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連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第99回第20週『アンタ、ガタ、ドコサ。』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


朝食のトーストを焼く、焼き網がなくなった!?正木(日高由起人)の発言により、犯人探しが始まってしまう。トキ(髙石あかり)やヘブン(トミー・バストウ)、家族の一同は正木の推理を聞くことに。みなの注目の中、正木は一人一人の動機を推察していく。はじめは冗談と笑っていた一同も次第に互いに互いを疑いはじめてしまう。いったい、誰が焼き網を隠したのか?
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5,7,13,14,19
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12,15,18
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10,16
   小島東洋(過去作/『ばけばけ』助監督) 第11
   小林直毅(過去作/『ばけばけ』助監督) 第17,20
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
副音声日本語吹替:西地修哉(ヘブン担当)、木村はるか(リヨ担当)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、川野秀昭、田中陽児|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘、和田岳秋|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、毛尾喜泰|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田直矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲、武井美晴|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな、日野維乃|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉、大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子、厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華、澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生、大島櫻子|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史、三好勇作、石井千尋|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛元美佐子、横山智和、鍛本美佐子、石川カンナ|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子、高屋友里|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和、山埼佳子|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織、佐伯木乃実、畝岡歩未、増田愛海、野曾原明香、中元芽生|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀、奥山温子|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録:木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉、松島彩|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人、川村肇|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳|書道指導:今口鷲外
※敬称略




どうしても「探偵もの」にしたいとしても…

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―――ここまで、ごあいさつ―――

冒頭から、頭痛の種である。

劇中に、わざわざ「探偵小説」なる単語を盛り込んだのだのだから、どうしても「探偵もの」にしたいのだろう。


正木「近頃の皆様を見ていると…。
 すいません。
 誰が盗んでも おかしくないなと」

繰り返すが、どうしても「探偵もの」にしたいのは理解はできる。

だって、本来の[史実]における「八雲の窃盗事件」は「朝ドラ」で扱うには、少々センセーショナルだから、「焼き網盗難事件」というやんわりした内容に改変してまで盛り込んだのだから。

もしも、「八雲の窃盗事件」に興味があるなら、昨夜に投降した「補足記事」を読んでいただきたい。

朝ドラ「ばけばけ」小泉八雲が熊本で空き巣被害!危機一髪の銃撃戦寸前? 新窓で開きます


そもそも、正木というサブキャラを大して知らないから…

話を本作に戻す。

私が冒頭で「頭痛の種」と言ったのは、冒頭での正木(日高由起人)の発言だ。

またまた、繰り返すが、脚本や演出は、正木を “名探偵コナン” にでも仕立てたいのだ。

しかし、いくらなんでも、たかが “居候” の立場で、世話になっている家人にいう言葉ではないでは?

いいや、そもそも、少なくとも「私」は、正木という登場人物をほぼ何も知らない

ヘブンの教え子の一人で、英語が話せて、悪人ではない… 程度のサブの中のサブキャラクターでしかないのだ。

だって、ヘブンの教え子の一人としてだって、錦織(吉沢亮)の弟・丈(杉田雷麟)との違いだって、「錦織の弟じゃないほう」というだけなのだ。

なのに、正木を “名探偵コナン” にでも仕立てたいだけで、ここまでの “無礼者” に描くのはどうかと思うが。


下準備を一切やらないサブキャラには説得力がない

いや、この部分の問題はこんな小さなことではない。

一応、松野家の一大事に動かす登場人物であるなら、サブのサブキャラであっても、事前に「どんな人物であるか?」をきっちり提示すべきではないのか!

それこそ、「異様に正義感が強い」とか「探偵小説が好き」とか、以前から描いておくべきだったのでは?

そういう「下準備」「下ごしらえ」を一切やらずに、この発言を盛り込むのは乱暴すぎるし、不自然でしかないのだ。

もちろん、この程度でも「面白くなってきたぞ」の視聴者はいると思うが。

私としては、ドラマ制作、脚本執筆の基本の基だと思うことをやれない時点で、頭が痛いのである。


「主人公を休ませたい」がために、サブキャラで尺を稼ぐ

しかし、ここまで描くネタがないのか!

それとも、「何も起こらない物語」を踏襲するために、どうでもいい話を盛り込むのか!

