ライオンの隠れ家 （第11話/最終回・2024/12/20） 感想 ※秀作に負けず劣らずの胸熱でを語ります!!!

TBS系・金曜ドラマ『ライオンの隠れ家』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第11話/最終回『僕たちの新しい始まり』の感想。

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洸人（柳楽優弥）が姿を消し、美路人（坂東龍汰）はライオン（佐藤大空）や愛生（尾野真千子）と共に探し回るが、洸人の行方はわからなかった。美路人は、自分の存在が面倒になり、嫌われて家を出たのではないかと考え、愛生は「一人になりたい時もある」と慰める。

洸人は東京にいて、無目的に歩きながら、子どもの頃の思い出が次々と浮かんだ。美路人への本当の気持ちや家族への思いが洸人を動かす。凪のような日常から突如嵐のような変化を迎えた洸人と美路人の生活は、再び穏やかに戻ったかのように思えたが…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作：なし
脚本：徳尾浩司（過去作/おっさんずﾗﾌﾞｼﾘｰｽﾞ,恋はDeepに,六本木ｸﾗｽ）
　　　一戸慶乃（過去作/ﾄﾞﾗﾏ初）
演出：坪井敏雄（過去作/妻､小学生になる｡,さよならﾏｴｽﾄﾛ） 第1,2,6,9,最終話
　　　青山貴洋（過去作/ｸﾞﾗﾝﾒｿﾞﾝ東京,ﾕﾆｺｰﾝに乗って,ﾏｲ･ｾｶﾝﾄﾞ･ｱｵﾊﾙ） 第3,4,7話
　　　泉正英（過去作/TOKYO MER,ﾕﾆｺｰﾝに乗って,王様に捧ぐ薬指） 第5,8,10話
音楽：青木沙也果（過去作/ﾕﾆｺｰﾝに乗って,すきすきﾜﾝﾜﾝ!）
劇中絵画協力：太田宏介,太田信介（ギャラリー宏介株式会社 ）
自閉症スペクトラム症監修：伊庭葉子,宮本一哉（株式会社Grow-S さくらんぼ教室 ）
警察監修：古谷謙一
タイトルバック監修：Vaundy
主題歌：Vaundy「風神」
自閉スペクトラム症監修：伊庭葉子（特別支援教育士）
Ｐ：佐藤敦司（過去作/大恋愛~僕を忘れる君と,ｲﾝﾊﾝﾄﾞ,俺の家の話）
※敬称略

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序盤の映像で、演出担当を当てることも演出の楽しみ方！

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

もはや、ドラマ『ライオンの隠れ家』の感想の冒頭でのテンプレとなっており、恐縮だが。

最終回も、他のブログやネット記事では書かないような内容にしたいと、サンタクロースを乗せたトナカイの如く意気込んでみる（笑）

サンタ・ツリー袋詰合せ｜なごみの米屋

第3話の冒頭から、ずっと書き続けていることがある。

序盤の映像で、演出担当を当てることも演出の楽しみ方！

すでに、当ブログの常連さんになっておれる読者様は、ピタリ賞の連続だろうから解説するまでもないだろう。

ってことで、最終回、ドラマ好きのあなたの “伸びしろ” 増幅のために掘り下げてみる。
　※きっと、私もあなたも、「のびしろしかないわ」だと思うから。

チーフ監督・坪井敏雄氏の演出だと分かるポイント！

お馴染みさんなら、今回が「最終回」であることを鑑みて、演出担当が誰なのか放送前から見当がついていたかもしれない。

なぜなら、前回で “サスペンス（ハラハラドキドキの緊張感）” は終わっているからだ。

そうなると、最終回で描くと期待できるのは、“ミステリー(謎解き)” と “ホームドラマ（家族の物語）” の二大要素になるはずだ。

ここで早合点してほしくないのは、“ミステリー(謎解き)” の解釈だ。

今作で描かれた「愛生（尾野真千子）の偽装死での逃走劇」の謎解きのことではないってこと。

今作がこれまで描いてきた「洸人（柳楽優弥）と美路人（＝みっくん：坂東龍汰）の兄弟のプライドの行方」の謎解き、先行きの謎解きだってことだ。
　※今作における「プライド」とは、ライオンなどが群れを作って集団生活すること

そう考えれば、自然に、最終回の演出担当が、チーフ監督・坪井敏雄氏が最適任者であることは読めるし、期待もできるし、事実、坪井氏の担当だったわけだ。

最終回は＜明るい展望を提示するホームドラマ＞に仕立てた

常連さんには野暮ったいかもしれないが、今回がお初の読者様いると思うので、プチ解説してみる。

坪井氏が得意とする作風であり、今作で重視された（と思います）のは、第3話の感想で言及したとおり。

徳尾浩司氏と一戸慶乃氏が書いた脚本は、サスペンス、ミステリー仕立てなのに。

坪井氏の演出は、ドキュメンタリー風、ヒューマンドラマ風に仕立てて、全体の方向を軌道修正してきたのだ。

それによって、サスペンスで大事な要素である「次に何が起こるか！」を薄め、ミステリーに不可欠な要素である「真実、真相は何なのか？」が強調してきたのだ。

だから、演出家が交代して各人が個性を発揮しても、チーフ監督の作風、そう、ギリギリのところで “ヒューマンサスペンス” にとどまってきたのが今作なのだ。

そうなると、「洸人とみっくんがこの先どうなるのか？」の謎は残しつつ最後まで視聴者を引き付けつつ、「ホームドラマ（家族の物語）」として可能な限り切なく温かたくましく登場人物を提示する必要があるのだ。

そして、坪井氏お得意の「ミステリーとホームドラマが‘50:50(フィフティー・フィフティー)’で、サスペンス要素をチョイ足し」だ。

超薄味で‘ハラハラドキドキ’を感じさせつつ、全体は‘ちょっとそわそわ＆ざわざわする感じ’を染み渡らせた　＜明るい展望を提示するホームドラマ＞　に仕立てたのだ（と思います）。

みっくんが描いた「1000人画廊の絵」に注目！

上記の坪井氏の演出意図を頭の隅っこにおいて、「本編」についてダラダラ＆ビシッと書いてみる（笑）

その前に、前回で『「石ころ」と「ウミネコ」が洸人と美路人の未来を象徴か？』については深読みしたので、今回は触れない。

今回で、最初に注目したいのが、みっくんが描いた「1000人画廊の絵」だ。

これも、完全に私の思い込みとして処理していただきたいと断っておく。

まず、下記の負二枚のキャプチャー画像を単純に見ていただきたい。

最初が、みっくん一人で仕上げた絵で、二枚目が洸人と‘ライオン’こと橘愁人（佐藤大空）が加筆した絵。

©TBS

©TBS

先入観をできるだけ入れずに、二枚の絵を比べると、三頭のライオン像の印象が違って見えるのだ。

私には、最初が「ちょっと怖い表情」で、二枚目が「温和な笑顔」に見えるのだ。

みっくんの絵のライオンの表情が角度によって印象が違う！

この絵をよく見ると、三頭のライオンの真ん中以外、上手（かみて＝画面右側）のライオンの表情が真ん中よりも優しい顔つきで、下手（しもて＝画面左側）のライオンが冷静で冷たい感じに見えて。

中央のライオンの上手の目がとぼけた感じで、下手の目が冷酷に見える。

これ、もちろん私だけの思い込みだとは思うが、「そうでないかも？」と推測できるのが、演出家が選択したカメラのアングルなのだ。

上の絵はカメラが‘絵に対して向かって下手から’で、下の絵は‘絵に対して向かって上手から’のアングル（位置や角度）から撮影されている。

一部違うアングルもあるが、基本的に洸人らが手を加えていない絵はカメラが‘絵に対して向かって下手から’に統一されており。

ライオンたちが加筆した絵は、洸人とみっくんの背中越しの絵以降は、ほぼ全て‘絵に対して向かって上手から’になっているのだ。

まとめよう。

この絵は、下手から見ると「ちょっと怖い表情、上手から見ると「温和な笑顔」に見えるように描かれているのではないか？　と推測できる。

もちろん、仕上がってきた絵を見た坪井氏が、このことに気づいてカメラアングルを決めた可能性もある。

しかし、いずれにしても、みっくんひとりで描いたのと三人で描いた “絵の印象” をカメラの角度で統一させているのはほぼ間違いないかも？

当然、見る角度で印象が違う絵を “天才のみっくんが無意識に描いた” との推測は、‘寅じい’こと吉見寅吉（でんでん）の政府をお借りするなら「もちのロン」オッケーだ（笑）

