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連続テレビ小説「おむすび」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『おむすび』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第25(最終)週『おむすび、みんなを結ぶ』「土曜日版」の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


愛子(麻生久美子)と聖人(北村有起哉)が糸島に移住することになり、一人前になった翔也(佐野勇斗)が神戸の理容店を継ぐ。そんな折、結(橋本環奈)たちNSTは来週手術予定のがん患者が食事を全く食べられないため、手術の延期を担当医に申し出るが、担当医は点滴で補給すればいいと延期に反対する。さらに病院の上層部からの要請で、コロナの影響による人員不足に対処するためNSTの活動が一時停止されることに。一方、歩(仲里依紗)の元に退院した田原詩(大島美優)がしばらく泊めてほしいとやって来る。結は詩の行く末を心配するが、歩は詩に自分のアパレルの仕事をやらせ、やがて大きな決断をする。
------上記のあらすじは、公式サイトより引用------


原作:なし
脚本:根本ノンジ(過去作/正直不動産シリーズ,相棒シリーズ,フルーツ宅配便,ハコヅメ)
演出:野田雄介(過去作/スカーレット,マッサン,六畳間のピアノマン,舞いあがれ!) 第1,3,7,13,18,21,最終
   小野見知(過去作/マチ工場のオンナ,トクサツガガガ,転・コウ・生) 第4,6,10,24,最終
   松木健祐(過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!) 第2,5,16,20
   盆子原誠(過去作/カーネーション,ごちそうさん,おちょやん,ブギウギ) 第8,12,17
   大野陽平(過去作/「ちむどんどん」第9週のみ,「舞いあがれ!」第25週のみ) 第9,11,22
   原田氷詩(過去作/「おちょやん」 第17週のみ,「舞いあがれ!」第16週のみ) 第14,19,23
   工藤隆史(過去作/「舞いあがれ!」第20週のみ) 第15
音楽:堤博明(隣の家族は青く見える,ベビーシッター・ギン!)
主題歌:B'z「イルミネーション」
語り(本編):リリー・フランキー(過去作/「なつぞら」本編語り)
語り(土曜日版):高瀬耕造アナウンサー(過去作/「ブギウギ」本編語り)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼)
制作統括:宇佐川隆史(過去作/岸辺露伴は動かないシリーズ,正直不動産シリーズ)
   真鍋斎(過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男)
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動



最終回放送後に読者様からいただいたご質問にお答えします

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

『おむすび』は相変わらずの内容ですが、「一つだけお願いがあります。朝ドラ『おむすび』のことは嫌いでも、管理人・みっきーのことも、当ブログも感想も “まだ” 嫌いにならないでください」と本日も叫びます!
※しばらくの間、テンプレです…

せっかく「土曜日版」の感想まで読みに来てくださる読者様に向けて、何とか書くことを引き出そうと、三度録画を見直して試みましたが。

「本編よりも、酷さが際立っただけ」にしか見えませんでした。

まあ、「本編」よりもマシに見える可能性なんてあり得ないと分かってはいましたけど。

それでも、まさか、ここまで規定通りに「主演俳優の出番の寄せ集め編集」で、ナレーションによる補強や補完もほぼ皆無で終わるとは思わなかったですね。

そこで、今回の感想は、最終回放送後に複数の読者様からいただいたご質問にお答えする形で

今作の、特に最終週の問題を掘り下げようと思います。

「ほぼ、本編の感想では書かなったこと」なので、少しでも「なるほど」と思っていただけたら幸いです。

それでは、行くぞぉ、アリ~~~~ナァ!!!


制作陣は東日本大震災に結を派遣させる予定だったのか?

ふぅ、それでは、一つめの質問(笑)

昨夜、読者のぴのこ*様から質問をいただいた。

詳細は下記のリンクを読んでいただくとして、抜粋すると。


ラストシーンを見て、制作陣は東日本大震災に結を派遣させる予定だったのではないかななんて思いました。身をもってあの時まさみさんが配ってくれたおむすびのありがたさ、いかに凄いことをしてくださったのかを知るはずだった?そうであればラストシーンも腑に落ちるような。

「最後のシーンについて」by ぴのこ* 新窓で開きます

早速、ぴのこ*様を含め、全ての読者様に向けて私の考えを書いてみる。


東日本大震災時に結を自由に動けなくした時点であり得ない

ひと言で答えを書くなら 《その設定では全く腑に落ちない》 だ。

そもそも論 《その1》 として。
 ※青色は、冷静さや論理性を象徴し、物事を根本的に捉える思考を表す
 茶色は、大地や根を象徴する色で、物事の根本や基礎をイメージ

今作は「フィクション」だ。

原作も、モデルもない、設定も物語も自由に構築できる “虚構” なのだ。

したがって、もしも、脚本家や制作統括が 《東日本大震災に結を派遣させる予定だった》 としたいなら。

何度も提案してきたように、主人公の結(橋本環奈)が、東日本大震災の一報を受けた瞬間に「今度は私が助ける番だ!」と “いざ東北へ直行” の「設定」にするべきだと思うのだ。

もちろん、「個人が勝手に言っちゃいけないでしょ?」「すぐは交通手段がないのでは?」と “やらない理由” を言い訳にする人もいるだろう。

しかし、そんな言い訳は、今作の製作統括がやっているのと何ら変わらないのでは?

「自分がこう描きたい!」ができる人がやらずに誰がやる? なのが、映像の世界では?

