「情熱大陸／ブックディレクター・幅允孝」を観ました。

「情熱大陸／ブックディレクター・幅允孝」を観ました。ブックディレクターとは『本棚編集者』とでも言うのでしょうか。本を制作するのでもなく、本を販売するのでもない、本屋さん。

やはり、幅さんの強みは本が大好きで、誰よりも本をよく読み、本を知り、本のエネルギーを信じていることだと思います。だから、説得力があるし、共感する人が多い。

ディレクターと言う仕事は、頭の中に、どれだけネタの引き出しが深く、常に整理整頓されていることだと思ったりします。お客様から「何かない？」と聞かれたら、最善の一つをサッと提示できるような在庫管理と納品能力。幅さんはそれを目前の本棚で展開するディレクターなのでしょう。

そして、何よりすごいのは、自分で自分の新たな職業を創り出し、ビジネスとして成立させていること。最後に、番組中に紹介していた『月曜日から一週間、頑張っていくための3冊』の内、週刊少年ジャンプ以外の2冊と幅さんの本を紹介します。

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「情熱大陸／落語家・桂米團冶」を観ました。

「情熱大陸／落語家・桂米團冶」を観ました。今、政界では二世議員の是非が騒がれていますが、桂米團冶さんの父は関西、いや日本落語界の重鎮・桂米朝。その父を超えるべく更なる大きな名前「米團冶」を継承する心の葛藤が見所だったのでしょうね。

さて、私は落語が好きです。がなりたてる上方落語もありますが、私が好き上方落語は、米朝さんのような台詞だけで人物を表現するスタイル。それに見台（噺家さんの前にある小さな机）や小拍子（トントンと効果音の役割をする拍子木）など東京落語にはない効果音や小道具を使ったお芝居風の演出があるのも面白いですね。

さて、今回米團冶さんが舞台直前まで悩んで襲名披露に選んだ演目『百年目』。これはホントに面白い噺です。でも米團冶さんが番組中でお話されていましたが、端から見ても難しい噺だと思います。何と言っても登場人物の心理描写以上に、情景描写がたくさん登場するからです。特に舟遊び、花見でドンちゃん騒ぎをやるくだりの心理描写と桜の花の咲き具合を美しい日本語でつむいでいくような感じ。それに上方落語の醍醐味のお囃子も聞けますし。米團冶さんの『百年目』。是非観たいと思いました。

偉大な父のあとを継ぐことよりも、父と同じ職業を選んだことの方が遥かに米團冶さんには重く圧し掛かっているのかもしれません。林家正蔵さんもそうですが、落語界の二世たちには是非多くを父から学び、大きくなって欲しいと思いました。

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「情熱大陸／よみたん自然学校代表・小倉宏樹」を観ました。

「情熱大陸／よみたん自然学校代表・小倉宏樹」を観ました。『自然学校』とあったので、自然環境を学べる学校かと思いきや、子供たちが自然に育っていくための学校なんですね。このような学校は一般的に『デモクラティックスクール』と言うそうです。

特にサザナミフグを学校で飼いたいと思う女の子と、小さな容器（水槽でない）の中でどんどん元気がなくなっていくサザナミフグのエピソードが興味深かった。私なら「ほら、このまま放っておいたら死んじゃうから海に返そうね」って結論を押し付けてしまうはず。しかし、この学校では子供自身が結論を導き出すまで一切のアイデア出しをしない。やがて、その女の子は海に返すことを決め、今度はタコを探しに行く。

今の世の中、結論を急ぎすぎるのかもしれません。いや、少なくとも私はせっかちな性格もあって結論を急いでしまいます。そのためにイライラして本来見えるものも見えなくなることがしばしばあります。

「よみたん自然学校の教育が正しいかは、子供たちが答えを持っている」とおっしゃっていた小倉さん。すばらしい。今の世の中、すべての学校がこのようになれば良いかわかりませんが、こう言う学校があっても良いし、無くてはいけないと思います。

【参考Link】
よみたん自然学校（公式サイト）
小倉さんが参考にしたと言う『サドベリーバレースクール（公式サイト・英語）』
デモクラティックスクール」というタイプの学校の紹介ページ

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「情熱大陸／フライトナース・川谷陽子」を観ました。

「情熱大陸／ライトナース・川谷陽子」を観ました。私の妻も救命医療を行う地域最大の大学病院の看護師（助産師）で、私の周辺にも多くの看護師の知り合いがいるので興味深く観ました。

看護師と言っても救命や産科や心外など日常的に命のやり取りをする職場と、眼科や歯科など生死に関わることの少ない職場があって、外から見ても看護師の性格やタイプが全く異なります。