今作の「ホームドラマ」のホームとは"家族と住み家"のこと

もう、あちこちのネット界隈に考察があがっているだろうから（読んでいませんが）書かないし、興味もないし。

今作を簡単に言えば、全11話を通して描かれたのは、かつての「小森家」から、愛生が飛び出して、両親がなくなり、残された洸人と美路人の “ふたり” の二人三脚の生活がはじまって。

20年近くの時間が過ぎ、愛生が愁人と “ふたり” が「小森家」に戻ってきたら、今度は洸人と美路人が出て行った。

それだけの話だ。

こここから分かるのは、今作における「ホームドラマ」の “ホーム” とは、一般的な “家族” と同時に “住み家（家）” のことだったのだ。

例えが古くて恐縮だが。

映画『ポルターガイスト』 （米国／1982）は、ある平凡な “一家” を “家にとりついた魔物” が襲う怪奇現象を描いたSFXホラームービーだが。
見方を変えると、怪奇現象を巻き起こす “住み家（家）” の物語とも受け取れることができる。

映画『パラサイト 半地下の家族』（韓国／2019）は　“家族” と、半地下の “住み家（家）” の関係を深く掘り下げたブラック・コメディスリラーだ。

このように考えると、今作の演出が、サスペンスに偏りすぎないようにしてきたのが、あくまでも「今作は広義でのホームドラマである」との提案や提議を込めていたのかもしれない。

ただただ、ある家族の「集合と離散」や「構築と崩壊と再建」を描くホームドラマとは一線を画していたのは、ほぼ間違いない。

美路人の口癖である「プライド」、ライオンなどが群れを作って集団生活に深い関係があると思う。

今作は「プライド」の物語だった…

ライオンが群れを作って集団生活する理由はいくつかある。

　●狩りの効率
　　・ 群れで狩りをすることで、効率的に大きな獲物を捕えることができる。
　●子育てと保護
　　・ 群れの中では、子育てが共同で行われるため、子ライオンの生存率が高まる。
　●縄張りの防衛
　　・ 群れを作ることで、広範な縄張りを効率的に防衛し、生活環境を安定させることができる。

一方で、独立や離散もある。

　●若いオスの独立
　　・ 成長した若いオスライオンは、成熟すると母群れを離れ、自分の縄張りとメスを求めて独立する。
　●群れの解散
　　・群れが食糧不足や病気などの外的な圧力や内部の問題によって解散、離散することがある。

もう、この箇条書きを読めば、今作が「プライド」の物語であったことはお分かりいただけるはずだ。

親きょうだいに「じゃあ あとはよろしく」なんていうのは…

いつものように、私の心に響いた名台詞を挙げたいところだが。

今年の1月に妹が急逝して、まだ全然心の整理ができていない私は、ずっと心で泣きながら見ていた。

「きょうだいっていいな」と。

だからこそ、私の心に一番届いたのが、次の洸人の愛生への別れの言葉だ。

洸人「じゃあ　あとはよろしく」
愛生「何それ」
洸人「へへ」
愛生「行ってらっしゃい」
洸人「行ってきます」

若い読者様にはピンと来ないかもしれないが。
それなりに年を重ねると、親きょうだいに「じゃあ　あとはよろしく」なんていう機会も、必要も、意味もないことが出てくるのだ。

縁起でもないが、実家じまい、墓じまい、終活など、年をとると “あとがない” ことのほうが多くなるものだ。

だからこそ、洸人の「あとはよろしく」も、「行ってらっしゃい」を笑顔で送り出す愛生にも、未来や希望が感じられる。

ここまで、“家族” と同時に “住み家（家）” を掘り下げ、小森家以外のほぼ全ての登場人物たちの “抑え込んできた感情”、“心の奥底にしまってきた心情” を丁寧に描写したドラマは久しぶりだ。

そして、これだけの脚本をオリジナルで完成させた TBS、そして「金曜ドラマ」枠にも拍手を送りたい。

あとがき

最終回で秀逸だったのは、洸人と同じ福祉課の同僚・貞本洋太（岡崎体育）の「僕のマブです」からの、洸人のみっくいんへの愛の言葉、プロポーズですね（笑）

例の海辺の港の夜景で思いを告げるのではく、公開処刑のようなシチュエーションだからこその、そう、♪うれしい！たのしい！大好き！　的な雰囲気はお見事でした。

柳楽優弥さんの照れながら説得力抜群の演技、坂東龍汰さんの自閉スペクトラム症の瞳のお芝居、すごかったです。

「夫による DV事件」を盛り込んで、あれっ “考察系” に進んじゃうの？　と焦りましたが、最後はきちんと、「広義でのホームドラマ」に帰着したのは本当に素晴らしいです。

もちろん、洸人とみっくんの「ただいま～」も見たいです。

最終回まで、当ブログに対する応援もありがとうございました。

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【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話 

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感想の趣旨について

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作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。

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連続テレビ小説「おむすび」 （第60回・2024/12/20） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『おむすび』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第60回／第12週『働くって何なん？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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愛子（麻生久美子）が家出したために結（橋本環奈）が理容店で働いていると、店のホームページを見て来たという客が訪れて、聖人（北村有起哉）といぶかしむ。パソコンで検索して調べると、確かにヘアサロンヨネダのホームページがある。愛子がいつのまにか作ったと思う結たちだが、その後も続々と客がやって来て店はてんやわんやとなる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：根本ノンジ（過去作/正直不動産ｼﾘｰｽﾞ,相棒ｼﾘｰｽﾞ,ﾌﾙｰﾂ宅配便,ﾊｺﾂﾞﾒ）
演出：野田雄介（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,ﾏｯｻﾝ,六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,舞いあがれ!） 第1,3,7週
　　　小野見知（過去作/ﾏﾁ工場のｵﾝﾅ,ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,転･ｺｳ･生） 第4,6,10週
　　　松木健祐（過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!） 第2,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,ごちそうさん,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ） 第8,12週
　　　大野陽平（過去作/｢ちむどんどん｣第9週のみ,｢舞いあがれ!｣第25週のみ） 第9,11週
　　　工藤隆史（過去作/｢舞いあがれ!｣第20週のみ）
　　　原田氷詩（過去作/｢おちょやん｣ 第17週のみ,｢舞いあがれ!｣第16週のみ）
音楽：堤博明（隣の家族は青く見える,ﾍﾞﾋﾞｰｼｯﾀｰ･ｷﾞﾝ!）
主題歌：B'z「イルミネーション」
語り(本編)：リリー・フランキー（過去作/｢なつぞら｣本編語り）
語り(土曜日版)：高瀬耕造ｱﾅｳﾝｻｰ（過去作/｢ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ｣本編語り）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
制作統括：宇佐川隆史宇（過去作/岸辺露伴は動かないｼﾘｰｽﾞ,正直不動産ｼﾘｰｽﾞ）
　　　真鍋斎（過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男）
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動

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今回は、感想風に"ピリッと辛いアイツ"のパワーに頼って

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

常連の読者様は、ご存じだと思います。
ここ数日間 連続で Web拍手が 30未満（投稿時）になりましたので…
読者様に向けて、どうしたら今作が巻き返せるのか考える感想にもしたいと思います。

ということで、「一つだけお願いがあります。私と当ブログも感想は嫌いでも、朝ドラ『おむすび』のことは “まだ” 嫌いにならないでください」と本日も叫びます！
※しばらくテンプレです…

あなたの応援のおかげをもちまして、今週は月、火、水曜日と連続で Web拍手が 30回を超えました ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ!!

