嘘をつく人を嫌う怒りん坊のハーンを支えたセツの愛と知恵

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俳優・高石あかり(※高=はしごだか)さん主演でヒロイン・松野トキを、トミー・バストウさんがレフカダ・ヘブンを演じ、文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と、妻セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第14週『カゾク、ナル、イイデスカ?』の第70回(2026年1月9日放送)では、、主人公・松野トキ(高石あかり※高=はしごだか)に対して、ヘブン(トミー・バストウ)が嘘をつく人を嫌い、怒りん坊な姿が描かれました。

そこで今回は、怒りん坊のハーンを支えたセツの愛と知恵についての[史実]を記してみます。

きっと、「本編」では採用されない(と思います)エピソードを知ることになるので、より今作を深読みできると思います。


日本を愛した作家とその伴侶の歩み

明治23(1890)年、パトリック・ラフカディオ・ハーンという一人の男が日本にやってきた。

彼はギリシャで生まれ、アイルランドで子供時代を過ごした人物で、来日当時は40歳だった。

その翌年、彼は松江で日本人の小泉セツと出会い、結婚する。

明治29(1896)年には日本国籍を手に入れ、名前を「小泉八雲」と改めた。

彼は『怪談』という本の中で「耳なし芳一」などの物語を世に広めたことで有名だが、その裏には妻であるセツの並外れた支えがあった。


激しい怒りと深い優しさを持つ男

ハーンはもともと、新聞記者などの仕事をしていた。

彼が日本に来た理由は、アメリカの出版社から日本の様子を記事にしてほしいと頼まれたからである。

しかし、日本に着いてすぐに大きなトラブルが起こる。

一緒に来た画家の給料が自分の原稿料よりも高いことを知り、ハーンは激しく腹を立てた。

彼は出版社に対して、非常に厳しい言葉で絶縁を宣言する手紙を送り、自分から仕事を辞めてしまったのである。

あまりにも思い切った行動に驚かされるが、彼はその後、東京にいた学者の助けを借りて、島根県の松江にある学校で英語の教師として働くことになった。

松江でも、彼の真っすぐな性格によるエピソードが残っている。

彼が泊まっていた宿屋の娘が目の病気にかかっていたとき、主人がなかなか病院へ連れていかないことにハーンは憤慨した。

彼はすぐさまその宿を出てしまったが、実は自分自身が左目の視力を失っていたため、目の病気を放っておくことがどうしても許せなかったのである。

彼は引っ越した後もその娘のことを心配し、自分の手で病院に連れていって病気を治してあげた。

このように、ハーンは怒りやすい一方で、困っている人を放っておけない深い優しさを持っていた。


夫婦の絆を深めた「あえて出さない」手紙

ハーンとセツが結婚した後も、彼の怒りっぽい性格はたびたび問題になった。

特に外国の出版社と本を作るとき、自分のこだわりが強すぎるために言い争いになることが多かったのである。

中には、ハーンに無断で本のデザインを決めてしまう失礼な出版社もあり、そんなときハーンは怒りに任せて激しい抗議の手紙を書いた。

そしてセツに「今すぐポストに入れてきてくれ」と頼むのがいつもの流れであった。

しかし、セツはハーンの性格を誰よりもよく理解していた。