それでも、正木の推理披露で真犯人が指摘されればまだしも。

ただただ、一視聴者でも見当がつくような陳腐な推理をダラダラと8分間以上も!

もちろん、前回の感想で書いたように「主人公を休ませたい」がために、「サブキャラで尺を稼ぐ」をやっただけなのだ。

それに付き合わされる身にもなってほしいものだが。


家長であるヘブンが鶴の一声で決着をつければよかった

この「焼き網盗難騒動」だって、使いようによっては意味を持たせることだってできたのだ。

例えば、ヘブン(トミー・バストウ)がこう言えば済んだのだ。


ヘブン「アタラシイ アミ ハヤク カイマショウ」

そもそも、松野家は富裕層なのだから、焼き網一枚で右往左往する経済状況ではないはずだ。

いや、本作は、ここ数か月はただひたすらに《松野家は富裕層である》としか描いていない

だったら、正木の推理なんて盛り込まずに、家長であるヘブンが鶴の一声で決着をつければよかったのだ。

そうすれば、正木を含めた居候学生三人と、女中・クマ(夏目透羽)を含めた現在の松野家の人間観海や経済状況が明瞭に描けたのだ。

だって、本作は「新章」が始まったばかりなのだから、このような騒動を利用して《キャラや状況を描く》をやるべきだったと思う。

しかも、本作は、クマなんて何の説明もなく、しれーっと登場させていたのだから。


相変わらず、演出は“異様”のオンパレードで…

演出については、書こうと思う以前にイライラしすぎて、そのつもりはなかったが。

脚本だけをツッコんでもいけないので、少しだけやっておく。

例えば、次のカットだ。


朝ドラ ばけばけ
©NHK

このシーンで視聴者に見せるべきは「熊本には書きたい題材がないとぼやくヘブン」だ。

しかし、画面の手前に異様な大きさで、しかも意味不明にぼかした‘かつら装着’のロバート(ジョー・トレメイン)を入れ込むから、奥にいるヘブンが全く強調できていない

しかも、先日解説したダイアローグカットによって、会話のリズムが単調で面白みがない

終盤の次の編集も変である


朝ドラ ばけばけ
©NHK

フツーに考えれば、ここには「トキの見た目の風景」がワンカット必要では?

だって、ヘブンがトキに見せようと連れてきた場所なのだから、「トキの見た目の風景」を入れて、それに視聴者を共感させないと意味がない。

しかし、小林直毅氏の演出は「第三者の見た目の風景」である。

これでは、視聴者が感情移入できないのだ。

このほかにも、いいやほぼ全編の演出が的外れで見ていられないどころか、話に集中できない

ホント、どうかしていると思う。


この程度では、15分間を見終えても《何も残らない》

最後に。
第1回から見てきた私は、主人公・トキと松野家の家族には、もっと “思いやり” や “温かさ” があったと思って見てきた。

しかし、松江時代より裕福になったこと、熊本という新天地に引っ越してきた瞬間から、“思いやり” や “温かさ” がなくなった… という描写、表現になっているのが気になるのだ。

この度の「焼き網盗難騒動」なんて、その最たるものだ。

でも、今回のラストでは、唐突に “サンポ” を盛り込み、次の、本作のテーマにごく隣接するキーワード、セリフまで盛り込んだ。


トキ「この場所のこと… 書く できないですか?」

言っているセリフ、描いていることそのものは間違っていない。

しかし、前段で、あれだけ「夫婦間でも信用していない」と描いておいて、窃盗犯も見つからないのに、終盤で「夫婦」を盛り込むのは違和感しかない

というか、恐らく、「ホントに書きたいこと」と「尺増しのために書いていること」がうまくかみ合っていない(できていない)のだ。

だから、15分間を見終えても《何も残らない》である。


あとがき

登場人物の性格をきちんと説明しないまま物語を進めるのは、見ていて不自然に感じました。

カメラの使い方も、視聴者が物語の世界に入り込めるような工夫が足りないように思います。

以前のような家族の温かさがなくなり、ただ時間を稼ぐための話が増えているのはとても残念です。

厳しいことを書きましたが、それはこのドラマがもっと良くなってほしいという願いからです。

次回からは、見終わったあとに何かが心に残るような、丁寧な物語を期待しています。


厳選『ばけばけ』で描かれない秘話の解説リンク集
●八雲×セツ「万物に霊が宿るアニミズム思想」 → こちら 新窓で開きます
●三之丞(板垣李光人)モデル“静かなる光” → こちら 新窓で開きます
●錦織(吉沢亮)モデル“八雲+セツとの友情” → こちら 新窓で開きます
●妾か女中か?“八雲が求めた女中の条件” → こちら 新窓で開きます
八雲はモラハラ夫?“繊細で偏屈な素顔” → こちら 新窓で開きます
●八雲先生が"英語"で伝えた日本の文化 → こちら 新窓で開きます
"禁じられた結婚"とセツ・マティの共鳴 → こちら 新窓で開きます
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相棒 season24