でも、その連続記録も3日間でストップしちゃいました… ｳﾙｳﾙ...

そこで今回は、感想に合わせて “ピリッと辛いアイツ” のパワーに頼ってみます（笑）

で、今回の感想の前に、前回の感想の投稿が、病院の検査等で遅くなったのをお詫びします。

また、お詫びを兼ねて（強引ですね）、下記の投稿もしましたので、よかったら読んでみてくださいませ。

朝ドラ「おむすび」で神戸の中華料理店主役の堀内正美さんが “震災のリアル”をラジオで語る(2024-12-19) 

「褒められるときに褒めるべし！」をやってみる！

演出担当のアイデアはないとすれば、脚本家のアイデアとして決して悪くない。

と同時に、脚本家が今となっても、自身の問題点に気づいていないことも明らかになった。

それが、冒頭の約57秒間の「月曜日から木曜日に描いたことの振り返り」のダイジェスト版だ。

これまでも、事あるごとに次のように書いてきた。

月曜日から木曜日に描いたことは無視して、≪“むすび” つかない金曜日≫ は、今週もやるに違いない。

だが、この描写を脚本自ら書いたとなれば、＜今週は、月曜日から木曜日に描いたことは無視しない宣言＞　と受け取れる。

事実、金曜日の割には、宣言どおりに「結と翔也の結婚まで？ の経緯」「妻の反乱＆母の家出」「床屋の商売」の “その後” が描かれている。

これまでのように、前段を全部無視した “その後” や “起承転結の結” ではない。

今年の私のモットーは、1月に急逝した実妹から得た教訓「やりたいことは、やれるときにやるべし！」だ。

したがって、今年も残り少なくなってきただけに、「褒められるときに褒めるべし！」をやってみたわけだ（笑）

結がすべきは、"臨時休業"にして"家出中の母を探す"では？

早速で恐縮だが、そもそも、結（橋本環奈）は「うち　今日　仕事休みなんです」だとしても。

結が　〈何のためらいもなく自然な感じで店を手伝っている〉　と描いているが正しいのか？　という疑問だ。

もちろん、「家族なんだから、母の代わりに父を手伝うのは当然でしょ？」は分かる。

分かるのだが、母・愛子（麻生久美子）がいつ帰ってくるのか分からないのだから、散髪などができない結が他にやるべきことはあるのでは？　と思うのだ。

またまたもちろん、「仕事が休みだから今日だけでも乗り切ろうでもいいのでは？」も分かる。

でも、「明日は？　あさっては？　その次は？」と疑問は絶えない。

「日曜日の設定なら、月曜日は理髪店休みでしょ？」も分かる～ぅだ。

でも、やはりこの時点の結が娘としてやるべきは、店の手伝いもあるが、〈愛子を探す〉　のような気がするのだが。

少なくとも、私なら「店は臨時休業」にして〈家出中の母を探す〉　が。

結局、公式サイトに掲載されているあらすじの次の一文をやりたいがために、“普通” が捻じ曲げられて書かれているのだ。

愛子（麻生久美子）が家出したために結（橋本環奈）が理容店で働いていると、店のホームページを見て来たという客が訪れて、聖人（北村有起哉）といぶかしむ。

ちなみに、「いぶかしむ」とは、常用漢字表にない「訝しむ」と書くので、当ブログも平仮名表記するが。

意味は、「疑う、または疑わしいという推測を表明する」「ありそうもないと思うか、疑いがある」。

普通に「不思議に思う」で良かったと思うが。

三つの＜今作に最もふさわしくない設定＞を放送しちゃった

まとめよう。

「結に店を手伝わせる」をやりたいがために、次の三つの　＜今作に最もふさわしくない設定＞　を放送してしまったのだ。

　●「ホームドラマ」なのに、無理やりに結に母捜しをさせない設定
　●「お仕事ドラマ」なのに、経営者が明日以降を考えていない設定
　●「働く女性を描くドラマ」なのに。“男性” である父が “女性” である妻と娘を “手伝い程度” にしか見ていない設定

これこそ、賛否両論飛び交っている今年の流行語大賞となった、TBSのテレビドラマ『不適切にもほどがある！』を略した「ふてほど」の如く、コンプラ的に…　だと思うが（失笑）

せめて、ワンカットでいいから、妻としても、協働する者としても、聖人が愛子に、そして結に謝罪と感謝を述べる様子があれば…　無理か（失笑）

時代的に公式サイトだけで急に客が増えること自体が不自然

いや、結が休日に店を手伝う以上に、そもそも、おかしいのは、唐突に　＜閑古鳥が鳴いていた店に、ホームページを見た客が押し寄せる設定＞　を盛り込んだことに尽きる。

（私の記憶が間違っていたら教えてください）
劇中の現在は、恐らく「平成20年（2008）」だ。

この当時は、ホームページ作成ソフト「ホームページビルダー」がそれなりに一般家庭に普及しており。
特に、スタイルシートに対応した「ホームページ・ビルダー 11（2006年発売）」以降、小さなお店でも個人で公式サイトが作れる時代になった。

また、2008年当時は、まだまだ「公式サイトの集客力」に疑問を持つ経営者も多く、広告はチラシなどの紙媒体に依存しる個人商店のほうが多かったのは、私の実体験でもある。
　※私は個人事業主になった2003年から、「 Macromedia Dreamweaver」でコツコツと公式サイトを運営開始ました

感想に戻そう。

要するに、この当時をリアルに描くなら、まだスマホがない折り畳みガラケー時代であることからも「公式サイトの集客力」は弱かったのだから、急に客が増えること自体が不自然なのだ。

「ドラマだから…」「虚構でしょ？」なのは分かる。

でも、そうなると、もう一つそもそも… が沸いてくるのだ。

＜店が閑古鳥が鳴く状態の設定＞は不要だったのでは？

そもそも、米田家が神戸に戻ってきたのが2007年で、それまでの “約2年間” は、「ヘアサロンヨネダ」ではない理美容室に通っていたのだ。

さらに、そもそも、それ以前の10年以上、他の理美容室に通っていて困ってはいなかったのだ。

もちろん、神戸市役所の職員で、米田家が営む理髪店の常連・若林建夫（新納慎也）のような近隣住民の常連組は、とっくに「ヘアサロンヨネダ」の常連として戻ってきているはずなのだ。

まとめよう。

これ、愛子が家出をする設定に　＜店が閑古鳥が鳴く状態の設定＞　は不要だったのでは？

むしろ、元の常連客はみんな戻ってきてくれて、常連さんたちが新規客を呼んできてくれて、忙しすぎてうれしい悲鳴で。

忙しすぎるから、逆に店やお互いの体のことを思って夫婦喧嘩が絶えなくなっているところに。

例えば。

歩（仲里依紗）が「これから売り出し予定のシャンプーの新製品の評判調査させてよ」「チャンミカに頼んで、とっくにホームページ作って宣伝しちゃってるけどね」で良かったのでは？

