ディレクターの目線blog

NHK朝ドラ「あんぱん」やなせたかし氏と小松暢さんの“お化けアパートに夢と希望を詰め込んだ同棲生活”の史実について解説します！

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第1話

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2025/07/29 (Tue)12:22:40 ドラマ

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【忠告】
朝ドラ『あんぱん』の先の展開のネタバレは基本的にありませんが。
やなせたかし（柳瀬嵩）氏と妻・小松暢さんの人生の史実に触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
　※以下、敬称は部分的に使い分けをします。

やなせたかし氏と小松暢さんの出会い～結婚まで

2025年7月28日から放送が始まった、NHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』の第18週『ふたりしてあるく今がしあわせ』で。

ついに、前週でお互いの結婚前提の気持ちを確認した、主人公・若松のぶ（今田美桜）と幼なじみの柳井嵩（北村匠海）が、東京で一緒に暮らすくだりになりました。

そこで、のぶのモデル “小松暢さん” と、やないたかし氏の出会いから結婚までの［史実］を簡単にまとめます。

諸説ある部分もあるので、参考程度に読んでいただければ幸いです。

【1】1946年ごろ（昭和21年）

　●小松暢さん、戦争で夫を亡くし高知の実家へ帰郷。
　●高知新聞社が女性記者を募集し、暢さんが「女性記者第一号」の一人として採用される。
　●数か月後、やなせたかし氏（本名：柳瀬嵩）も高知新聞社へ入社。
　●「月刊高知」編集部で、二人は一緒に働く。
　●やなせ氏は「前の席に座る暢さんに一目惚れ」と語っている。

【2】1947年（昭和22年）はじめ

　●暢さん、政治家の秘書になるという名目で退社し、先に東京で生活を始める。
　●やなせ氏は高知に残るも、暢さんに励まされ、半年後の1947年6月に上京。

【3】東京での同棲生活の始まり（1947年夏～秋）

　●やなせ氏は（最初に就職した）田辺製薬時代の先輩が設立したデザイン会社「企宣社」へ就職。
　●住宅難の東京で住む場所がなく、暢さんの下宿に居候する形で同棲開始。

　［下宿の様子］
　　●東急東横線・大倉山駅近くの新築平屋（庭・風呂付き）。
　　●家主夫婦の赤ちゃんの世話と引き換えに、暢さんは無料で間借り。
　　●子どもの部屋に、やなせ氏が転がり込んで三人で生活。
　　●子守や風呂の世話をしながら、やっと夜に二人の時間が訪れる日々。

　［生活ぶり］
　　●戦後の物価高騰で生活は非常に苦しかった。
　　●暢さんは青いジャンパー一着で暮らし。
　　●やなせ氏は自分の背広を婦人服に仕立て直して贈ったことも。
　　●やなせ氏の持ち物は‘飯ごう’ひとつ、暢さんは大きなイチゴジャム缶詰ひとつ。
　　●財産は小さなテーブル1つだけ。
　　●生活苦の中にユーモアと愛情あふれる心あたたかな日々だった。

【4】1947年10月、二人だけの生活がスタート

　●やなせ氏が日本橋三越の宣伝部へ転職。
　●二人は中目黒の老朽化の激しい「お化けアパート」に引っ越し。
　●ここから「二人だけの生活」がスタート。

　［新居の様子］
　　●焼け残りの六畳一間。
　　●押入れと台所つきだが風呂なしで、トイレ共同。
　　●雨が降れば、傘を差してトイレに行くような老朽ぶり。
　　●風通しと日当たりは良好。
　　●表通りから一歩入れば田園風景が広がるのどかな環境。
　　●銭湯の帰りに柿をかじって帰る日々。

【5】1949年(昭和24年)やなせ氏の伯母キミさんとの交流

　●二人は入籍し、正式に夫婦となる。
　●当時の結婚は「家と家との結びつき」であり、やなせ氏の伯母・柳瀬キミさん（戸田菜穂さん演じる「柳井千代子」のモデル）は、暢さんの実家を調べて確認し、安心して祝福。
　●暢さんとキミさんは、直接会ってさまざまな話も交わしたという。