やらない理由、やらなかった言い訳を言うなら、最初から制作統括なんて引き受けるな! と言いたいくらいだ(ハイ、私なら格安で引き受けますよ・笑)。


自己チュー全開の結を「いざ、東北へ!」にするべきだった

論点を戻す。

今作の脚本家や演出家や制作統括が選択した主人公の設定は。

発生から3週間頃に、職場(東京都港区の三葉大病院)の先輩の管理栄養士と共に、支援栄養士として気仙沼の避難所に赴いた神戸栄養専門学校の同期‘カスミン’こと湯上佳純(平祐奈)の体験談を、乳児の娘をあやしながら「うん、そう」と聞くだけだったのだ。

主演俳優の超多忙を言い訳にするかもしれないが。

それこそ、最終回まで見れば、客寄せ要素としては「パラパラと町おこし」を重要だったのは認めるとしても。

物語上は、トラウマや商店街の描き方から推測すれば、「二つの実際に起こった悲劇の震災」のほうが間違いなく重要視していたのだ。

だったら、そもそも論 《その2》 として、制作統括は、パラパラの撮影に割く時間を削ってでも、結の妊娠出産時期を東日本大震災以降にずらして。

それこそ、いつもの自己チュー全開の結を「いざ、東北へ!」にするべきだったのだ。


最終回のラストシーンについての膨大な違和感と怒り

長くなったが、私が「その設定では全く腑に落ちない」とする根拠がもう一つある。

それは、最終回のラストシーンについての膨大な違和感と怒りだ。

できるだけ落ち着いて簡潔に書いてみる。

そもそも論 《その3》 として、避難所に塩むすびの差し入れした地元ボランティアの三浦雅美(安藤千代子)にだって、ドラマと言え、雅美さんなりの人生があるはずなのだ。

それこそが、私が主張し続ける「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」と「主人公が生きているから成立する世界」がリンクしているように描くことが、 “ドラマ” の一体感の創出に大きく寄与することなのだ。

であるから、もしかしたら、結なんかではなくて、もっともっと大切な人と「1月17日」を過ごしたい可能性だってあるのだ。

別に、必要以上に感情移入しているつもりはない。

架空のドラマを見るということは、その他の意見も一緒に考えてみるべきだと思うのから、やっているだけ。

で、私が違和感を覚えるのは、脚本家や演出家や制作統括が、主人公が「雅美にも雅美の人生があると思いをめぐることができない」と描いたことなのだ。

もしも、どうしてもこのラストシーンを盛り込みたいなら、雅美が17年間ず~っと「冷たいおむすびを渡したこと」を悔やみ続けていると描くべきだったと思う。

「本当は炊き立てのごはんのおむすびを作って持って行きたかったんだけど…」と後悔の念があって、そのことを毎年結に伝えたい… みたいな展開にするべきだったと思うだ。


食べ物ば通して相手ん心に届くんは、温度や味じゃあなく…

長くなったので、「制作陣は東日本大震災に結を派遣させる予定だったの?」の答えとして最後に強く言いたいことを書く。

雅美に「まだ あったかいねえ」と言わせた脚本家や演出家や制作統括が、何よりもダメ! なのだ。

だって、そもそも論 《その3》 として、震災時の結は雅美に「チンして」と言ったことを “後悔している” と描いたのは今作自身なのだ。

すでに、結は「震災の記憶はほぼ無い」と描いたのに、「チンして」は後悔していると描いてしまったのだから。

なのに、最終回では「やっぱり、冷たいおむすびより、温かいおむすびのほうがおいしい」と、またまた真逆の論理展開をやったのだ。

分かりづらいと感じる人がいるかもしれないから、もう少し掘り下げよう。

正確に言えば、雅美が「まだ あったかいねえ」は許容できても、“わざわざ温かいおむすび” を雅美と一緒に食べようと持ってきた主人公があり得ないのだ。

「じゃあ、冷えたおむすびを持っていけばよかったの?」なんて屁理屈をこねる人もいるだろう。

しかし、私は次のように考える。

本来、今作がここで描くべきは。

管理栄養士になり、母になった結が、次のように雅美に言うことだと思う。


結「うち 今やったら分かると。
 食べ物ば通して相手ん心に届くんは
 温度や味じゃあなく
 作ってくれた人ん思いなんやって。
 でも、あん時のうち 小そうて
 分からんやった。ごめんなさい」
雅美「こうして あったかいおむすびが食べるのが
 何よりも幸せね」

これくらいなら、少しはマシな結末になったと思う、いや、思いたい。


医師の権威を損なう描写=医療全体の信頼を揺るがす描写

もう一つ、複数の読者様から同様の質問をいただいたので、お答えしたい。


「今作の “医療、病院、医師” の描き方をどう思いますか?」

答えから書くなら 《医師の権威を損なう描写=医療全体の信頼を揺るがす》 だ。

私が、当ブログで常日頃から次のことを書いているのは存じの方もいるはずだ。

“死や余命” 、“病気や障がい” 、“現実に遭った災害” を
 必要以上に盛り込むな!

「病院の待合室」や「被災地の避難所や仮設住宅」などの
 テレビで見ている人に配慮し、表現は慎重にするべき!

特に、感情を刺激するような表現や描写こそ、
 演出がやりたいようにやるのではなく、
 受け手の心理を読み解いてやるべき!

もちろん、読んだそのままの意味として。

病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者様がいるように。

朝ドラを毎日楽しみに見ている視聴者の中にはもっとたくさん、心や体や経済状況などの問題を抱えつつ生きている人がたくさんいるはずだ。

そのような人たちに、わざわざ “虚構の中の不幸” をあれことを盛り込む必要があるのか? と思うのだ。

「描くな」「盛り込むな」と強制するつもりはない。

「自分たちのやりたいようにだけ描くな」「必要以上に盛り込むな」「視聴者の立場を少しは配慮せよ」と願っているのだ。


医療や病院を正しく描けないなら手を出すべきではない!

でも、この三つには、実は上記の三つ以外の願いも込めている。

それが、《医療を描くなら真面目に描け!》 だ。

この意味で、今作の、特に最終回における…
大腸がんステージ3で全く食欲がなく栄養不足の患者・丸尾貴裕(細川岳)と、丸尾の主治医で若手の外科医・井上晴哉(井上拓哉)、そこへ割り込む主人公と「NST」(Nutrition Support Team=栄養サポートチーム)のやりとりが大問題なのだ。

この大問題は、下記の三つの問題から構成される。

●医師の無能さを、医師自身の言動と「NST」の行動で印象誘導
 ・井上医師が “検査結果を蔑ろにした” と描写
 ・井上の高カロリーな点滴を “効果なし” と描写
 ・主人公ら「NST」が医師に “手術の延期を提言した” と描写

●点滴には意味がないとし、経口摂取こそが正義と印象誘導
・点滴では栄養不足を改善できないと描写
・経口摂取(口から栄養摂取すること)をやたらと重視する描写
・誤嚥の危険性は無視し、患者に半ば強制的に経口摂取を推すような描写

●病院を舞台にしたドラマとしての問題
 ・医師の判断より、「NST」の判断を優先させた
 ・医師によるインフォームドコンセントの描写がない
 ・井上を「若い医師は暴走する」と印象誘導
 ・点滴の重症性を無視
 ・若手医師より、若手管理栄養士のほうが患者を理解していると印象誘導