彼女は返事をして手紙を受け取るが、実はすぐには出さずに手元に置いておいた。

ハーンの怒りは数日もすれば収まることが多く、後になって「あんなにひどいことを書かなければよかった」と後悔することを知っていたからである。

冷静になったハーンが「あの手紙はもう出したのか」と尋ねると、セツはあえて「はい、出しました」と答え、彼が本気で困る様子を少しだけ眺めていた。

それからセツが「実は出していません」と手紙を差し出すと、ハーンは大喜びして彼女に感謝し、落ち着いた内容の手紙を書き直した。

これは、夫の性格を知り尽くしたセツならではの、温かい知恵であったといえる。


言葉の壁を越えた独自のコミュニケーション

ハーンは日本語の読み書きがほとんどできなかったため、夫婦の会話には「ヘルン語」と呼ばれる独特な言葉が使われていた。

これは、セツがハーンにも分かりやすいように工夫して作り上げた、易しい日本語のことである。

ハーンは非常に神経質で、自分の意図が相手に伝わらないとすぐに機嫌を損ねてしまうところがあった。

しかし、セツはこの特別な言葉を操ることで、彼の複雑な感情を解きほぐし、異国の地で孤立しがちな彼の心を常に癒やしていた。

また、ハーンが執筆に行き詰まったり、些細なことで激しく落ち込んだりしたとき、セツは決まって彼の大好きな「幽霊の話」を語って聞かせたという。

彼女はただ物語を伝えるだけでなく、部屋の明かりを暗くし、ハーンがその世界に没入できるように演出まで凝らしていた。


「そんなとき、私はわざと行灯(あんどん)の火を低くして、幽霊が出るような薄暗い部屋で、一言一言、心を込めて語りました。するとヘルンは、私の話に引き込まれ、いつの間にか怒りも悲しみも忘れて、目を輝かせて聞き入るのです」

 ※出典:小泉節子『思い出の記』

このように、セツは夫の激しい感情を否定するのではなく、それを創作のエネルギーへと見事に変換させていた。

彼女が語った数々の日本の伝説や怪談は、のちにハーンの名作『怪談』へと結実することになるのである。


ハーンが愛したものと嫌ったもの

セツは、ハーンがどのようなものを好み、何を嫌っていたかを細かく記録に残している。


「ヘルンの好きな物をくりかえして、列べて申しますと、西、夕焼、夏、海、游泳(水泳)、芭蕉、杉、淋しい墓地、虫、怪談、浦島、蓬莱などでございました。場所では、マルティニークと松江、美保の関、日御崎、それから焼津、食物や嗜好品ではビステキ(ビーフステッキ)とプラムプーデン(プラムプディング)、と煙草」

 ※出典:小泉節子『思い出の記』

ハーンは静かな場所や日本の古い物語を愛していたが、その一方で大嫌いなものもハッキリしていた。


「嫌いな物は、うそつき、弱いもの苛め、フロックコートやワイシャツ、ニユーヨーク、そのほか色々ありました」

 ※出典:小泉節子『思い出の記』

彼は嘘をつく人や威張る人をひどく嫌い、堅苦しい服装や都会の騒がしさも苦手であった。

あるとき、旅行先で泊まった宿が宴会でうるさかったときには、一刻も耐えられないと言ってすぐに別の宿へ移ったこともあった。

彼は浴衣を着て、静かに蝉の声を聞きながら過ごすような時間を何よりも大切にしていたのである。

明治24(1891)年に松江で出会った二人は、武家屋敷で共に暮らし始めた。

ハーンの仕事の都合で、わずか5カ月後には熊本へ移ることになるが、二人の深い絆は、明治37(1904)年にハーンがその生涯を閉じるまでずっと続いていくことになった。


