TBS系・金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』
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第7話『第三金曜日の出会い』、第8話『逃避と詮索』の感想。
【第7話】あずさ(夏帆)との関係を“不倫”と定義されたことに納得できない充(松山ケンイチ)は、咲子(蒼井優)と樹生(中島歩)に二人の関係を本当に不倫ではないと言い切れるのかと問いかける。答えに窮する二人を前に、充はあずさとの「第3金曜日の真実」を語り始める。一方、樹生は宮内(リリー・フランキー)から、あずさが遺した日記帳を受け取り…。
【第8話】充(松山ケンイチ)とあずさ(夏帆)の“第3金曜日の真実”を知った咲子(蒼井優)は、家を飛び出してしまう。翌日になっても戻らない咲子を心配した充は、喫茶「ひこうき」に樹生(中島歩)、千鶴(臼田あさ美)、宮内(リリー・フランキー)を集め、これまで自分が知らなかった咲子について教えてほしいと頼むのだが、そこで明かされる過去とは…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---
原作:なし
脚本:生方美久(過去作/silent,いちばんすきな花)
演出:土井裕泰(過去作/重版出来!,カルテット,逃げ恥) 第1,2,6
塚本連平(過去作/時効警察はじめました,) 第3,4,7,8話
小牧桜(過去作/御上先生) 第5話
音楽:haruka nakamura(過去作/ひきこもり先生)
主題歌:スピッツ「見知らぬ糸」
P:千葉行利、宮川晶
※敬称略
【第7話】劇的な設定の詰め込みすぎが生んだ説明不足
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―――ここまで、ごあいさつ―――
物語の序盤から “ポエム” なセリフ表現や登場人物による状況の解説ばかりが目立ち、視聴者が純粋にストーリーへ引き込まれにくくなっていた。
本来であれば、映像や自然な演技を通して登場人物の心情を表現すべき場面であっても、セリフによる状況説明に頼りすぎている印象を受ける。
確かに、独特のポエムなセリフ回しや説明の多さを、好意的に作品独自の味わいとして捉えることもできなくはない。
しかし本作においては、複雑すぎる人物関係や多様な出来事を無理に詰め込みすぎた結果、物語を整理するために膨大な説明文が必要不可欠になってしまっている。
その影響で、物語の展開において視聴者が不自然さや戸惑いを感じる場面が目立つのだ。
例えば、かつて妻以外の女性と親密な関係を築いていた主人公が、今になって急に故人となった妻を想って涙を流す場面には強い唐突感を覚えてしまう。
また、夫が突然姿を消してしまうという展開だけで十分に魅力的なドラマとして成立するため、わざわざ事故の要素まで盛り込む必要性は薄かったと考えられる。
実際に作中での事故の描写は非常に曖昧であり、ドラマ前半の物語を深める役割を十分に果たせていなかったと言わざるを得ない。
このようにストーリー構成には課題が多く見受けられるものの、主演をはじめと知る演技派俳優の優れた表現力があるからこそ、何とか最後まで鑑賞に耐えうる作品として成り立っている。
隠された事実や謎を無用に増やして視聴者を混乱させるよりも、もっとシンプルな構造で登場人物の心の動きを丁寧に描くべきであった。
【第8話】人関係と役者の魅力を引き出すため設定はもっと絞るべき
本作の真価は、(視聴者の好みとは別にして)人と人との細やかな関係性や味わい深い対話の描写にこそ存在すると思っている。
しかし、第8話の物語の展開においては、登場人物の奇妙な習性や過去の出来事といった要素が過度に強調され、本来の強みが活かされていない。
この程度の内容であれば、ただひたすらに、夫が定休日に出かけるという日常の描写とそれを見守る妻という構図のみで、人間模様を表現するには十分であったのでは?