結局、「起承転結の結」しか意識していないから、「起」が雑になるのだ。

今回、始まったことではないが。

せめて、ホームページを見てやって来た客が「近隣住民でない客」「県外からの来訪客」であるように描けば、不自然さは薄まったとは思う。

なぜもっと今回のキャッチボールのような描写をやらない？

先に書いた　＜「起承転結の結」しか意識していないから、「起」が雑になる＞　は、後半のキャッチボールのやりとりにも共通している。

いつも、「太極軒で中華料理のどか食い」の状況設定の上で、プロポーズだ、悩みの告白だ…　とやるからワンパターンにしか見えないし。

「主人公が栄養士になって、野球選手の恋人を支える」「主人公が、栄養士でスポーツに関わりたい」も薄まるのだ。

今回のキャッチボールのような描写を組み込むことで、「結の恋人が野球選手である設定」が意味不明にならず。

「プロポーズに浮かれる結」も、あざとさを感じず、必然性すら感じられたのだ。

翔也自身にとっては「もう」ではあるが、結にとっては…？

そして何より、高校時代から、先日書いた　＜「星飛雄馬」の姉‘明子姉ちゃん’の如く＞　見守る結や…

ライバル校だから陽太（菅生新樹）にバレないように極秘でキャッチボールしてきたと、「起承転結の起」や「起承転結の承」で積み重ねせてくれば良かったのだ。

そして、今回の「起承転結の結」で結が気付いて、こう言えば良かっただけなのだ。

結「球ん力が、いつもより弱いっちゃないと？」

こういうのが、高校時代から交際しているカップルの、パートナーへの言葉なのでは？
　※私と妻は、高校時代の同級生です…（恥）

今回のやりとりは、「太極軒で中華料理のどか食い」よりは、ずっとマシだが。

＜高校時代から交際しているカップル＞　でなくても成立しちゃう会話劇だったのが悔やまれる。

だって、高校時代から今回までに、結が翔也の投げた球を受けた印象が皆無なのだから、「もう」を強調してもハッキリ言って意味がないのだ。

確かに、翔也自身にとっては「もう」ではあるが、結にとっては「今」だけしか知らないのだから。

よって、これも、＜「起承転結の結」しか意識していない＞　の弊害、自業自得、あとの祭りでしかないわけだ。

あとがき

予告編の内容には触れませんが。

読者の皆様、特に「予告編は見ない派」の皆様、申し訳ございません。

前回の感想における、私の妄想、ほぼ当たり…（自粛）

結局、ず～っと、「騒動至上主義」改め、《トラブル依存症候群》ってことですね。

みっきーの植物図鑑（第245回）

先日ご紹介した「葉書」の由来となった木「タラヨウの木」を見に行った千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館併設の「くらしの植物苑」の数日前の写真です。

ご覧のとおり “ピリッと辛いアイツ” の「伏見甘長とうがらし」です。

食べる旬は鮮やかな緑色の「真夏」で、旬を過ぎた「真冬」には真っ赤になります。

「伏見甘長とうがらし」は、京都の伏見付近で古くから栽培されてきた京の伝統野菜で。
とうがらしの中では、最も細長い棒状になることが見た目の特徴です。

食したことがある人は分かると思いますが、辛味が少なく、ピーマンやししとうのような甘みを感じます。

無理やりですけど、写真の色合いとしては「クリスマスっぽい」でしょ（笑）

明日の「土曜日版」、来週の感想も、引き続きよろしくお願いいたします。

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※文中の博多弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
博多弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 

『おむすび』を召し上がった後の　≪お口直し≫　に下記の感想をおすすめ！
朝ドラ「カーネーション」全151回分の感想リンク 
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」全112回分の感想リンク 

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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※上記のスタッフ表の続き

主人公のモデルの1人：松丸奨
　　　※1983年千葉県生まれの栄養教諭・管理栄養士
　　　（過去作/｢Chef~三ッ星の給食~｣給食監修指導）
　　　※人物像作成のための取材を受けた複数名の1人であると判明(2024/10/9)
　　　ﾈﾀ元：松丸奨@men's管理栄養士 [@matsumarurecipe] (2024年9月30日) 
タイトルロゴ制作：大島慶一郎（Keiichiro Oshima ）
タイトル映像：田向潤（過去作/きゃりーぱみゅぱみゅ,くるり,緑黄色社会MV）
イラスト：サンレモ（ILLUSTRATOR サンレモ ）
振付：TAKAHIRO（欅坂46,日向坂46,櫻坂46,ゆず,SEKAI NO OWARI,藤井風）
栄養学考証：中村丁次（神奈川県立保健福祉大学教員）
福岡ことは指導：坪内陽子（元MRT宮崎放送ｱﾅｳﾝｻｰ）
栃木ことは指：猪瀬光博（栃木県出身の俳優）
神戸ことは指導：辻葉子（兵庫県出身の俳優）
ギャルことば指導：Rumi（美容･ｷﾞｬﾙ評論家,今作ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ指導）
医事指導：矢木崇善（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,）
料理指導：広里貴子（過去作/ごちそうさん,まんぷく,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
書道指導：津吾井香奈（｢書道ﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽ甲子園｣指導など）
農業指導：德安出雲
理容指導：宮城丈二（兵庫県理容組合理事長）
警察指導：板東正敏子（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
美術：西村薫（過去作/ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,ﾊﾑﾗｱｷﾗ,舞いあがれ!）
技術・増田徹
音響効果：林恵太郎
助監督：藤玲衣,影浦安希子,山田陽介,畑本健太
　　　小峰陸矢,亀井優成,長澤康貴,佐伯木乃実
　　　竹原朋加,林祐香,増田愛海,野曽原明香,福崎功真
スケジューラー：南野彩子（NHK BSﾄﾞﾗﾏ｢ﾊﾟｰｾﾝﾄ｣ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ）
リサーチ：有川奈々絵（NPO法人 かごしまﾌｨﾙﾑｵﾌｨｽ）
撮影：竹内北斗（過去作/ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
　　　源拓哉（過去作/ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ）
照明：岡元昌弘（過去作/軍師官兵衛）
　　　橋村祐哉（過去作/べっぴんさんSP｢恋する百貨店｣）
音声： 渡辺暁雄
映像技術：山下健
カラーグレーティング：中井高人
VFX ：佐久間正泰
美術進行：鴫原広起
装置：内田健
裝飾：野崎次郎
衣装：早藤博
メイク：西口富美子
制作：原田潔,岡本剛毅,中津琢,扇谷愛理,杉山遥人,高田寛之
プロデューサー：菅原弘（過去作/天国にいちばん近い島,二代目はｸﾘｽﾁｬﾝ,ぼくらの七日間戦争）
※敬称略

---

【これまでの感想】

第1週『おむすびとギャル』
1 2 3 4 5 土

拍手コメント返信（2024/10/2）：「おむすび」(第3回) ※“ギャル文化”には、圧倒的な“ポジティブパワー”がある 

拍手コメント返信（2024/10/3）：「おむすび」(第4回) ※「虎に翼」の総括、「おむすび」結のモデルと脚本家について深掘り解説します(更新) 

朝ドラ「おむすび」未だに“姉と妹の子ども時代の初期物語”がないのは…ある事情で追って“伝説のギャルのスピンオフ”をやるから!? 

第2週『ギャルって何なん？』
6 7 8 9 10 土

第3週『夢って何なん？』
11 12 13 14 15 土

第4週『うちとお姉ちゃん』
16 17 18 19 20 土

朝ドラ「おむすび」：提灯記事に加え,ついに注意喚起までやる必死さ！でも,その前にやることがあると思う 

第5週『あの日のこと』
21 22 23 24 25 土

NHK連続テレビ小説「おむすび」：朝ドラが“リアルな大災害”を扱うたびに思うこと 

第6週『うち、ギャル、やめるけん』
26 27 28 29 30 土

第7週『おむすび、恋をする』
31 32 33 34 35 土

第8週『さよなら糸島　ただいま神戸』
36 37 38 39 40 土

第9週『支えるって何なん？』
41 42 43 44 45 土

朝ドラ「おむすび」第9週「支えるって何なん？」で見えた、新たな致命傷を胸熱で解説！ 

第10週『人それぞれでよか』
46 47 48 49 50 土

第11週『就職って何なん？』
51 52 53 54 55 土

第12週『働くって何なん？』
56 57 58 59 

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ザ・トラベルナース[2] （第9話/最終回6分拡大スペシャル・2024/12/19） 感想

テレビ朝日系・木曜ドラマ『ザ・トラベルナース[2]』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第9話/最終回6分拡大スペシャル『さらば、最強ナースコンビ!最後の改革!!』の感想。