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第16話『町一番の嫌われ者』の感想。


「町一番の嫌われ者」と噂されていた佐藤淳子(横山めぐみ)が遺体で発見され、現場状況から殺人の可能性が浮上する。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は周辺調査を進め、淳子が頻繁に現れていたテニスコートや、異様なゴミ屋敷と化した自宅、近隣との深刻な確執を知る。父親の死を境に変化した彼女の生活、半グレ風の男との過去のトラブル、仲裁に入った市役所職員の存在が線としてつながり始め、事件の裏に潜む人間関係が徐々に浮かび上がっていく…。
---上記のあらすじは、当ブロブのオリジナル---

●脚本:瀧本智行/演出:濱龍也(敬称略)



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毎日、近所迷惑、近所の嫌がらせに疲弊しまくっている私にとって。

ゴミ屋敷を刑事や鑑識が茶化すのも、「町一番の嫌われ者」を美談にするのも、1ミリも看過できない。

その上で今回が『相棒』の長年のファンとして1か所も認めたくない点をまとめてみる。

まず、何でも些細なことに気づくはずの右京が、重要な要素を見落としたり、あとから質問し忘れたと言い出したりする描写は、これまで鋭い観察力という設定を否定しており、不自然でしかない。

また、物語の序盤で示された不審な点を放置して進む展開は、ミステリー作品としての基礎を欠いている。
もちろん、意図的に物語を複雑にしようとして、無理な話運びになっているのだ。

さらに、特命係の行動が捜査一課の仕事と区別されておらず、『相棒』独自の特殊な立ち位置が活かされていない

要するに。

無理な展開を優先したことで、『相棒』シリーズが長年築いてきたキャラクター像や刑事ドラマとしての質が著しく損なわれており、ファンとして受け入れがたい内容である。


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朝ドラ「ばけばけ」小泉八雲が熊本で空き巣被害!危機一髪の銃撃戦寸前?
Image created with DALL・E

【忠告】
朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



八雲が熊本で体験した「本当の空き巣被害事件」の[史実]

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俳優・高石あかり(※高=はしごだか)さん主演でヒロイン・松野トキを、トミー・バストウさんがレフカダ・ヘブンを演じ、文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と、妻・セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第20週『アンタ、ガタ、ドコサ。』では、主人公・トキの養父・司之介(岡部たかし)が自宅のお金を盗む話と、毎朝パンを焼く焼き網の盗難事件が描かれています。

そこで今回は、熊本に移住した小泉八雲が体験した「本当の空き巣被害事件」についての顛末に関する[史実]をもとに記してみます。

きっと、「本編」では採用されない(と思います)エピソードを知ることに」なるので、より今作を深読みできると思います。


熊本の自宅に侵入した泥棒との奇妙な攻防

明治27(1894)年の9月、熊本で暮らしていたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、親友である西田千太郎に宛てた手紙の中で、自分の家に泥棒が入ったことを報告している。