さらに、よく考えれば分かるが、強い存在感を示した充(松山ケンイチ)を主軸に置いたほうが、より深い人間ドラマを展開できた可能性が高いのだ。
また、全体を充と咲子(蒼井優)の二人を中心とした構成に整理することで、登場人物の葛藤がより鮮明に浮かび上がったはずである。
昨今のドラマ制作では、多重な設定や多くの登場人物を盛り込む傾向が見られるが、要素を限定する手法のほうが作品の密度を高める結果につながるのだ。
仮に事故などの要素を物語に組み込むのであれば、いっそのこと、さっぱりと、きっぱりと “考察系ドラマ” の要素を強めた構成へ転換するほうが、論理的であったと思う。
あとがき
複数の読者様から「感想を投稿してほしい」と要望をいただいたので、2話分をまとめて投稿してみました。
やはり、本作の作風というか、作り手たちの目論見が苦手です。
というわけで、第9話以降の感想も投稿するかどうか分かりませんのであしからず。
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第110回/第22週『明るい未来』の感想。
※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。
仕事に復帰しようとする直美(上坂樹里)を心配する美津(水野美紀)だったが、りん(見上愛)は直美の意志を尊重しようとする。そんな中、多江(生田絵梨花)が陸軍予備病院から帰ってきて…
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
脚本:吉澤智子(過去作/ドリームチーム,幸運なひと,くるり~誰が私と恋をした?~)
脚本協力:佃良太(過去作/舞いあがれ!,それってパクリじゃないですか?) 第20~22週
演出:佐々木善春(過去作/ごちそうさん,マッサン,あさが来た) 第1,4,8,11,12,19週
新田真三(過去作/あさが来た,べっぴんさん,トクサツガガガ) 第2,6,10,18週
橋本万葉(過去作/とと姉ちゃん,おむすび) 第5,9,13,17,22週
松本仁志(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。) 第3,7,14,15,20週
内田貴史(過去作/ちむどんどん) 第16,21週
平竣輔(過去作/本作第16週の助監督) 第20週
門脇陸(過去作/本作第18週の助監督) 第22週
髙橋実香(過去作/本作第17週の助監督) 第22週
制作統括:松園武大(過去作/とと姉ちゃん,半分、青い。,ちむどんどん)
宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」
語り(本編):研ナオコ
土曜日版ナレーション:石橋亜沙(NHK東京アナウンス室)
※敬称略
心のこもった描写と、連ドラならではの勢い
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―――ここまで、ごあいさつ―――
少し前から書いていることだが、脚本協力(佃良太)が加わってから、当初に比べれば、細かい部分までそれなりに心を込めて作られているのは認めるところだ。
しかし、毎日続いていく連続ドラマという形式で考えると、どうしても物語としての勢いや盛り上がりが足りなく感じられる。
やはり、登場人物たちの関係性や作品の世界観を広げるためには、時には多少の強引さがあったとしても、視聴者の感情を大きく揺さぶるような劇的な展開が必要となるのだ。
現実では起こりえないようなドラマチックな出来事であっても、登場人物同士の対話や交流をしっかり描くことこそが、物語を面白くするための基本的な工夫であるからだ。
その上で、複雑になりがちな登場人物同士の結びつきを視聴者に分かりやすく伝えるためには、少し大胆な演出を取り入れる勇気も重要になってくる。
これらの点が、今回では「まともにできているのか?」について見てみよう。
登場人物の絆と強い思いを深く印象づけるための工夫
陸軍予備病院で、病で意識を失う直前の陸軍二等軍曹・小川吾郎(甲斐翔真)が、看護婦の多江(生田絵梨花)を通じて大切な人である妻・ダブル主人公の一人である小川直美(上坂樹里)へメッセージを残そうとする場面を例に挙げて考える。
このような切迫した状況では、登場人物(小川)が直接言葉を交わしたり、思いを託したりする作劇をあえて強調した方が、見ている人の心に強く響くものだ。
自然な流れにこだわりすぎて描写をあっさりさせてしまうと、せっかくの重要な場面が視聴者の記憶に残りにくくなってしまうからである。
物語としての面白さを優先し、あえてドラマチックな嘘や演出を重ねることで、登場人物たちが抱える思いの深さがより鮮明に伝わるようになる。
しかし、この、登場人物(小川)の心が大きく変化する重要な局面なのに、物語の勢いを止めてしまう展開・構成になっていたのは、非常に勿体ないことである。
なぜなら、小川と多江は以前に面識がある “設定” なのだ。
であるなら、小川は多江に《ひと言挨拶を告げてから、ボタンを渡す》のが最も自然であるだけでなく。
妻(直美)と多江がただの仕事上の同僚を超えた友人関係であることを知っている “設定” なのだから、「直美に伝えてほしい」「直美を頼みます」と懇願するくらいが、ちょうどよき塩梅なのでは?
