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連続テレビ小説あんぱん Part1 (1) (NHKドラマ・ガイド)

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富士屋カツヒト「19番目のカルテ徳重晃の問診」

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感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっとこうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
作品の粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくること、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃が目的ではないことをご理解ください。

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#テレビ #テレビドラマ #ドラマ #ドラマ感想 #朝ドラ #連続テレビ小説 #映画 #映画レビュー #サザンオールスターズ #桑田佳祐 #VOWWOW #山本恭司 #あんぱん

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19番目のカルテ（第1話/初回15分拡大SP・2025/7/13）感想

2025/07/14 (Mon)10:04:29 ドラマ

TBSテレビ系・日曜劇場『19番目のカルテ』
公式リンク：Website｜X(旧Twitter)｜Instagram｜TikTok

第1話/初回15分拡大SP『その医師が、人を、医療を、変えていく――総合診療医を描く新医療ドラマ』の感想。

なお、原作の漫画、富士屋カツヒト「19番目のカルテ徳重晃の問診」は未読。

専門医による分業が進む一方で、複雑な症状を抱えた患者が診療科をたらい回しにされる問題が生じている。これを解決するために誕生したのが、19番目の新しい科・総合診療科である。しかし、その存在はまだ広く認知されていない。魚虎総合病院では院長・北野栄吉（生瀬勝久）の独断で総合診療科を新設。そんな中、新米整形外科医・滝野みずき（小芝風花）は専門外の訴えに戸惑うが、そこへ“総合診療医”徳重晃（松本潤）が現れる。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

原作(漫画)：富士屋カツヒト「19番目のカルテ徳重晃の問診」
脚本：坪田文（過去作/おじさんはｶﾜｲｲものがお好き｡,探偵ﾛﾏﾝｽ,初恋､ざらり）
演出：青山貴洋（過去作/ｸﾞﾗﾝﾒｿﾞﾝ東京,ﾗｲｵﾝの隠れ家,ｸｼﾞｬｸのﾀﾞﾝｽ､誰が見た?） 第1話
　　　棚澤孝義（過去作/ﾕﾆｺｰﾝに乗って,下剋上球児,ｸｼﾞｬｸのﾀﾞﾝｽ､誰が見た?）
　　　泉正英（過去作/TOKYO MER,王様に捧ぐ薬指,ﾗｲｵﾝの隠れ家）
音楽：桶狭間ありさ（過去作/ﾊﾔﾌﾞｻ消防団,ｸｼﾞｬｸのﾀﾞﾝｽ､誰が見た?）
主題歌：あいみょん「いちについて」
医療監修：生坂政臣（過去作/『総合診療医ﾄﾞｸﾀｰG）
Ｐ：岩崎愛奈（過去作/私の家政夫ﾅｷﾞｻさん,ﾌｨｲﾄｿﾝｸﾞ,ﾕﾆｺｰﾝに乗って）
企画：益田千愛（過去作/ﾗｽﾄﾏﾝｰ全盲の捜査官ｰ,さよならﾏｴｽﾄﾛ~父と私のｱﾊﾟｯｼｵﾅｰﾄ~）
協力Ｐ：相羽めぐみ（過去作/ﾋﾞｼﾞﾈｽ婚ｰ好きになったら離婚しますｰ）
※敬称略

NHK『総合診療医ドクターG』でご存じの人も多いのでは？

原作は未読。

患者の性別や年齢や、臓器や器官にかかわらず、患者の訴えを一つひとつ丁寧に聞き取ることで、患者の生活や心の状態までを鑑みて《患者に病名をつけ、治療方針を立てる》に徹する “総合診療科” を描いた医療ドラマだ。

昨今では、総合診療科は、地域の中核病院規模なら、すでに配置されていることが多いから、珍しくはないと思う。

また、NHK総合では、「総合診療科の達人＝ドクターG」が出題する症例をゲストが解き明かし、正しい病名を推理する医療エンターテインメント番組『総合診療医ドクターG NEXT』も不定期で放送されているから、知っている人もいるはずだ。

ちなみに、今作の医療監修を担当されている生坂政臣氏は、『総合診療医ドクターG』企画立案に携わり、出演もされていたので知っている人もいるのでは？

過去の医療ドラマよりも"見せ場づくり"のハードルが高い！

で、話を今作に戻す。

それなりに知名度のある “総合診療科” をテレビドラマ、しかも、TBSの「日曜劇場」枠で放送して、視聴者に訴求する（興味を持って観てもらう）ために必要なのは…

“総合診療科” と “総合診療医” を《映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！》しかない！

