連続テレビ小説「おむすび」 （第25回・2024/11/1） 感想

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第25回／第5週『あの日のこと』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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糸島フェスティバルの打ち上げで酔っ払った聖人（北村有起哉）は、歩（仲里依紗）が高校時代に警察沙汰になったことを思い出して、後悔の念をにじませる。一方、結（橋本環奈）は翔也（佐野隼斗）が帰るのを見送ろうとするが、そこに陽太（菅生新樹）が割って入って来て、翔也に結と仲がいいのかと詰問する。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：根本ノンジ（過去作/正直不動産ｼﾘｰｽﾞ,相棒ｼﾘｰｽﾞ,ﾌﾙｰﾂ宅配便,ﾊｺﾂﾞﾒ）
演出：野田雄介（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,ﾏｯｻﾝ,六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,舞いあがれ!） 第1,3週
　　　小野見知（過去作/ﾏﾁ工場のｵﾝﾅ,ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,転･ｺｳ･生） 第4週
　　　松木健祐（過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!） 第2,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,とと姉ちゃん,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
　　　大野陽平（過去作/｢ちむどんどん｣第9週のみ,｢舞いあがれ!｣第25週のみ）
　　　工藤隆史（過去作/｢舞いあがれ!｣第20週のみ）
　　　原田氷詩（過去作/｢おちょやん｣ 第17週のみ,｢舞いあがれ!｣第16週のみ）
音楽：堤博明（隣の家族は青く見える,ﾍﾞﾋﾞｰｼｯﾀｰ･ｷﾞﾝ!）
主題歌：B'z「イルミネーション」
語り(本編)：リリー・フランキー（過去作/｢なつぞら｣本編語り）
語り(土曜日版)：高瀬耕造ｱﾅｳﾝｻｰ（過去作/｢ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ｣本編語り）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
制作統括：宇佐川隆史宇（過去作/岸辺露伴は動かないｼﾘｰｽﾞ,正直不動産ｼﾘｰｽﾞ）
　　　真鍋斎（過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男）
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動

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聖人が後悔しているのは、歩が警察沙汰になったことだけ？

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

好意的に見ている人は、別にして。

今回だけ見た人だけでなく、前回も、初回からずっと見ている人も、こう感じたのでは？

聖人（北村有起哉）が後悔の念をにじませる結果になった原因は、歩（仲里依紗）が高校時代に警察沙汰になったことだけなの？ と。

上記の公式サイトに書いてある「あらすじ」にも、そう書いてあるから、間違いではない。

私は「間違っている」と断言する。

理由は簡単だ。

今作が前回と今回で描いたこと、視聴者に対して示したのは…

聖人が後悔してるのは、高校初日にギャルの格好で登校して校長先生から大目玉を食らったことと、警察沙汰になったこと、この “二つ” を後悔していると強調したからだ。

脚本と演出が互いを潰し合って、むしろ後退させている？

もう少し、丁寧に解説しよう。

先日来、書き続けていること、それも “二つ” ある。

●今作は、「結果」は仰々しく描くが、その結果が起こるための「原因」を描かないこと、曖昧にすることが多い

●エピソードの強弱や順序、各エピソードの演出のさじ加減が、脚本が言わんとする意図を理解しておらず、全体を通して最適化されていないことが多い

この “二つ” により、脚本と演出がかみ合っておらず。

本来は、両者が車の両輪となって相乗効果とともに前進すべきなのに。

互いを潰し合って、むしろ後退させているのだ。

アバンで前回の"校長に呼び出された歩と両親"を盛り込めば

例えば、前回のラストで、今作の脚本は「学校長に呼び出された歩と両親」を盛り込んだ。

当然のこととして、演出家は映像化した。

ここまでは、不問としよう。

で、次に脚本がやったのは、回をまたいで「警察に呼び出された歩と両親」を盛り込んだ。

当然のこととして、演出家は映像化した。

ここまでも、不問としよう。

でも、正しいのはここまでだ。

では、この先、何が間違っていたのか？

答えは、前回の「学校長に呼び出された歩と両親」を再度組み込まなかったことに尽きる。

だって、冷静に “連ドラ” として見ていれば、「ギャルの格好はいいけど、犯罪はダメ」が聖人の心情になっているからだ。

じゃあ、どうすれば良かったのか？

まじめすぎる父がいるから、歩に寄り添う母の存在も際立つ

簡単なことだ。

それこそ、極論で言えば、震災だ、被災地だ、神戸だ、なんて、これっぽちも必要ない。

必要だとするなら、主人公の祖父で、聖人の父・永吉（松平健）との常に折り合いが悪いことくらいでは？

ただただ、ひたすらに今作が意図せず（だと思う）描写してきた “まじめすぎる聖人”、“意固地な聖人”、“人の言うことを容易に聞き入れない聖人” だけを描き続ければ良かったのだ。