その中でも、救命救急のナースは姉御肌の女性が多い印象があります。とにかく行動力があり、統率力があり、決断力がある。そして、一度救命の世界に入ると抜け出せなくなる人が多い。誤解を恐れずに書くと、日常の強烈な刺激に慣れ、次々とその刺激を求めつつ、上（の看護）を目指さなくてはいられない何かがいつも心の中にメラメラと燃えているのだと思います。

「仕事はつらくないか？」との質問にも「どんどん楽しくなっていく。迷ってる暇は無い」と答えていた川谷さん。救命、特にフライトナースは誰でもできる職業ではありません。高度な医療知識と視覚を要します。

フライトナース先進国のアメリカではフライトナースに求めるもの中に「十分な休息」と「身体と精神の健康」を掲げています。今の日本の看護、医療の実態を見ると、人員的・施設的・法律的にも恵まれた環境の病院は少ないと思います。川谷さんをはじめ、多くの志高いナースが安全に仕事ができるような環境を整えないといけないと思いました。

【参考Link】
JICA国際緊急援助内にある「Voice of JDR 派遣体験者の声」の川谷陽子さんの声のページ「看護師としての活動　～被害者に励まされて～」は[こちら](新窓で開きます)です。

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「情熱大陸／撮影・監督・木村大作」を観ました。

「情熱大陸／撮影・監督・木村大作」を観ました。

今回は映画キャメラマンの木村さんでした。とにかく木村さんの画はスクリーンで観るととても気持ちがいい。日本にもいろいろなキャメラマンがいますが、木村さんほど安心して落ち着いて観ていられる画を撮るキャメラマンは他にいませんね。

特に彼の素晴らしい点は番組中でも本人がおっしゃっていた「映画は集中」をワンカット毎ちゃんと収めていくこと。特に優れているのは、『ピントの合わせ方』と『ロングショットの確かさ』だと私は思っています。

まずは『ピントの合わせ方』。木村さんは黒澤組のカメラ助手を長くされて、木村さんが独り立ちした後も、黒澤監督が自分の現場でピント合わせに困ると「木村を呼んで来い」とおっしゃっていたと言うエピソードは有名。彼のピント合わせは、監督が見せたいものをキャメラのファインダーを通して木村さんが観客に確実に伝えるように、タイミングやぼかし具合を絶妙に調整すること。これによって観客は自然と観るべきものを（良い意味で）強制されることで作品の中に知らぬ間に引き込まれます。

また、『ロングショットの確かさ』。ロングショットとは被写体とキャメラ本体の距離が離れているカットのこと。番組中でも80メートル以上先の米粒程度にしか映らない子供の立ち位置を気にしてましたね。このロングショットはとにかくアップ（寄り）ショットよりファインダーに入り込む情報がとてつもなく多い。更に映画のカットは写真と異なり、一瞬とは言え、一定の尺（時間）が必要だから、その間の膨大な情報をファインダーをのぞきながらチェックしなきゃいけない。木村さんのワンカットには、カット頭からカット尻まで無駄な情報が極端に少ない。それは特にCG等を使わない大自然の中に存在する俳優がいるようなロングショットで、観客がキャメラの存在を忘れて、そこにいるかのような緊張感や雄大さを感じる事に繋がります。

3年ほど仕事がない時期があったと番組中に語ってました。昭和の映画撮影の現場では黒澤明監督ほどの巨匠以外は、監督と言えどもキャメラのファインダーを覗く事は許されなかったことが多かった。監督は所謂「演出監督」であり、俳優に芝居をさせるのが主な仕事。一方、撮影技師は所謂「撮影監督（木村さんはこの言い方は嫌いだったはず）」は、ファインダーの中に映り込むことの全責任をとる人。だから、監督は撮影技師に対して絶大な信頼を持っていないと仕事を一緒にできなかったのです。

しかし、映画がフィルムからビデオになり、アナログからデジタル化され、CG合成が多様化され、タレント映画監督が出現し出すと、特にテレビ番組のディレクターが映画監督を勤めるようになると、彼らの多くがテレビの現場と同様に監督自ら撮影中の映像をチェックし始めました。これによって、撮影技師のファインダーは、スタッフ全員のモニター画面に取って代わり、平成の撮影現場の多くは監督が「ああ撮れ、こう撮れ」と撮影技師に言う現場になっています。。ですから、最近の映画監督にとって木村さんは『ウザい』存在なのかもしれません。しかし、私はこれが日本映画をつまらなくした最大の原因だと今でも思っています。映画と言う総合芸術が監督の私物化というか、一人の価値観でまとめられていく危機感を感じます。

木村大作初監督作品映画『劔岳 点の記(オフィシャルサイト)』に日本映画の心意気を見たいと思います。

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