これら三つの問題で 《医師の権威を損なう描写=医療全体の信頼を揺るがす》 だと思う理由は。

さらに、次の三つが危惧させるから。

◆標準治療を拒否し補完代替療法への傾倒を助長する可能性

◆かん患者やその家族の誤解による治療法の正しい選択を奪う可能性

◆エンターテインメントで「死や余命」「病気や障がい」「医療行為」を軽率に扱う危険性

だ、か、ら、きちんと医学、医療、医療現場を取材し、十分すぎるくらいに租借し、エンターテインメントにもりこむつもりがない、できない、やれないなら、最初から手を出すべきではない! と訴えたいのだ。


真紀ちゃん激似の田原詩のエピソードの完全敗北の元凶

さらに、下記についても、たくさんの質問をいただいたので、こちらは簡潔に書いてみる。


「歩と詩のエピソードをどう思いますか?」

答えは簡単で 《真紀ちゃん激似の田原詩のエピソードの完全敗北》 だ。

そもそも論 《その4》 として、「歩と詩のエピソード」には、次のことが多分に含まれているのが気に入らない。

 ■児童相談所などの環境や施設にいる子どもへの偏見と差別
 ■「主人公=施す人」と「主人公以外=受ける人」の決めつけによる流れの不自然さ
 ■「血縁がなくても絆で結ばれた家族」の崇高さを描きつつ、血縁に引き込まれる詩を描く滑稽さと浅はかさ

ここまで書けば、ほぼ説明は要らないのでは?


人は出自や環境で「施す人」と「受ける人」に分かれるの!?

そもそも論 《その5》 として、田原詩(大島美優)のような立場の子どもが “家族をほしがる” との決めつけが異様であり、偏見で。

歩(仲里依紗)が自分の後見人になると知った詩が「詩 すっごい喜んでた」と描いたが、この歩のセリフの際に使われた2つの回想カットは、歩が貢献になることとは無関係の映像で。

明らかに “孤児、遺児は後見人が現れるのを待っている” との決めつけ。

これらのことから察してしまえるのは。

(あまり書きたくないことですが)脚本家や演出家や制作統括が、人は出自や環境で「施す人」と「受ける人」になるという品がなく、卑しい考え方であるのでは? と思えてしまうからなのだ。

KOG従業員たちが「アユさん、ギャルらしくないっすよ」で!

これだって、やりようによっては、いい感じに作り替えることだって可能だったと思う。

例えば、こうやるのだ。

大前提として、歩と詩の関係について、結は完全に関わらず、第三者として後日談として聞くだけにして(汗)

まず、変えなくていいのは、以下の三つ。

 ・詩が腹を割ったのは、結ではなく歩
 ・詩が自分の新しい居場所だと決めたのは、米田家ではく「KING OF GAL」
 ・歩が児童相談センターの職員の指摘で、後見人への心が揺らぐ

あとは、【ギャルの掟】の下記二つを利用して。

 ♥その2:他人の目は気にしない 自分が好きなことは貫け
 ♥その3:ダサいことは死んでもするな

「KOG」の従業員たちが「アユさん、ギャルらしくないっすよ」と歩を励まし。

【ギャルの掟】
 ♥その1:仲間が呼んだら すぐ駆けつける

で、「詩も仲間っしょ! みんなで家族になればいいじゃん!」のほうが説得力があったのでは?

そして、最後に結に「さすが 伝説のギャルやね。やることがうちとは違うけん!」で。

あとがき

最終週だけ見れば、「血のつながっていない家族だって、価値も意味もある」「立場や環境が違っても、お互いに助けあうことが大事だし大切だ」という壮大で崇高なテーマを描きたかったのかな? と思えなくもないんです。

でも、最終週も、結局は実の両親と祖母、夫と娘、義母ら “ほぼ家族” を強調しまくったのです。

これだって、結が「KOG」に少しでいいから顔を出したり、帰省が(令和だとしてもギャルなんだから)「KOG従業員旅行」も兼ねるとか。

ほら、英語・米語圏の映画で、文脈によって「ファミリー(family)」の意味って、「血縁・家族」以外にもあるじゃないですか。

ギャング映画なんかでは「親しい人々・仲間」のことを「my family」なんて言いますし。
「企業・ブランド・団体」のことは「our company family」なんて呼びますよね。

そんなイメージで “米田家の呪い=困っている人を放っておけない” さえあれば、誰とだって「ファミリー(family)」になれるし。

「一緒に、おいしいもん食べたら、悲しいこと忘れられる」から「食べり」でなく「食べよ」でつながれる… で、よかったと思いますよ。

これが、『おむすび』関連で最後の投稿になる、いや「最後にしたい」です(笑)

ホント、私も皆様も最後まで頑張りましたよね。

来週からの『あんぱん』も、引き続きよろしくお願いいたします。

文中の博多弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
博多弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 新窓で開きます


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当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
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クジャクのダンス、誰が見た?

TBS系・金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)InstagramTikTok

第10話/最終回『辿り着いた真実~父を信じた娘が起こす愛の奇跡』、ラテ欄『時を超えた信念の果て~父娘の愛が起こした奇跡』の感想。

原作(漫画)の浅見理都「クジャクのダンス、誰が見た?」は、2025年2月25日発売済みの月刊誌「Kiss・4月号」掲載の最終話までと、2025年3月13日発売済みのコミック「第7巻(最終)」も読了。


