全領域異常解決室 （第4話・2024/10/30） 感想

フジテレビ系・水曜22時枠『全領域異常解決室』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、TikTok

第4話『原因は縊鬼!?大手町連続エリート飛び降り事件』／ラテ欄『大手町エリートが… 連続飛び降り怪事件』の感想。

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東京・大手町で４件の飛び降り自殺が連続発生。ヒルコが「堕落したビジネスマンたちへの天罰」として《縊鬼》に憑りつかせたと犯行声明。内閣はテロの可能性を考え、内閣官房の直毘吉道（柿澤勇人）が「全決」の興玉雅（藤原竜也）に調査を依頼。４人目の自殺者・香取吉信（吉田宗洋）の妻・柘植朝日（橋本マナミ）は、香取が「（縊鬼に会った）」と語っていたと証言。遺族たちも同様の証言をするが、果たして妖怪の仕業なのか―！？
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作：なし
脚本：黒岩勉（過去作/ｸﾞﾗﾝﾒｿﾞﾝ東京,TOKYO MER,ﾗｽﾄﾏﾝ-全盲の捜査官-,ｸﾞﾚｲﾄｷﾞﾌﾄ）
演出：石川淳一（過去作/ﾘｰｶﾞﾙ･ﾊｲ,絶対零度~未然犯罪潜入捜査~,院内警察） 第1話
　　　根本和政（過去作/その女､ｼﾞﾙﾊﾞ,ﾃｯﾊﾟﾁ!） 第2,4話
　　　松山博昭（過去作/鍵のかかった部屋,ﾐｽﾃﾘと言う勿れ,君が心をくれたから） 第3話
神話監修：平藤喜久子（國學院大學教授／神話学,宗教学,宗教史）
音楽：小西遼（過去作/瓜を破る,Eye Love You,映画｢ｻﾏｰﾌｨﾙﾑにのって｣）

オープニングテーマ：清水美依紗「TipTap」
エンディングテーマ：TOMOO「エンドレス」
アクションコーディネート：根本太樹（AAT）
Ｐ：成河広明（過去作/映画｢謎解きはﾃﾞｨﾅｰのあとで｣,映画｢ﾐｯｸｽ｡｣,映画｢ｺﾝﾌｨﾃﾞﾝｽﾏﾝJPｼﾘｰｽﾞ｣）
　　大野公紀（過去作/ほんとにあった怖い話,凋落ｹﾞｰﾑ）
※敬称略

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オカルト系を薄味にして雅の魅力と「全決」の役割を描いた

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私のブログをご訪問いただき、心から感謝申し上げます。
―――ここまで、ごあいさつ―――

ラストの、内閣官房国家安全担当審議官の直毘吉道（柿澤勇人）と、「全領域異常解決室」、通称「全決（ゼンケツ）」の局長・宇喜之民生（小日向文世）との次のやりとりに全てが集約されて言っても過言でない。

直毘「戸塚以外に 麦角アルカロイドは
　確認できていませんが
　これ以外 世の中を納得させることは
　できませんからね」
宇喜之「丸く収めるのが
　われわれの役目です。
　お役に立てて 何より」

無理やりに、オカルト絡みの事件に仕立てるでもなく。

強力に “縦軸” をプッシュする展開でもなく。

青これまでの3話分が、今作らしさを強調するために、超常現象を用いて不可思議な事件に仕立てすぎた部分を、うまく薄味仕立てに調理した… そんな感じだ。

おかげで、“らしさ” を残しつつ、主人公である‘全決’室長代理の興玉雅（藤原竜也）の推理力、戦闘力、それに各所への気配り力？ まで魅力的に描いた。

前述のとおりに、オカルト系は薄味になったが、主人公で魅せ、チームも魅せたのは良かった。

特に、‘全決’の依頼であればなんでも運ぶデリバリースタッフ・芹田正彦（迫田孝也）の活躍っぷりには脱帽だ（笑）

あとがき

冷静に言ってしまえば、妖怪の《縊鬼》というキーワードが強調されているだけで「普通の刑事モノ、推理モノ」ですけど（笑）

でも、主人公の魅力を引き出した点と、マンネリ化防止策としては、なかなか良かったと思います。

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相棒 season23 （第3話・2024/10/30） 感想

