連続テレビ小説「あんぱん」 （第115回・2025/9/5） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
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第115回／第23週『ぼくらは無力だけれど』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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蘭子（河合優実）が柳井家に草吉（阿部サダヲ）を連れてくる。久々の再会に大喜びののぶ（今田美桜）たち。そのころ、手嶌（眞栄田郷敦）の仕事場を訪れていた嵩（北村匠海）は、映画の主人公について考えながら草吉を思っていた。帰宅後、家に草吉が来ていたと聞いて驚く嵩。１か月後の８月１５日。それぞれが黙とうを捧げる中、嵩は何かを決意し…。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]）  第2～7,9,11,13,15,17,19,21,23週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ 第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14,16,18,20,22週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12,17,22,23週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14,19週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13,16,21週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15,20週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万） 第18週
　　　日高瑠里（過去作/光る君へ/第31,42話のみ） 第22週※本来の「高」ははしごだか
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼・海老原優
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

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映像的に、見た目でも、“約27年の時間経過”を感じない

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

もう少し内容が良い方向に向かうまで、少しエネルギーは抑え目で書かせていただきます。
　※しばらくの間、テンプレです…(謝)

次のような‘ドラマの見方’が決して正しいとは思わないが。

アバンタイトルの、のぶ（今田美桜）、蘭子（河合優実）、そしてメイコ（原菜乃華）が草吉（阿部サダヲ）を見て驚いていたが。

昭和42年（1967）時点で、のぶ・嵩＝48歳、蘭子＝46歳、メイコ＝44歳なのだ。

で、草吉が一時退場したのが第45回（5月30日放送）で。

昭和15年（1940）時点の年齢は、のぶ・嵩＝21歳、蘭子・千尋＝19歳、メイコ＝17歳。 　※草吉が一時退場した時期が間違っていたらごめんなさい…

脚本は草吉に、あえて次のセリフを言わせたが。

草吉「お前ら　全員　老けたな」

そう、映像的に、見た目でも、私は、1ミリも “約27年の時間経過” を感じないのだが。

一部では「新居に引っ越してから‘のぶ’は若返った」との意見もある。

今田美桜さんが、現在、第一生命保険、P&G、コーセーなど健康や美容に関する企業のCMに出演しているため “老けメイク” はできるだけ避けるとの契約なのかもしれないが。

さすがに、一種の「女の一代記」でもある『朝ドラ』の仕事を請けたのなら、スポンサーも所属事務所ももう少し頑張ってほしかった。

それにしても、「今どき、ルッキズムは？」なんてことを言うつもりはないが。

せめて、「くだらない！」と思わせないようにだけはしてほしかった。

視聴者が知っていることを、登場人物に説明する必要って？

ここから、「本編」の感想だ。

しかし、呆れるくらいに “嵩の物語” を描く気配がない。

アバンタイトルから、タイトル明けの約5分18秒、ず～～～っとダラダラと無駄話。

その上、チーフ監督・柳川強氏は俳優さんたちのアドリブを長尺で残す癖（愚癖(ぐせ)と言いたいです）がある。

素人と内輪ではこういのがウケるかもしれないが。

冷静になれば分かると思うが、そもそも論 《その1》 として。

登場人物を利用して、その登場人物たちが知らないことを視聴者に対して提示する必要があるのか？

百歩譲って、視聴者が提示されていない（見聞きしていない） “草吉の空白の27年間” は描く意味は多少あるとは思う。

しかし、これまで（一応）今作が視聴者に提示し続けた “朝田家の27年間” を、本人たちに語らせる意味ってあるのだろうか？

むしろ、脚本家や演出家や制作統括が本来ここでやるべきは、単刀直入に「久しぶりの再会への驚き」だけでは？

それこそ、驚きさえうまく表現できれば、あとは「そうだったんだ」で済むのだ。

序盤の約5分間なんて、30秒もあれば十分だろうに。

明らかに、（今回も）脚本と演出が失敗したと思う。

手嶌と嵩のスゴさが、一向に伝わってこない！

ほぼ朝田家のコント風が終わって、ようやく “嵩の物語” が始まった。

ただ、ここで引っ掛かったのは、手嶌（眞栄田郷敦）と嵩（北村匠海）の描写についてだ。

《映像として、手嶌と嵩の漫画界での大きさの違いが見えてこない》

《映像として、嵩にとっての手嶌の偉大さが伝わってこない》

《映像として、手嶌にとって嵩への期待感が伝わってこない》

もちろん、「全く見えてこないし、伝わってこない」わけではない。

薄らと描いているのは認めるのだ。

しかし、印象が弱すぎるのだ。

文化的エポック未満──手塚治虫とやなせたかしの接点

その理由は簡単だ。

『鉄腕アトム』の手塚治虫氏と、のちに『アンパンマン』を生み出すやなせたかし氏が、奇跡を超えて巡り合うという、画期的な出来事、歴史的エポックであるというサプライズ感を前回の第114回（9月4日放送）の “出会い” で創出できなかったからだ。