流れにこだわりすぎる必要はないが、自らが作りだした “設定” を無視するのは、プロの脚本家としてどうかと思う。
そして、「死に際に流暢に語り出す」展開を「そんなことあるものか?」という視聴者を黙らせるくらいの説得力ある映像と芝居を、プロとして創ればよいだけなのでは?
悲しみに寄り添う演出で、感情の波を逃さない工夫
物語の終盤で、直美が激しい悲しみに暮れている場面においても、周囲の人物が寄り添い、直接言葉をかけるような演出を重ねることが効果的だったはずである。
悲しむ人物をただ一人にしておくのではなく、その場で登場人物同士の心の触れ合いを描く、特に既婚者で母親の先輩であり親友であると描かれているもう一人の主人公である一ノ瀬りん(見上愛)が直美に強く寄り添うことこそ、場面の切なさがより際立つからだ。
もちろん、脚本の吉澤智子氏が‘イマジナリー吾郎(吾郎の幻想・幻視)’を盛り込みたかったに違いないと思うが。
どう考えても、わざわざ「恵風看護婦会」から「小川家」に移動することが異様であり、不自然極まりないのだ。
やはりここは、(特に)直美に対する視聴者の思い入れがまだ十分に育っていない段階だからこそ、感情が大きく動く絶好の機会を逃さずに、印象的な場面を作り出すことが求められた。
そう、いつも人前では強気でいる直美が、‘りん’と多江の前で遺品を抱えて号泣したらよかったのだ。
‘イマジナリー吾郎’という究極の飛び道具の使い方を失敗した(登場させた)ことで、直美の心が崩壊し、そして次の一歩へつながるという勢いをつけられる大事な機会を棒に振ったと思う。
立ち直りが早いからこそ輝く、悲しみのピークを描く瞬間
本作では、登場人物が大きな困難や挫折に直面して深く落ち込んでも、次の週には何事もなかったかのように立ち直ってしまう展開が目立つ。
心の傷が立ち直る過程があっさりと描かれてしまうため、視聴者が感情移入する間もなく物語が次へと進んでしまう傾向があるのだ。
だからこそ、登場人物が大きな感情の波を迎えているその瞬間に、印象に残る強力な場面を作り出すことが不可欠だった。
つまり、登場人物の立ち直りが早いからこそ、挫折や悲しみのピークを描く一瞬の重要性がより高まるのである。
安易な演出に頼らず、丁寧な対話で魅せるドラマ作り
最近のテレビドラマでは、物語を盛り上げる手法として、登場人物に突然ポエムのようなセリフを語らせたり、幻想的な演出や過去の回想場面を多用したりする傾向が強まっている。
もちろん、こうした手法にも作品の雰囲気を一時的に変化させるという一定の効果はある。
しかし、使い方を誤ると物語全体の統一感が失われ、視聴者が冷めてしまう原因にもなりかねない。
フィクションとしての架空の工夫を効果的に活用し、登場人物同士の対話を丁寧に積み重ねていくことこそが、作品の世界観を壊さずに感動を生み出す最も確実な方法である。
つまり、当ブログがしつこく書き続けるプロの愚行である《ニュアンスや技術を “逃げ” で使う》である。
真正面から描くことを放棄した時点で、その映像に多くの視聴者に対する訴求力は乏しくなる/span>のだ。
ドラマの魅力を一気に高めるための大切な工夫
連続ドラマとしての勢いと面白さを取り戻すためには、登場人物が抱える思いや人間関係を、より分かりやすく明確に表現する工夫が求められる。
登場人物同士が直接向き合い、思いを言葉にして伝える場面をあえて力強く描くことで、場面ごとの印象が深まり、次の展開への期待感が高まる。
また、登場人物の感情の変化をより自然に見せるために、一過性の幻想的な演出に頼るのではなく、人間味あふれるドラマチックな対話や出来事を丁寧に積み重ねていく姿勢が大切である。
作品が本来持っている丁寧な描写という長所を生かしつつ、視聴者の心を惹きつける劇的な展開を意図的に組み込むことが、作品全体の魅力を高める鍵となる。
あとがき(その1)
何度も書きますけれど、「これが、日本の看護婦の黎明期を描く朝ドラですか?」に尽きますね。
その上で、‘イマジナリー吾郎’を登場させてまで感動させたいなら、前段でもっともっと直美と小川吾郎のことをきっちり描いておくべきだったと思いますよ。