テレビ朝日系・『相棒 season23』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram、LINE、YouTube

第3話『楽園』の感想。

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右京は携帯の電波さえ届かない山奥のペンションにいた。宿泊客は思い思いに過ごしている様子だが、いずれもくせ者揃いのよう。同じ頃、温泉宿で休暇を満喫中の薫は、美和子に促され気になる映像を目にする。そこにはビルから転落する男と共に、右京らしき人物の姿が…。翌朝、休日返上し出勤した薫は、自分の留守中、右京が違法薬物の摘発を手伝っていたと聞く。そんな中、右京が滞在中のペンションでは不穏な出来事が次々に起き…
---上記のあらすじは、公式サイト等より引用---

●脚本：光益義幸／演出：橋本一（敬称略）

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せめて、杉下右京と亀山薫が逆の立場だったら…

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せめて、杉下右京（水谷豊）と亀山薫（寺脇康文）が逆の立場だったら。

それなりに、印象も評価も違ったのに。

だって、いくら右京さんだって、連絡手段がなければ事件の解決のしようがないのだから。

でも、逆に亀山がペンションなら「右京さんが助けに来るよね」ってなるし。

亀山が連絡手段のない中、必死に阪神探しをやるのもコミカルで楽しいし。

右京さんらしく、鋭い推理で亀山にたどり着くのもスリリングだったろうし。

まあ、あえて全部を真逆にすることによる新鮮さを… なのかもしれないが。

新シーズンが始まった第3話でバディがバラバラに動くって?

でも…

長年の、好意的に見るファンは別にして。

普通に考えれば、新シーズンが始まって、第1話と第2話が前後編で前編を見なくてもよかった “あれ” な展開で。

第3話が、バディがバラバラに動くって？

フツー、数話を割いて右京さんと亀山のバディの面白さを描いてからやるべき内容だったのでは？

こういうところに気を配らないから…

前シーズンは、いろいろ工夫して “バディ” を見せて（show）魅せて（fascinate）いただけに…

あとがき

亀山の “感じ” でペンションにたどり着くからモタモタしちゃうし。

そこまで引っ張らなきゃいけないから、右京の捜査も引き伸ばし気味に。

やはり、せめて逆だったら、事件自体は面白味があっただけに、惜しかったと思います。

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連続テレビ小説「おむすび」 （第23回・2024/10/30） 感想

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『おむすび』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、Instagram

第23回／第5週『あの日のこと』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

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永吉（松平健）の音頭で糸島フェスティバルの打ち上げの宴会が米田家で開かれ、ハギャレンのメンバーや永吉同様にホークスを応援する仲間など関係者大勢が集まる。結（橋本環奈）も翔也（佐野勇斗）とともに参加するが、歩（仲里依紗）は参加せず自分の部屋に閉じこもる。台所では佳代（宮崎美子）たちが郷土料理・そうめんちりを料理するが、愛子（麻生久美子）は糸島に移住した時のことを思い出す。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：なし
脚本：根本ノンジ（過去作/正直不動産ｼﾘｰｽﾞ,相棒ｼﾘｰｽﾞ,ﾌﾙｰﾂ宅配便,ﾊｺﾂﾞﾒ）
演出：野田雄介（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,ﾏｯｻﾝ,六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,舞いあがれ!） 第1,3週
　　　小野見知（過去作/ﾏﾁ工場のｵﾝﾅ,ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,転･ｺｳ･生） 第4週
　　　松木健祐（過去作/ひよっこ,いだてん,晴天を衝け,舞いあがれ!） 第2,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,とと姉ちゃん,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
　　　大野陽平（過去作/｢ちむどんどん｣第9週のみ,｢舞いあがれ!｣第25週のみ）
　　　工藤隆史（過去作/｢舞いあがれ!｣第20週のみ）
　　　原田氷詩（過去作/｢おちょやん｣ 第17週のみ,｢舞いあがれ!｣第16週のみ）
音楽：堤博明（隣の家族は青く見える,ﾍﾞﾋﾞｰｼｯﾀｰ･ｷﾞﾝ!）
主題歌：B'z「イルミネーション」
語り(本編)：リリー・フランキー（過去作/｢なつぞら｣本編語り）
語り(土曜日版)：高瀬耕造ｱﾅｳﾝｻｰ（過去作/｢ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ｣本編語り）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
制作統括：宇佐川隆史宇（過去作/岸辺露伴は動かないｼﾘｰｽﾞ,正直不動産ｼﾘｰｽﾞ）
　　　真鍋斎（過去作/まんぷく,正義の天秤,拾われた男）
※敬称略
※他のスタッフ表は、当記事の最下部へ移動