一連の犯行を告白した鳴川(間宮啓行)。一方、心麦(広瀬すず)と松風(松山ケンイチ)は神井(磯村勇斗)は赤沢(藤本隆宏)のGPSを追い、林川家に辿り着く。屋内には、刺された赤沢と包丁を手にした妻・京子(西田尚美)の姿があった。そして、心麦にとっての宿命たる東賀山事件の全貌がついに明らかに!
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作(漫画):浅見理都「クジャクのダンス、誰が見た?」
   (過去作/イチケイのカラス)
脚本:金沢知樹(過去作/半沢直樹2022,Get Ready!,からかい上手の高木さん) 第1~最終
   長花枝薪(過去作/吉祥寺ルーザーズ 第6話, Get Ready!第8話) 第7,9,最終
   萩森淳(過去作/ドラマ&映画「からかい上手の高木さん」) 第8
演出:田中健太(過去作/ペンディングトレイン,トリリオンゲーム,アンチヒーロー) 第1,2,4,最終
   青山貴洋(過去作/グランメゾン東京,ユニコーンに乗って,ライオンの隠れ家) 第3,5,9
   棚澤孝義(過去作/半沢直樹2013,ユニコーンに乗って,下剋上球児) 第6
   福田亮介(過去作/恋つづ,俺の家の話,海に眠るダイヤモンド) 第7,8
音楽:桶狭間ありさ(過去作/ハヤブサ消防団,私たちが恋する理由)
主題歌:Ado「エルフ」
警察監修:志保澤利一郎(チーム五社)
法律監修:市川寛(かなえ国際法律事務所 弁護士)
ラーメン監修:(ウェスティンホテル東京 龍天門)
フードコーディネーター:はらゆうこ(過去作/ライオンの隠れ家,ザ・トラベルナース,嘘解きレトリック)
P:中島啓介(過去作/天国と地獄~サイコな2人~,Eye Love You)
   内川祐紀(過去 協力P作/18/40~ふたりなら夢も恋も~)
   丸山いづみ(過去作/ペンディングトレイン ー8時23分、明日 君と,西園寺さんは家事をしない)
※敬称略

最終回の感想でも、原則としてネタバレはやらない!

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

前段でお断りした通り、原作である漫画は、2025年2月25日発売済みの月刊誌「Kiss・4月号」掲載の最終話までと、2025年3月13日発売済みのコミック「第7巻(最終)」2025年2月25日発売済みの月刊誌「Kiss・4月号」掲載の最終話まで読み終えているが、最終回の感想でも原則としてネタバレはやらない。

実は、今作の感想には一切の事前も事後も告知をしないで、下記の投稿をした。

ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」最終回を楽しむための原作コミックのネタバレ簡潔に書きます! 新窓で開きます

それでも原作のネタバレを書くつもりはないが、ネタバレはせずに “比較” だけはやってみようと思う。

上記の投稿を読んでくださった読者様で「さらに読みたい人」だけ終盤に書くので読んでいただければ… と思う。

今作に「回想はただの後出しの言い訳」は通用しなかった!

前回まで、やみに秘密を隠さずに、うまい塩梅で「真相に迫る」を、映像で 〈映像で見せて(show)魅せる(fascinate)〉 をやってきたのは認めるとしても。

やはり、これだけの “真相” を延長なしの通常枠で描き切るとなれば。

どうしても「実は…」「本当は…」「実態は…」「裏側では…」と、いわゆる “情報の後出し” 三昧になるのは仕方がないことだ。

で、そうなってしまった “連ドラ” の最終回で常套句として書くのも、いつもこれだ。

回想シーンは、ドラマでも物語でもない。
ただの後出しの言い訳(説明)に過ぎない!

だが、今作にこれは使えない。

なぜなら、しっかりと「主人公の物語」と「父と娘の物語」になっていたからだ。

最終回で見事に"主人公の物語"と"父娘の物語"になった理由

その意味で、細かいことだが、最終回のサブタイトルは二つあるが、ラテ欄のほうがピッタリではないだろうか。

●ドラマ版『辿り着いた真実~父を信じた娘が起こす愛の奇跡』
●ラテ欄『時を超えた信念の果て~父娘の愛が起こした奇跡』

ドラマ自体のサブタイトルでは、《娘が起こした奇跡で真実に辿り着いた》 の意味だが。

ラテ欄は、《父と娘の愛が起こした奇跡と信念で》 と受け取れるからだ。

実は、原作の結末では、主人公の存在感が急に薄まってしまうのだ。

どうしても、画と内容の衝撃度から「実はこうでした」が強調されてしまっているのだ。

しかし、前回でも書いたが。

この実写ドラマ版では、結末に至る過程が、さらにオリジナル風に改変されており。

第8話あたりから、意図的に主人公の存在感を強める脚本と演出と演技になっているのだ。

この下準備がとてもうまいために、最終回では見事に「主人公の物語」と「父と娘の物語」になったわけだ。

最終回は、サスペンスとヒューマンドラマのいいとこどり!

せっかくだから、他のブログや掲示板では書かないようなことを書こう。

最終回の演出担当は、第4話以降久しぶりに担当した今作のチーフ監督・田中健太氏だ。

今作の演出担当は4人体制だが、大きく2種類の特徴的に演出に分けることができる。

一つは、田中氏のミステリー(=謎解き要)要素は薄めで、視聴者や観客は登場人物の誰の立場になっても楽しめるサスペンス要素を濃いめにしたサスペンス仕立て。

もう一つは、青山貴洋氏がやった“ホームドラマの要素” を散りばめた “ヒューマンドラマ風” に仕立て。

で、最終回は、サスペンスとヒューマンドラマのいいとこどりを選択した… ということだろう。

山下心麦(広瀬すず)と父・春生(リリー・フランキー)の人間ドラマを主軸にし。

赤沢京子(西田尚美)の歪みまくった人生と、それに振り回される人間たちのドラマ。

週刊誌記者・神井(磯村勇斗)と冤罪被害者である遠藤力郎(酒向芳)と息子・友哉(成田凌)の友情と家族のドラマ。

そして、小麦と弁護士・松風(松山ケンイチ)のクジャクのダンスを見つける旅のドラマ。

これらを前面に押し出して、巧みに “考察系ドラマ” っぽさを徹底的に打ち消した。

もう、これだけで大いに評価に値すると思う。

あとがき

今期、私が見て感想を投稿している連ドラは、「月9」を残して終わりました。

今期の連ドラですが、オリジナル脚本に期待している私にとって、「原作モノ」が良くできていた印象しかないです。

中でも、「いちばん映像化が難しい」と思っていた今作がここまでの仕上がりで大満足です。

だって、普通に考えたら「決して共感しがたい犯人の身勝手は犯行」に1ミリも共感できないですよね。

でも、最終回では、視聴者に一定の共感と言いますか、納得をしてもらわないと、春生が浮かばれないし、小麦も次の一歩に説得力がない。

そこで、原作では、もっと京子の出自や経緯を丁寧に描いていますが、ドラマ版ではいい塩梅に割愛しているんですね。

そのために、ドラマでは少し分かり難いところがあるのは否めません。

でも、ほんと、映像作品として、そこの見せ具合のさじ加減が絶妙だったと思います。

同局の『御上先生』もこれくらいやってくれていれば… チャック!

すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”


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【これまでの感想】
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連続テレビ小説「おむすび」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『おむすび』
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第125回/最終回第25(最終)週『おむすび、みんなを結ぶ』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


歩(仲里依紗)から田原詩(大島美優)を引き取ろうとするのは甘かったかもしれないと聞いた結(橋本環奈)は、仮定の話を気にして一歩踏み出さないのはギャルらしくないと勇気づける。さらに詩を一人で育てるのではなく、みんなで育てればいいと言う結の言葉で、歩は決心する。そして一年後、結たちは糸島に移住した聖人(北村有起哉)たちを訪ねる。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:根本ノンジ(過去作/正直不動産シリーズ,相棒シリーズ,フルーツ宅配便,ハコヅメ)
演出:野田雄介(過去作/スカーレット,マッサン,六畳間のピアノマン,舞いあがれ!) 第1,3,7,13,18,21,最終
   小野見知(過去作/マチ工場のオンナ,トクサツガガガ,転・コウ・生) 第4,6,10,24,最終
   松木健祐(過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!) 第2,5,16,20
   盆子原誠(過去作/カーネーション,ごちそうさん,おちょやん,ブギウギ) 第8,12,17
   大野陽平(過去作/「ちむどんどん」第9週のみ,「舞いあがれ!」第25週のみ) 第9,11,22
   原田氷詩(過去作/「おちょやん」 第17週のみ,「舞いあがれ!」第16週のみ) 第14,19,23
   工藤隆史(過去作/「舞いあがれ!」第20週のみ) 第15
音楽:堤博明(隣の家族は青く見える,ベビーシッター・ギン!)
主題歌:B'z「イルミネーション」
語り(本編):リリー・フランキー(過去作/「なつぞら」本編語り)
語り(土曜日版):高瀬耕造アナウンサー(過去作/「ブギウギ」本編語り)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼)
制作統括:宇佐川隆史(過去作/岸辺露伴は動かないシリーズ,正直不動産シリーズ)
   真鍋斎(過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男)
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動



最終回も手抜きなしで、とことん“やぶへび”をつつきます

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

『おむすび』は相変わらずの内容ですが、「一つだけお願いがあります。朝ドラ『おむすび』のことは嫌いでも、管理人・みっきーのことも、当ブログも感想も “まだ” 嫌いにならないでください」と本日も叫びます!
※しばらくの間、テンプレです…

昨夜(2025年3月27日)、NHK総合『放送100年×元気100倍 それいけ!朝ドラ名場面スペシャル』を妻と見まして。

妻は、昭和の名作を懐かしく見ていました。

私は、「やっぱり、『エール』って俳優と演技と演出が際立ってるなぁ」と感心しつつ。

「『ちむどんどん』『舞いあがれ!』『おむすび』はスルーなんだなぁ」なんて、そっちは納得しつつ(苦笑)

「100年後に、あしたの最終回は名場面と言われるのかなぁ」なんて未来に思いを馳せたわけです。

きょうこそ、午後からの仕事に影響が出ない範囲で(汗)、とことん “やぶへび” をつつきます。

『朝ドラ名場面スペシャル』の見逃し配信リンク|NHKプラス 新窓で開きます


前回のおさらいなんてしないで、先に進めるべき!

まさか、「最終回だから見てみよう」な視聴者に配慮して前回の振り返りをアバンタイトルに組み込んだのか?

もちろん、「朝ドラの最終回で、一見さんになんて気を使うな!」なんて暴言は履かないが。

そもそも論 《その1》 として。
 ※青色は、冷静さや論理性を象徴し、物事を根本的に捉える思考を表す
 茶色は、大地や根を象徴する色で、物事の根本や基礎をイメージ

半年間ず~~~~~っと、「最終回まで見届けよう」な人がほとんどだと思うのだ。

だったら、「先に進めるべき!」ではないのか。

何としてでも、最終回を「お涙頂戴」でスタートして、「愛と笑いと感動」で締めくくりたいがための浅はかな構成だか知らないが。


結と翔也と花で「そうめんちり」を作る映像があれば…

そもそも論 《その2》 として、 今作は、第1回から “子育て” をまともに描いたことなんて、ほぼ無いのだ。

前回の感想でも書いたので、繰り返しになるが。

今作は、「歩が家出した状態」で開始した 《家族愛が希薄なホームドラマ》 なのだ。

家族それぞれが自分勝手に生きて、都合が悪くなったら寄せ集まって、満足したらまた解散の 《家族愛が希薄なホームドラマ》 なのだ。

その上で、主人公が結婚して以降なんて、夢が破れ仕事も失った夫・翔也(佐野勇斗)を放置して仕事だけに向き合う主人公を描いたのが今作であり。

妊娠出産して以降にいたっては、娘役が3人も交代して成長しているとしながらも、家事はおろか、育児や子育ても翔也にほぼ丸投げを描き続けたのが今作。

「働く女性だって、家事や育児をやっている映像を入れろ!」なんて、時代錯誤なプロパガンダ放送をやれなんて思わない。

でも、翔也で家事や育児を盛り込むなら、主人公にも盛り込んでこそホームドラマなのでは?

今回だって、「そうめんちり」を主人公がナベを持ってくるだけでなく、ワンカットでいいから “親子三人” で台所に立って作り、その姿を見る歩(仲里依紗)と田原詩(大島美優)を入れるだけで、印象が変わっただろうに。

だから、「時代錯誤的な思考回路の人が、今作を作っている」と思われてもしょうがない表現なのでは? と書くのだ。


「食べさせる・心配する・暮らす」だけでは《子育ての重み》は描けない

話を軌道修正する。

最終週になって 《子育ての重み》 みたいなものを、これ見よがしに強調しているが。

これまでの〔24週分〕で、ここまで 《子育ての重み》 みたいなものが強調された記憶はほぼ無いのだ。

もちろん「全くない」なんて言わない。

しかし、“ドラマ” や “主人公の物語” として、主人公の人生に強く影響を与えたり、大きな意味があったように強調した描写は、ほぼ皆無では?

