連続テレビ小説「あんぱん」 （第74回・2025/7/10） 感想 ※「批判とツッコミありき」のご質問にお答えしつつ、脚本と演出を胸熱解説中！

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
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第74回／第15週『いざ！東京』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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東京出張の前日。みんなで取材する代議士の資料を確認していたのぶ（今田美桜）は、岩清水（倉悠貴）が話す『ガード下の女王』と呼ばれる婦人代議士に興味を示す。その夜、健太郎（高橋文哉）と酒を飲みながらのぶについて語っていた嵩は、近くにいた琴子（鳴海唯）に女心がわかっていないと一喝され、ある秘密が明かされる。そんな嵩に、健太郎は東京で長年の思いを伝えるべきと背中を押す。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]）  第2～7,9,11,13,15週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ 第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万）
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

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"月刊誌は騒いで、朝刊一面は騒がないのはおかしい"のか？

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

感想に入る前に、複数の読者様から同一の質問をいただいたので私の見解を書いておく。

その質問は、こんな感じ…

「前回で、のぶの家族たちは、発行部数2,000部程度の「月刊誌」に‘のぶ’の記事が載ったことを喜んでいましたが。
すでに、のぶは、月刊誌よりはるかに発行部数が多い「朝刊」のしかも「一面」に記事が載った際には、のぶの家族たちはスルーしました。
おかしくないですか？」

結論から言うと。

《全くおかしないし、むしろ「おかしい」と感じるほうが「おかしい」のでは？》である。

なぜ今作の視聴者の間で朝刊一面が話題にならなかったの？

まず、昭和26年当時の高知新聞の発行部数を調べたが、ネット上に数字を見つけることはできなかった。

しかし、当時の高知県の人口は約80万人前後。

仮に世帯数が20万世帯程度（4人家族を標準にして）で、そのうちの半分以下の3?4割が高知新聞を購読していたとすれば、発行部数はおおよそ6万?8万部程度だった可能性がある。

いずれにしても、『月刊くじら』の30～40倍の購読者がいたと思う。

では、なぜ、そんなに多くの人の目に触れる「朝刊の一面」が、今作を見た人たちの間で話題にならなかったのか？

ここには、二つの考えが出来る。

のぶの記事の「朝刊一面」自体が、描かれていないから！

一つは、第66回（6月7日放送）の感想で私が書いたことだ。

要するに、のぶが “ビギナーズラック” だから、のぶ本人も周囲（新聞社内）も「よくあること」として話題にせず、その延長線上で、のぶの実家も騒がなかった。 　※ビギナーズラックとは、本来であればスキルや知識が必要な事柄に対して、初心者が幸運にも好成績を残す現象のこと。

二つ目は、のぶが書いた記事が「朝刊の一面」に載ったこと自体が《今作の中で受け流されているから》である。

さすがに、少々雑な理由に思うかもしれないが。

「批判ありき、ツッコミありき」で書いているとか思えない

そもそも、《今作の中で受け流されているから》現実（ドラマの世界の中）で “大したことではない” ということだ。

分かりやすく書けば、大事件ならば “ドラマ” の中で取り合うかだろうに、取り扱わないってことは “ドラマ” にとって《重要なことでない》って意味。

それに対して、先述の “ビギナーズラック” でない〈のぶと嵩の実力〉で勝ち取った『月刊くじら』への掲載は、今作にとっては《描くべき一大事》という位置づけだってこと。

よーく、考えていただきたい。

これ、のぶや家族が、のぶの初めての記事が朝刊に載ったことを、例えば「へえ、そうなのか」と描いたのなら、『月刊くじら』に対する大喜びと “つながらない” をケチをつけるのは筋が通る。