あとがき(その2)
朝ドラファンとして残念なのは。
「戦争が印象的な朝ドラ」には、2010年以降では『ゲゲゲの女房』→『カーネーション』→『ごちそうさん』→『なつぞら』→『カムカムエブリバディ』→『虎に翼』→『あんぱん』という系譜があると思います。
そして、それらの多くは作品の中に「戦争批判」「反戦思想」があったんです。
でも、この『風、薫る』に関しては、「戦死=視聴者を泣かせる道具」に使っただけです。
いろいろ書きたいですが、面倒なので、ひと言「残念無念」です。
あっ、私は、映画やテレビドラマには「テーマが必要である」と考える人間なので、悪しからず。
※「ドラマにテーマなんて必要ない」を否定はしません…
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第109回/第22週『明るい未来』の感想。
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出征した小川(甲斐翔真)の帰りを待つ中、直美(上坂樹里)は無事に明を出産し、一ノ瀬家の美津(水野美紀)やりん(見上愛)の力を借りながら育児に励んでいた。そんな中、陸軍予備病院に運び込まれたのは…
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宮本えり子(過去作/なつぞら,エール)
音楽:野見祐二(過去作/光る君へ,どうせ死ぬなら、パリで死のう。)
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主人公の看護婦らしさをもっと丁寧に描いてほしい
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―――ここまで、ごあいさつ―――
今回を含めて今週の放送内容を鑑みると、「小川が出征して…」となるんだろうなと、当初から予想はできると同時に、ダブル主人公が “看護婦” という専門職であることを軽視したような場面ばかりになるのだろうな?という予測はできていた。
したがって、今回の展開を見ても「なるようになっただけ」にしか思わないが。
もっとも、ダブル主人公の一人である一ノ瀬りん(見上愛)が派遣先の患者のもとへ通う派出看護の場面では、リハビリテーションの工程が組み込まれており、この点については一定の評価ができる。
まあ、重箱の隅を楊枝でほじくれば、《‘りん’の患者の外出許可》については、過去のトラウマとなった出来事があるので、事前に医師へ相談すべきだったという懸念は残るが。
しかしながら、一連の展開を通じて看護婦としての本質的な責務や専門性が十分に描かれたとは言いがたく、「総集編」や「土曜日ダイジェスト版」などでは真っ先に省略されてしまう可能性が高いと思う。
やはり、「看護婦の黎明期を描くドラマ」としては、寂しい限り、お寒い限りである。
登場人物の描写が足りないと大きな悲劇も心に響かない
今回で描かれた陸軍二等軍曹・小川吾郎(甲斐翔真)の(ほぼ))戦死のくだりは、脚本家や演出家や制作統括が鳴り物入りで作り込んだ「心を揺さぶる悲哀の物語」「エモーショナルで切ないストーリー」であり、どう見ても「お涙頂戴のエピソード」である。
しかし、一部の視聴者は涙なみだだったかもしれないが、私の心に深く響くことなく終わってしまった。
その最大の要因は、もう一人の主人公である小川直美(上坂樹里)と、伴侶である小川という登場人物それぞれの個性が掘り下げられておらず、人間関係の描写が断片的に挿入されるにとどまっていた点にある。
具体的には、作中に登場する直美や小川といった人物に対して、視聴者が親近感や愛着を抱くための丁寧な積み重ねが決定的に不足していたのだ。
物語の土台となる人物描写が不十分なままでは、どれほど劇的な悲劇を用意したとしても、薄味で退屈な印象を与えてしまう。
連続ドラマにおいて、視聴者を感動させるためには、時間をかけてキャラクターの背景を描き出す下準備が不可欠であると痛感させられた。
日々の丁寧な積み重ねがあってこそ悲劇の感動が生まれる
もちろん、制作者側が人物描写を完全に放棄していたわけではない。