そして、まじめすぎる、堅物すぎる父親だから…
一晩で髪を染めてギャルになった歩、犯罪を犯した歩を、歩の気持ちなど考えずに怒ってしまった… だけで、十分に「父とグレ娘の物語」になったのだ。

要するに、今作の表現では、繰り返しになるが「ギャルの格好はいいけど、犯罪はダメ」でいいの？ と。

聖人の性格なら、それこそ時代を考えれば、あの朝に歩にビンタをするくらいで、いい塩梅なのだから。

もちろん、その後の展開で、聖人が歩に手を上げない、上げられない理由は明らかになるが。

それでも、まじめすぎる父がいるから、歩に寄り添う母の存在意義も際立つわけで。

その意味では、次の愛子のセリフをもっと活用して、父と母の違いを強調しても良かったような。

愛子「あんなん 不良って言わへんから」

これでまた、まじめすぎる聖人が際立ったのに…

聖人の「だけん… だけん」をちょっと変えるだけで…

今回の聖人の大演説の中にあった次のセリフを思い出してほしい。

聖人「だけん… だけん
　歩がグレたん 俺のせいたい。
　俺が人のことば～っかり 構っとうけん
　あげんことに…。
　それもこれも 米田家の呪いのせいたい」

これの「だけん… だけん」の部分を「俺が まじめすぎるけん… 堅物すぎるけん」に付け替えるだけで良いのだ。

そうするだけで、聖人の「チクショー…」だけでなく。

聖人「そげん人たち ほっとけるか？
　俺は でけん。
　やけん 何でもいいけん 何でもいいけん
　自分が やれることをやろうとした」

このような聖人の “いつもの” 態度や言動が、少しずつ歩の心を傷つけていたと、無理せずに解釈できたのだ。

どうしてもというなら、校長先生と警察沙汰のくだりは、今回の陽太（菅生新樹）と翔也（佐野勇斗）とのやり取りくらいにあっさり風味で通過したら良かっただけ。

こここそが、エピソードの強弱や順序、各エピソードの演出のさじ加減が、脚本が言わんとする意図を理解しておらず、全体を通して最適化されていないってことなのだ。

｢お前はクソ真面目すぎて,つまらん｣が本当にもったいない

もう一つ…
エピソードの強弱や順序、各エピソードの演出のさじ加減がおかしい部分。

いいや、本当にもったいないと思う部分。

9分過ぎに、聖人の幼なじみでイチゴ農家・井出康平（須田邦裕）が、聖人に促されて言うセリフだ。

康平「お前は クソ真面目すぎて つまらん」

こういう、聖人の特徴、特性を第三者視点で表現するセリフを、事あるごとに、家族やご近所さんに言い続けさせるだけで…

時々強調しておくだけで、もっともっと聖人のキャラクターを見せて（show）魅せる（fascinate）ことだできたし。

父の性格が見えていれば、もう少し歩や結（橋本環奈）の父親への態度も、好意的に見ることができたはずだ。

まあ、毎回書いているが、今さら… ではある。

終宴後に "聖人の大演説" を組み込むことが最適解！

長くなったので…
最後に、前回と今回での致命傷を挙げておこう。

それは、前回で言及した “父と結のケンカを宴会中” にした愚策だ。

すでに書いたが、これ見よがしに回想シーンを盛り込みたいがために宴会中にしたのは見え見えで。

前回では、結に言いたいことがあるけど、打ち上げ中だから台所でビールを飲みながらグッと耐える聖人だけにしておき。

今回の、終宴後に “聖人の大演説”を組み込むのが最適解だったのだ。

そうするだけで、結と歩にとっては “あのお父さんがキレた” となり、“米田家の大事件” して意味があった描写になったのだ。

そして。

聖人の人柄だけでなく、聖人を見守る祖父の栄吉と祖母の佳代（宮崎美子）、そして妻の愛子。

かける言葉が見つからない様子の結、そして荒げる父の声を聞くだけで涙ぐむ歩の気持ちも理解できるのだ。

今回を見たら分かると思う。

後悔しまくる聖人を熱演する北村有起哉のお芝居と、「クソ真面目すぎて」のひと言があれば、震災の再現映像なんて1秒も、1コマも必要ないってことが…（惜）

あとがき

ギャルをやめるのに、さらに1週間も消費するんですね。

来週で1か月半になりますが、いつになったら、栄養士の “え” が始まるのでしょう？

昨夜放送されたテレ朝ドラマ『ザ・トラベルナース[2]』のほうが、“おむすびの魔力” で元気になるエピソードになっていますよ（笑）

最後に。
前回の感想でお知らせした「今作の感想では意識して書かずにきたこと」は、長文になりましたので、下記の投稿として独立させました。
よかったら読んでいただきたいです。