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今作の大失敗は、全ての"初期設定"をおろそかに描いたこと

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―――ここまで、ごあいさつ―――

常連の読者様は、ご存じだと思います。
先週から今週にかけて数日間連続で Web拍手が 30未満（投稿時）になりましたので…
読者様に向けて、どうしたら今作が巻き返せるのか考える感想にもしたいと思います。

よって今週から、通常モードより、本気で歯に衣着せぬ感想を書きます。
※しばらくテンプレです…

そもそも論として、今作の大失敗はドラマが進むための重大要要素である “初期設定” をおろそかに描いた… ことだ。

どの登場人物がどんな過去を背負って今を生きているのか？

主人公・米田結（橋本環奈）はおろか。

問題の姉、両親、祖父と祖母といった米田家の “初期設定” が描かれていない。

そんな状態で、ハギャレン、書道部、野球部、「スナックひみこ」などを、これまた “初期設定” をほぼ描かずに組み込んで回しはじめた。

もう、この時点で “連ドラ” 以前に、“ドラマ” として致命傷を負っていたのだ。

やはりここは、何よりも、“米田結とは、どんな人間なのか？” を徹底的に描くべきだった…。

今後の展開で変わるにしても、劇中の “今” の主人公を明瞭に提示すること、それ以外に重要な “初期設定” なんてないのだ。

結局、“今” が何一つ明瞭になっていないから、その先、そう「先が気になる」「次回が見たくなる」になるはずがないのだ。

最大級の積み残しのお荷物が、今盛り込んでいる　"過去"

さらに。

初期設定” をほぼ描かずに組み込んで回しはじめたことの弊害も、山ほどある。

その、積み残しの最大級のお荷物が、いま今作が必死に後出しジャンケンで盛り込んでいる “過去” だ。

＜阪神淡路大震災のくだりを見たい＞ と思っている人は別にして。

全くそうではない私だって、この “過去” を盛り込むことについては、賛成する部分もある。

だって、今作がこれまで意味不明に、かつ異常なほどに強調してきた父・聖人（北村有起哉）と長女・歩（仲里依紗）の仲たがいの “原因” を描くという意味では間違ってはいないからだ。

ただ、結局これも、＜結と歩の仲たがいの原因＞ よりも、物語として重要か？ と問えば、ほぼ全員が「ノー」と答えるのでは？

結局、今回の “過去” で分かったのは、心のけじめがついていない歩の気持ちを考えずに糸島移住を決めた父を恨んでいる… ってだけのこと。

この程度なら、ナレーション処理で十分だったし、リリー・フランキーさんのナレーションだって、もう少し聞きたいのだ（笑）

1か月たっても、これだけ分からないことだらけにしておいて…

まだ、いまだに積み残しの大きな荷物はある。

それは、これまで小出しにし続けている ＜なぜ歩が、地元の福岡では「伝説のギャル」‘アユ’と呼ばれるまでになったのか？＞ と、＜‘アユ’にまつわるトラブルの数々＞ だ。