---

薬師丸卓（山崎育三郎）は、日本の医療改革を目指しつつも過去に医療ミスを八木めぐみ（若村麻由美）に転嫁し、不正にも手を染めてきた。ついには那須田歩（岡田将生）を残し、九鬼静（中井貴一）ら現職ナースを全員解雇。直後、病院はランサムウェア攻撃を受けシステムが停止。歩は混乱の中で患者を守り、解雇された静たちは外来患者を支援。さらに、膵臓がんのめぐみが急変し、歩は薬師丸に執刀を依頼するが拒まれる…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

---

原作：なし
原案：中園ミホ（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 1～4､6､7）
脚本：中園ミホ（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 1～4､6､7） 第1話
　　　香坂隆史（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 7.ｲﾝｼﾞﾋﾞｼﾞﾌﾞﾙ） 第2～5,7～最終話
　　　山岡真介（過去作/共に共同脚本→ｼｪｱﾊｳｽの恋人,万博の太陽） 第6話
演出：金井紘（過去作/前作,ﾗｼﾞｴｰｼｮﾝﾊｳｽ1､2,信長協奏曲） 第1,2,6,7,最終話
　　　片山修（過去作/前作,相棒ｼﾘｰｽﾞ,ﾄﾞｸﾀｰX 7） 第3,4話
　　　山田勇人（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰX 3,6,7） 第5,8話
音楽：沢田完（過去作/前作,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ）
主題歌：斉藤和義「泣くなグローリームーン」
ＥＰ：内山聖子（過去作/前作,妖怪ｼｪｱﾊｳｽ,南くんが恋人!?）
※敬称略

---

最も評価したいのは"あの設定"をブレずに締めくくったこと

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

前回に続いて、いや、前回以上に。

気にし出したら、キリがないくらいに、あちこちが唐突だし、中途半端だが。

その辺は、あとからネチネチと書くことにして（笑）

今回で最も評価したいのは、今作の根幹である “あの設定” を最後にキッチリを描いてブレていないことを証明したことだ。

それが。

N「高いスキルを武器に　特定の病院に属さず
　渡り鳥のように
　短期間で　病院から病院へ渡り歩く
　さすらいのナースたちである」

今作が描くべきは　＜さすらいのナース＝トラベルナース＞　であるべきなのだ。

"トラベルナース"と"スーパーナース"は、似て非なるもの

しかし、今作が難しいのは、その　＜さすらいのナース＝トラベルナース＞　を強調できるのは、病院を渡り歩いた瞬間しかないこと。

通常営業、通常の展開が始まってしまうと強調できないのだ。

ちなみに、当ブログでも下記のことに気づいておられた読者様は鋭いと思う。

私は、第1話から、「トラベルナース・那須田歩（岡田将生）」と「スーパーナース・九鬼静（中井貴一）」と書き分けていたのだ。

要するに、今作が第1話と最終回で絶対に忘れてはいけないのは…

那須田歩が、アメリカでナース・プラクティショナー（NP）として活躍していた看護師で、医師の許可を得ずに一定の医療行為を行うことができることよりも。

歩ちゃんが、高度なスキルとコミュニケーション力を評価され、世界中で引っ張りだこの飛び切りのトラベルナースだということ。

で、この最終回でも、＜主人公は、トラベルナースの那須田歩＞　であることを強調して終わった。

だから、私はそのことを最も評価したいのだ。

そして、続編も見たくなるわけだ。

今作の通常営業を支える＜ナースは、人を見て、人を治す＞

これと、ほぼ同等に描くべきことが…

＜さすらいのナース＝トラベルナース＞　を強調するのが難しい通常営業、通常の展開が始まってからの見どころが、皆様もご存じの　＜ナースは、人を見て、人を治す＞　という今作の大事な二つめのテーマだ。

それを具現化する役割が「スーパーナース・九鬼静」だ。

だから、第2シリーズの九鬼のパートでは　＜さすらいのナース＝トラベルナース＞　を強調する必要はない。

逆に強調しないことでしか、那須田がトラベルナースであると強調するのは難しいからだ。

だって、ここだけの話だが、九鬼静は歩ちゃんの上を行く　＜トラベルナース＆スーパーナース＞　なのだから！

であるから、最終回でも、九鬼で徹底的に強調して描かれたのは。

「謎のスーパーナース」「あちこちの救急病院で働いてきたミステリアスなイケオジ」「歩を凌駕する圧倒的スキルを持つ」と。

九鬼の正体である「貧しい医療従事者を支援するフローレンス財団の理事長」なのだ。

そして、付け加えるなら、上記の設定を映像的に強調したのが。

元ナースで、静がかつて「フローレンス財団」で援助しており、現在は厚労省からシステムダウンの初動対応支援チームのメンバーとして西東京総合病院に派遣されたITシステムの専門家・阿部湊（志尊淳）なのだ。

阿部湊の登場によって、「スーパーナース・九鬼静」が明瞭になり。

終盤のフィリピンの病院でのやりとりで、完結したのだ。

＜緊急事態下における入院や外来の患者たち＞のその後は？

ただ、ここからは少々ネチネチと書いてみる（笑）

やはり、医療ドラマだから例えるわけでなく、当ブログの用語として。

「騒動至上主義」改め、《トラブル依存症候群》　をやり過ぎたのでは？　と。
※トラブル依存症候群とは、人間描写が蔑ろにしてまで、物語の構築を騒動ばかりに依存するドラマづくりのこと

誤解してほしくないのは、緊急事態下での下記の人間描写はそれなりにできていたし満足なのだ。

　●残った那須田や元看護師・八木めぐみ（若村麻由美）の動き
　●九鬼や退職したナースたちの「おむすび野戦病院」の存在
　●元看護部長・愛川塔子（寺島しのぶ）ら復活組の活躍
　●薬師丸卓（山崎育三郎）の改心

しかしだ。

「医療ドラマ」として絶対に欠落してはいけない人たちの “人間描写” が蔑ろになっていたのだ。

それが、＜緊急事態下における入院や外来の患者たち＞　だ。

そう、トラブルに巻き込まれた患者たちのその後、結果が抜け落ちていたのだ。

もちろん、今回に登場した全てのエキストラの患者の結末を描けなんて無理を言うつもりはない。

しかし、透析ができない、食事管理ができない、入院を受け入れられない…　などの一部でも “無事であること” は盛り込むべきだったのでは？

サイバー攻撃対策も復職できたナースのその後も中途半端…

さらに、厳しいことを言えば。

もちろん、「病院を治す」をも描いているのは認めるが。

今回の阿部湊ら専門家の処理、病院側の対応含めて、そもそも地域の基幹病院が受けたサイバー攻撃の処置として、結果を含めて曖昧過ぎるのでは？

様々な関係者が、自分の立場で頑張ったことは見えたし、伝わったのは間違いない。

でも、サイバー攻撃についても、先と同様に、その後、結果が抜け落ちているのだ。

だから本当の意味で　＜緊急事態下における入院や外来の患者たち＞　の、その後、結果も抜け落ちているということ。

もう一つの、その後、結果も抜け落ちているのもある。

それは、「看護師紹介所」の西千晶（浅田美代子）の尽力で、西東京総合病院に復職できたナースたちの、その後、結果だ。

最終回の描写でも、院長が代わると再びニート化しちゃう可能性だってあると描いたわけで。

ここだって、フローレンス財団の口添えで…　とかなんとか、やっても良かったと思う。

あとがき（その1）

やはり、「騒動の詰め込みすぎは控えめに」だと思います。

きっと、ドラマチックに盛り上げて、見せて（show）魅せる（fascinate）をやりたい！　でしょうし。
＜ナースは、人を見て、人を治す＞　を　＜院長も治すし、病院も治す＞　まで昇華させたかったのでしょう。

