連続テレビ小説「あんぱん」 （第118回・2025/9/10） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
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第118回／第24週『あんぱんまん誕生』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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のぶ（今田美桜）は八木（妻夫木聡）の会社で子どもたちに『アンパンマン』の読み聞かせをすることに。だが、子どもたちは興味がないようで…。しばらくして、嵩（北村匠海）が監督を務めた映画『やさしいライオン』が公開され、好評を博す。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]）  第2～7,9,11,13,15,17,19,21,23週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ 第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14,16,18,20,22,24週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12,17,22,23週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14,19,24週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13,16,21週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15,20週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万） 第18週
　　　日高瑠里（過去作/光る君へ/第31,42話のみ） 第22週※本来の「高」ははしごだか
　　　榎本彩乃（過去作/NHKﾗｼﾞｵFMｼｱﾀｰ｢ｱﾗｶﾙﾄ｣,ここは今から倫理です｡(演出部)） 第24週
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
※敬称略

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「のぶのおかげのオンパレード」への質問にお答えします！

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、管理人のみっきーです！
お仕事や学校の休憩時間や移動中の方、就職活動中の方、病気療養、子育て、介護など、それぞれの生活を送る読者の皆様…
私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

もう少し内容が良い方向に向かうまで、少しエネルギーは抑え目で書かせていただきます。
　※しばらくの間、テンプレです…(謝)

ある読者様からこんなコメントをいただいた。

「とあるネット記事で、『ここまで‘のぶのおかげ’のオンパレードに違和感しかない」と書いてありました。みっきーさんはどう思いますか？」

確かに、前回では、のぶ（今田美桜）と嵩（北村匠海）と手嶌（眞栄田郷敦）の電話、のぶと嵩と女性編集者・本間詩織（平井珠生）とのやり取りは、“のぶのおかげ” が連続投下されたのは間違いない。

しかし、私は、それこそ‘のぶ’と嵩が結婚した以降に連発された “のぶのおかげ” とは、少し “少しだけ質が違う” という判断を下したから、前回触れなかったのだ。

私は、『あんぱん』における “のぶのおかげ” には二つの用法、二つの意味合いがあると思っている。

《必死に嵩の才能の高さを表す記号》である考えは間違い

一つは、先週までの “のぶのおかげ” にあった《とにかく、必死に嵩の才能の高さを表す記号》だ。

先週までの今作は、特に、過程を描かず、エピソードは箇条書きで、全てにおいて “つながりが欠落” していた。

しかし、物語を進めるためには “嵩の仕事の成功” が不可欠だ。

普通なら、嵩の仕事のスゴさを《嵩自身の映像で見せて（show）魅せる（fascinate）》のだが、今作はやらないし、やれない。

そこで、嵩の仕事のスゴさを《のぶのおかげで嵩の仕事はスゴい》とやるのだ。

そう、冷静に考えれば分かるとおり、のぶのスゴさを表現しているに過ぎない。

しかし、なぜか、今作の脚本家や演出家や制作統括は平気で積み重ねてきたのだ。

だから、一つ目の《とにかく、必死に嵩の才能の高さを表す記号》は間違いである。

嵩自身が「のぶちゃんのおかげで」と思っているか？

そこで、二つ目は《のぶの売り込みで嵩の仕事が増えて評価されるための記号》だ。

これは、今作の幼少期にもつながるのだが。

幼少期の‘のぶ’は、何かと “たっすいがーの嵩が気になって口や手を出す” をやっていた。

クラスでいじめられ、一人お弁当を食べている嵩のところに、地元の子どもたちが「東京もんはこんなもん食いゆうがか。生意気や」と言って近づき、おいしそうな嵩のお弁当をつまみ食いされる状況になった際に、のぶが「卑怯者は許せん！」と割って入った印象的なくだりだ。

そう、あれこそが、嵩にとっての “のぶのおかげ” である。

要するに、嵩にとって、嵩自身が「のぶちゃんのおかげで」と思っているかどうかが分かれ目なのだ。

そして、子供時代の弁当騒動も、前回の売り込みも、嵩にとって、嵩自身が「のぶちゃんのおかで」と思っている点で同じだと思う。

だから、前回の “のぶのおかげ” は、ある意味で “原点回帰” であり “軌道修正” であると評価したのだ。

“のぶのおかげ”よりも問題視するべきは“八木のおかげ”