最低限のエピソードが盛り込まれていたことは理解できる。
しかし、ナレーションで説明を済ませられる程度の浅い描写では、視聴者の心の中に強い愛着や関心を育むことは不可能なのだ。
視聴者が作中の出来事に共感し、感情を揺さぶられる背景には、日々の放送を通じて蓄積された登場人物への深い思い入れが存在するのだ。
たとえば、それなりに丁寧に描写されてきた‘シマケン’こと島田健次郎(佐野晶哉 ex.Aぇ! group)というキャラクターであれば、視聴者は訃報が届いてても感情移入し、中の出来事に強く心を動かされると思う。
一方で、描写が不十分な直美や小川、あるいは‘りん’の元夫である奥田亀吉(三浦貴大)のような人物に対しては、唐突な悲劇が訪れたとしても大きな感動は生まれない。
やはり、連ドラで “積み重ね” や “積み上げ” がないことのほうが、悲劇なのである。
登場人物の丁寧な描写と看護の仕事を描くことが鍵になる
連続ドラマにおいて視聴者の深い感動を呼ぶためには、主要な登場人物に対する事前の丁寧な描写が欠かせない。
人物の背景や人間関係をナレーションだけで手短に処理するのではなく、日々の具体的な行動や対話を通じて描き出すことが求められる。
特に、登場人物に訪れる悲劇や大きな転機を描く際には、それまでに培われた人間関係の深さを視聴者に実感させることが重要となる。
さらに、主人公の看護婦としての専門的な働きを物語の軸として丁寧に描写すれば、作品全体の説得力と魅力は飛躍的に向上するはずである。
あとがき
重箱の隅をほじくりますけど。
©NHK
このシーンで、腰痛がある美津(水野美紀)から直美が赤ん坊を受け取るとき、美津の姿勢が痛そうで痛そうで。
看護を生業にしている直美なら、美津の腰に負担がかからない姿勢で受け取るように演技指導してほしかったです。
こういう小さな描写一つひとつが、直美を看護婦に見えないようにしていることを、3人もいる演出家は自覚すべきです。
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※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
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直美(上坂樹里)は平蔵(太田光)の元を訪ね、出産のためしばらく派出看護ができなくなることを伝える。ある日、改まって小川(甲斐翔真)が直美に話しかけ、子どもの名前を準備しておきたいと告げる。直美は抱えていた思いを伝えて…
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語り(本編):研ナオコ
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内容が薄い水曜日の放送とダイジェスト版で削られる場面の予想
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本作に限らないが、特に本作の「水曜日」は「内容らしきものがない日」となる傾向が強い。
きょうなんて、まさに「内容らしきものがない日」である。
見終えた人なら分かると思うが、ほぼ全編が、登場人物の語りだけで十分に説明できる出来事ばかり。
つまり、わざわざ映像で見せる必要性が乏しい内容なのだ。
15分間にわたって、こうした「脚本の仕掛け」や「物語の見せ方」が続くと、「土曜日ダイジェスト版」では、大部分の場面がカットされてしまうのではないだろうか。
特にダブル主人公の一人である小川直美(上坂樹里)と陸軍二等軍曹・小川吾郎(甲斐翔真)によるやり取りが、どこまで残されるのかは非常に疑わしい。
実際、少し前の放送でも「本編」は要素が詰め込まれすぎて焦点が曖昧だったのに対し、短縮版では “恋愛” や “結婚” という一つの話題だけに絞り込まれていた。
そう考えると、逆に、多江(生田絵梨花)と捨松(多部未華子)がる陸軍予備病院を慰問する場面は「土曜日ダイジェスト版」で完全に削られてしまう可能性が高いかも?
