連続テレビ小説「あんぱん」 （第15週／ダイジェスト版・2025/7/12） 感想 ※二度あることは三度ある！しかも三度目が最も秀逸!!

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第15週『いざ！東京』の「ダイジェスト版（土曜日版）」の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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嵩（北村匠海）は高知新報の入社試験を受け、のぶ（今田美桜）に「世界一面白いものを作りたい」と語る。のぶは古新聞からある発見をし、嵩は急遽記事の挿絵を描くことに。これがきっかけで嵩は採用され、『月刊くじら』編集部へ異動。創刊号は二日で完売し、次号の特集で東京取材が決定する。のぶは『ガード下の女王』に興味を抱き、嵩は琴子（鳴海唯）に叱咤されつつ東京へ。取材中、嵩らが突然腹痛に襲われ、のぶに謎の女性が声をかけてくる。
------上記のあらすじは、当ブログのオリジナル------

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原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]）  第2～7,9,11,13,15週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ 第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万）
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

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第13、14週の「ダイジェスト版」の秀逸さを振り返る

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

最初に、今週の「ダイジェスト版」との比較の目的で、前2週分を簡単に振り返ってみたい。

第13週の感想は、下記のような表題をつけた。

連続テレビ小説「あんぱん」 （第13週／ダイジェスト版・2025/6/28） 感想 ※今週の「ダイジェスト版」は、見て損はない！  http://dmesen.blog71.fc2.com/blog-entry-15810.html

そう、「見て損ない！」と称賛したのだ。

第13週の「本編」は、主人公ののぶ（今田美桜）の自分語りが多く、そこを強調しすぎために…
戦争から帰還した嵩（北村匠海）の心情描写が後退し、第12週での戦争描写が意味のないものになったのだ。

ところが、「ダイジェスト版」では、薄まったはずの「帰還した嵩の物語」にスポットライトを当てる編集を試みたために…
「戦地で苦境を体験した嵩」と「高知で戦争を体験したのぶ」を対比するような分かりやすい構造になったのだ。

第14週の感想はこうだった。

連続テレビ小説「あんぱん」 （第14週／ダイジェスト版・2025/7/5） 感想 ※今週の「ダイジェスト版」は、見ておくと納得度が上がる！  http://dmesen.blog71.fc2.com/blog-entry-15817.html

こちらは、「見ておくと納得度が上がる！」と称賛したのだ。

第14週の「本編」は、とにかく「高知新報で奮闘するのぶ」を全編的に押し出す映像だった。

要するに「のぶの出番」と次々とつなげた映像になって、流れすらよく分からない展開だったのだ。

ところが、「ダイジェスト版」では、「入社試験に頑張る嵩」を可能な限り残した上で…
のぶの「入社試験に頑張る嵩」を助ける様子を琴子（鳴海唯）も利用して強調したのだ。

よって、「のぶと嵩のダブル主人公」に見えたし、「嵩の目標」と「のぶがやりたいこと」が明確に伝わったのだ。

冒頭2分間で、"のぶと嵩の未来に向かう物語"になっている!

今週の「ダイジェスト版」の構成の軸は、おそらく “帰還したからこその嵩の物語” だ。

あえて「帰還したからこそ」と書き添えたのは、序盤からそう強調されたからだ。

のぶの「たっすいがーはいかん！」に直結するカタチで…

嵩「アメリカ兵から　ガラクタもらって
　それを闇市で売ってた。
　そのガラクタの中に　希望があったんだ」
のぶ「希望？」
嵩「アメリカの雑誌。
　絵も写真も記事も　漫画も。
　（中略）絵を描きたい
　漫画を描きたいっていう思いが
　どんどん湧いてきて…」

そして…

のぶ「今度　うちで雑誌も作るがよ」
嵩「え？」
のぶ「世界一面白い雑誌を作るがで」

これだけで “のぶと嵩の未来に向かう物語” になっているのだ！

これ、第71回（7月7日）放送分を的確につまんだ（編集した）から、「本編」の印象では別々だった「すでに編集部員ののぶ」と、「やがて編集部員になる嵩」が “ひとつ” になったのだ。