でも、＜院長も治すし、病院も治す＞　がやりすぎだったんでしょうね。
作り手の気持ちは重々理解しますけど。

それだけに、最後は、めぐみの退院や薬師丸との和解くらいで、まとめたほうが無難だったかなと思います。

中園ミホさんが、次期朝ドラ『あんぱん』で多忙なのは分かりますが、最終回は書いていただきたかったです。

あとがき

厳しいことばかり書いたので、最後の最後は楽しい話題（甘）

序盤で、ウソ入院中の政治家・灰原和男（大和田伸也）が薬師丸院長を馬鹿にするくだりで、筒状のお菓子をタバコに見立てる演技がありました。

あれ、子どものころ、みんなやりませんでした？

私が「泉屋のサボイフィンガー」と並んで大好きな、ヨークモックの「シガール」ですね。

急に食べたくなりました。

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【これまでの感想】
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朝ドラ「おむすび」で神戸の中華料理店主役の堀内正美さんが “震災のリアル”をラジオで語る(2024-12-19)

©文化放送

朝ドラ『おむすび』で「太極軒」店主役の堀内正美さん

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現在放送中の NHK連続テレビ小説（以後「朝ドラ」と略）『おむすび』関連の話題です。

来年、2025年（令和7）1月17日（金）は、1995年（平成7年）1月17日（火曜日）5時46分52秒（日本時間＝UTC+9）に発生した兵庫県南部地震「阪神・淡路大震災」から、30年の節目の年です。

朝ドラ『おむすび』は、主人公であるヒロイン・米田結（橋本環奈）が幼少期に体験した避難所での “おむすび” をきっかけに栄養士となって、人々を幸せにするであろうと、超好意的に解釈している私です（笑）

さて、今回ご紹介するのは。

その朝ドラ『おむすび』の劇中で、ヒロインや家族らが行きつけの神戸の中華料理店「太極軒」を営む仲良し夫婦の一人、店主・明石太一を演じる俳優の堀内正美さんが出演されたラジオ番組についてです。

堀内正美さんと、阪神・淡路大震災について

アラ還(あらかん)世代にとっての堀内さんと言えば、50年前の連続テレビ小説『鳩子の海』（NHK／1974-75）でヒロインの憧れの男性を演じた元祖イケメン俳優です。

また、俳優業の傍らで、阪神・淡路大震災の被災者支援活動に注力し続けているのをご存じの方も多いのでは？

簡単に、堀内さんをご説明いたしますと。

震災直後に、あの、神戸市民の合言葉「がんばろう!!神戸」を提唱した方で。

同時に、避難所・仮設住宅・復興住宅で被災者支援活動を展開する市民ボランティア団体「がんばろう!!神戸」を結成。

2002年には、震災だけでなく事件・事故の遺族も参加する NPO法人「阪神淡路大震災1.17希望の灯り」を設立。

私たちは、ご遺族・被災者・ボランティア団体・企業・行政・メディアといった所属や組織にこだわる事なく「亡くなった『みんな』のために、いったい何ができるのか」という思いに突き動かされ、活動を続けてきました。そしてその『思い』と、そこから生まれた支え合う『こころ』を伝えひろげることを目的とし、特定非営利活動法人阪神淡路大震災「1.17希望の灯り」を設立するものです。

出典：NPO法人阪神淡路大震災1.17希望の灯りとは｜公式サイト 

このような強い思いとお立場の堀内正美さんが、劇中の役柄として “震災被災者” を演じていることだけでも、朝ドラ『おむすび』はチャレンジしているわけです。

もちろん、ドラマの感想は書きませんが、完全に空転しまくり、迷走状態ですが（困）

『喪失、悲嘆、希望 阪神淡路大震災 その先に』を出版

そんな堀内さんが、2024年11月8日にご著書『喪失、悲嘆、希望 阪神淡路大震災 その先に』を出版されたそうです。

その本に関する宣伝として、本日（12/19）に放送された文化放送のラジオ番組『長野智子アップデート』内のコーナー『ニュースアップデート』にゲスト出演されました。

番組内では、阪神・淡路大震災当時のお話や。

間もなく、1月1日に1年目を迎える「令和6年能登半島地震」の被災地のこと。

被災地、被災者、支援、ボランティアなどについて、体験などを語ってくれています。

また、避難所での「おにぎり（「おむすび」でない）」のエピソードも。

下記のリンクから聴くことができます。

阪神大震災 その先に【俳優　堀内正美】
2024年12月19日（木）
【長野智子アップデート】

全編はradikoのタイムフリー機能で 

あとがき

堀内さんが、ご著書を出版されているの初めて知りました。

早速、Amazonから購入したので、読んでみます。

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連続テレビ小説「おむすび」 （第59回・2024/12/19） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『おむすび』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第59回／第12週『働くって何なん？』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

---

愛子（麻生久美子）が置き手紙をして家出したため、理容店で働く聖人（北村有起哉）はてんてこ舞いに。一方、社員食堂で働く結（橋本環奈）は、立川（三宅弘城）から日替わりのメニューを考えることを初めて任される。材料費２００円以内で収めるという条件で、ランチタイムまでの２時間、結は必死になって考案し、その料理ができあがる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：根本ノンジ（過去作/正直不動産ｼﾘｰｽﾞ,相棒ｼﾘｰｽﾞ,ﾌﾙｰﾂ宅配便,ﾊｺﾂﾞﾒ）
演出：野田雄介（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,ﾏｯｻﾝ,六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,舞いあがれ!） 第1,3,7週
　　　小野見知（過去作/ﾏﾁ工場のｵﾝﾅ,ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,転･ｺｳ･生） 第4,6,10週
　　　松木健祐（過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!） 第2,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,ごちそうさん,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ） 第8,12週
　　　大野陽平（過去作/｢ちむどんどん｣第9週のみ,｢舞いあがれ!｣第25週のみ） 第9,11週
　　　工藤隆史（過去作/｢舞いあがれ!｣第20週のみ）
　　　原田氷詩（過去作/｢おちょやん｣ 第17週のみ,｢舞いあがれ!｣第16週のみ）
音楽：堤博明（隣の家族は青く見える,ﾍﾞﾋﾞｰｼｯﾀｰ･ｷﾞﾝ!）
主題歌：B'z「イルミネーション」
語り(本編)：リリー・フランキー（過去作/｢なつぞら｣本編語り）
語り(土曜日版)：高瀬耕造ｱﾅｳﾝｻｰ（過去作/｢ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ｣本編語り）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
制作統括：宇佐川隆史宇（過去作/岸辺露伴は動かないｼﾘｰｽﾞ,正直不動産ｼﾘｰｽﾞ）
　　　真鍋斎（過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男）
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動

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ムスビンだけでなく、サブキャラにも、愛はあるんか？

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

常連の読者様は、ご存じだと思います。
ここ数日間 連続で Web拍手が 30未満（投稿時）になりましたので…
読者様に向けて、どうしたら今作が巻き返せるのか考える感想にもしたいと思います。

ということで、「一つだけお願いがあります。私と当ブログも感想は嫌いでも、朝ドラ『おむすび』のことは “まだ” 嫌いにならないでください」と本日も叫びます！
※しばらくテンプレです…

読者様あなたの応援のおかげをもちまして、今週は月、火、水曜日と連続で Web拍手が 30回を超えました ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ!!