要するに、過去の有名医療ドラマに登場した、いわゆる “名医たち” と明確に “差別化” しないと埋もれるからだ。

だって、『Dr.コトー診療所』『コウノドリ』『ドクターX ｜ ?外科医・大門未知子?』『コード・ブルー｜ドクターヘリ緊急救命』の名医たちだって、他の医師が見落とし見逃した症状や病変に気付いた点では、今作の主人公・徳重晃（松本潤）と大差ないのだ。

違いは、過去作品の名医たちは各科の専門医であったに対して、徳重はnbsp;“総合診療科” だってことだけ。

だから、最終的に「無事に赤ちゃんが生まれた」「無事に手術が成功した」「無事に救出できた」をクライマックスにできないのだ。

そう、今作で “魅せる” のは「無事に病名がつきました」「治療方針が決まりました」だけなのだ。

であるから、今作は、これまでの医療ドラマよりも、「見せ場づくり」が困難で、ハードルが高いと思うのだ。

日常がふと特別に変わる瞬間を映し、心を動かすのがドラマ

結論から言えば。

今作は《映像で見せて（show）魅せる（fascinate）》ことに成功したと思う。

だって、徳重は、基本的に患者に「触れない」し、「手術もしない」し、「薬を飲ませない」し。

何よりも、徳重は、患者の「病気を治していない」のだ。

そう、繰り返すが「病名をつけて、治療方針を決めただけ」なのだ。

しかし、今作は「病名をつけて、治療方針を決めただけ」を映像で見せて（show）魅せ（fascinate）たのだ。

要するに。

今回の患者、整形外科の骨折患者・横吹順一（六平直政）と、全身の痛みを訴える黒岩百々（仲里依紗）の《ありふれた日常（＝病気の日々）》が…

徳重の出現によって、《予期せず非日常になる（治る）》ことを “虚構の中の真実” として、私たちに映像で提示したのだ。

そして、私が、ドラマの醍醐（だいご）味として常に言い続ける《日常がふと特別に変わる瞬間を映し、心を動かすのがドラマ》を具現化したのだ。

青山貴洋氏の演出の特徴はホームドラマの要素の組み込み方

それをやってのけたのは、もちろん、原作、脚本の良さもあるが。

当ブログとして注目したいのが、今作のチーフ監督の青山貴洋氏の演出だ。

青山氏は、最近では『ユニコーンに乗って』『DCU ～手錠を持ったダイバー～』『ライオンの隠れ家』『クジャクのダンス、誰が見た？』を担当している。
　※私の記憶と調査が間違っていなければ、青山氏の初のチーフ作品が今作。

青山氏の演出の特徴は、〈どんな系統の作品でも、必ずドキュメンタリータッチのホームドラマ風を盛り込む〉である。

サクセスストーリー、推理もの、考察系だろうと、〈家族愛のような人の温もりを感じさせる描写〉を盛り込んで、「ただの○○ドラマ」にならないような気配りがあるのだ。

「ただの医療ドラマにしない」ためのホームドラマ要素とは

今回でも、終盤に、最終的には心筋梗塞だった横吹の家族のアットホームなくだりが盛り込まれたが、そこではない。

主人公の患者や同僚たちに向ける眼差しや。

魚虎総合病院の整形外科の新米医師・滝野みずき（小芝風花）の黒岩百々との向き合い方。

徳重の恩師で日本の総合診療科設立に尽力してきた赤池登（田中泯）の徳重との関係。

これらに、さりげなく “ホームドラマ要素” を感じることが出来たと思う。

これこそが、今作を「ただの医療ドラマにしない」を成功させたと思う。

その他にも、冒頭部分の「登場人物がカメラ（視聴者）に語り掛ける」の部分や。

徳重が患者を問診する過程を「空想で同居させ会話もさせる」のくだりも。

「ただの医療ドラマにしない」の作例だと思う。

第1話で、ここまで “今作らしさ” を創出できれば、まずは大失敗はないと思うし。

今後次第で、もっと良作になる可能性も秘めていると思う。

あとがき

私事ですが。
私が、10代の頃から悩まされていた激痛に「遺伝性の通風」と病名がつけられるまで、通院した病院は「10」以上、3年以上です。
最後は、昭和57年（1982）に設立されたばかりの東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターに駆け込んで、徹底的に検査を受けて分かったんです。

逆に、妹は、ある難病だったのに、病名がつくまで時間がかかりすぎて治療が間に合わず亡くなりました。

結局、究極的に医師がやるべきは「正しい病名をつけて、治療方針を決める」なのです。

その “医師がやるべきこと” を真正面から扱って描いているのが今作だってことです。

その意味では、今作こそが〈究極の医療ドラマ〉かもしれません…

次週（7月20日）は『選挙特番』のため放送はお休みです。

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連続テレビ小説「あんぱん」（第15週／ダイジェスト版・2025/7/12）感想 ※二度あることは三度ある！しかも三度目が最も秀逸!!