登喜子さん（やなせ氏の実母）への想いと暢さんの心遣い

　●やなせ氏の母親・登喜子さん（松嶋菜々子さん演じる「旧姓・柳井登美子」のモデル）は、再婚によって幼少のやなせ氏と離れて暮らすことに。
　●やなせ氏は子どもながらに寂しさや混乱に苦しんだ。
　●暢さんは「お母さんがはっきり理由を話さなかったことが、やなせ氏を苦しめた」と深く共感。
　●暢さんは「登喜子さんの苦労を、少しでも楽にしてあげたい」と思っていたとされる。
　●やなせ氏と暢さんの同棲時代や結婚初期に、二人と登喜子さんが再会した事実の記録はない。

あとがき

［史実］と『あんぱん』の大きな相違点は以下の二つ。

　●出会い：高知新聞社の同僚として知り合う。
　●上京と再会：暢さんが先に東京へ行き、やなせさんを呼び寄せる。

今後、『あんぱん』でどこまで［史実］に寄せるのか気にある二つがこれ。

　●同棲生活：約2年間、苦しい生活を支え合いながら同居。
　●結婚：1949年に正式に夫婦となる。育ての親も認めた結びつき。

［史実］における‘ふたり’は、当時では珍しい《女性が経済的・精神的に男性を支える結婚までの道のり》だったということです。

この辺は「女性主人公がメインの朝ドラ」としてドラマ化しやすいと思います。
　※できるかどうかは別にして。

但し、私の調査では、同棲時期の前後に、‘ふたり’とやなせ氏の実母である柳瀬登喜子さんが再会した事実はつかめませんでした。

しかし、同時期に、育ての親で伯母の柳瀬キミさんとは交流があったのは事実。

要は、今週の劇中で《登美子が嵩と‘のぶ’と再会》は “フィクション＝創作” なので、うまくはめ込むことができるのか、不安しかありませんけど（汗）

※第87回（7月29日）を見た限りでは、《フィクションの組み込み》に完全に失敗しているように見えます（困）

参考・出展

■『やなせたかしはじまりの物語: 最愛の妻暢さんとの歩み』（ムック）(著)高知新聞社
■『アンパンマンの遺書』（岩波現代文庫）(著)やなせたかし
■『痛快!第二の青春　アンパンマンとぼく』（講談社）(著)やなせたかし
■『慟哭の海峡』（角川書店）(著)門田隆将
■『やなせたかしのしっぽ』（小学館）(著)越尾正子
■『NHK連続テレビ小説あんぱん上 (1)』（NHK出版） (著)中園ミホ,(著)後藤美奈

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これまでの感想を読む

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連続テレビ小説「あんぱん」（第87回・2025/7/29）感想

2025/07/29 (Tue)11:44:52 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
公式リンク：Website｜X(旧Twitter)｜Instagram

第87回／第18週『ふたりしてあるく今がしあわせ』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

嵩（北村匠海）から手紙で状況を聞いていた登美子（松嶋菜々子）が、突然のぶ（今田美桜）の部屋を訪れる。困惑する２人をよそに、買ってきた酒で乾杯をする登美子。思いきり漫画を描きたいという嵩を応援したいと話すのぶに、登美子は漫画は大の大人がやるものではないと言い放つ。翌日、登美子から三星百貨店の採用試験を受けるよう勧められた嵩は、就職してのぶを安心させるのが男の務めだという登美子の言葉に…。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