月曜日は “満月の写真のパワー”、火曜日は “デザートのパワー”、水曜日は “桜の紅葉のパワー” に頼りました（笑）

そこで、木曜日は妻の実家のご近所さん宅の “あるキャラクターの力” に頼りますので、最後まで読んでくださいね。

さて、前回で強調したのが…
脚本家も演出家も制作統括も　〈ムスビンに愛はあるんか？〉　でした。

今回は、前回の感想で恐れていた　〈ムスビンだけでなく、サブキャラにも愛はあるんか？〉　について書きます。

最低限の〈立川の態度の急変する課程〉の描写は必要では？

前回は、「そもそも？」と書くことが多すぎて、時間がかかりすぎるから、あえて書かなかったのだが。

今回がちょうど良いタイミングだから書いてみる。

前回から、主人公以上に気になってしょうがなかったのが　〈立川の態度の急変〉　に他ならない！

少なくとも、視聴者に「？」と感じさせない程度には　〈態度の急変の過程〉　は提示すべきでは？

もちろん、メインのレギュラーキャラクターでないし、（恐らく数週間の使い捨ての… ※理由はあとで書きます!）サブキャラだろうから、詳しく描く必要はない。

でも、サブキャラだとしても、違和感が生まれないよう、最低限の描写は必要では？

過程とは言っても、ワンシーンで良いのだ。

例えば、立川（三宅弘城）がホテル勤務時代に結（橋本環奈）と同じように上司にメニュー提案するも、不採用になって廊下で悔しがる回想をインサートカットして、若い頃の自分と結を重ねて天井を見上げる…　とか。

それこそ、演者が三宅弘城さんなのだから、泣き笑いのお芝居なんて御手の物(おてのもの)のはずではないのか！

〈立川の態度の急変の過程〉は〈主人公の転機＆分岐点〉！

こう書くと、好意的に見ていることに気付いていない人は「前回（第58回）で立川が結のノートを見て何かを悟った場面がありましたけど」と主張するだろう。

しかし、＜立川が結のノートを見る＞　だけでは描写不足なのだ。

ではなぜ、私が立川というサブキャラの　〈立川の態度の急変〉　にこだわるのか説明しよう。

それは、立川の主人公への態度、対応の変化こそが　〈主人公の転機＆分岐点〉　となる大事なポイントだからだ。

「なぜ、立川が結への態度を急変させたのか？」こそが、結が主人公として “やったこと” の裏付けであり、証拠になるからだ。

だから、ここは、明確に　＜立川は結の○○に心を動かされた＞　と視聴者に印象付けるべきだったのだ。

そう、視聴者の誰もが「あのときが、最初に結がプロの料理人に認められた瞬間だよね」と思えるように…　だ。

〈ナベさんの改心の過程〉も立川同様にごまかしたばかり！

では、なぜ、私がこの点に、いま、言及せなければと思うのか？

それは、今作は、先日も同じ失敗をしたばかりだからだ。

そう、お気づきの方もいるはずだ。

‘ナベさん’こと渡辺孝雄（緒形直人）、その人だ。

渡辺も、よく分からぬ曖昧な過程で、主人公と姉を受け入れ、震災のトラウマから何となく逃れた感じで、強引に進めたのは、記憶に新しい。

こういう　〈視聴者へのごまかし＆欺き〉　を繰り返すと…

まず、ドラマとして信用できなくなる。

なぜなら、「また、視聴者を置いてけぼりにして勝手に進めるんでしょ？」になるから。

また、連ドラとしては連続性、一貫性がないと見えちゃう。

なぜなら、「また、視聴者を置いてけぼりにして勝手に進めるんでしょ？」になるから。

こんな愚かなことを続けるかぎり、いつまでたっても感情移入できす、面白味も感じられず、結果的に見るのをやめる人を増やすだけだと思う。

視聴者が抱く「？」を無視し続けてきたのが『おむすび』

〈立川の態度の急変〉　をごまかしたこと以上に気になったことはない。

「ない」と言えば嘘になるが。

「気になりやしない」が、〈立川の急変〉　以上には、大して気にする必要はないと思うことばかりなのだ。

例えば、主人公が「日替わり定食」を任され、失敗して、挫けようが、大したことじゃない。

だって、強引ではあっても、今作は “立川が任せた” と描き、“立川が結に指導した” と描き、最終的に “立川が責任を取った” と描いたのだから、冷静に見れば間違ってはいないと分かるはずだ。

もちろん、私だって「普通の現実、普通のドラマは “賄い料理” で腕試しするでしょ？」「立川がやったのは、結が失敗するのを見越したパワハラじゃないの？」なんて思わないわけではない。

前回で、いかにも “女房役” として強調した中西監督（真砂京之介）の推薦で、翔也と一緒に「星河電器」に入社し同じ総務部に配属された野崎幸太郎（大原由暉）が「病院に行け」と言わずに、勝負をさせるのもどうかとは思う。

しかし、このような「普通のドラマの脚本では書かないこと」を「演出が映像化」し、視聴者が抱く「？」を無視し続けてきたのが朝ドラ『おむすび』なのだ（困）

視聴者は、重箱の隅を楊枝でほじくっている場合ではない！

それこそ、昨夜に「中華屋に来店した陽太と、米田家いた陽太の髪の長さが違うのは、手抜きですよね」という非公開希望コメントをいただいた。

確かに…　そうである（笑）

©NHK

しかし、視聴者は重箱の隅を楊枝でほじくっている場合ではないのだ。

まず、撮影現場が、素人でも見つけることができるミスに気づかない超多忙な環境かもしれないし。

すでに、撮影スケジュール調整がとんでもない状態で、分かっていつつ見逃すレベルかも知れないのだ。

よって、この場に及んでの「重隅突き」は「針に糸を通す」「砂漠の砂を数える」「鳥の羽を数える」ほどに愚かで意味がないのだ。

『あなブツ』の盆子原氏の演出でも、この程度にしか…

そこで、あえてツッコミを入れずに木曜まで来ちゃった演出担当について、今週初言及してみる。

今週の演出担当は、第8週『さよなら糸島　ただいま神戸』担当の盆子原誠氏だ。

盆子原氏は、阪神淡路大震災から20年を迎える年に放送された、菅田将暉主演ドラマ『二十歳と一匹』（NHK／2015）の監督だ。
　※ドラマ『二十歳と一匹』とは、「災害救助犬」のハンドラーを目指す青年の姿を通して「希望」を描いた物語で、ほぼオール神戸ロケのドラマ。

他には『カーネーション』『おちょやん』『ブギウギ』も担当しているが。

私が大いに評価している演出作品が、NHK夜ドラ『あなたのブツが、ここに』（NHK／2022）のチーフ監督の仕事だ。

そして、その第8週を見終えた私に、こう言わしめたのが今作の脚本なのだ。

夜ドラ『あなたのブツが、ここに』のチーフ、盆子原氏の演出でも、この程度にしか作り込めない！

今週を見れば、分かる人は分かるはずだ（当然ですね）

脚本は、ほぼぶつ切れ状態で、「なんだ、そうだったの!?」と錯乱させ、煙に巻いて逃げるの連続で。

演出は、脚本を映像化しているだけで、相変わらず料理はおいしそうに見えないし、メリハリもほぼなく場面転換を繰り返すばかり。

主演の目のクマはどんどんひどくなるし（憂）

もう、演出で立て直せないとなると、本当に望みが…（自粛）

〈愛子の家出〉も〈炊き出しエピ〉の使い回しで終わり？

最後に、前段で「理由はあとで書きます!」と書いたことを書いてみる。

今週も、明日の金曜日には、月曜日から木曜日に描いたことは無視して、≪“むすび” つかない金曜日≫ をやることは間違いない。

だって、盛り込んでいる要素が多すぎるから、強引にまとめざるを得ないと思うからだ。

では、なぜその≪“むすび” つかない金曜日≫ のまとめ方を考えると、立川を数週間の使い捨てのサブキャラだと推測できるのか？

そもそも、今週は豪華かどうかは別にして「結と立川」「愛子の家出「翔也の野球人生」の「三本立て」だから、簡単にまとめることはできないはずだ。

で、そもそも、愛子（麻生久美子）が家出を放置するはずがない。

だって、愛子は結の最大の理解者だから、立川に余剰人員扱いされている結のアゲ担当として存在意義を強引に示す必要があるからだ。

そのために簡単にできるのは、家出先で更新したヘアサロンヨネダのホームページを見た客が押し寄せて。

で、聖人（北村有起哉）が「愛子のおかげや」とひとまず仲直りして、商売大繁盛する。

これは、先日の「炊き出しエピソード」の使い回しだが。

翔也の治療は描かれず、週明けに戦力外で内勤で終わりか？

二つめのそもそもは、肩を壊してまともに球を投げられなくなった翔也（佐野勇斗）が「病院に行かない」も放置はできないはずってことだ。

でも、今作の脚本は「病院で検査して治療」は、そんなに描かないと思う。

だって、「入院」させると客寄せパンダの河童を画面に出せないからだ。

まあ、手っ取り早いのは週明けに、翔也が星河電器野球部監督・中村重治（嶋尾康史）から「戦力外・ドラフト指名なし」宣告を受けて、内勤になるくらいだろう（これなら、社内でのイチャイチャを盛り込めますので）。