結局、震災を組み入れたところで、まだまだ描かれていない、描く必要がある “過去” が山積みだってことなのだ。

これだけ分からないことだらけにしておいて、「先に興味を持って！」、「次回を楽しみにして！」は、もはや苦行、拷問に近い。

申し訳ないが、積み残しの荷物を引っ越し用のトラックに丁寧に積み込んでいる暇は、もう今作にはない。

一日も早く、全部の荷物をトラックに積んで、1秒でも早く引っ越し先で荷解きするべき。

まあ、もしかすると、結が「栄養士になる」までは、段ボール箱を一つ一つ開けては覗き見るような展開になる恐れもあるが（苦笑）

「朝ドラに、"考察系ドラマ" の手法は似合わない！」

視点を変えよう。

この、大量の積み残しの荷物を解かずに、最終回まで小出しにするのが、巷で流行している？ いわゆる “考察系ドラマ” の類だ。

私は、ハッキリ言って好きではないジャンルだから見ないが、好きでないから分かるのだ。

今作には “考察系ドラマ” と同じ匂いがする… と。

あとからあとから「実は…」の連続で、少したまってくると「どんでん返し」をやるやつだ。

でも、多くの読者様は気づいていると思う。

「朝ドラに、“考察系ドラマ” の手法は似合わない！」

そう、週1回、3か月くらいなら良くても、毎朝週5回、半年間もやられたら…

まあ、プロの脚本家と演出家が作っているのだから、そこまで愚かな挑戦はしないとは思うが。

やはり、いくら作り手が「こういうのを作って見せたい」と思いを込めたところで、視聴者を置いてきぼりにして進めたら、付いていく視聴者はそうはいないと思うのだ。

あとがき

今回も、唐突に “米田家のおむすびの魔力” を利用しましたよね。

これだって、しっかりと、“米田家のおむすび” を食べると○○みたいな吉が起こると “過去” の事例を盛り込んだらよかったと思います。

“米田家のおむすびの魔力” にしても、“米田家の呪い” にしても、それこそ “ギャルの掟” だって、根拠もなければ、神通力もほぼないのが問題なんですよ。

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【これまでの感想】

第1週『おむすびとギャル』
1 2 3 4 5 土

拍手コメント返信（2024/10/2）：「おむすび」(第3回) ※“ギャル文化”には、圧倒的な“ポジティブパワー”がある 

拍手コメント返信（2024/10/3）：「おむすび」(第4回) ※「虎に翼」の総括、「おむすび」結のモデルと脚本家について深掘り解説します(更新) 

朝ドラ「おむすび」未だに“姉と妹の子ども時代の初期物語”がないのは…ある事情で追って“伝説のギャルのスピンオフ”をやるから!? 