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2025/07/12 (Sat)12:56:10 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
公式リンク：Website｜X(旧Twitter)｜Instagram

第15週『いざ！東京』の「ダイジェスト版（土曜日版）」の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

嵩（北村匠海）は高知新報の入社試験を受け、のぶ（今田美桜）に「世界一面白いものを作りたい」と語る。のぶは古新聞からある発見をし、嵩は急遽記事の挿絵を描くことに。これがきっかけで嵩は採用され、『月刊くじら』編集部へ異動。創刊号は二日で完売し、次号の特集で東京取材が決定する。のぶは『ガード下の女王』に興味を抱き、嵩は琴子（鳴海唯）に叱咤されつつ東京へ。取材中、嵩らが突然腹痛に襲われ、のぶに謎の女性が声をかけてくる。
------上記のあらすじは、当ブログのオリジナル------

原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]） 第2～7,9,11,13,15週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万）
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

第13、14週の「ダイジェスト版」の秀逸さを振り返る

最初に、今週の「ダイジェスト版」との比較の目的で、前2週分を簡単に振り返ってみたい。

第13週の感想は、下記のような表題をつけた。

連続テレビ小説「あんぱん」（第13週／ダイジェスト版・2025/6/28）感想 ※今週の「ダイジェスト版」は、見て損はない！ http://dmesen.blog71.fc2.com/blog-entry-15810.html

そう、「見て損ない！」と称賛したのだ。

第13週の「本編」は、主人公ののぶ（今田美桜）の自分語りが多く、そこを強調しすぎために…
戦争から帰還した嵩（北村匠海）の心情描写が後退し、第12週での戦争描写が意味のないものになったのだ。

ところが、「ダイジェスト版」では、薄まったはずの「帰還した嵩の物語」にスポットライトを当てる編集を試みたために…
「戦地で苦境を体験した嵩」と「高知で戦争を体験したのぶ」を対比するような分かりやすい構造になったのだ。

第14週の感想はこうだった。

連続テレビ小説「あんぱん」（第14週／ダイジェスト版・2025/7/5）感想 ※今週の「ダイジェスト版」は、見ておくと納得度が上がる！ http://dmesen.blog71.fc2.com/blog-entry-15817.html

こちらは、「見ておくと納得度が上がる！」と称賛したのだ。

第14週の「本編」は、とにかく「高知新報で奮闘するのぶ」を全編的に押し出す映像だった。

要するに「のぶの出番」と次々とつなげた映像になって、流れすらよく分からない展開だったのだ。

ところが、「ダイジェスト版」では、「入社試験に頑張る嵩」を可能な限り残した上で…
のぶの「入社試験に頑張る嵩」を助ける様子を琴子（鳴海唯）も利用して強調したのだ。

よって、「のぶと嵩のダブル主人公」に見えたし、「嵩の目標」と「のぶがやりたいこと」が明確に伝わったのだ。

冒頭2分間で、"のぶと嵩の未来に向かう物語"になっている!

今週の「ダイジェスト版」の構成の軸は、おそらく “帰還したからこその嵩の物語” だ。

あえて「帰還したからこそ」と書き添えたのは、序盤からそう強調されたからだ。

のぶの「たっすいがーはいかん！」に直結するカタチで…

嵩「アメリカ兵から　ガラクタもらって
　それを闇市で売ってた。
　そのガラクタの中に　希望があったんだ」
のぶ「希望？」
嵩「アメリカの雑誌。
　絵も写真も記事も　漫画も。
　（中略）絵を描きたい
　漫画を描きたいっていう思いが
　どんどん湧いてきて…」

そして…

のぶ「今度　うちで雑誌も作るがよ」
嵩「え？」
のぶ「世界一面白い雑誌を作るがで」

これだけで “のぶと嵩の未来に向かう物語” になっているのだ！

これ、第71回（7月7日）放送分を的確につまんだ（編集した）から、「本編」の印象では別々だった「すでに編集部員ののぶ」と、「やがて編集部員になる嵩」が “ひとつ” になったのだ。