私の基準では、「食事を作って食べさせる」や「心配する・気にする」や「一緒に暮らす」を描くことだけでは、《子育ての重み》 みたいなものは描けないと思う。

それこそ、今作でできたこととすれば、せめて「花がサッカー選手になる夢を全力でサポートする」とか「小さい頃から一緒に動植物を育てる」、そして「できるだけ一緒にごはんの支度をして、健康と食の大切さを教える」くらいだろうか?

もちろん、ご存じの通り、何一つやっちゃいないが。


アキピーの子育てで、歩が何か受け取っていたとすれば…

それこそ、きっと今作最後の「こうしたらよかったのにコーナー」を改め「後悔先に立たずコーナー」をやるとするなら。

歩を利用した絶好のチャンスがあったのだ。

それは、今作の売りの一つである「現実に遭った災害を盛り込む」でやった「東日本大震災」のくだりで。

震災被災者である東北・岩手で娘・カナ(米田登貴:写真のみ)と暮らしている歩の朋友である‘唯一無二の鬼ギャル’ことアキピー(渡辺直美)が、歩らが送った支援物資のお礼を言うために大阪に来て2号店で歩と‘チャンミカ’こと相原三花(松井玲奈)と再会する展開だ。

あのときに、歩が娘カナと向き合うアキピーを見て何かを受け取って…

例えば、妹の力を借りて、東北で(もちろん、場所はどこでもいいんです)子ども食堂や食料支援などの活動をはじめて。

次第に、《子育ての重み》 みたいなものを自分の中に見つける… みたいな。


これまで、子育てもギャルも強調しないのに最終回だけ?

だ、か、ら、もうだいぶ前になるが、「東日本大震災発生時に主人公を妊娠出産期にするべきでなかった」と主張したのだ。

東北の震災を見た主人公と姉が、“米田家の呪い=困っている人を放っておけない” を発揮し。

祖母・佳代(宮崎美子)の「おいしいもん食べたら、悲しいこと忘れられる」を実行するべく。

伝説のアユとムスビンの「行くぞ!東北!!」のひと言で、“掟 ♥ その1:仲間が呼んだら すぐ駆けつける” 「ギャルの掟」で動き。

「神戸からやってきた元気が出るおむすびキッチンカー」でも運営したらよかったのだ。

主演俳優のスケジュール調整が難しいなら、主人公は神戸から「新作おむすび」のレシピでも送ればいいだけ。

それこそ、実際の阪神・淡路大震災後に、神戸市民の合言葉「がんばろう!!神戸」を提唱した堀内正美さんが演じるさくら通り商店街の中華料理店「太極軒」の店主・明石太一を活用して「おむすびと中華の移動炊き出し」だってよかったと思う。

長くなったが、これまで、しっかりと積み上げてこないのに “子育て” だけでなく、今回で急に「それがギャルや」なんて盛り込むから、見ているほうは「口ポカーン」なのだ。


《食》は人生の岐路でしか登場しないまぼろしみたいなもの

そして、もう一つ、最終回だからなのか、これ見よがしに盛り込んできたのが 《食》 である。

この 《食》 には、食べ物、食べること、料理すること、料理そのものなど、多様な要素が含まれるが。

そもそも論 《その3》 として、 これまでの〔24週分〕で、ここまで 《食》 みたいなものが強調された記憶はほぼ無いのだ。

もちろん「全くない」なんて言わない。

しかし、“ドラマ” や “主人公の物語” として、主人公の人生に強く影響を与えたり、大きな意味があったように強調した描写は、ほぼ皆無では?

主人公が翔也と関わるきっかけも、栄養士になるきっかけも、確かに 《食》 ではあるが。

次の主人公のセリフが「その通り!」と思えるような描写なんて、数えるほどしかないのだ。


結「うちも お姉ちゃんも
 翔也も 花も
 みんな 周りの人たちのおかげで
 今も楽しく笑っとう」

そう、何らかの主人公の “人生の分岐点” でしか登場しない “まぼろし” みたいなものでしかないだ。


一人娘だってまともに子育てした印象すら皆無の主人公に…

それこそ、近年の同じ朝ドラで例えるなら。

朝ドラ『まんぷく』(NHK/2018年度後期)を筆頭に。

食べ物で周囲の人を幸せにしたい世界を描いた意味では。

あの二大迷作朝ドラの『まれ』(NHK/2015年度前期)と『ちむどんどん』(NHK/2022年度前期)のほうが、まともに 《食》 をテーマにしたお仕事ドラマであり、食に関わる人の悲喜こもごもを描いたのでは?

もちろん、『カムカムエヴリバディ』(NHK/2021年度後期)だって、和菓子を通して 《食》 を描いた朝ドラとしても秀逸だったのだ。

しかし、当初から「食を扱う朝ドラ」、「栄養士として、人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”」と大々的に宣伝した割に、《食》 に執着したような展開も描写も表現もないに等しいのが、この『おむすび』なのだ。

だから、普通にやっていれば、それなりに感動できそうな冒頭3分ごろの「家族での食事シーン」ですら、一人娘だってまともに子育てした印象すら皆無の主人公にこう言わせるから…


結「これから 毎日 みんなで食べよう」

また、見ているほうは「口ポカーン」なのだ。

だって、 そもそも論 《その4》 として、 今作において、《家族そろって食事》 なんて開始当初しかない印象で。

ここ数か月は、《個別に居酒屋「きよし」で酒飲み》 だったんだから!


結の「お父さん 体調どう?」が、どうしても引っかかる…

で、「N.S.T.」何でもすっ飛ばす展開 = Nandemo Suttobasu Tenkai) で、サクッと「1年後」はどうでもいい。

私が、最終回も「スタッフたちは今作に愛があるんか!」と問うてみたい場面だ。


結「お父さん 体調どう?」

確かに、普通に流して見ている分には、引っかからないと思う。

でも、私は「?」って思うのだ。

私の実の両親も妹も、すでに他界しているから、私の血のつながった家族なんて本当にもう数名しかこの世にいない。
あとは、妻と義理の両親やきょうだいなどだ。

で、義父は完全看護の病院に長期入院しているし、認知症が進んでほぼ会話が成立しないから、月に数回行くお見舞いで「おとうさん、きょうは体調良さそうですね」なんて声かける。

しかし、義母は東京で軽度の認知症ではあるが一人暮らしをしており、毎日のように電話をして「おかあさん、きょう何食べました?」なんて聞く。
そして、ほぼ週1度は直接会って話すから「きょうの体調はどう?」なんて聞くことはない。