第2週『ギャルって何なん？』
6 7 8 9 10 土

第3週『夢って何なん？』
11 12 13 14 15 土

第4週『うちとお姉ちゃん』
16 17 18 19 20  土

朝ドラ「おむすび」：提灯記事に加え,ついに注意喚起までやる必死さ！でも,その前にやることがあると思う 

第5週『あの日のこと』
21 22 

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主人公のモデルの1人：松丸奨
　　　※1983年千葉県生まれの栄養教諭・管理栄養士
　　　（過去作/｢Chef~三ッ星の給食~｣給食監修指導）
　　　※人物像作成のための取材を受けた複数名の1人であると判明(2024/10/9)
　　　ﾈﾀ元：松丸奨@men's管理栄養士 [@matsumarurecipe] (2024年9月30日) 
タイトルロゴ制作：大島慶一郎（Keiichiro Oshima ）
タイトル映像：田向潤（過去作/きゃりーぱみゅぱみゅ,くるり,緑黄色社会MV）
イラスト：サンレモ（ILLUSTRATOR サンレモ ）
振付：TAKAHIRO（欅坂46,日向坂46,櫻坂46,ゆず,SEKAI NO OWARI,藤井風）
栄養学考証：中村丁次（神奈川県立保健福祉大学教員）
福岡ことは指導：坪内陽子（元MRT宮崎放送ｱﾅｳﾝｻｰ）
栃木ことは指：猪瀬光博（栃木県出身の俳優）
神戸ことは指導：辻葉子（兵庫県出身の俳優）
ギャルことば指導：Rumi（美容･ｷﾞｬﾙ評論家,今作ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ指導）
医事指導：矢木崇善（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,）
料理指導：広里貴子（過去作/ごちそうさん,まんぷく,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ,舞いあがれ!,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
書道指導：津吾井香奈（｢書道ﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽ甲子園｣指導など）
農業指導：德安出雲
理容指導：宮城丈二（兵庫県理容組合理事長）
警察指導：板東正敏子（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
美術：西村薫（過去作/ﾄｸｻﾂｶﾞｶﾞｶﾞ,ﾊﾑﾗｱｷﾗ,舞いあがれ!）
技術・増田徹
音響効果：林恵太郎
助監督：藤玲衣,影浦安希子,山田陽介,畑本健太
　　　小峰陸矢,亀井優成,長澤康貴,佐伯木乃実
　　　竹原朋加,林祐香,増田愛海,野曽原明香,福崎功真
スケジューラー：南野彩子（NHK BSﾄﾞﾗﾏ｢ﾊﾟｰｾﾝﾄ｣ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰ）
リサーチ：有川奈々絵（NPO法人 かごしまﾌｨﾙﾑｵﾌｨｽ）
撮影：竹内北斗（過去作/ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ）
照明：岡元昌弘（過去作/軍師官兵衛）
音声： 渡辺暁雄
映像技術：山下健
カラーグレーティング：中井高人
VFX ：佐久間正泰
美術進行：鴫原広起
装置：内田健
裝飾：野崎次郎
衣装：早藤博
メイク：西口富美子
制作：原田潔,岡本剛毅,中津琢,扇谷愛理,杉山遥人,高田寛之
プロデューサー：菅原弘（過去作/天国にいちばん近い島,二代目はｸﾘｽﾁｬﾝ,ぼくらの七日間戦争）
※敬称略

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NHKドラマ10「宙(そら)わたる教室」 （第4話・2024/10/29） 感想

NHK・ドラマ10『宙(そら)わたる教室』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)

第4話〈全10話〉『金の卵の衝突実験』の感想。

なお、原作(小説)となった伊与原新『宙わたる教室』は未読。

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科学部の発足に向けて集まった岳人（小林虎之介）、アンジェラ（ガウ）、佳純（伊東蒼）が実験装置の制作に手こずる中、藤竹（窪田正孝）は七十代の生徒、長嶺省造（イッセー尾形）にも科学部参加を呼びかける。昔、町工場を営んでいた長嶺の技術を貸してほしいと藤竹は頼むが長嶺は拒否。そんなある日の木内（田中哲司）の授業中、長嶺は価値観の違いから岳人ら若い生徒たちと衝突。科学部に誘うどころではなくなってしまう。
------上記のあらすじは、公式サイトより引用------

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原作(小説)：伊与原新『宙わたる教室』第70回「青少年読書感想文全国コンクール」課題図書・高等学校の部に選出）
脚本：澤井香織（過去作/夜ﾄﾞﾗ｢ﾕｰﾐﾝｽﾄｰﾘｰｽﾞ｣ (第3週/最終週｢春よ､来い｣,特集ﾄﾞﾗﾏ｢むこう岸｣）
演出：吉川久岳（過去作/猫探偵の事件簿,ﾄﾞｷｭﾒﾝﾀﾘｰﾄﾞﾗﾏ｢猫探偵の事件簿｣)」 第1～4話
　　　一色隆司（過去作/大河ﾄﾞﾗﾏが生まれた日,育休刑事）
　　　山下和徳（過去作/映画｢ｽﾍﾟｼｬﾙｱｸﾀｰｽﾞ｣）
音楽：jizue（過去作/下剋上球児）
主題歌：Little Glee Monster「Break out of your bubble」
制作統括：橋立聖史（過去作/猫探偵の事件簿ｼﾘｰｽﾞ,だれかに話したくなる山本周五郎日替わりﾄﾞﾗﾏ）
　　　神林伸太郎（過去作/ﾕｰﾐﾝｽﾄｰﾘｰｽﾞ）
　　　渡辺悟（過去作/卒業ﾀｲﾑﾘﾐｯﾄ,ﾐﾜｻんなりすます）
※敬称略