もう、序盤の約2分を見ただけで、「本編」と雲泥の差があるのだ。

まだ‘本質・本当’を分かっているスタッフがいる

さて、さりげなく秀逸な編集を挙げておこう。

第73回（7月9日放送）で、のぶが書いた原稿が、ようやく編集長の東海林（津田健次郎）に認めれるくだりで。

「本編」には次のセリフがあった。

東海林「よう　俺の直しに耐えたな」

本編の感想でも触れたが、このセリフの直前に、一度も「のぶが東海林の手直しに耐えた」なんてないのだ。

「ない」のに、盛り込んだから違和感しかなかった。

でも、今週の「ダイジェスト版」の編集担当は、この違和感に気付いたのだ。

だって、「入れた」ほうが、主人公のぶが苦労しているような印象になるのに…　であるだ。

でも、「ダイジェスト版」で削除したことで、≪今週は、のぶの手柄を描く内容ではない≫と理解していたのだろう。

ついでに書けば、例の第74回（7月10日放送）の感想でも褒めた「琴子のグラス」が残されていたのも、編集担当の力量が見て取れるのだ。

やはり、「まだ‘本質・本当’を分かっているスタッフがいる」と捉えるべきだと思う。

本当に巧みに編集できているのが「のぶたちの東京行き」

本題に戻ろう。

今週の「ダイジェスト版」で、本当によく編集できているのが「のぶたちの東京行き」だ。

「本編」では、私が先日感想に投稿したように…

［史実］もあるが。

‘ガード下の女王’こと薪鉄子（戸田恵子）の出番を作るために、東京に行くために、『月刊くじら』を盛り込み、大人気で即第2号にしたような、これ見よがしな展開になっていたのだ。

しかし、暢たちが東京に到着した直後に、まず次の語りを追加。

語り「『ガード下の女王』の消息を追いましたが
　有力な情報は得られません」

さらに、のぶたちが薪鉄子と出会った後にも追加。

語り「『ガード下の女王』に会えないまま
　東京取材の最終日を迎えました」

この二つの追加ナレーションによって、「薪鉄子を取材したい」だと、しっかり強調されたのだ。

のぶたちの行動目的が「東京に行っていたい」「東京に取材に行きたい」「高知出身の代議士の取材をしたい」でもなく…

ホント、よくぞここまで〈大胆な編集）をやったものだ！

で、この「薪鉄子を取材したい」が強調されると、どんな効果があるのか？

それは、〈『月刊くじら』の取材〉であることが明確になるのだ。

もちろん、第73回の「本編」内に次の東海林のセリフがあるから、〈『月刊くじら』の取材〉であることは明確だったのだが。

東海林「俺は　この4ページで
　特集を組んだらいいと思う」

でも、「本編」ではそこを強調しないから、「東京に行きたいだけじゃないの？」に見えてしまったのだ。

その上、「広告主とのトラブル」「メイコと健太郎の恋バナ」も盛り込んで強調したから、いわゆる “詰め込みすぎ” だったのだ。

しかし、「ダイジェスト版」ではそれらをほぼカットして。

終盤の麻雀のくだりの「のぶと‘ガード下の女王’の目と目が合う」で、〈『月刊くじら』の取材〉のイントロが完了・完結したわけだ。

ホント、よくぞここまで思い切って切った貼った（＝大胆な編集）をやったものだと感心しかない。

土曜日版が、物語の流れも、描きたいことも明瞭に見える！

これだけ熱弁しても、分からない人は分からないだろうし、伝わらない人には伝わらないと思う。

でも、妙な好意的な解釈をしないで、「本編」を見続けた人なら分かるのでは？

「本編よりも、ダイジェスト版のほうが、物語の流れも、何を描きたいのかも明瞭に見える」と。

そして、もっともっと深く今作を見続けてきた人なら、次のことも見えてきたのでは？

　●‘たっすいがー（気弱で繊細）’な嵩を、静かな「深謀」と華麗な「機転」で支えるのぶ
　　※ここでの「機転」は、物事の流れを読んで即座に対応するセンス。ちょっとしたユーモアや驚きすら忍ばせる小技の効いた知性のこと
　　※深謀は、舞台裏で何手も先を見据えながら策を練る、まるで棋士のような静かな力のこと　●嵩の才能と夢を最も理解する、人生の同志的存在がのぶ
　●のぶの生き様こそが、嵩にとっては生きるエネルギー源