この時期、ハーンは熊本に住み始めて3年目を迎えていた。

手紙の内容によると、複数の泥棒が家に忍び込んだようだが、実際に盗まれたのは金時計一つと4ドルだけだったという。

明治30(1897)年に貨幣法が定められるより前の時代、1ドルは日本円で約1円に相当した。

そのため、現金としての被害額は4円程度だったことになる。

当時のハーンは、現在の熊本大学の前身である第五高等中学校で働いており、月給として200円というかなりの高給を受け取っていた。

家の中にはもっと多くの現金や宝石が保管されていたが、泥棒たちはそれらを見つけることができなかった。

不可解なのは、泥棒たちがハーンの寝室には近づかなかった点である。

彼らは当時たまたま家に泊まっていた、耳の不自由な客人の部屋の近くまで来ていた。

ハーンはこの状況について、次のように分析している。


おそらくこの家の中のことをよく知っている者たちだったのでしょう。

 ※出典:西田千太郎宛ての書簡

この言葉からは、以前に家を訪れたことがある人物が犯行に及んだのではないかという、ハーンの疑念が読み取れる。


枕元に隠された拳銃と息子が語る父の習慣

もしハーンが泥棒と鉢合わせていたら、事態はさらに深刻になっていた可能性がある。

ハーンは護身のために、常に本物の武器を用意していたからだ。

彼は手紙の中で、当時の緊迫した様子をこう振り返っている。


私はいつも弾を込めたコルト拳銃を枕元に置いて寝ており、すぐに目が覚める性質なのですが、泥棒たちは私にそれを使う機会を与えませんでした。

 ※出典:西田千太郎宛ての書簡

ハーンの用心深さは一時的なものではなかった。

長男の小泉一雄も、自身の著作の中で父親の習慣について次のように証言している。


毎晩、枕の下に古いタイプの大きな拳銃を置いて眠っていました。

 ※出典:小泉一雄『父「八雲」を憶う』

このように、ハーンは家族を守るために、常に実弾の入った銃を手に取れる状態で夜を過ごしていたのである。


過去に発砲した事件と時代が落とした暗い影

ハーンが銃に対してこれほど強い意識を持っていた背景には、過去の苦い経験があった。

明治10(1877)年、彼がアメリカのテネシー州メンフィスに滞在していたときのことである。

道端で子猫をいじめていた男を見つけたハーンは、激しい怒りに駆られて男に向けて発砲した。

幸いにも放たれた数発の弾は外れたが、彼は後にこの出来事を「一生消えない後悔」として息子に語っている。

もし熊本の自宅で泥棒と対峙していたら、彼は迷わず引き金を引いていたかもしれない。

ハーンが西田に送った手紙には、当時の社会情勢についても記されている。

明治27(1894)年に日清戦争が始まってから2か月が経過しており、世の中には貧しさが広がっていた。

ハーンは、犯罪が増えている理由を次のように考察している。


以前よりもずっと人々の生活が苦しく、悲惨な状態にあるからです。

 ※出典:西田千太郎宛ての書簡

ドラマの中では可愛らしい焼き網の盗難騒動として描かれているが、実際のハーンの周囲では、戦争という時代の波と、命の危険を感じるような厳しい現実が交錯していたのである。


あとがき

朝ドラ『ばけばけ』の劇中では、主人公・トキ(高石あかり※高=はしごだか)の養父・司之介(岡部たかし)が家の金庫から大金を盗み出し、荒金九州男(夙川アトム)という怪しい男に金を預けましたが、司之介は結果的に泥棒にはならずに済みましたけど。
一方の「焼き網泥棒」の一件はどう描かるのでしょう?

実は[史実]には、これほどまでにスリリングな史実が隠されていたとは驚きですね。

小泉八雲という人物が、ただ怪談を愛する穏やかな文豪であるだけでなく、家族を守るために強い覚悟を持って生きていたことが伝わってきます。

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『思ひ出の記』小泉節子(著)・小泉八雲記念館(監修)ハーベスト出版 新窓で開きます
『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』NHK出版(編)NHK出版 新窓で開きます
『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子(著)内外出版社 新窓で開きます
■「詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2
■「松江に於ける八雲の私生活」桑原羊次郎(著)山陰新報社
『ラフカディオ・ハ-ンのアメリカ時代』エドワード・ラロク ティンカー(著)木村勝造(訳)ミネルヴァ書房 新窓で開きます
■『小泉八雲事典』平川祐弘(監修)恒文社
『夢の途上: ラフカディオ・ハーンの生涯〈アメリカ編〉』工藤美代子(著)集英社 新窓で開きます
『評伝ラフカディオ・ハーン』E.スティーヴンスン(箸)遠田勝(訳)恒文社 新窓で開きます
『小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し』筑摩書房編集部(箸) 新窓で開きます
『明治時代の人生相談』山田邦紀(著)幻冬舎 新窓で開きます
■富田旅館の証言(国立国会図書館サーチ〈NDLサーチ〉 新窓で開きます
レファレンス協同データベース 新窓で開きます
島根郷土資料刊行会編「西田千太郎日記」 新窓で開きます
国立国会図書館蔵書「小泉八雲全集 第1-17巻」 新窓で開きます
名古屋大学「人事興信録」データベース 新窓で開きます
書陵部所蔵資料目録・画像公開システム - 宮内庁 新窓で開きます
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『ラフカディオ・ハーン-異文化体験の果てに』牧野陽子(著)中公新書 新窓で開きます
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朝ドラ「ばけばけ」小泉八雲が味わった新天地・熊本での絶望と、愛する家族を守るための忍耐と決意と祈り
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【忠告】
朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