こう書くと「ドラマと史実は違う」などという声もあるだろう。

しかし、誰が見たって、嵩はやなせたかし氏であり、手嶌は手塚治虫氏なのだ。

そして、このあとに別記事で書く予定だが、［史実］だって‘時代の節目’が訪れたような感じなのだ。

だから、本来、‘ミスターロマンチスト’と内輪で呼ばれている今週の演出・柳川氏がやるべきだったのは。

サブキャラクターに昭和のロマンポルノのような傘を使った妙な演出をやるのではなく。

嵩と手嶌との出会いを、思い切りロマンチックに描くことだったのだ。

それを見誤ったから、今回の「嵩と手嶌のやり取り」にもワクワクやドキドキを感じないし。

そもそも論 《その2》 として、 今作が『あんぱん』の全編にわたって強調すべき “才能へのリスペクト” が感じとれないのだ。

「メガネの漫画家のオジサン二人が次作について語り合っている」に見せるだけでは意味がないってことだ。

この展開なら、嵩の詩集のファン、中里佳保は必要なかった

今回で、最も違和感が大きかったのが、終盤の草吉の自分語りから、のぶと嵩のやりとりの最後までだ。

これを見た多くの視聴者は、こう思ったのでは？

「これが、あの‘アンパンマン’の誕生秘話の序章になるのか」

確かに、嵩が、千尋（中沢元紀）と登美子（松嶋菜々子）、豪（細田佳央太）と蘭子、八木（妻夫木聡）、草吉らのために…　は、誕生秘話として間違っていない。

しかし、それと同時に感じたのは、第109回（8月28日放送）に登場した、嵩の詩集のファン、中里佳保（永瀬ゆずな）は必要なかったということだ。

なぜなら、第109回では、佳保のひと言が嵩の「初期のアンパンマン」への気持ちを強くした…　と描いたのだ。

普通に考えれば、佳保のひと言から『アンパンマン』へ進んでも良かったのだ。

しかし今作は、丸一週間 “サブキャラの物語” で寄り道をしまくったのだ。

手嶌とのキャラ構築の仕事でアンパンマンを思いつけば…

これ、どう考えても、佳保と祖父・砂男（浅野和之）は不要だったのでは？

詩集が大ヒットし、ラジオドラマ『やさしいライオン』を聞いた手嶌が嵩に仕事を依頼し、キャラクターを制作する過程で “ぼくらは無力だけれど” と思いつくだけでよかったのだ。

いくらなんでも、今回の展開があるのに、脚本の中園ミホ氏が自身の幼少期を反映させたキャラで、朝ドラを私物化し陶酔するのはいかがなものか！

いや、どうしても入れたいのなら、生意気な佳保の直後に、手嶌から誘いを入れて、今回の‘のぶ’と嵩のやり取りの中に回想シーンとして組み込めばよかっただけなのだ。

そうすれば、「佳保の言葉のおかげ」となって、ぎりぎりで許容できたと思う。

あとがき

今回を見て、今作の異様な部分が見えました。

それは、27年間、ほぼ誰も、朝田家の人間が草吉を心配するような描写がなかったことです。

そう、厳しい言い方をすれば、朝田家は “人でなし” “人情味がない” ということ。

いいや、“人でなし” “人情味がない” のは、嵩も同類ですよね。

南海地震の際に、近くに住んでいる育ての親・千代子（戸田菜穂）を心配せず、寝ていたと描いたのです。

少なくとも、朝ドラは “ホームドラマ” の一面があるのに…　です。

むしろ、前作『おむすび』のほうが、お節介を焼くという意味で “ホームドラマ” らしかったと言えると思います。

しかし、ここまで「ブツ切れの箇条書き」で草吉をぶち込んで来るとは、雑にもほどがあると思いますけど。

このあと、朝ドラ「あんぱん」「手塚治虫氏の突然の電話が切り拓いたやなせたかしの才能」と「やなせ氏のー児童文化に刻まれた偉大な功績」について投稿します。
お楽しみに。

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
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