過去3話の3人を描いてきたからこそ描くことができる物語

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勝手な想像だが。

すでに今作は〔全10回〕であることが告知済みであるから、恐らく次回（第5話）が全体の折り返し地点だ。

だとすると。

第1話の主人公が、読み書きが苦手なために中学から不登校になり、不良となった柳田岳人（小林虎之介）。

第2話の主人公が、四十歳を過ぎ、夫と娘の後押しを受けて東新宿定時制の高校生になった越川アンジェラ（ガウ）。

第3話の主人公が、オーバードーズとアムカ(リスカ)を続ける保健室登校を続ける1年生の名取佳純（伊東蒼）。

この3人を描いてきたからこそ描くことができる物語であると同時に。

今回で、何気にカメラが追従していたキャバクラで働いている庄司麻衣（紺野彩夏）が第5話の主人公である（だろう）ことが見えてくるわけだが。

もしかすると、今回の“働きながら定時制に通いたかった昭和の女性” のエピソードを起点に。

“働きながら定時制に通う今どきの女性” の挿話へシフトしつつ、前半戦を終えるのかもしれない。

今回は、私の心に刺さった数々の名台詞を挙げながら…

さて、ご常連さんの読者様はお気づきのとおり、今作の感想は、全く意図はなく「どう書いたら私の思いが伝わるか？」だけを考えて、毎回感想のスタイルを変えてきた。

そうなると、劇中の… 青年時代高校に通えなかったため、学び直すために定時制に入学した長嶺省造（イッセー尾形）にどちらかというと年齢が違いアラ還(あらかん)の私は、つい意固地になって「絶対変えるぞ！」と思うのだ。

そこで、今回は、私の心に刺さった数々の名台詞を挙げながら書いてみる。

科学に限らず"自ら手を動かして"いろんなものを変えられる

結果的には、主人公・理科教師の藤竹叶（窪田正孝）が省造を巧みに科学部に引き込むためのセリフだが。

藤竹「科学って聞くと 頭でっかちなイメージ
　持たれがちなんですけどね。
　実際は 手を動かして アイデアを形にする
　ものづくり的要素が必要不可欠なんですよ」

その一方で、広い意味での「仕事」「勉強」「世渡り」、そして「人生」だって、“手を動かして アイデアを形にする、ものづくり的要素が必要不可欠” なのだ。

例えば、先日行われた総選挙だって、一人ひとりの投票行動という“手を動かして アイデアを形にする、ものづくり的要素” があるから、政治や政権や世の中を変えることができる。

そう考えると、この藤竹のセリフは大げさに言えば “宇宙的” な広がりを持つ言葉なのだ。

入院中の江美子のほうが世間を知っている表現によって…

省造と病気を患い退院のめどが立っていない、省造の妻・長嶺江美子（朝加真由美）とのやり取りだ。

省造「アタリ ハズレがあるのは昔から同じだろ。
　私なんか大ハズレだ。カプセルの中身は空っぽだったよ」
江美子「私たちの時代は せいぜいアタリでも
　高校に行けるぐらいだったでしょ？
　でも 　今の子たちはもっとキラキラしたものを
　いっぱい目にしている。
　そこで自分が引いたカプセルがハズレだったら
　そりゃあ　やりきれないと思うわ」

いわゆる、ひと言で表現してしまえば “時代が違う” だ。

しかし、私もアラ還（アラウンド還暦＝60歳前後の世代のこと）になって思うのは。

確かに、時代が変わっても同じようなこと、差別や偏見、貧困や不平等などの社会問題はある。

でも、「VUCA（ブーカ：Volatility（変動性）、Uncertainty（不確実性）、Complexity（複雑性）、Ambiguity（曖昧性）の頭文字をとった造語）時代」と言われる…