原作：なし
脚本：中園ミホ（過去作/花子とｱﾝ,ﾄﾞｸﾀｰXｼﾘｰｽﾞ,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽｼﾘｰｽﾞ）
脚本協力：山岡真介（過去作/中園ﾐﾎ氏と共同脚本→万博の太陽,ｻﾞ･ﾄﾗﾍﾞﾙﾅｰｽ[2]） 第2～7,9,11,13,15,17週
　　　三谷昌登（過去作/あさが来た[京ことば指導],ｽｶｰﾚｯﾄ第21週,西郷どん[脚本協力]） 第8,10,12,14,16,18週
演出：柳川強（過去作/ｵｰﾄﾞﾘｰ,花子とｱﾝ,やさしい猫） 第1,3,5,8,11,12,17週
　　　橋爪紳一朗（過去作/花子とｱﾝ,ｴｰﾙ,ｶﾑｶﾑｴｳﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,4,7,10,14週
　　　野口雄大（過去作/ｴｰﾙ,恋せぬふたり,どうする家康） 第6,9,13,16週
　　　佐原裕貴（過去作/ｽｶｰﾚｯﾄ,おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに） 第15週
　　　尾崎達哉（過去作/3000万） 第18週
音楽：井筒昭雄（過去作/奇跡の人,99.9-刑事専門弁護士-）
主題歌：RADWIMPS「賜物」
語り(本編・土曜日版)：林田理沙ｱﾅｳﾝｻｰ（現｢ｻﾀﾃﾞｰｳｵｯﾁ9｣ﾒｲﾝｷｬｽﾀｰ）
副音声解説：山崎健太郎（過去作/舞いあがれ!,らんまん,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼,おむすび）
制作統括：倉崎憲（過去作/おかえりﾓﾈ,ここは今から倫理です｡,やさしい猫）
Ｐ：中村周祐（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
　　　舩田遼介（過去作/大奥1-2,VRおじさんの初恋）
　　　川口俊介（過去作/ちむどんどん,どうする家康,光る君へ）
美術・ロゴデザイン：伊達美貴子（過去作/まんぷく,青天を衝け）
技術：久野裕大（過去作/どうする家康,3000万）
　　　望月英邦（過去作/どんと晴れ,とと姉ちゃん,軍師官兵衛）
音響効果：畑奈穂子（過去作/麒麟がくる,恋せぬふたり）
　　　岸優美子（過去作/光る君へ,恋せぬふたり）
撮影：山口卓夫（過去作/青天を衝け,17才の帝国）
　　　田中哲平（過去作/恋せぬふたり,ﾌﾟﾘｽﾞﾑ,3000万）
照明：斎藤知久（過去作/いよっ!弁慶）
　　　山崎友梨子（不明）
音声：北原悠介（過去作/べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~）
　　　下迫堅治（過去作/ｴｰﾙ総集編,半径5ﾒｰﾄﾙ,恋せぬふたり）
音楽録音：高橋清孝（過去作/火の鳥2024ｱﾆﾒ）
映像技術：吉永勇（過去作/なつぞら,虎に翼）
　　　木川豊（過去作/いだてん,おかえりﾓﾈ,17才の帝国）
カラーグレーディング：松﨑梨絵（過去作/なつぞら,おかえりﾓﾈ）
　　　戸谷智恵子（過去作/光る君へ,ちむどんどん）
VFX：田中貴志（過去作/劇場版ﾄﾘﾘｵﾝｹﾞｰﾑ）
　　　石貝玲子（過去作/仮面ﾗｲﾀﾞｰｴｸﾞｾﾞｲﾄﾞ,同期のｻｸﾗ,ﾌｧｰｽﾄﾍﾟﾝｷﾞﾝ!）
助監督：伊藤嘉文（過去作/ももさんと7人のﾊﾟﾊﾟｹﾞｰﾉ）
　　　山田修（過去作/映画｢ｻﾙ｣）
制作担当：征矢吉裕（過去作/ひよっこ）
　　　東美恵子（過去作/映画｢ｼｬｶﾘｷ!｣,映画｢ﾈﾑﾘﾊﾞ｣）
特殊造形：江川悦子（過去作/もしも徳川家康が総理大臣になったら）
編集：松屋周平（過去作/鎌倉殿の13人,3000万）
記録：武田朝子（過去作/おかえりﾓﾈ,どうする家康）
特殊メイク：松岡象一郎（過去作/映画｢ﾍﾙﾀｰｽｹﾙﾀｰ｣｢ﾄﾘﾊﾀﾞ｣）
美術進行：高橋秀樹（過去作/篤姫）
装置：田村英一郎
装飾：神戸信次（過去作/【推しの子】-The Final Act-）
衣装：澤谷良（過去作/花子とｱﾝ,なつぞら,ｴｰﾙ）
メイク：田畑千奈味（過去作/ひよっこ,青天を衝け）
かつら：秋庭優一（過去作/桶狭間）
時代考証：天野隆子（過去作/ｹﾞｹﾞｹﾞの女房,花子とｱﾝ,ｽｶｰﾚｯﾄ）
風俗考証：刑部芳則（過去作/ｴｰﾙ,ﾌﾞｷﾞｳｷﾞ,虎に翼）
土佐ことば指導：西村雄正（過去作/らんまん）
博多ことば指導：魚谷としお（過去作/ｴｰﾙ）
所作指導：藤間貴雅（過去作/麒麟がくる,流行感冒,風よあらしよ）
製パン指導：竹谷光司（Bakery&Cafeつむぎ＠千葉県佐倉市）
漫画指導：山根青鬼
ギター指導：藤本功一（https://x.com/Fujimoto）
歌唱指導：門脇幸（https://x.com/kadowaki_sachi）
薙刀指導：松本真治（過去作/救急救命士・牧田さおり）
体操指導：岡本美佳（過去作/ﾗｼﾞｵ体操,ﾃﾚﾋﾞ体操,みんなの体操）
石工指導：山中英明（第29回技能ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ石工職種第一位金賞）
書道指導：金敷駸房（過去作/ｴｰﾙ,麒麟がくる,青天を衝け）
アクション指導：吉田浩之（過去作/帝一の國,忍びの国,地獄少女）
仏事指導：守祐順（能蔵院＠千葉県木更津市）
医事指導：冨田泰彦（過去作/らんまん,虎に翼,3000万）
裁縫指導：小林操子（過去作/ｴｰﾙ,らんまん,虎に翼）
アニメーション制作：稲葉卓也（https://www.takuyainaba.com）
タイトルバック映像：涌井嶺（https://x.com/Ray_T6L）
※敬称略