NHK連続テレビ小説「おむすび」：朝ドラが“リアルな大災害”を扱うたびに思うこと 

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【これまでの感想】

第1週『おむすびとギャル』
1 2 3 4 5 土

拍手コメント返信（2024/10/2）：「おむすび」(第3回) ※“ギャル文化”には、圧倒的な“ポジティブパワー”がある 

拍手コメント返信（2024/10/3）：「おむすび」(第4回) ※「虎に翼」の総括、「おむすび」結のモデルと脚本家について深掘り解説します(更新) 

朝ドラ「おむすび」未だに“姉と妹の子ども時代の初期物語”がないのは…ある事情で追って“伝説のギャルのスピンオフ”をやるから!? 

第2週『ギャルって何なん？』
6 7 8 9 10 土

第3週『夢って何なん？』
11 12 13 14 15 土

第4週『うちとお姉ちゃん』
16 17 18 19 20  土

朝ドラ「おむすび」：提灯記事に加え,ついに注意喚起までやる必死さ！でも,その前にやることがあると思う 

第5週『あの日のこと』
21 22 23 24 

NHK連続テレビ小説「おむすび」：朝ドラが“リアルな大災害”を扱うたびに思うこと 

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主人公のモデルの1人：松丸奨
　　　※1983年千葉県生まれの栄養教諭・管理栄養士
　　　（過去作/｢Chef~三ッ星の給食~｣給食監修指導）
　　　※人物像作成のための取材を受けた複数名の1人であると判明(2024/10/9)
　　　ﾈﾀ元：松丸奨@men's管理栄養士 [@matsumarurecipe] (2024年9月30日) 
タイトルロゴ制作：大島慶一郎（Keiichiro Oshima ）
タイトル映像：田向潤（過去作/きゃりーぱみゅぱみゅ,くるり,緑黄色社会MV）
イラスト：サンレモ（ILLUSTRATOR サンレモ ）
振付：TAKAHIRO（欅坂46,日向坂46,櫻坂46,ゆず,SEKAI NO OWARI,藤井風）
栄養学考証：中村丁次（神奈川県立保健福祉大学教員）
福岡ことは指導：坪内陽子（元MRT宮崎放送ｱﾅｳﾝｻｰ）
栃木ことは指：猪瀬光博（栃木県出身の俳優）
神戸ことは指導：辻葉子（兵庫県出身の俳優）
ギャルことば指導：Rumi（美容･ｷﾞｬﾙ評論家,今作ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ指導）
医事指導：矢木崇善（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,）
料理指導：広里貴子（過去作/ごちそうさん,まんぷく,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
書道指導：津吾井香奈（｢書道ﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽ甲子園｣指導など）
農業指導：德安出雲
理容指導：宮城丈二（兵庫県理容組合理事長）
警察指導：板東正敏子（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
美術：西村薫（過去作/ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,ﾊﾑﾗｱｷﾗ,舞いあがれ!）
技術・増田徹
音響効果：林恵太郎
助監督：藤玲衣,影浦安希子,山田陽介,畑本健太
　　　小峰陸矢,亀井優成,長澤康貴,佐伯木乃実
　　　竹原朋加,林祐香,増田愛海,野曽原明香,福崎功真
スケジューラー：南野彩子（NHK BSﾄﾞﾗﾏ｢ﾊﾟｰｾﾝﾄ｣ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ）
リサーチ：有川奈々絵（NPO法人 かごしまﾌｨﾙﾑｵﾌｨｽ）
撮影：竹内北斗（過去作/ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
照明：岡元昌弘（過去作/軍師官兵衛）
音声： 渡辺暁雄
映像技術：山下健
カラーグレーティング：中井高人
VFX ：佐久間正泰
美術進行：鴫原広起
装置：内田健
裝飾：野崎次郎
衣装：早藤博
メイク：西口富美子
制作：原田潔,岡本剛毅,中津琢,扇谷愛理,杉山遥人,高田寛之
プロデューサー：菅原弘（過去作/天国にいちばん近い島,二代目はｸﾘｽﾁｬﾝ,ぼくらの七日間戦争）
※敬称略

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感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。

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