もちろん、上記は［史実］における「やなせたかしさん」と「小松暢さん」由来の内容だが。

今週の「ダイジェスト版」だけを見て評価するなら、間違いなく《のぶと嵩の夫婦の物語》になっているし。

ようやく、朝ドラがお得意で王道の《夫婦二人三脚もの》に進んでいきそうだ。

あとがき

第13～15週の「ダイジェスト版」だけ、続けてみると分かるのは。

「のぶと嵩、嵩とのぶは、対等かつ深い信頼で結ばれた物語」であることが分かりますよ。

それって、「ザ・昭和」の「夫を陰で支える典型的昭和妻」でもなく、「ぐいぐいと夫を引っ張る強気妻」でもない、「昭和時代の理想的パートナーシップ」に近い関係に見えるんですね。

それが、令和の今、同人々に映るのか？

そんなところまで考えたくなる、良き仕上がりでした。

いやぁ、個人的なことですけど。
前回（第75回）の Web拍手数が、前作『あんぱん』でも出なかった最小値だったので、今回は「なにくそ精神」で書きました（笑）

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
土佐弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる

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DOPE 麻薬取締部特捜課（第2話・2025/7/11）感想

2025/07/12 (Sat)09:20:23 ドラマ

TBS系・金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』
公式リンク：Website｜X(旧Twitter)｜Instagram｜TikTok

第2話『明かされる秘密…彼らが守りたいものは』の感想。

陣内（中村倫也）は変装したジウ（井浦新）と接触し、錠剤を受け取り才木（髙橋海人）について語る。広場では警官がドーパーに射殺される事件が発生し、犯人は商業施設に立てこもる。特捜課が急行し、陣内は即時制圧を図るが、才木は説得を志願。綿貫（新木優子）と柴原（豊田裕大）と共に交渉に挑むも失敗し、銃口を向けられる。綿貫と柴原の機転で追い詰めるが、犯人は異能力で撹乱し、才木たちは窮地に陥る。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

原作・原案：木崎ちあき「DOPE 麻薬取締部特捜課」シリーズ
脚本：田中眞一（過去作/ｼｪﾌは名探偵,ただ離婚してないだけ,和田家の男たち）
脚本協力：三井玲衣・齋藤栄美・小峰克彦
演出：鈴木浩介（過去作/CRISIS 公安機動捜査隊特捜班,ｼｸﾞﾅﾙ~期未解決事件捜査班） 第1,2話
　　　古林淳太郎（過去作/100万回言えばよかった,不適切にもほどがある!）
　　　杉原輝昭（過去作/ｽｰﾊﾟｰ戦隊ｼﾘｰｽﾞ,仮面ﾗｲﾀﾞｰｼﾘｰｽﾞ）
音楽：内澤崇仁（過去作/映画｢君は月夜に光り輝く｣）TBS 主題歌：Uru「Never ends」
麻薬取締監修：廣畑徹
警察監修：古谷謙一
法科学監修：山﨑昭,永山大希
精神医療取材協力：岡崎美音
医療監修：中澤暁雄
リカバリーカルチャー監修：塚本堅一,一般社団法人ARTSTBS Ｐ：長谷川晴彦（過去作/ｶﾞｰﾙｶﾞﾝﾚﾃﾞｨ,ｼｪﾌは名探偵,警視庁ｱｳﾄｻｲﾀﾞｰ）
　：佐藤敦司（過去作/ﾗｲｵﾝの隠れ家,恋する母たち,ｲﾝﾊﾝﾄﾞ）
製作：TBS、TBSｽﾊﾟｰｸﾙ
※敬称略

「一体、何をどう描きたいの？」

第1話の感想で「次の投稿は気分次第で」と書いたとおり、気分次第で書いてみる。

結論から書いちゃと、「一体、何をどう描きたいの？」である。

今作は基本的に、細かく分けると「陣内（中村倫也）の個人的なこと」「才木（髙橋海人）の個人的なこと」「日常的なドーパーの事件」「ジウ（井浦新）の存在」の≪4本立て≫になっている。