細かい配慮のない演出は、意味不明な展開を加速させるだけ

もう少し内容が良い方向に向かうまで、少しエネルギーは抑え目で書かせていただきます。
　※しばらくの間、テンプレです…(謝)

プロの演出家に言っては失礼なことだが。

今週が初担当の尾崎達哉氏の演出がことごとく気になってしょうがない。

詳細は省略させていただくが。

例えば、アバンタイトルで、嵩（北村匠海）から手紙で状況を聞いていた登美子（松嶋菜々子）が、突然のぶ（今田美桜）の部屋を訪れた。

買ってきた酒で乾杯しようと提案すると、部屋の上を電車が通り、登美子が驚くくだり。

映像的な演出（印象付け）と3人への演技指導が “コミカル” になっていないのだ。

それでも、よく見ると、のぶ役の今田美桜さんだけが笑顔で “コミカルな雰囲気” を醸し出そうとしているのが分かるが。

それでも、画面の一番奥で、3人中で最も小柄だから目立たないのだ。

やはりここは、照れて苦笑する‘のぶ’の顔のアップを入れて、それを受けてちょっと困った表情で顔を見合わせちゃう嵩と登美子が最適解では？

こういう細かい配慮が欠如する演出が積み重なると、意味不明な展開が、より意味不明に見えるのだ。

嵩と登美子は手紙のやり取りがあった割に、違和感だらけ？

さて、いろいろ書いても「流し見」だと分からないと思うので、ガッツリ省略して～と。

今回で注目すべきセリフは、八木（妻夫木聡）が嵩に言った次のセリフだ。

八木「お前　おふくろさんと
　手紙のやり取りしてたんだろ？」

「やり取り」とは、一般的に、一方的な連絡ではなく、互いにやり取りがある、つまり双方向のコミュニケーションのことだ。

ここでいうなら、嵩と登美子はお互いに手紙を取り交わしていたということだ。

これを真に受けるとすると、今回の展開は、全面的に意味不明でしかないのだ。

だって。

　●なぜ、嵩が上京した直後でないのか？
　●なぜ、昼間でなく夜の時間帯なのか？
　●なぜ、のぶの部屋にやってきたのか？

意味不明なことばかりなのだ。

では、この “違和感だらけ” を払しょくする方法はなかったのか？

「あった」と言わざるを得ない。

以降の章で、簡単に違和感を払しょくする方法を提示しようと思う。

独り身の登美子に、嵩が会いに行かないことが不自然すぎる

嵩が、高知新報社を退職し、大切な人’である‘のぶ’を追いかけて東京に行き、まずは‘のぶ’と再会するのはごく自然のことだ。

しかし、今作は今回で、嵩と登美子は、幾度も手紙のやり取りをしている設定だと描いた。

だとするなら、 そもそも論《その1》 として、嵩は「登美子の居住地を知っている」はずだ。

だったら、‘お母さん大好き’な嵩の設定なのだから、のぶと再会したら、登美子に会いに行くのが妥当なのでは？

だって、嵩は、登美子が三度目の結婚をし、今は独り身なのは知っているはずで。

だから、今作が描き続けた嵩を普通に踏襲すれば、登美子が心配で会いに行かないほうが不自然極まりないのだ。

なぜ、のぶも嵩も“家族に無関心な人”に描き続けるの？

まあ、こう言っちゃなんだが。

そもそも論《その2》 として。先日の「南海地震」の際には、のぶは朝田家の面々も、義母である節子（神野三鈴）のことも心配せず、心配しまくったのは赤の他人の孤児ばかりだと描いたのだ。