もう、序盤の約2分を見ただけで、「本編」と雲泥の差があるのだ。

まだ‘本質・本当’を分かっているスタッフがいる

さて、さりげなく秀逸な編集を挙げておこう。

第73回（7月9日放送）で、のぶが書いた原稿が、ようやく編集長の東海林（津田健次郎）に認めれるくだりで。

「本編」には次のセリフがあった。

東海林「よう　俺の直しに耐えたな」

本編の感想でも触れたが、このセリフの直前に、一度も「のぶが東海林の手直しに耐えた」なんてないのだ。

「ない」のに、盛り込んだから違和感しかなかった。

でも、今週の「ダイジェスト版」の編集担当は、この違和感に気付いたのだ。

だって、「入れた」ほうが、主人公のぶが苦労しているような印象になるのに…　であるだ。

でも、「ダイジェスト版」で削除したことで、≪今週は、のぶの手柄を描く内容ではない≫と理解していたのだろう。

ついでに書けば、例の第74回（7月10日放送）の感想でも褒めた「琴子のグラス」が残されていたのも、編集担当の力量が見て取れるのだ。

やはり、「まだ‘本質・本当’を分かっているスタッフがいる」と捉えるべきだと思う。

本当に巧みに編集できているのが「のぶたちの東京行き」

本題に戻ろう。

今週の「ダイジェスト版」で、本当によく編集できているのが「のぶたちの東京行き」だ。

「本編」では、私が先日感想に投稿したように…

［史実］もあるが。

‘ガード下の女王’こと薪鉄子（戸田恵子）の出番を作るために、東京に行くために、『月刊くじら』を盛り込み、大人気で即第2号にしたような、これ見よがしな展開になっていたのだ。

しかし、暢たちが東京に到着した直後に、まず次の語りを追加。

語り「『ガード下の女王』の消息を追いましたが
　有力な情報は得られません」

さらに、のぶたちが薪鉄子と出会った後にも追加。

語り「『ガード下の女王』に会えないまま
　東京取材の最終日を迎えました」

この二つの追加ナレーションによって、「薪鉄子を取材したい」だと、しっかり強調されたのだ。

のぶたちの行動目的が「東京に行っていたい」「東京に取材に行きたい」「高知出身の代議士の取材をしたい」でもなく…

ホント、よくぞここまで〈大胆な編集）をやったものだ！

で、この「薪鉄子を取材したい」が強調されると、どんな効果があるのか？

それは、〈『月刊くじら』の取材〉であることが明確になるのだ。

もちろん、第73回の「本編」内に次の東海林のセリフがあるから、〈『月刊くじら』の取材〉であることは明確だったのだが。

東海林「俺は　この4ページで
　特集を組んだらいいと思う」

でも、「本編」ではそこを強調しないから、「東京に行きたいだけじゃないの？」に見えてしまったのだ。

その上、「広告主とのトラブル」「メイコと健太郎の恋バナ」も盛り込んで強調したから、いわゆる “詰め込みすぎ” だったのだ。

しかし、「ダイジェスト版」ではそれらをほぼカットして。

終盤の麻雀のくだりの「のぶと‘ガード下の女王’の目と目が合う」で、〈『月刊くじら』の取材〉のイントロが完了・完結したわけだ。

ホント、よくぞここまで思い切って切った貼った（＝大胆な編集）をやったものだと感心しかない。

土曜日版が、物語の流れも、描きたいことも明瞭に見える！

これだけ熱弁しても、分からない人は分からないだろうし、伝わらない人には伝わらないと思う。

でも、妙な好意的な解釈をしないで、「本編」を見続けた人なら分かるのでは？

「本編よりも、ダイジェスト版のほうが、物語の流れも、何を描きたいのかも明瞭に見える」と。

そして、もっともっと深く今作を見続けてきた人なら、次のことも見えてきたのでは？

　●‘たっすいがー（気弱で繊細）’な嵩を、静かな「深謀」と華麗な「機転」で支えるのぶ
　　※ここでの「機転」は、物事の流れを読んで即座に対応するセンス。ちょっとしたユーモアや驚きすら忍ばせる小技の効いた知性のこと
　　※深謀は、舞台裏で何手も先を見据えながら策を練る、まるで棋士のような静かな力のこと 　●嵩の才能と夢を最も理解する、人生の同志的存在がのぶ
　●のぶの生き様こそが、嵩にとっては生きるエネルギー源

もちろん、上記は［史実］における「やなせたかしさん」と「小松暢さん」由来の内容だが。

今週の「ダイジェスト版」だけを見て評価するなら、間違いなく《のぶと嵩の夫婦の物語》になっているし。

ようやく、朝ドラがお得意で王道の《夫婦二人三脚もの》に進んでいきそうだ。

あとがき

第13～15週の「ダイジェスト版」だけ、続けてみると分かるのは。

「のぶと嵩、嵩とのぶは、対等かつ深い信頼で結ばれた物語」であることが分かりますよ。

それって、「ザ・昭和」の「夫を陰で支える典型的昭和妻」でもなく、「ぐいぐいと夫を引っ張る強気妻」でもない、「昭和時代の理想的パートナーシップ」に近い関係に見えるんですね。

それが、令和の今、同人々に映るのか？

そんなところまで考えたくなる、良き仕上がりでした。

いやぁ、個人的なことですけど。
前回（第75回）の Web拍手数が、前作『あんぱん』でも出なかった最小値だったので、今回は「なにくそ精神」で書きました（笑）

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
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