どうやら、月曜日の第116回（9月8日）だけ、メイン脚本の中園ミホ氏が執筆しただけで。

前回の第117回（9月9日）から、またサブの脚本協力が執筆しているようだ（想像です）。

だって、第116回は無理に‘いいとこ探し’をしなくても、褒めるところがあったに。

前回から、また先週までのグダグダ＆グズグズ状態に舞い戻ってしまっているからだ。

前置きが長くなったが、ここからが今回の感想だ。

感想の序盤で、“のぶのおかげ” に関して書いたが、今回を見て感じたのは。

“のぶのおかげ” よりも問題視するべきは “八木のおかげ” である…　ということだ。

「のぶの依頼で八木が集めた子供たち」が妥当なのでは？

語り「八木の呼びかけで集めてくれた」

確かに、これ↑は日本語としては間違っていない。

「八木が呼び掛けて集めた」でないことに、ミジンコ並みの “のぶへの配慮” を感じなくもないが。

しかし、わずか前回の、終盤のことなのに、脚本協力の三谷昌登氏は自分が描いたことすら忘れたようだ。

だって、前回の終盤で三谷氏が自ら描いたのは「嵩の絵を見て‘何か’に気づいた‘のぶ’が八木に会いに行った」なのだ。

だったら、一般的に考えれば「のぶの依頼で八木が集めた子供たち」が妥当なのでは？

今回の「八木の呼びかけで」がどんなに異様なのか…

なぜ、私がこだわるのか？

ドラマの解釈と描写は “八木のおかげ” に聞こえるが、後者なら “のぶのおかげ” になるからだ。

もう、ここで、“のぶのおかげ” の是非を問うような馬鹿げたことはやるつもりはない。

でも、今作が “建前上の‘のぶ’の物語” であると同時に “のぶと嵩の夫婦の物語” であるとの大前提、出発点、原点に返れば。

脚本が書くべきは、できるだけ “のぶのおかげ” に見えるように描く…　ではないのか！

一応、繰り返すが、

今作の《正しい “のぶのおかげ” の使い方》は…

視聴者にとって「のぶが、また出しゃばって」に見えるかどうかではなく、嵩にとって、嵩自身が「のぶちゃんのおかげだ」と思っているように見えるかどうかである。

そう考えれば、今回の「八木の呼びかけで」がどんなに異様なのかご理解いただけるのでは？

平仮名の「あんぱんまん」とカタカタの「アンパンマン」

それにしても、相変わらずの “徹底した箇条書き” 三昧である。

個人的には、平仮名表記の「あんぱんまん」とカタカタ表記の「アンパンマン」の違いや経緯をドラマで見たかったのだが。

嵩も迷うことなく、のぶに相談する場面も1カットもなく、華麗に《『アンパンマン』に決定済み》で始まった。

きっと、脚本家も演出家も制作統括も、月曜日で『アンパンマン誕生』を描いたから気を抜いているのだ。

だから、残り来週で（あえて詳細は書きません）ミュージカル『怪傑アンパンマン』の大ヒットをやって、最終週で晩年をやるだけ…　だと思っているのだ。

とにかく、もう誰が脚本協力だったのか忘れたし、調べる気にもならないが。

"人気俳優×大勢の子役＝拡散必至シーン誕生！"でいいの？

なぜ、今作の脚本家も制作統括も（演出家は脚本に書かれていないことは、基本的にやれませんので除外）『アンパンマン』の世界観を《のぶのセリフで語らせる》をやりたがるのか！

アンパンマンの世界観ではないが、この悪習慣は、もう一人の脚本協力・山岡真介氏が手掛けた第21週『手のひらを太陽に』、第105回（8月22日放送）で、のぶが山頂で『ぼくらはみんな生きている』を歌い、「「嵩ーぼけー」と絶叫し、山彦（やまびこ）が返る演出で、嵩が目覚める重要な場面から始まったのでは？

その後、今週の脚本協力と同じ三谷氏が手掛けた第22週『愛するカタチ』、第107回（8月26日放送）で、シャボン玉が飛ぶ長屋の軒先で、主人公のぶが嵩の詩を読むシーンもあった。