そう、だって、最近の体調がいいことは知っているからだ。

ようやく、「ここへ、話がつながるのか?」と思ったのでは(笑)


スタッフの今作への愛を感じないあれこれ…

主人公は、福岡・糸島に旅立つ、例えば前夜とか直前とかに 《実家に何か伝えたり聞かないの?》 ということ。

これ、簡単な方法で、スタッフの愛と主人公の父への愛を “虚構の中の真実” に感じさせるセリフがあったのだ。

結「お父さん うちが思うとったより ずっと元気やね」

これだけで、主人公が両親だけでなく祖母まで、いつも気にして連絡を取っているように感じるのだ。

こんなど素人が思いつくようなことですら、《やらない、やれない》 から、今作から愛を感じ取れないし。

強引に盛り込んだ家族愛ですら “虚構の中の大ウソ” にしか見えないのだ。

そして、聡明な読者様には書く必要はないと思うが、文字数が少ないとGoogle検索に引っかからないから書いておく(笑)

主演俳優に続いて仲里依紗さんも多忙だとしても、この帰省シーンに「歩が不在」を許可した制作統括。

この帰省シーンに、祖父・永吉(松平健)の墓参りをワンカットですら含める気配もなしの脚本家と演出家と制作統括。

物産まつりもどきの映像で、糸島の観光ビデオをやったつもりの… もういいや。

ホント、この脚本家と演出家と制作統括は、今作自体にも、登場人物にも、ロケ地にも、出演者にも愛があるんか!


《栄養士から管理栄養士になって》が本当に雑だった

ここからは、全125回を総括的にまとめてみる。

プリクラ連射でごまかした 《栄養士と管理栄養士》 を見て、最終回も見終えて感じたのは、「何のために盛り込んだの?」だ。

そもそも論 《その5》 として、 これまで繰り返ししなるが、今作は 《栄養士から管理栄養士になって》 も中途半端だったのだ。

栄養士も、管理栄養士も、「調理係」「配膳係」「食事を食べさせる係」ではないのでは?

栄養士は、主に健康な人を対象に栄養指導を行い。
管理栄養士は、健康な人に加え、傷病者、高齢者、特別な配慮が必要な方など、幅広い対象に栄養指導を行うという違いはあれど。

「食と栄養のスペシャリスト」で、「人々の健康をサポートするプロフェッショナル」なのでは?

それを描いたのは、栄養専門学校時代の少しと、星河電機の社員食堂時代のごく僅かだけ。

この数か月においては、《担当患者に食事を食べさせる係》 か、《患者に食事を完食させて満足する配膳係》 でしかなかったのだ。


最も困ったのは、作品名である『おむすび』の完全無視!

まとめよう。


平成元年生まれのヒロインが、栄養士として、人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、主人公・米田結が、激動の平成・令和を思いきり楽しく、時に悩みながらもパワフルに突き進みます!

結局、今作は、当初の目論見、うたい文句とは全く異なる作品となったと思う。

その原因は、《子育ての重み》 と 《食の大切さ》 と 《栄養士から管理栄養士になって成し遂げること》 の “三大要素” が、序盤から、やること成すことほぼ全てが中途半端で、ブレまくったからだ。

これらの今作の根幹を構築するべき “三大要素” を、視聴者にきちんと提示し、理解させ、共感させない限り、「管理栄養士の主人公がギャル魂と栄養士の資格で…」に納得なんてできるはずがないのだ。

最終回だからハッキリ書くが、テーマの登場人物もブレまくり続けて、“物語” という “虚構の中の真実” が成立するはずがない!

今作がやった失敗はこれだけでない。

最も困ったのは、作品名である『おむすび』の完全無視だ。

最終回に、無理やりに盛り込んだところで、罪は償えない。

これによって、今作は “ドラマ” としてだけでなく、“ 連ドラ” としても成立しなかったのだ。


あとがき

ネットで「朝ドラ おむすび 制作統括」を検索してみたら分かりますよ。

どれだけ、今作の制作統括が言い訳をしているのかが。


「そう思っていただけたらうれしいです」
「やる意義はあると思いました」
「余白の部分を逆に楽しんでほしい」

こんなワードが踊りまくっています。

で、困ったことに、間接的に、脚本や出演者、視聴者にも責任の一端がある的な表現にも聞こえます。

プロなら、プロのクリエーターなら、全スタッフを背負う制作統括なら、それでお金も評価も得ているのですから「世に出したものが全て」で「反省すべき点は素直に認めて、次回があればそこでいかす」しかないと思います。

最終回後も、言い訳は続くよどこまでも!
令和7年に「震災から17年」のわけ。結たちは「おむすび」第75回を見ていた。制作統括が説く最終回(木俣冬) - エキスパート - Yahoo!ニュース 新窓で開きます

最後に、半年間も読み続けてくださって、本当にありがとうございました。
次の『あんぱん』は、“悪いとこ探し” をしないと “いいこと” しか見当たらない朝ドラになることに期待します!


みっきーの植物図鑑(第249回)

今作最後の「みっきーの植物図鑑」は、『らんまん』以来でついに第249回。

先日、我が家の桜の鉢植え「大南殿(オオナデン)」のつぼみが膨らんできたのをご報告しました。

今朝は、少しですが桜が咲きました。

予定通り、予想通り、「おむすびロス」が1ミリもないすがすがしい朝になりましたよ。

我が家の桜の鉢植え 大南殿


文中の博多弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
博多弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 新窓で開きます


『おむすび』を召し上がった後の ≪お口直し≫ に下記の感想をおすすめ!
朝ドラ「カーネーション」全151回分の感想リンク 新窓で開きます
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」全112回分の感想リンク 新窓で開きます


すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”


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拍手[57回]

Web拍手とコメント、いつも、ありがとうございます。管理人、みっきー

ご来訪の上、拍手とコメントをありがとうございます!

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!