私の若いころとは比べ物にならない情報過多で、移り変わりが激しい時代とは、やはり“体感”として全く違うと思うのだ。

そのことを、このやりとりによって、江美子から省造が感じ取るわけだ。

これ、中高年になると、なかなか若い世代と話す機会も減るし、話す必要もなくなって、ついつい小さな世界に閉じこもっていることに、意外にも気づかないものなのだ。

この描写では、若い世代と交流している風の省造よりも、入院中の江美子のほうが世間を知っているとなっていた。

やはりこれも、広義の“手を動かして アイデアを形にする” ではないだろうか？

自ら自分とは違う価値観を能動的に知ろうとしないと、受動的にしていては一方的な価値観は変わらない… と。

老若男女問わず、"○○警察"が巷に現れては消えるが…

省造が自分の人生を、いや、妻の人生をクラスメイトらに講義する場面のセリフだ。

省造「若い頃 私の原動力の怒りはね
　外に向かってた。
　今 自分に向かってますよ。
　許せない 自分が！」

「昭和のオヤジは怒りっぽい」なんて印象が、若い人にはあるかもしれない。

もしかすると、その昭和のオッサンたちの怒りは、許せない自分に向けての怒りの可能性もあるってことだ。

自分が悔いても悔やみきれないから、大きなお世話だと分かっていても若い人たち「やるな！」と静止したくなる。

ただ、今回のエピソード、過去の物語を見ても、若者に限らず、多くの人たちは意外に考えて行動しているのだ。

しかし、自分の思い通りにやってくれないから、怒って、正そうとする。

自分がやっている行いの全てが “正義” だなんて、何の根拠もないし、証明もされていない、思い込みだけなのに… だ。

ただ、省造の救いは、今になってではあるが、自分を冷静に見られていること。

そして、妻・江美子のことを心から愛して、理解しようと必死なこと。

だから、この省造の心の叫びが刺さるのだ。

「食えん」は、なかなか素敵な言葉選び

私が、今回で最も好きなセリフ、やりとりが次だ。

藤竹「策士ですね 奥様」
　（中略）
省造「あんた食えん。妻より食えん」

今作で最も “策士” である主人公をうまく強調する表現になっていると同時に。

「人当たりはやわらかいが、実はずる賢くて気が許せない」の意味の「食えない」という言い回しを巧みに利用して、省造が75歳であることを見せたと同時に。

策士である妻に対する愛情に似たものを、省造が藤竹に感じ取った瞬間も表している。

「食えん」は、なかなか素敵な言葉選びだ。

そして、ラストの藤竹のモノローグ。

藤竹(M)「天体の衝突は 時に
　さまざまな生物の絶滅の原因になる。
　しかし同時に
　新しい別の何かの始まりでもある」

この独白こそ、今作のテーマであると書くのは無粋すぎるか（笑）

あとがき

当ブログでは、‘演技の怪獣’と呼ばせていただいているイッセー尾形さんの約10分間の長尺の人生語りが素晴らしかったです。

緊張感と緊迫感が凄すぎて… と思ったら、いい塩梅にアンジェラが馴れ初めのくだりでインターバル。

コミカルとシリアス、緊張と緩和のバランスが見事な第4話でした。

若い人たちには刺さらないかなぁ

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オクラ～迷宮入り事件捜査～ （第4話・2024/10/29） 感想

フジテレビ系・火曜9時枠の連続ドラマ『オクラ～迷宮入り事件捜査～』
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第4話『クール刑事暴走!?事件被害者は元恋人』の感想。

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飛鷹千寿（反町隆史）は、加勢英雄（中村俊介）から過去の殉職者・結城真一（平山祐介）の遺体に銃撃跡があったと知らされ、未解決事件の進展について問い詰められる。一方、不破利己（杉野遥亮）は2年前のホステス殺人事件の情報を警視庁に提供。犯人・新山博一（後藤剛範）は証拠不十分で逮捕されなかったが、利己は新たな情報を掴み千寿と工場へ向かう。結城倫子（白石麻衣）らは、美佳が利己の元恋人と知る。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