こうやって推測すると来週は＜立川が入り込む余地がない＞

こうなると、物語的に誰もが「そもそも以前に崩壊するのでは？」と疑うのは、そう、「結が野球選手の恋人のために栄養士になり、社食へ就職した物語」だろう。

そのとおりだ。

ここで、きっと今作お得意の…
第1回から第49回まで描いたことは無視して、≪“むすび” つかない2007年 再びの神戸編≫ の第二弾をやるのでは？

「就職編＝結が野球選手の恋人のために栄養士になり、社食へ就職した物語」は一度無視して、≪“むすび” つかない 再びの糸島編≫ だ。

例えば、愛子の家出先を最終的に「糸島の家」にして、「うちも糸島で考えたか」と、結が糸島へプチ旅行に行けば良いだけなのだ。

そうすれば、星河電器でも社食でも働く意味がなく、野球選手やスポーツ関係とも無関係でも “一向に困らないムスビン” が描ける！　からだ（笑）

もちろん、これでは河童の出番が作れないから、「結がいないときの、アユ頼み」よろしく、都合よく歩（仲里依紗）が登場して、河童に「ギャルとは何ぞや」を教え込んで。

ほ～ら、こうやって推測すると　＜立川が入り込む余地がない＞　のがお分かりいただけるのでは？

まあ、来週の展開を予想するくらいしか、今週の楽しみがないのだ（失笑）

あとがき

投稿が遅くなり申し訳ございません。

午前中は、整形外科で脊椎と腰椎の MRI撮影検査、昼から風呂場のリフォーム工事があったので遅れました（謝）

では、お約束の “あるキャラクターの力” の写真です。

場所が分からないように処理しました©

これ、クリスマス仕様のケロヨン三きょうだいでしょうか（笑）

門柱の上に飾ってあって、一体は5センチくらいしかありません。
夜には、片付けてありました（笑）

皆様もおうちでは、週末あたりからクリスマスでしょうか。
読者様のそれぞれのご家庭で、ステキなクリスマスになることを祈ります…

まさか関東でホワイトクリスマスにはならないでしょうね（寒）

今朝の千葉県北西部、7時半ごろに小雪が舞っていましたよ。

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※文中の博多弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
博多弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 

『おむすび』を召し上がった後の　≪お口直し≫　に下記の感想をおすすめ！
朝ドラ「カーネーション」全151回分の感想リンク 
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」全112回分の感想リンク 

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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感想の趣旨について

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◎Web拍手のために、こんな下まで来てくだり、本当にありがとうございます（感謝）

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※上記のスタッフ表の続き

主人公のモデルの1人：松丸奨
　　　※1983年千葉県生まれの栄養教諭・管理栄養士
　　　（過去作/｢Chef~三ッ星の給食~｣給食監修指導）
　　　※人物像作成のための取材を受けた複数名の1人であると判明(2024/10/9)
　　　ﾈﾀ元：松丸奨@men's管理栄養士 [@matsumarurecipe] (2024年9月30日) 
タイトルロゴ制作：大島慶一郎（Keiichiro Oshima ）
タイトル映像：田向潤（過去作/きゃりーぱみゅぱみゅ,くるり,緑黄色社会MV）
イラスト：サンレモ（ILLUSTRATOR サンレモ ）
振付：TAKAHIRO（欅坂46,日向坂46,櫻坂46,ゆず,SEKAI NO OWARI,藤井風）
栄養学考証：中村丁次（神奈川県立保健福祉大学教員）
福岡ことは指導：坪内陽子（元MRT宮崎放送ｱﾅｳﾝｻｰ）
栃木ことは指：猪瀬光博（栃木県出身の俳優）
神戸ことは指導：辻葉子（兵庫県出身の俳優）
ギャルことば指導：Rumi（美容･ｷﾞｬﾙ評論家,今作ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ指導）
医事指導：矢木崇善（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,）
料理指導：広里貴子（過去作/ごちそうさん,まんぷく,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
書道指導：津吾井香奈（｢書道ﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽ甲子園｣指導など）
農業指導：德安出雲
理容指導：宮城丈二（兵庫県理容組合理事長）
警察指導：板東正敏子（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
美術：西村薫（過去作/ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,ﾊﾑﾗｱｷﾗ,舞いあがれ!）
技術・増田徹
音響効果：林恵太郎
助監督：藤玲衣,影浦安希子,山田陽介,畑本健太
　　　小峰陸矢,亀井優成,長澤康貴,佐伯木乃実
　　　竹原朋加,林祐香,増田愛海,野曽原明香,福崎功真
スケジューラー：南野彩子（NHK BSﾄﾞﾗﾏ｢ﾊﾟｰｾﾝﾄ｣ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ）
リサーチ：有川奈々絵（NPO法人 かごしまﾌｨﾙﾑｵﾌｨｽ）
撮影：竹内北斗（過去作/ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
　　　源拓哉（過去作/ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ）
照明：岡元昌弘（過去作/軍師官兵衛）
　　　橋村祐哉（過去作/べっぴんさんSP｢恋する百貨店｣）
音声： 渡辺暁雄
映像技術：山下健
カラーグレーティング：中井高人
VFX ：佐久間正泰
美術進行：鴫原広起
装置：内田健
裝飾：野崎次郎
衣装：早藤博
メイク：西口富美子
制作：原田潔,岡本剛毅,中津琢,扇谷愛理,杉山遥人,高田寛之
プロデューサー：菅原弘（過去作/天国にいちばん近い島,二代目はｸﾘｽﾁｬﾝ,ぼくらの七日間戦争）
※敬称略

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【これまでの感想】

第1週『おむすびとギャル』
1 2 3 4 5 土

拍手コメント返信（2024/10/2）：「おむすび」(第3回) ※“ギャル文化”には、圧倒的な“ポジティブパワー”がある 

拍手コメント返信（2024/10/3）：「おむすび」(第4回) ※「虎に翼」の総括、「おむすび」結のモデルと脚本家について深掘り解説します(更新) 

朝ドラ「おむすび」未だに“姉と妹の子ども時代の初期物語”がないのは…ある事情で追って“伝説のギャルのスピンオフ”をやるから!? 

第2週『ギャルって何なん？』
6 7 8 9 10 土

第3週『夢って何なん？』
11 12 13 14 15 土

第4週『うちとお姉ちゃん』
16 17 18 19 20 土

朝ドラ「おむすび」：提灯記事に加え,ついに注意喚起までやる必死さ！でも,その前にやることがあると思う 

第5週『あの日のこと』
21 22 23 24 25 土

NHK連続テレビ小説「おむすび」：朝ドラが“リアルな大災害”を扱うたびに思うこと 

第6週『うち、ギャル、やめるけん』
26 27 28 29 30 土

第7週『おむすび、恋をする』
31 32 33 34 35 土

第8週『さよなら糸島　ただいま神戸』
36 37 38 39 40 土

第9週『支えるって何なん？』
41 42 43 44 45 土

朝ドラ「おむすび」第9週「支えるって何なん？」で見えた、新たな致命傷を胸熱で解説！ 

第10週『人それぞれでよか』
46 47 48 49 50 土

第11週『就職って何なん？』
51 52 53 54 55 土

第12週『働くって何なん？』
56 57 58 

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