やはり、詰め込みすぎの弊害と、異様なまでの《恋愛要素の盛り込みすぎ》の悪影響が出てくると思う。
看護師らしくない主人公の行動から生まれる物語への素朴な疑問
最近の物語(第20週以降)は話の流れや場面のつながり自体は悪くなく、細かい部分の表現にも工夫が見られる。
しかし作品として形が整ってきたからこそ、かえって重大な疑問が浮かび上がってくる。
それは、本来の舞台設定であるはずの「看護婦としての業務風景」が、今回では極端に減っている点である。
これまでは仕事の描写を脇に置いてでも、他人の問題に首を突っ込む主人公の姿が前面に押し出されてきた。
制作側は、そうした《主人公の介入行動こそが患者を手助けする行為なのだ》と主張したいようにも受け取れていたのだ。
だが、世間の感覚からすれば、それが《本物の看護に見えない》という根本的な不自然さは消えないのだ。
つまり、本作は、「看護」や「看護婦」を描いているようでいて、実は本質的に描いていないのでは? と思えるのだ。
主人公たちに惹かれない理由とドラマの描き方へのちょっとした疑問
今回の作中のセリフはそこまでポエム的で浮いたものではなく、劇としての形式は保たれている。
しかし、大前提として《物語、特に直美と小川への興味が薄れている》ため、「土曜日ダイジェスト版」でどの場面が選択されるのかという裏側の事情ばかりに目がいってしまう。
もちろん、《物語への興味が薄れている》の大きな原因は、主人公をはじめとする中心人物たちの魅力を十分に描き出せていないことだ。
撮影現場の制約があるとはいえ、脚本構成や演出撮影上の工夫次第で、登場人物の魅力を引き出す方法はあったはずである。
例えば、ダブル主人公を等しく主人公として扱う手法をとらず、単独主人公設定にしてその配偶者を描く形式にすればよかったのだ。
もちろん、主人公を際立て過ぎて、配偶者の影が薄くなったり周囲の脇役に依存しすぎたりする作品、例えば『ちむどんどん』や『おむすび』も存在するが、適切な役割分担をすればよいだけだ。
まあ、本作の場合は、《男女の恋愛を描く》や《夫婦の関係性を描く》つもりは極端に薄く、《誰と誰がくっついた、別れた》だけで引っ張る傾向が強いから、《パートナー(伴侶)を丁寧に描く》つもりは微塵もないと思うが。
二人を主人公にするドラマで面白さをしっかりと引き出すための工夫
ダブル主人公構成で魅力を生み出すには、双方の役割と登場場面のバランスを綿密に設計する必要がある。
本編で描く要素を無闇に詰め込むのではなく、登場人物が抱く心情や職業としての活動を丁寧に見せることが不可欠である。
特に、専門的な職業を持つ人物を扱う場合は、その日常業務を物語の核に据えることで説得力を生み出すことができる。
また周囲の登場人物を活用する際も、単なる賑やかしに終わらせず、中心となる二人の成長を促す存在として配置する工夫が求められる。
こうした見せ方の工夫を重ねることで、短縮版で大幅に削減されることのない、密度の濃い作品構成が実現するはずである。
あとがき
直美と小川、その‘中の人’に興味がある人は別にして、今回って本当に内容がないなと思いますね。
そもそも、ここまで‘りん(見上愛)’を描かない理由が分かりませんし。
ここまで直美を描くなら、序盤でもっと好意的な人間に描いておくべきだったと思います。
そして、今週の3人もいる演出家集団ですが、顔のアップになった際の上坂樹里さんの目線が不自然に不必要に微妙に動いている違和感に気づかなかったのでしょうか?