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原作：なし
脚本：武藤将吾（過去作/怪盗 山猫,3年A組,ﾆｯﾎﾟﾝﾉﾜｰﾙ-刑事Yの反乱,桜の塔）
演出：柳沢凌介（過去作/ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~,真夏のｼﾝﾃﾞﾚﾗ,Re:ﾘﾍﾞﾝｼﾞ-欲望の果てに-） 第1,2話
　　　森脇智延（過去作/SUITS/ｽｰﾂ1､2,ｲﾁｹｲのｶﾗｽ,競争の番人,ﾌﾞﾙｰﾓｰﾒﾝﾄ） 第3,4話
　　　尾﨑隼樹（過去作/映画｢劇場版 ﾙﾊﾟﾝの娘｣,映画｢室井慎次 敗れざる者｣助監督）
音楽：林ゆうき（過去作/緊急取調室.Believe-君にかける橋-,ﾏｳﾝﾃﾝﾄﾞｸﾀｰ）
主題歌：Kroi「Jewel」
Ｐ：足立遼太朗（過去作/僕たちの校内放送,Believe-君にかける橋-,高額当選しちゃいました）
※敬称略

今回からが「第2章」か？

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前回から、見違えるような作品になった今作。

コミカルとシリアスのメリハリも良いし。

今回も、演出担当がフジテレビ系では比較的スタイリッシュな映像をつくる森脇智延氏だったので、野暮ったさもなく。

きっと、前回までと捜査一課長の加勢英雄（中村俊介）の態度が一変していることから、今回からが「第2章」ということだろう。

今作は「前編＝後編のためになくてならない物語」になって

そんな新章の幕開けとしての「前後編」らしい。

偶然だろうが、先日放送されたフジテレビ系・月9『嘘解きレトリック』も前後編だった。

よほど、「固定客を放したくない！」のは理解するが、私は間延びする傾向が強いから好きではない。

しかし今作は、「前後編」にはなっているが、『嘘解きレトリック』との明確な相違点がある。

それは、あちらは「前編＝後編のための単純な説明」なのに対して。

今作は「前編＝後編のためになくてならない物語」になっている点だ。

これだけで、単純に「前後編はダメ」とは言えない理由になると思う。

最近の連ドラの中でも、かなり巧妙な “捻り方”

もう一つ、今作を見て「前後編はダメ」とは言えない理由がある。

それは、今回だけで、しっかりと “ドラマ” として ＜映像で見せて（show）魅せる（fascinate）べき！＞ をやっているからだ。

とにかく、 最近の連ドラの中でも、かなり巧妙な “捻り方” が施されている。

まず、不破利己（杉野遥亮）と飛鷹千寿（反町隆史）の “バディもの” として、今回は不破を前面に出し、飛鷹を後退させることで、「第1章」との違いを捻っている。

さらに、飛鷹が後退したことで “縦軸” が薄まるので、“バディもの”らしさが際立った。

これくらいの納得感があれば「後編を見てみたい！」

また、被害者であるホステス・不知火美佳（樋井明日香）の息子・壮太（石塚陸翔）の次のひと言から捻り始めて。

壮太「事件が解決しなきゃ 駄目なんですか？」

飛鷹の次のセリフで、解決編が終わったと見せかけ。

飛鷹「真実の深さが違うんだよ」

そこからの、いい感じのどんでん返しで「後編」へ。

これくらいの納得感があれば、前後編でも、「後編を見てみたい！」と思える。

“連ドラ” としても、なかなか良くできていると感心するばかりだ。

あとがき

壮太の記憶力が、ドラマ『嘘解きレトリック』の浦部鹿乃子並みなのが気になりますが（笑）

まあ、超能力急でないと話が進まないのでしょうがないですね。

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