いつも ドラマ映画の感想へ、ご賛同のWeb拍手やコメントをいただきまして、ありがとうございます。

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[拍手投稿]  モウ さん  (2025-03-27 22:43:36)
連続テレビ小説「おむすび」 (第124回・2025/3/27) 感想 ※お待たせいたしました!5時間超の“やぶへびつつき”です!! 新窓で開きます

はじめまして、こちらを楽しみにしているモウと申します

未熟児の次男と難病の長男を送りました、病気、救急、事件のドラマは見ないようにしています

マイナスの意味で涙を流した朝ドラは初めてでした

親切でしょ名言でしょと押し付けてくる感じが悲しかったのだろうと最近わかりました

みっきーさんの感想に救われた思いです、ありがとうございます
大丈夫です次の朝ドラに期待してます

当方にて適宜改行を入れさせていただきました。

↓ここから管理人返信↓

そりゃあ、「見なけりゃいいじゃん!」「分かっていて見たんだから自業自得でしょ?」は理屈では間違っていないとは思うんです。

でも、こと『朝ドラ』は事情が違うと思うんですね、ほかの「テレビドラマ」とは。

それこそ、今年が「テレビ100年」で、『朝ドラ』は単なる映像作品であるだけでなく、「その時代に生きる人の支えや勇気や希望」の源としての役割があったから、『おむすび』まで第111作も続いてきたと思います。

そして、テレビからあふれ出る “人の支えや勇気や希望” が一番必要で、一番効果を発揮するのが、いわゆる “心やからだが傷ついた人や弱っている人” だと思うんです。

「朝ドラのヒロインが踏ん張ってるんだから、私だって負けないぞ」みたいな共感や感情移入が、朝ドラヒロインの役割であり、存在意義だとも思います。

だから、これなんですよ。

“死や余命” 、“病気や障がい” 、“現実に遭った災害” を
 必要以上に盛り込むな!

「病院の待合室」や「被災地の避難所や仮設住宅」などの
 テレビで見ている人に配慮し、表現は慎重にするべき!

特に、感情を刺激するような表現や描写こそ、
 演出がやりたいようにやるのではなく、
 受け手の心理を読み解いてやるべき!

『朝ドラ』が上記の3つに配慮してくれたおかげで、(気づかぬうちに)自分も「きょう一日、やさしく楽しく生きよう!」って思えるときって、ありますよね。

そんな日が、この半年間ほぼなかったのが残念ですね。

モウさん、一緒に『あんぱん』を応援しましょう!

※よる10時以降は睡眠障害対策でブログ作業はしないことにしているので、返信が翌朝なり申し訳ございません…


皆様、またのご来訪を心よりお待ちしております。


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拍手[20回]

Web拍手とコメント、いつも、ありがとうございます。管理人、みっきー

ご来訪の上、拍手とコメントをありがとうございます!

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです!

いつも ドラマ映画の感想へ、ご賛同のWeb拍手やコメントをいただきまして、ありがとうございます。

時には厳しいコメントも頂きますが、ブログ更新の励みになっております。

なお、"Web拍手のコメント"へ返信をする機能がないため、このような「お返事ページ」でお返事をいたします(謝)


[拍手投稿]  テルさん さん  (2025-03-27 18:05:16)
連続テレビ小説「おむすび」 (第124回・2025/3/27) 感想 ※お待たせいたしました!5時間超の“やぶへびつつき”です!! 新窓で開きます

お忙しい中の感想(力作)ありがとうございます。

ほんっと、医療ドラマとしても管理栄養士のドラマとしても家族・母のドラマとしても、何一つまともに描かれませんでしたね。

私がとても気になったのは、ステージ3か4のがん患者をどういうつもりで登場させたのか?です。

ステージ3か4の大腸がん患者の治療後の生存率を制作陣はわかってたのか?ということです。わかって出したのであれば、非常に残酷なことだと思いました。

明日の最終回には、もう何も期待しませんが、みっきーさんの感想を楽しみにしております。

当方にて適宜改行を入れさせていただきました。

↓ここから管理人返信↓


“死や余命”、“病気や障がい”を必要以上に盛り込むな!

私、不特定多数の方が読むので「感想」に書くのはあえて躊躇していたのですが。

気にされているのは、最終週(第25週)から当然登場した「大腸がんで全く食欲がない患者・丸尾貴裕(細川岳)」ですね。

面倒なので検証はしていませんが。

大手ネットニュース記事では大多数が「ステージ3」ですが、一部に「ステージ4」とあり、番組公式サイトには記載がありません。

「結腸がん」と「直腸がん」では、がんの予後指標として用いられている診断から5年後に生存している割合を示す「5年生存率」は微妙に異なりますが。

「ステージ4」だとすると、テルさん さんがおっしゃる通りなんですね。

ですから、私の当ブログでは「ステージ3」として扱っています。

参考リンク:大腸がんのステージ(病期)について | 国立がん研究センター 中央病院 新窓で開きます

私が「あえて躊躇した」のは、私の知り合いに、子宮頸がんや大腸がんを患って「ステージ3や4」の人がいて、その人たちも私のブログのファンでいてくれて、読んでいるからです。

もちろん、その人たちは私の真意は分かってくれているはずなので、妙な誤解はしないと思ってはいますが。

それでも、やはり、次のように叫びたいですよ。

“死や余命” 、“病気や障がい” 、“現実に遭った災害” を
 必要以上に盛り込むな!

ここだけの話ですけど。
「舞いあがれ!のなにわバードマンの玉本先輩だ」と騒ぐのも、今作のスタッフの下衆さと大差ないと思いますけれど。


"食と栄養のプロ"を描くのに病気や余命は必須要件でない!

まあ、「感想」と同じことになりますが。

そもそも「栄養士」も「管理栄養士」も、どちらも食と栄養の専門家であり、人々の健康をサポートする仕事なんですね。

このことを描くのであれば、「病院」「病気」「患者」なんて要素はなくても描けるはずなのです。

それこそ、学校給食を扱う管理栄養士の主人公が、我が娘や学校の子どもたちの未来を健康から見つめたっていいわけです。

当然、二つの震災も、震災犠牲者も被災者も、なくても描けるはずなのです。

その上、今作には「医事指導 」「看護師指導」「管理栄養士指導」がいます。

撮影現場で内容をひっくり返すのは無理としても、厳しいことを言いますが、専門家の矜持としてやれることはなかったのか? とも思います。

まあ、残り1回で何を言っても無駄ですが。

最後の1秒、1フレームまで、やぶをつつき続けます!

どうか、私が “やぶへび” にかまれないように、応援よろしくお願いします!


皆様、またのご来訪を心よりお待ちしております。


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東京下町生まれ千葉県在住。
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