熊本に移住した八雲が、熊本に抱いた思いや家族への気持ち

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お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

俳優・高石あかり(※高=はしごだか)さん主演でヒロイン・松野トキを、トミー・バストウさんがレフカダ・ヘブンを演じ、文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と、妻・セツをモデルにしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』(NHK総合・月~土、午前8時~ほか)。

第20週『アンタ、ガタ、ドコサ。』では、主人公・トキと夫・ヘブンや家族らの熊本移住が描かれています。

劇中では、のんびりと暇を持て余す松野家の状況が描かれていますが、実際はどうだったのでしょう?

そこで今回は、熊本に移住した小泉八雲が、当時の熊本に抱いた思いや、家族への気持ちを[史実]をもとに記してみます。

きっと、「本編」では採用されない(と思います)エピソードを知ることに」なるので、より今作を深読みできると思います。


神話の国への期待と裏切られた現実

小泉八雲は、かつて深い縁のあった松江を離れて熊本へと向かった。

八雲が熊本へ移る際、妻セツの家族も同行したが、彼がこの地に対してどのような感情を抱いていたのか? には興味深い。

八雲は松江を去る寂しさを感じつつも、九州が日本神話のゆかりの地であると聞き、新たな生活に大きな期待を寄せていた。

特に、八雲に仕事を紹介したバジル・ホール・チェンバレンが『古事記』を初めて英訳した人物であったため、九州には古き良き日本の神々が宿っているに違いないと確信していた。

しかし、実際に熊本に足を踏み入れた八雲を待っていたのは、予想を裏切る過酷な現実であったのだ。


戦火で失われた古都の面影

八雲が移り住んだ明治24(1891)年当時の熊本は、彼が夢想した神話の世界とはかけ離れた状態にあった。

その最大の要因は、移住からわずか14年前に起きた明治10(1877)年の西南戦争である。

この激しい内戦によって熊本の街は焼き尽くされ、壊滅的な打撃を受けていた。

かつて加藤清正が築き上げた城下町の情緒は失われ、八雲が愛する「古い日本」の面影はどこにも残っていなかったのだ。

統計データを見ても、熊本市内の老舗企業の割合は他の主要都市に比べて極端に低く、戦争による破壊がいかに深刻であったかが裏付けられている。

当時の熊本は、「歴史ある文化都市」というよりも、戦後の混乱から抜け出せず、新たな産業も育たない「停滞した街」となっていたのだ。


活気のない官僚と軍の街

当時の熊本は、かつての九州の中心地としての誇りを失いつつあった。

鉄道の熊本駅が市街地から遠く離れた場所に建設されたのも、用地買収の資金が不足していたためだと言われている。

主要な産業が存在しない一方で、街を占拠していたのは第五高等中学校などの教育機関や陸軍の第6師団、そして行政機関であった。

生産性のない消費型の経済構造となり、役人や軍人が幅を利かせるいびつな社会が形成されていた。

八雲にとって、このような殺風景で官僚的な雰囲気は、松江の情緒豊かな暮らしとは対照的な「悪夢」のような環境であった。

研究者の田部隆次は、当時の熊本について次のように記している。


熊本は松江とちがって風流の土地ではない、松江のように骨董店や古本屋はない。十年の乱でなくなったとも、初めからないのだとも云われて居る。松江のように茶の湯や生花などの盛んな土地ではない。風景は雄大で男性的で大陸的であるとも、殺風景とも云える。松江の別天地からただ大なる軍事上の都と云う感じを興えるばかりの熊本へ来たヘルンに取っては初めから少し勝手が違ったようである。