上坂さんの目の芝居が気になって、内容(は、ほぼないですけど)が頭に入りませんでした。
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---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---
原作:なし
脚本:井上由美子(過去作/緊急取調室1~4,ハラスメントゲーム,BG~身辺警護人~)
演出:河毛俊作(過去作/新宿野戦病院,謎解きレトリック) 第1,2,5話
清矢明子(過去作/新宿野戦病院,最後の鑑定人) 第3,6,8話
柳沢陵介(過去作/新東京水上警察,Dr.アシュラ) 第4,7話
音楽:菊地成孔(過去作/岸辺露伴は動かない)
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―――ここまで、ごあいさつ―――
テレビドラマを描くうえで本来一番大切にすべき本題を後回しにして、本筋とは関係のない日常場面を長く流す手法には大きな問題がある。
本来なら問題を解決すべき時間帯に身内同士でふざけ合っているような姿を見せられると、見ている側は一気に白けてしまうからだ。
もちろん、悪質な被害から人々を守ろうとする姿勢そのものを否定するつもりはない。
しかし、犯人が捕まる前の段階で特定の人物だけを手厚く助けようとする描き方を毎回繰り返すと、それは支援ではなく犯人を追う警察官の捜査活動にしか見えなくなる。
そのため、本来は傷ついた人の心に寄り添うはずの会話も、まるで取調室で相手を問い詰めているかのような印象を与えてしまう。
さらに疑問なのは、既にたくさんの人が同じような被害に苦しんでいると分かっているのに、なぜか一人だけに注目して救おうとする展開だ。
これまでの放送でも首をかしげたくなるような話の流れは存在したが、最近はようやく作品として形になってきたと感じていただけに、今回の出来事は非常にもったいない。
もし本筋以外の要素を作品の中に組み込みたいのであれば、寄り道のような場面ではなく、困っている人の背景をしっかり描くために時間を使うべきである。
ドラマとしての軸がぶれてしまっている現状に対しては、制作側の作品作りの姿勢に疑問を持たざるを得ない。
【第8話】宣伝と内容が違うドラマの展開に疑問を感じる理由
まず、視聴週間を守るためにも、放送時間の遅れを防ぐためにも事前番組『さよならノワール8話直前!特別対談SP」は不要だった(と思う)。
また「本編」本編の内容に関しても問題点が存在する。
作品の事前宣伝では、主人公たちが被害者を救う姿が強調されていた。
しかし実際の放送では、主人公たちが犯人を追いかける刑事ドラマのような展開になっていた。
当然であるが、本来であれば、被害者を助ける場面を丁寧に描くべきである。
だが作中では事件の解決ばかりに時間が割かれていた(つまり、ほぼ刑事ドラマである)。
また、事件の詳しい背景を知ることも大切だが、支援の場面をおろそかにしてよい理由にはならない。
被害者の過去に問題があっても、救うべき対象であることに変わりはないからだ。
結局のところ、最初の段階で期待外れだと感じて視聴意欲が一気に減衰してしまった、
被害者とじっくり向き合う物語を見たかっただけに残念である。
※次回以降の感想も気分次第で投稿します。
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「PJ ~航空救難団~』
ヒガンバナ~警視庁捜査七課~
ひきこもり先生
悲熊
美食探偵 明智五郎
人は見た目が100パーセント
火の粉
100万回 言えばよかった
病室で念仏を唱えないでください
病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~
ひよっこ
ひよっこ2
ビリオン×スクール
Believe -君にかける橋-
昼のセント酒
HERO[2014]
ファーストクラス[2]
ファーストペンギン!