あとがき

小泉八雲ことハーンが、これほどまでに日本を愛し、素晴らしい作品を多く残せたのは、妻であるセツさんの賢さと深い愛情があったからこそだと改めて感じました。

感情の起伏が激しい夫を否定するのではなく、その性格を丸ごと受け入れて見守り、さらには創作の力に変えてしまうセツさんの知恵は、まさに理想的なパートナーの姿ですね。

二人の信頼関係がとても微笑ましく、心が温まるお話でした。

今回のまとめを通して、二人の強い絆がより鮮明になったのではないでしょうか。

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『思ひ出の記』小泉節子(著)・小泉八雲記念館(監修)ハーベスト出版 新窓で開きます
『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』NHK出版(編)NHK出版 新窓で開きます
『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子(著)内外出版社 新窓で開きます
■「詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2
■「松江に於ける八雲の私生活」桑原羊次郎(著)山陰新報社
『ラフカディオ・ハ-ンのアメリカ時代』エドワード・ラロク ティンカー(著)木村勝造(訳)ミネルヴァ書房 新窓で開きます
■『小泉八雲事典』平川祐弘(監修)恒文社
『夢の途上: ラフカディオ・ハーンの生涯〈アメリカ編〉』工藤美代子(著)集英社 新窓で開きます
『評伝ラフカディオ・ハーン』E.スティーヴンスン(箸)遠田勝(訳)恒文社 新窓で開きます
『小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し』筑摩書房編集部(箸) 新窓で開きます
『明治時代の人生相談』山田邦紀(著)幻冬舎 新窓で開きます
■富田旅館の証言(国立国会図書館サーチ〈NDLサーチ〉 新窓で開きます
レファレンス協同データベース 新窓で開きます
島根郷土資料刊行会編「西田千太郎日記」 新窓で開きます
国立国会図書館蔵書「小泉八雲全集 第1-17巻」 新窓で開きます
名古屋大学「人事興信録」データベース 新窓で開きます
書陵部所蔵資料目録・画像公開システム - 宮内庁 新窓で開きます
『父小泉八雲』小泉一雄(箸)小山書店 新窓で開きます
『小泉八雲「見えない日本」を見た人』畑中章宏(著)光文社新書 新窓で開きます
『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』牧野陽子(著)中公新書 新窓で開きます
『さまよえる魂のうた 小泉八雲コレクション』小泉八雲(著)、池田雅之(編)ちくま文庫 新窓で開きます


牧野陽子著『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』(中公新書) 遠田勝著「書簡が語る八雲の生涯」『無限大?№88』(日本アイ・ビー・エム) 小泉八雲著、池田雅之(編)『小泉八雲コレクション?さまよえる魂のうた』(ちくま文庫)

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拍手[30回]

連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第70回第14週『カゾク、ナル、イイデスカ?』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


トキ(髙石あかり)の隠し事がスッキリしない、ヘブン(トミー・バストウ)。トキもまた、ヘブンに対して不安を抱えたまま、2人は家族顔合わせの日を迎える。司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)の松野家と、タエ(北川景子)と三之丞(板垣李光人)の雨清水家。錦織(吉沢亮)が見守る中、両家の挨拶が進んでいく。そんな中、ヘブンが突然「カゾク、ナル、デキナイ」と言い出す。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5,7,13,14
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10
   小島東洋(過去作/この花咲くや,ブギウギ) 第11
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
副音声日本語吹替:西地修哉(ヘブン担当)、木村はるか(リヨ担当)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋,鈴木航,川野秀昭|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、毛尾喜泰|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田亜矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉,大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子,厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華,澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛元美佐子、横山智和、鍛本美佐子|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉,松嶋彩|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章,ネイサン・ベリー|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人,川村肇|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳
※敬称略




盛り込んできた秘密を一気に利用したなかなかの感動ドラマ

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なかなか説得力のあるセリフ、展開だ。


トキ「お金のために一緒になったと
 思われたくなかったからです!
 ただ そばに…。
 だけん 一緒になったと…
 分かってほしかったからです。
 こげな うそも ついたら 駄目ですか?」

実は、前回までの雰囲気では、トキ(高石あかり※高=はしごだか)がヘブン(トミー・バストウ)に対して “隠し事” をしていることが、結婚の足止めになっているのかよく分からなかった

しかし、今回で、トキがヘブンにうそをついていることが足止めの理由だったことがハッキリした。

もちろん、言わずもがなであるが、全てが、愛する人や大切な人を慮(おもんぱか)るゆえの “うそ” で。

これまで本作が盛り込んできた様々な “隠し事(=秘密)” を巧みに活用して、一気に放出した感じだ。

その‘一気に’が功を奏して、なかなかの感動ドラマになったと思う。


ヘブンの「うそがダメ」「隠し事はダメ」を強調しない作劇

私が今回の物語で、うまいなと思ったのは。

「うそがダメ」「隠し事はダメ」ではなく、ヘブンが、トキが育ての母・フミ(池脇千鶴)と、産みの母・タエ(北川景子)にうそをつかせるようなことをし続けていることに怒ったような描写になっていたこと。

だって、ヘブンが「うそがダメ」「隠し事はダメ」を強調してしまうと、じゃあ、イライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックス) のことは? となるのだ。