 ※出典:田部隆次『小泉八雲』


家族を守るための忍耐と決意

本来であれば、気性の激しい八雲がこのような場所で長居することはないはずであった。

以前の彼なら、不満があればすぐに職を投げ出して去っていたに違いない。

しかし、熊本での彼は3年もの月日を耐え抜いた。

その理由は、彼が守るべき家族を持つ「大黒柱」になったからである。

八雲は友人への手紙の中で、自分が一家を支える稼ぎ手としての責任を痛感していることを綴っている。

セツとその親族たちは、八雲を心から敬い、食卓でも彼を最優先にするなど深い信頼を寄せていた。

八雲はその期待に応えるため、慣れない土地での孤独や不満を押し殺して働き続けたのである。


長男の誕生と憎しみを越えた祈り

明治26(1893)年、長男の一雄が誕生したことが八雲の覚悟をさらに強固なものにした。

43歳という、当時としては高齢で授かった我が子の存在は、彼の人生観を根本から変えた。

かつて自分を捨てた父への憎しみからカトリックを激しく嫌っていた八雲であったが、出産の際、愛する妻と子を救いたい一心で、無意識にカトリックの祈祷文を唱えていた。


この新しい経験で「出産」と云う事は、神聖な物又恐ろしい物で、宗教の力を借りて保護してもまだ十分と云へない事を非常に深くさとりました。それから自分の子供を生んでくれる女を虐待する男も世の中にはあると思い出したら、天地しばらく暗くなるような気が致しました。それから私はこんな幸福を授けてくれた「不可思議の力」に対して恭しく感謝した事を白状します。それから御体の祈りを捧げました。そうするのが愚かな事だとは思いませんでした。

 ※出典:小泉八雲(平井潔訳)『ヘルン書簡集』

この「御体の祈り」は、彼が最も忌み嫌っていたはずの教派の儀式であった。

しかし、家族を守るためなら過去の因縁すら捨て去るという八雲の強い意志が、そこには表れている。

自分のような孤独な思いを子供にさせたくない、不自由なく育て上げたいという親としての深い愛情こそが、彼を「退屈な熊本」に留まらせた真の理由であった。


あとがき

小泉八雲が熊本での生活に耐え抜いた背景には、彼自身の芸術家としてのこだわりを超えた、家族への深い愛があったことが分かります。

理想とは異なる環境に置かれながらも、愛する妻や誕生したばかりの息子のために責任を果たそうとする姿は、現代の私たちにとっても非常に胸を打つエピソードです。

朝ドラ『ばけばけ』を通じて、こうした八雲の人間味あふれる一面や家族の絆が描かれることで、物語がより一層温かく、希望に満ちたものに感じられますね。

ドラマで描かれるフィクションの奥に、こうした史実を知ることで、物語がより深く、温かく感じられると思います。

読者の皆様の “ドラマを楽しむ” ためのお役に立てれば幸いです。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳)恒文社 新窓で開きます
『思ひ出の記』小泉節子(著)・小泉八雲記念館(監修)ハーベスト出版 新窓で開きます
『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』NHK出版(編)NHK出版 新窓で開きます
『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』櫻庭由紀子(著)内外出版社 新窓で開きます
■「詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2
■「松江に於ける八雲の私生活」桑原羊次郎(著)山陰新報社
『ラフカディオ・ハ-ンのアメリカ時代』エドワード・ラロク ティンカー(著)木村勝造(訳)ミネルヴァ書房 新窓で開きます
■『小泉八雲事典』平川祐弘(監修)恒文社
『夢の途上: ラフカディオ・ハーンの生涯〈アメリカ編〉』工藤美代子(著)集英社 新窓で開きます
『評伝ラフカディオ・ハーン』E.スティーヴンスン(箸)遠田勝(訳)恒文社 新窓で開きます
『小泉八雲 日本を見つめる西洋の眼差し』筑摩書房編集部(箸) 新窓で開きます
『明治時代の人生相談』山田邦紀(著)幻冬舎 新窓で開きます
■富田旅館の証言(国立国会図書館サーチ〈NDLサーチ〉 新窓で開きます
レファレンス協同データベース 新窓で開きます
島根郷土資料刊行会編「西田千太郎日記」 新窓で開きます
国立国会図書館蔵書「小泉八雲全集 第1-17巻」 新窓で開きます
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『父小泉八雲』小泉一雄(箸)小山書店 新窓で開きます
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連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第98回第20週『アンタ、ガタ、ドコサ。』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