ファイトソング
FINAL CUT
ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん
フェルマーの料理
VRおじさんの初恋
不機嫌な果実
ブギウギ
不適切にもほどがある!
不便な便利屋
ブラックトリック~裁きを操る弁護人~
ブラックペアン
ブラックペアン シーズン2
フラジャイル
フランケンシュタインの恋
ブラックリベンジ
フリンジマン
フルーツ宅配便
ブルーモーメント
プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮
べしゃり暮らし
ヘッドハンター
べっぴんさん
ペテロの葬列
Heaven?~ご苦楽レストラン~
保育探偵25時
ボイス 110緊急指令室
ボーダーライン
HOPE~期待ゼロの新入社員~
ボク、運命の人です。
僕たちがやりました
ホクサイと飯さえあれば
僕とシッポと神楽坂
僕の初恋をキミに捧ぐ
僕のヤバイ妻
僕はどこから
僕らは奇跡でできている
僕達はまだその星の校則を知らない
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
星降る夜に
ホテルコンシェルジュ
ホリデイラブ
- 過去の連ドラの感想記事一覧(ま行)
舞いあがれ!
マイファミリー
マウンテンドクター
マザー・ゲーム
マジで航海してます。
まだ結婚できない男
マッサージ探偵ジョー
マッサン
まっしろ
真夏の少年~19452020
真夏のシンデレラ
真昼の悪魔
ママとパパが生きる理由。
ママはバーテンダー~今宵も踊ろう~
○○妻
まれ
まんぷく
未解決の女 警視庁文書捜査官[1]
未解決の女 警視庁文書捜査官[2]
未解決の女 警視庁文書捜査官[3]
みかづき
ミス・ジコチョー~天才・天ノ教授の調査ファイル~
Missデビル人事の悪魔・椿眞子
ミステリと言う勿れ
南くんの恋人
御上先生
MIU404
未満警察 ミッドナイトランナー
未来への10カウント
民衆の敵
無痛~診える眼~
名探偵のままでいて
メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断
モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
MOZU Season2 ~幻の翼~
元彼の遺言状
モトカレマニア
もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~
問題のあるレストラン
問題物件
モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-
- 過去の連ドラの感想記事一覧(や~わ)
やけに弁の立つ弁護士が学校でほえる
やさしい猫
ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~
屋根裏の恋人
山田孝之の東京都北区赤羽
ヤメゴク
ユーミンストーリーズ2024
ゆとりですがなにか
ユニコーンに乗って
ユニバーサル広告社
妖怪シェアハウス
ようこそ、わが家へ
4号警備
40万キロかなたの恋
4分間のマリーゴールド
[ら]
ライオンの隠れ家
ラヴソング
ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~
ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~
THE LAST COP/ラストコップ
ラストチャンス 再生請負人
ラスト・ドクター~監察医アキタの検死報告~
ラストマン-全盲の捜査官-
らんまん
リーガル・ハート ~いのちの再建弁護士~
リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~
リエゾン-こどものこころ診療所-
陸王
リコカツ
リスクの神様
リバース
リバーサルオーケストラ
リピート ~運命を変える10か月~
リブート
#リモラブ ~普通の恋は邪道~
竜の道 二つの顔の復讐者
路(ルウ)~台湾エクスプレス~
ルパンの娘[1]
ルパンの娘[2]
流星ワゴン
臨床心理学者 火村英生の推理
レッドアイズ 監視捜査班
恋愛時代
レンアイ漫画家
レンタル救世主
レンタルなんもしない人
レンタルの恋
六畳間のピアノマン
6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
[わ]
ワイルド・ヒーローズ
若者たち2014
私 結婚できないんじゃなくて、しないんです
私たちはどうかしている
ワタシってサバサバしてるから
わたし、定時で帰ります。
わたしを離さないで
私のおじさん~WATAOJI~
私の家政夫ナギサさん
罠の戦争
わにとかげぎす
わろてんか
皆様のおかげで、2026年6月24日に4000万アクセス達成をいたしました。(御礼の投稿