しかし、繰り返すが「へえ、そうなのか」すら、描いていないのだ。

したがって、好意的だろうがそうでなかろうが、「描いていない、描かれていないことは、ないのと一緒」であり。

当ブログがいつも書くように、次の三つの要素に抵触するのだ。

　●「描かれていないこと」を「描けるのに描いていない」とするのも、逆説的に好意的な脳内補完である

　●本人が自覚しようがしまいが、好意的な脳内補完は個人の “創作” であり、全視聴者共通の認識ではない

　●「行間を読む」ことと、「好意的な脳内補完」は違うどころか、真逆なこと

複数の読者様から同一の質問が来るのは珍しいので、どこかのネット記事やSNSで論じられているのかもしれない。

でも、これ、私が言うと「お前が言うな」と言われそうだが、「批判ありき、ツッコミありき」で書いているとか思えないのだが…

なぜ、「のぶの家」でカレンダーを強調しないのだろう…

今回の感想だ。

健太郎「ああ　メイコちゃん。
　また来てくれたとね」

別に、揚げ足取りや重箱の隅を楊枝でほじくるつもりはない。

むしろ、今週の脚本はいつも以上に詳細に書いているから、演出も追従したらよいのにって思うこと。

それは、メイコ（原菜乃華）が健太郎（高橋文哉）の闇市の店にやって来た場面でで、健太郎が次のように言っていたことに通じる。

健太郎「休みの日も忙しそうっちゃんね」

このことから、きょうの設定が「休みの日（＝日曜日）であることは、容易に想像できる。

だったら、ここ数日やっているように、チラッと「のぶの家」にカレンダーを忍ばせて、日曜日を強調したらよかったのに…　ってこと。

いや、 そもそも論 《その1》 として、 日付に追われる仕事をしている新聞記者の家に、日めくりカレンダーすらないのが解せないのだ。

もちろん、先週まで「のぶの家」にはカレンダーがない設定だったから、今週が今作初演出担当の佐原裕貴氏が勝手にカレンダーを吊るすわけにはいかないのだろう。

でも、ここは「演出部」として「カレンダーの有無」はもっと精査すべきだったと思う。

まあ、実際は「カレンダーの設定を間違えると面倒なことになる」から、置かなかった可能性のほうが大きいとは思うが（困）

メイコと健太郎の「斜めを多用した構図」の効果を解説！

さて、今回の前半のキーワード、いや、最重要なセリフが、次ののぶ（今田美桜）のセリフだ。

のぶ「幸せになるかどうかより
　この人とやったら　不幸になってもえい。
　それが…
　本当に好きやということやないろうか」

私の個人的な受け取りは、「この人とやったら　苦労をしてもえい」だが。

だって、「不幸になってもえい」なんて思う人がいるだろうか？　って思うから。

まあ、いいけど。

とはいえ、次の健太郎のセリフを書いたから許容はできる。

健太郎「せっかく生きとっちゃけん。
　幸せにならんと　意味なかろうもん」

そして、演出のプチ解説をやっておこう。

ここのカット、次のような構図になっているのだ。

©NHK

まず、「のど自慢」の象徴として「ラジオが流れてくるスピーカー」を強調して。

メイコと健太郎の恋バナがこのまま順調に進むのか分からなくするため、この直後の「元締めが来る」の騒動のため、闇市の店の存続までに不安定を感じさせる「斜めを多用した構図」だ。

しかも、スピーカーの直径に合わせて、その延長線上内にメイコと健太郎を配置することで、ふたりの世界だけは同一円状にあるって意味合いでは？

いずれにしても、斜めを友好的に活用した面白い構図で、ちゃんと印象に残るようになっているのだ。

〈無くても成立する・回りくどい〉でも、演出の妙で魅せる

さあて、今回の15分間がちょっと風変わりに感じた人、私以外にもいたのでは？

今回で本当に重要、いや、必要だったのは下記の四点では？

　●東京で取材する代議士が‘ガード下の女王’と呼ばれる婦人代議士で
　●その人間性に‘のぶ’が興味を示した
　●琴子（鳴海唯）に嵩（北村匠海）が女心が分かっていないと一喝されて
　●「あなたが高知新報に入社できたがは　彼女のおかげですき」

その他の部分は〈無くても成立する〉のだ。

よって、今回も脚本による展開や進展は基本的に「回りくどい」のだ。

しかし、絶妙な塩梅の演出によって、「メイコとのぶ」「メイコと健ちゃん」「嵩と健ちゃん」のくだりも、それなりに面白く見える。

それは、繰り返しになるが〈丁寧な演出〉があるからだ。

先の「斜めの構図」や、「‘ガード下の女王’のチラ見せ具合」とか。

©NHK

極めつけは、琴子が態度を翻るところのカット。

©NHK

別に、ここまでやる必要はないのに、琴子がグラスを手に持ってくるりと向きを変える動作を強調することで、話の展開も「向きを変える」と見えるのだ。

しかも、ピントが合っているのは、グラスでも琴子でもなくて「嵩」。

そのことで、嵩がこれまで思っていたことが「変わる」と暗示できているわけだ。

ここまで踏み込んだ演出があるから、全体は「回りくどい」けど、内容は一歩一歩「丁寧に進んでいる」に見えると思う。

あとがき

私は「いい感じ」で進んでいると思いますけどね。

皆様にとってはどうでしょう？

話変わって…　次回あたりにやるのかな？

それは、『NHK朝ドラ「あんぱん」高知日報編集局主任・東海林明（津田健次郎）のモデル“青山茂”と「おでん事件」について解説します！』にも書いた「おでん事件」です。

次回は「おでん事件」で引っ張って、オーラスでバーンと‘ガード下の女王’こと薪鉄子（戸田恵子）が登場でしょうね。

このあと、‘ガード下の女王’のモデルを推測した記事を投稿予定なので、お楽しみに！

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
土佐弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 

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【"2025年7月期/夏ドラマの期待度" を投稿＆更新しました】
【2025年7月期/夏ドラマ】の視聴予定＆期待度! 配役,スタッフ,概要などの情報も満載!!の内容を更新しました。読者の皆さんの見逃したくない連ドラを見つけるお役に立てれば幸いです。

感想の趣旨について

当ブログの感想は、僭越ながら 「もっと こうしたらよいのに…」を追究 することで、広く映像作品を楽しめるようになることを目的としています。
作品の 粗探しや重箱の隅を楊枝でほじくる こと、スタッフの人格否定や俳優の個人攻撃 が 目的ではない ことをご理解ください。

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