確かに、島根県知事・江藤安宗(佐野史郎) の家でのヘブンの快気祝いのディナーの際に、錦織(吉沢亮)ら一部には話したが、それだけなのだ。

よって、「自分は自分、トキはトキ」という身勝手なキャラクター設定に見えるような作劇は、この先を考えればやるべきではないと考えるのが妥当であり。

その意味で、次のヘブンのセリフを強調し帰着させたのは秀逸だと思う。


ヘブン「ワタシ…
 ママ… ハヤク ワカレル アリマシタ。
 ダイスキ ママ… So, now…。
 ママサン フタリ… ウレシイデス」


「三幕構成」で重要なのは全体の真ん中に"転換点"をつくる

第65回(2025年12月26日放送)の感想でも書いたので、重複してしまうが。

今回が「アバンタイトルなし」の直球勝負の構成だから、あえてまた話をしようと思う。

一般的な日本のドラマや映画の物語の構成の‘基本の基’は「起承転結」である。

しかし、今回の構成は、ハリウッド映画で多く用いられている「三幕構成」だ。

「起承転結」と「三幕構成」の大きな違いは下記の点である。

 ●起承転結:物語の “流れ” で観客を惹き付けようとする思惑が強い
 ●三幕構成:“主人公の目標” が重視される

そして、「三幕構成」において重要なのはストーリー全体の真ん中に “転換点” をつくることだ。


物語の真ん中「ミッドポイント」で主人公の立場が一転する

「三幕構成」を簡単に箇条書きで表すと次のようになる…

 ●第一幕〈発端〉:状況や設定の説明と、主人公の目標を提示
 ●第二幕の前半〈葛藤1〉:主人公が目標に向って前進
 ●第二幕の後半〈葛藤2〉:主人公がどんどん窮地に陥っていく
 ●第三幕〈解決〉:主人公が目標に向って再び前進

上記のように、重要なのは、ストーリー全体の真ん中に “第二幕=転換点” をつくるという「ミッドポイント(中間点・転換点)」というの考え方だ。

「起承転結」のように「承」から「転 → 結」で物語を切り替えるのでなく、物語の真ん中「ミッドポイント」で “主人公の立場が一転する” みたいな感じだ。

第一幕から第二幕の前半まででグイっと観客を惹き付けておいて、第三幕の直前で「プロットポイントII」と呼ばれる切れ目をつくって、そこから一気に主人公の再起を描く… これがハリウッド流だ。


「三幕構成の二重構造」だから「異文化交流のドラマ」に

しかし、上記の三幕構成は一般的な、ハリウッド映画にありがちな「ヒーローもの」の作例だから、本作に当てはめると分かりにくいと思う。

要するに、下記のような構成になっていたと思うのだ。

 ●第一幕〈発端〉:ヘブンの激怒
 ●第二幕の前半〈葛藤1〉:トキがヘブンを納得させるためにうそをばらす
 ●第二幕の後半〈葛藤2〉:フミがトキとタエの母子関係をヘブンに打ち明ける
 ●第三幕〈解決〉:ヘブンがトキやフミたちの気持ちに気づき再び前進

ここで断っておかなくてはいけないのが、今回の「三幕構成」の主人公はヘブンであることだ。

当然、「本作の主人公はトキじゃないの?」と思うだろう。

そのとおりである。

実は、今回は「三幕構成」の中に「三幕構成」が入れ子のように入る二重構造になっているのだ。

大枠の「三幕構成」は次のようになっていたと思われる。

 ●第一幕〈発端〉:トキがヘブンの激怒に戸惑う
 ●第二幕の前半〈葛藤1〉:トキやフミがヘブンを納得させるためにうそをばらす
 ●第二幕の後半〈葛藤2〉:トキがヘブンの「オタエ ママサン」に葛藤・苦悩・憤慨する
 ●第三幕〈解決〉:トキがタエを「ママさん」と呼んで再び前進

こうして考えれば、「三幕構成の二重構造」だからこそ、「松野家と雨清水家のお涙頂戴ドラマ」にはならず、「トキとヘブンの異文化コミュニケーションのドラマ」に帰着したのだと思う。

お見事だ。


あとがき

「アバンなし」で描いたことで、ドラマとしての塊感も出て、よかったと思います。

あれこれ言うつもりになれば、突っ込めなくもないですが(笑)

でも、出雲大社での結婚の誓いに始まった今週の着地点としては、きれいにまとまったと思います。

それにしても、後半戦になった一週間、とてもよく作り込まれており、完成度が高いですね。

それだけに、明日の「ダイジェスト版」がどこを削除するのか、どう編集するのか楽しみです。

【追記】新しく「補足記事」を投稿を投稿しました。
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