今作は、この二つの場面で、「詩の内容を詩で伝える」のをあろうことか堂々と放棄して、「詩の内容を雰囲気でごまかす」と「出演者のプロモーションビデオ風にする」をやったのだ。

とどのつまり、今作が残り2週半になったとて、やりたいのは、のちに登場するが、「バズりやすい俳優の場面を作りたい！」「大勢の子役を絡めてバズりやすい場面を盛り込みたい」だけなのだ。

ちなみに、のぶのモデルである暢さんは創作の支えになったパートナーであったが、絵本の読み聞かせをやったという［史実］に触れた情報はない（私調べ）

だ、か、ら、「バズりやすい俳優の場面を作りたい！」「大勢の子役を絡めてバズりやすい場面を盛り込みたい」だけってことだ。

まあ、百歩譲れば「創作の支えになったパートナーにしているつもり」とも言えなくもないが（失笑）

登美子と羽多子、各自劇場で感動するだけの映像でよかった

映画『やさしいライオン』については、制作過程はほぼスルーして、大ヒットから始まった。

王道の箇条書きである。

しかし、最も困ったのは箇条書きでなく、わざわざ、登美子（松嶋菜々子）と羽多子（江口のりこ）を盛り込んだことだ。

しかも、ご丁寧に、二人の “やり取り” まで盛り込んできた。

先週、第111回（9月1日放送）での二人の口論よりは、脚本の「偶然」はやりすぎだが、演出的なこれ見よがしな雰囲気がなく、感情むき出しでも、バチバチな感じもないので、ドラマとしての違和感は少ないが。

登美子と羽多子が、それぞれが劇場に運び、それぞれの思いで映画『やさしいライオン』に感動しているだけの映像でよかったと思う。

もちろん、先日の際と比べれば、マシではある。

しかし、1週間ほどしかたっていない時点でやられると、あざとさのほうが強く感じるのだ。

要するに、先週の脚本協力が今週の足を引っ張った…　ということだ（自業自得ですけれど）

昭和43年、幻の第1作『ドラえもん』、日本テレビで初放送

そして、王道の箇条書きも、ついに極まって、「昭和48年（1973）」にひとっ飛びだ。

昭和48年といえば、「オイルショック発生（10月）」「ブルース・リー急死（7月20日）」「関門橋開通（11月14日）」など様々な大きな出来事があるが、今作の感想として見逃せない出来事があった、それが。

「幻の第1作」として知られているアニメ『ドラえもん』が日本テレビで初放送（4月1日）である。

もちろん、やなせ氏の史実ですらまともに描けない（描かない）のだから、『ドラえもん』に触れる余裕はこれっぽっちもないだろうが。

朝ドラ『あんぱん』こそが、堂々たる“読み聞かせ”状態！

それにしても、雑誌『詩とメルヘン』創刊のくだりも、ほぼカットで、嵩が編集長になっている時点からスタートか？

最低限の部分だけ、映像で描かずに、セリフに言わせて終了。

もはや、《映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！》の本分を忘れた朝ドラ『あんぱん』こそが、堂々たる “読み聞かせ” である。

ちなみに、もう今作でこれ以上描かれることはないだろうから、ぜひとも下記の投稿を読んで、やなせたかし氏の児童文学への熱い思いを読んでいただきたい。

朝ドラ「あんぱん」手塚治虫の突然の電話が切り拓いたやなせたかしの才能－－児童文化に刻まれた偉大な功績｜ディレクターの目線blog 

あとがき

これ、今回の冒頭に「のぶは3年間、アンパンマンの読み聞かせをやり続けていました」と入れれば、ヘアスタイル違いの2カットを直結した数秒で済みましたよね。

終盤に登場した元高知新報の編集局主任・東海林明（津田健次郎）を含めて、「ネットで話題になりやすい人気俳優の場面を作りたい！」だけですね。

別に、《数秒で済む内容を15分に拡大》しようが、《ネットで拡散必至！人気俳優の話題シーンを創出》しようが、もう、どうでもよいです。

ただ、せめて、もう少しでいいから “のぶと嵩の夫婦の物語” を描けませんかね。

最低でも、のぶと嵩の夫婦のカット（映像）が “15分間で最も印象的” に見えるように作り込むべきです。

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
土佐弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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