もちろん、簡潔に書けば「縦軸」×「一話完結」の≪2本立て≫となるが。

「日常的なドーパーの事件」のくだりは、それほど悪くない

好き嫌いはあるが、私は≪一話完結》の「日常的なドーパーの事件」のくだりは、それほど悪くないと感じている。

もちろん、「今回‘も’立てこもり？」であるが。

撮影上の諸般の事情を鑑みれば、前半を屋外にしただけでも脚本もスタッフも頑張ったと思う。

それに、明らかに “今作らしさ” を強調することにも成功してたし。

もちろん、「異能力 VS 異能力」の映像化としては、いささか「？」の部分は多いが（苦笑）

後半は「私事」や「身の上話」の《ほぼホームドラマ》？

しかし、今回の、いや、今作の大問題は、高速移動の異能力を持つ浪人生の吉岡隆太（橋渡竜馬）の事件、そう「一話完結」が終わった後の展開だ。

23分過ぎに商業施設の場面が割ってからの「正味20分間」が「ほぼ全編＝縦軸」。

いや、事件そのものだって「正味15分あるかないか」なのだが。

私、相当好意的に解釈して「縦軸」と書いているが。

本音で書けば、ただの「わたくしごと」「プライベート」「個人的な都合」「家庭の事情」「身の上話」でしかない。

そう、言ってしまえば《ほぼホームドラマ》なのだ。

もちろん、作り手たちは「いずれ、全てがつながりますから待っててね」だろう。

メインに無関係な描写が、半分を占めるのは異様であり異常

しかし、そもそも、後半の≪ほぼホームドラマ≫は、「謎に包まれた新型ドラッグ【DOPE】によって巻き起こる不可解な事件の解決」に直接無関係なのだ。

だって、「日常的なドーパーの事件」を一つずつ解決していって、その先に黒幕を描けば済むのだから。

まあ、「ダブル主人公の分だけ見せ場を増やしたい」「お涙頂戴も入れたい」が作り手の本音だろう。

それでも、メインの事件・案件に無関係な描写が、全体の半分を占めるのは異様であり、異常だと思う。

あとがき

毎回、違う異能力者の事件を半分、ほぼホームドラマを半分を続けるんでしょうか？

その上、第2話になっても、ここまで状況節女宇を盛り込んでいるのも普通でないのに。

そもそも、“縦軸” は、最終回や最終章のための下ごしらえ程度の役割しかないのですから、

「いかに小出しにして」「視聴者を食い止めるか」しか役目も、やることもないのです。

なのに、全体の「ほぼ半分」って？

この程度なら「30分枠の深夜ドラマ」で十分な企画だと思います…

中村倫也さんと井浦新さんのドラマだから「きっと何かある」と信じて見ていますが、感想は気分次第で投稿します…

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連続テレビ小説「あんぱん」（第75回・2025/7/11）感想 ※前回までと雲泥の差「粗削りで洗練させていない！」の理由を徹底分析！

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2025/07/11 (Fri)12:20:04 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
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第75回／第15週『いざ！東京』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

東京に到着したのぶ（今田美桜）たちは、さっそく聞き込みを始めるが『ガード下の女王』はなかなか見つからない。みんなで屋台のおでんで腹を満たしたが、嵩（北村匠海）は不意に腹を押さえてその場にうずくまってしまう。すると、東海林（津田健次郎）と岩清水（倉悠貴）も腹を押さえて…！慌てるのぶにとある女性が声をかけてくる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]） 第2～7,9,11,13,15週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万）
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

「真っ赤なハンドバッグ」も突き返すほど銀座は嫌いのはず

昨日、第74回の放送中ので、メイコ（原菜乃華）がのぶ（今田美桜）に言った「お姉ちゃん、ついに子供の頃の夢がかなうがやね」に対して、「のぶにとっての銀座は、もう夢とは違うのでは？」とのコメントをいただきました。

確かに、幼少期（子役）の朝田のぶ（永瀬ゆずな）のときには「ギンザはドリーム」だったかもしれませんが。

嵩（北村匠海）が東京で遊んでいるときに、‘愛国のかがみ’として「銀座に嫌悪感を抱いた」と、今作が印象付けをやったわけですもんね。

だから、嵩からの「真っ赤なハンドバッグ」も突き返したわけです。

その先の私の返事は下記に書いたので、よかったら読んでください。

【必読!】拍手コメント返信（2025/7/10）：朝ドラ「あんぱん」(第74回) ※「お姉ちゃん、ついに子供の頃の夢がかなうがやね」への違和感は当然です！｜ディレクターの目線blog

「なぜ、今回で急におかしくなっちゃったの？」に注目！

さて、「脚本協力が1回分早く交代した？」と思えるくらいに、今週中で今回だけが “後退” したように思う。

今回は、「なぜ、今回で急におかしくなっちゃったの？」に注目して書いてみる。

アバンタイトルで、東京に到着した‘のぶ’と嵩、東海林（津田健次郎）と岩清水（倉悠貴）が “東京の焼け野原” を見て、茫然と立ち尽くすとか、手を合わせるのは理解できる。