ヘブン(トミー・バストウ)の意向で、松野家の朝食はトーストに。クマ(夏目透羽)は一人で人数分のトーストを焼くのに毎日四苦八苦。そんなクマに丈(杉田雷麟)は優しく寄り添う。ある日、トキ(髙石あかり)は偶然からヘブンの作品執筆がうまくいっていないことを知ってしまう。さらに司之介(岡部たかし)は再び怪しい人物と接近。そんな中、松野家のあるモノが紛失する。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5,7,13,14,19
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3,6,9,12,15,18
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4,8,10,16
   小島東洋(過去作/『ばけばけ』助監督) 第11
   小林直毅(過去作/『ばけばけ』助監督) 第17,20
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
副音声日本語吹替:西地修哉(ヘブン担当)、木村はるか(リヨ担当)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、川野秀昭、田中陽児|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙、有本弘、和田岳秋|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、毛尾喜泰|技術:増田徹、備中正幸、酒井俊史|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田直矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲、武井美晴|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二、安河内裕斗|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな、日野維乃|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃、若嶋なな|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人、北島規、北島規、眞弓敬司|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉、大関聡|美術進行:澤幸樹、嶋原広起、大塚良子、厚朴美沙子、毛尾喜泰|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華、澤井洸、平松康、吉田隆広、布川紗生、大島櫻子|装飾:津村政幸、横田浩之、長洲史、横田浩之、高浪隆史、三好勇作、石井千尋|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり、鍛元美佐子、横山智和、鍛本美佐子、石川カンナ|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子、高屋友里|かつら:松本誠也、丹波峯子、山崎浩彦、栗野洋子|特殊メイク:江川悦子、権田日和、山埼佳子|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児、早川俊介、岡本拓大、後藤怜亜、大野陽平、小峰陸矢、上野香織、佐伯木乃実、畝岡歩未、増田愛海、野曾原明香、中元芽生|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太、森岡あゆみ、片山哲治、斎藤明日香、竹本航、徳岡美紀、奥山温子|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録:木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉、松島彩|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章、ネイサン・ベリー、米倉リエナ|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人、川村肇|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|絵画指導:苅谷昌江|華道指導:神前光園|造園:堤正和、宮崎昭徳|書道指導:今口鷲外
※敬称略




先週の「ラシャメン疑惑騒動」が全く生かされていない!

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―――ここまで、ごあいさつ―――

ホント、どこをどう褒めれば、私の気分も晴れるのかと思うばかりである。

アバンタイトルの冒頭から「?」の嵐だ。

そもそも、今週は、主人公一家が、松江市民からのトキ(高石あかり※高=はしごだか)への「ラシャメン・バッシング」に凝りて、ついに熊本に逃げてきたという「新章」である。

しかも、引っ越してから3か月も経過したのちを描いているのなら、まずは《熊本では‘ラシャメン・バッシング’があるのかないのか?》を視聴者に提示するのが筋では?

すでに水曜日まで進んでいるのに描かないなら、最初から[史実]どおりに「寒さ対策と、松江の2倍の月給目当て」であることにして引っ越せばよかったのでは?

2倍の月給で、車夫も継続契約し、不要な女優も雇って、悠々自適の生活を描くだけでよかったのでは?

これでは、先週の騒動がほぼ意味をなしていないのだ。

別に、伏線を回収しろなんて言うつもりはないが。

脚本家が自分で書いたことくらいプロなんだから責任をもって尻拭いくらいはしてほしいものだが。


新章になった時点で、松野家の食生活の変化に触れるべき!

脚本に苦言を呈したいことはまだある。

例えば、今回冒頭の「パン食」である

確かに、松江時代でも「山橋西洋料理店」のケータリングで、自宅でパンを食べることはあったが、基本的に日常ではパン食はなかったと思う。

で、「熊本編」になったら、いきなり「毎朝パン食」の設定だ。

もちろん、こちらも「食生活にはパンやステーキといった西洋料理を取り入れた」という[史実]をベースにしたアレンジだ。

だったら、「新章」になった時点で、松野家の食生活の変化に触れるべきなのでは?


新居も女中も、しれーと始まっているのが違和感しかない!