しかし、 そもそも論《その1》 として、 のぶは “高知の焼け野原” を見て、とっくに茫然自失になったと描いたのは今作では？

で、今作は、〈茫然自失になったのぶ〉の延長線上に〈被災した子供を取材したい〉を描いたのでは？

まず、ここまで覚えておいていただきたい、あとで出てくるので。

「新聞記者を描いている現状の今作」が描くべきなのは…

でもって、メインタイトル映像明けは、“東京の被災地” にやってきた、「水戸のご老公様御一行」ならぬ「高知ののぶ様御一行」だ（笑）

東海林「高知より　ずっと人が多いがや覚えて。
　空襲で焼け出された人らあが
　あふれ返っちゃう。
　こうなったら　ガード下の女王には
　何としてでも話を聞きたい」

ほ～ら、ここでさっき「覚えておいてね」を思い出してほしい。

東海林、岩清水が、手を合わせたり、のぶと嵩が。。ってのは、良いとして。

え～～～～～と、嵩は別にして、のぶと東海林と岩清水の三人は《東京の被災者、東京の現実を取材したいと思わないのか！》という疑問だ。

もちろん、のぶや東海林ら「東京発体験組」が東京の人の多さに驚くのは間違っていない。

先の、東京の空襲の跡地で、亡くなった人たちの思いをはせるのも間違ってはいない。

しかし、ここまで「東京の被害の酷さ」を痛感していると描いたのなら、その流れを汲んで。

それこそ「戦争前の東京を知る嵩」を含めて。

「高知ののぶ様御一行」のうちの “ひとり” くらい「東京の被災者を取材したい」「東京の人の話を聞きたいにゃあ」でないの！

もちろん、御一行様の主たる目的が、‘ガード下の女王’探しなのは認める。

しかし、「新聞記者を描いている現状の今作」が描くべきは、東海林らが新聞記者として、市民（東京の住む市民の意味）の声であり、復興への思いではないのか？

だって、東海林は『月刊くじら』創刊の主旨を「高知の復興と高知の魅力を伝える。高知県民の高知新報による高知県民のための雑誌」と言っていたではないか。

それとも、東海林は‘記者魂を捨てた編集長’として、〈東京の被災者や復興には興味はなく、ただ『月刊くじら』の目玉企画で読者を増やしたい〉だけと描いているってこと？

のぶの‘愛国のかがみ’も、嵩の戦争体験も生かしてない！

いいや、 そもそも論《その2》 として、前回で今作は次のように描いたのだ。

嵩「東京も大きな空襲があったので
　どうなっているのか気になってしまって」

健太郎「銀座は　柳井君の　縄張りみたいなもんや。
　あん街角で　長年の思いば伝えるったい！
　今　ここで動かな　一生後悔するばい」

だったら、あの「戦地での限界の空腹感」「戦場での極限下での混乱」を体験した嵩なら、“東京の焼け野原” を見て何かを感じて、言葉を発してもよさそうだが、「見て確認したら終わり」なの？

別に、今作は「のぶと嵩が日本初の夫婦で日本記者クラブ賞を受賞する朝ドラ」でないのは百も承知だ。

しかし、今作が「戦争」と「正義」を扱うドラマなら。

そして、ふたりの主人公が新聞記者で。

しかも、ひとりは「元‘愛国のかがみ’の小学校教師崩れ」で、もうひとりが「元戦地に赴いた兵士」なら。

それこそ、「東京の現状を見てしもうたら、いまは‘ガード下の女王’に会うよりも、子供らぁ、親たち、一人ひとりの声を聴きたいき！」じゃないの？

‘ガード下の女王’の居場所の聞き込みをやって、一般市民と話せば話すほど、「市民の声を聴きたいき！」じゃあないのか？

なのに、今回の脚本は

のぶ「何だか胸がいっぱいで。
　ここが東京やと思うと　それだけで…」

20代半ばで「初めて東京ディズニーランドにきた地方出身者」のごときって？？？

それなら、「おでん」ではなく、「チュロス」でもしゃぶったらよかったのだ（苦笑）

それに、「この辺の人らあに取材してみよう」と岩清水に言わせていたが、女王の居場所を聞くのは「取材」でなく「聞き込み」「調査」だと思うが（汗）

なのに、今回の脚本は強引に、次のセリフを東海林に言わせて、豪快にごまかした。

東海林「記者らしゅうなってきたやいか！」

もはや、ここまで書かれると “糠に釘どころか、空気に釘刺してるレベル” なのだが。

そもそも"女王"は一人で探して、三人は他の取材をすれば…

あまり、ここまでは書きたくないが、脚本協力の山岡真介氏がこんなにユーモアあふれることを書いてくださるのだから、私もお答えしないと。

そもそも論《その3》 として、 のぶ御一行様が探しておられるのは‘ガード下の女王’たったひとりなのだから、探して取材をするもの “記者一人” でよくね？　ってこと。