それをいうなら、「なぜ、熊本では洋館に住まないの?」という、本作が描かない問題も残っている。

だって、フツーに考えれば、長崎県が近い熊本県なのだから、ヘブン一家のために「洋館」を用意していてもおかしくないのだ。

それこそ、「新章」であることを強調するなら、パリッとした「洋館暮らし」に創作したほうがよかったと思う。

でも、脚本がそれをやらない(やれない)のは、「小泉八雲が熊本が用意した洋館を断り、畳がある伝統的な武家屋敷を選んだ」という[史実]が横たわっているからに違いのだ。

だったら、ここだって、[史実]に準じて、熊本県知事なり教育長なりと住まいの相談する場面があってもよかったと思う。

もちろん、「松江に続いて、熊本でも住まい選びをやるの?」の声もあろうが、しれーっと住んでいる時点から始まっている「新章」こそが異様なのである。

もちろん、「住まい」だけでなく、熊本での松野家の女中・クマ(夏目透羽)がしれーっと登場しているのは、もっと違和感しかないが。


NHKにとっては「捨て週」「捨て回」なのか?

こういう言い方はしたくないのだが、明らかに今週、特に今回は「NHKの働き方改革」の弊害が出ていると思う。

なぜなら、「新章」なのに、ありえないくらいにトキとヘブンの出番が少ないし、印象的でもないからである。

しかも、トキとヘブンにまつわるエピソードがほぼなくて、サブキャラが動いてばかり。

さらに、誰のエピソードだろうが、ほぼ内容がない

その上に、演出担当が、第17週で問題山積だった小林直毅氏を起用している。

これらの点からも、言っちゃ悪いが「捨て週」「捨て回」であるというNHK上層部の判断が透けて見えないだろうか?


「最終章直前」のための「熊本編は一休み週間」か…

いや、言いすぎだとするなら、3月から始まる「最終章直前」のための「熊本編は一休み週間」とでも言おうか。

結局、働き方改革のために主演俳優の出番を少なくするから「主人公の物語」が薄くなり、「サブキャラクターの物語」を尋常でなく盛り込むのだ。

その結果として “連ドラ” としての “連続性” が担保されず、連ドラなのに細切れ状態に陥るのは、『朝ドラ』以外にもNHKなら『大河ドラマ』も『夜ドラ』も同じなのだ。

なにせ、『ばけばけ』の脚本は1月末に脱稿し、高石あかりさんは2月7日にすでにクランクアップしており、ここ最近の朝ドラではかなりの最速で撮影終了している。

キャストとスタッフの手際が素晴らしいという可能性もあるが、やはりここは「内容が薄いから早く終われる」と考えるのが妥当ではないだろうか?

そんなことを考えれば、「最終章」まで「2週はこのまま」であると諦めるしかない(か?)。


あとがき

毎朝見て、「きょう一日がんばろう」と思わせてくれるような『朝ドラ』と見たいんですよ。
高給取りに寄生して、暇を持て余す家族の話なんて、ハッキリ言ってどうでもいいんです。

しかも、「焼き網が盗まれた」なんて、重要性を微塵も感じないネタで、全く興味がわきません

そのうえ、演出が… 特にカットの切り替えが多い上に、今回も “間合い” がなくてせわしない
まあ、最終章前の一休み、演出家の練習台ってことにしておきましょう。
付き合わされるこっちは、たまりませんけどね。

このあと、小泉八雲が新天地の熊本で味わった絶望と、3年間我慢した愛する家族への思いをつづります。(下↓にあります)

朝ドラ「ばけばけ」小泉八雲が味わった新天地・熊本での絶望と、愛する家族を守るための忍耐と決意と祈り|ディレクターの目線blog 新窓で開きます


厳選『ばけばけ』で描かれない秘話の解説リンク集
●八雲×セツ「万物に霊が宿るアニミズム思想」 → こちら 新窓で開きます
●三之丞(板垣李光人)モデル“静かなる光” → こちら 新窓で開きます
●錦織(吉沢亮)モデル“八雲+セツとの友情” → こちら 新窓で開きます
●妾か女中か?“八雲が求めた女中の条件” → こちら 新窓で開きます
八雲はモラハラ夫?“繊細で偏屈な素顔” → こちら 新窓で開きます
●八雲先生が"英語"で伝えた日本の文化 → こちら 新窓で開きます
"禁じられた結婚"とセツ・マティの共鳴 → こちら 新窓で開きます
※他のリンクは下記↓の折り畳みの中!

文中の方言風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
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【自己紹介】
東京下町生まれ千葉県在住。
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