もちろん、「4人で探せば早い」としても、現実問題として「探しても見つからないときは見つからない」し。

何より、「一人で探して、他の3名は別のことをする」こそが、限られた予算と時間を有効に使う「敏腕記者」がやることでは？

結局、うがった見方（物ごとの表面だけじゃなく、隠れた意味や裏の理由を深く考える見方）をすれば。

東京の市民に取材しない（その場面を撮影しない、撮影できない）理由付けのために、「4人で探せば早い」の印象誘導（特定の印象を持たせるように方向づけること）をしているようにしか見えないのだ。

自分の足で歩かず“東京の現状”を語る記者像に疑問…

その上、今回の脚本家は、次のセリフまで盛り込んできちゃった。

東海林「でも　まあ　東京の現状　知れてよかった」

え～～～～～～っと、お目当ての女王抜きの、たった3人の代議士を取材しただけで？？？

記者たるものが、自分の目と足で取材したわけでなく、第三者が見た「東京の現状」を聞いただけで、「知れてよかった」と取材しつもりでいいの！

それこそ、［史実］だから無理やりに盛り込んだ【おでん事件】を少しでも強引に見せないために。

第65回（6月27日放送）で、暢が取材した露店の女店主（大寺亜矢子）と、その娘（日牟田笑莉）をちゃんとクレジット表記したように…

今回のおでん屋の店主も、（居れば）客だってクレジット表記して盛りこんで、政府や国への愚痴を語り合うでもよかったのだ。

前回までとは違って、粗削りで洗練させていない！

まとめよう。

明らかに、《今回の15分間全てが、今週の前回までの4回分より「雑」》である。

正確に言うなら、いい加減でお粗末である。

もしかすると、脚本家と演出家が、来週から‘ガード下の女王’こと薪鉄子（戸田恵子）を中心に扱うから「来週の脚本家と演出家」が混じっている可能性もあると思う。

それくらいに、前回までとは違って、粗削りで洗練させていない。

きっと、どうしても［史実］の「おでん事件」は入れなきゃいけないし、戸田恵子さんの拘束時間の制限もあるし、東京の被災地のスタジオセットの期限もあるって、無理やりに組み込んだら「こうなっちゃった…」だろうが。

そして、最後に言っておきたいこと。

それは、サブタイトル『いざ！東京』って、実質「今日だけ？」ってこと。

これなら、『いざ、月刊くじら泳ぎだす』『一歩ずつ夢に向かう力が尊い』くらいが妥当だったのでは？

あとがき（その1）

こう言っちゃなんですが。

この展開を真正面から受け止めるなら、《のぶたちを、東京に取材に行かせるために、月刊誌を創刊した》になってますよ。

［史実］だと、のぶのモデルである小松暢さんは、「高知新聞」の「月刊高知」編集部に約1年間しか在籍していません。

その1年間で、ドラマのネタになりそうなのは、「編集部の慰労会でのおでん事件」と「高知出身の代議士に取材した」くらいしかないのです。

で、先日下記の記事に書いたとおり、「薪鉄子」も戸田恵子さんに合わせるべく創作された “ほぼ架空キャラ” です。

NHK朝ドラ「あんぱん」戸田恵子さん演じる‘ガード下の女王’こと高知の女性国会議員「薪鉄子」のモデルについて解説します！

ほら、分かるでしょ？　今作の脚本家は「創作、オリジナルの部分は下手」ってことを。

だから、今週ほどは期待できないかもしれませんね。

あとがき（その2）

私、コロナ禍以前に大型ショッピングモールのお惣菜コーナーで、真夏に店員さんが並べ始めたばかりの「筑前煮」を買って帰って、数時間後に冷蔵庫から出したら妙な匂いがしたので、嗅覚に敏感な妻が「痛んでる、やめな」と言われたことがあるんですね。

それ以降、夏場はおろか、真冬でも「筑前煮」は絶対に買いません。

というか、看護師で院内の感染対策委員をやっている妻曰く「皮や脂身のある肉を甘辛に似た料理は傷みやすい」というので、「饅頭怖い」でなく、本当に「筑前煮怖い」なんです（笑）

あっ、いわゆる「甘辛煮が痛みやすい」の科学的根拠は…
　●糖分と水分が多いので微生物繁殖の水分活性が高い
　●脂肪は酸化（腐敗）しやすい
　●鶏肉や豚肉の脂身は特に水分が多く、水分活性繁殖しやすい
　●煮汁が残りやすいので細菌が繁殖しやすい

食中毒の季節なので、皆様も参考になさってください！

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
土佐弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる

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