今のところ（今後、描かれる可能性はあるが）、育ての親である伯母・千代子（戸田菜穂）に退職も上京も連絡しているようには描かれていない。

要するに、のぶも嵩も “家族に無関心な人” に描き続けているのだ。

もちろん、結婚間近のふたりには “周りが見えない” ことは認めるところだ。

しかし、ここまで、ダブル主人公を “家族への愛情を感じない人” に描く必要があるのだろうか？

最初に嵩が登美子に会って、のぶが巻き込まれればよかった

前置きが長くなったので。
そろそろ「簡単に違和感を払しょくする方法」の披露だ。

まず、嵩は‘のぶ’を後追いして東京にやってきたが、まずは‘大好きなお母さん’に会いに行く。

そこで、女ひとりで生きている登美子をねぎらうと同時に、いつもどおりに「産んでくれてありがとう」的な展開をやって。

その流れで、手紙で嵩が新聞社を退職したのを知っていた登美子が、先に裏で手を回して無理やりに再就職先をあっせんすればよかったのだ。

やれるものなら、嵩が‘のぶ’を登美子の家に呼び出してもよかったと思う。

だって、嵩が東海林（津田健次郎）から‘婚約者ののぶ’の勤務先を聞いても不自然でないのだから、薪鉄子事務所に電話すれば済むだけだ。

で、三人が集結した段階で、嵩の漫画家になる夢に関して喧々囂々やり合って。

八木曰く‘強烈なおふくろさん’に‘たっすいがー嵩’も‘ハチキンおのぶ’も押し切られればよいだけだ。

ほ～ら、今回の15分間より、ずっと自然な流れで、嵩の就職先決定まで持っていけるのだ。

ホント、今作は、これまでも今も、不自然極まりない展開を視聴者に無理強いしすぎだと思う。

あとがき

なぜ、こんな不自然極まりない展開になるのか分かりますか？

答えは、《登美子が、同棲中の嵩と‘のぶ’に会いに来る》も《登美子が嵩に就職先を取り持つ》も、今作の “フィクション＝創作” だからです。

［史実］と違う展開で、強引に登美子の出番を作ったから違和感だらけになったのです。

［史実］を、自ら的確に残しつつ、自分たちに都合がよい展開に創作することができないのです。

そこで、今日中に、やなせたかし氏と小松暢さんの “夢と希望を詰め込んだビンボーだけど幸せだった同棲生活” の解説記事を投稿します。

それを読んでくだされば、「史実と違いすぎでしょ？」と、違和感の原因が分かると思います。
乞うご期待！

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
土佐弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる

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僕達はまだその星の校則を知らない（第3話・2025/7/28）感想

2025/07/29 (Tue)09:22:15 ドラマ

関西テレビ制作・フジテレビ系・新月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』
公式リンク：Website｜X(旧Twitter)｜Instagram｜TikTok

第3話『盗撮と隠し撮りのあいだ』の感想。

廃部の天文部を復活させたい高瀬佑介（のせりん）は江見芽衣（月島琉衣）のためにも願い出る。珠々（堀田真由）はバレー部顧問と兼任を迷う。一方、三木美月（近藤華）は内田圭人（越山敬達）に盗撮されたと訴え、健治（磯村勇斗）が話を聞く。証拠隠滅を防ぐため健治は画像削除を制止し、珠々が確認することに。高瀬は健治の助言で生徒会規約に活路を見出す。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---

原作：なし
脚本：大森美香（過去作/朝ﾄﾞﾗ｢あさが来た｣,大河ﾄﾞﾗﾏ｢青天を衝け｣）
演出：山口健人（過去作/ｱﾊﾞﾗﾝﾁ,ｳｿ婚,ｲｸﾞﾅｲﾄ） 第1,2話
　　　高橋名月（過去作/年下彼氏2,ふったらどしゃぶり） 第3話
　　　稲留武（過去作/春になったら,秘密~THE TOP SECRET~）
音楽：Benjamin Bedoussac（過去作/ちょこっと京都に住んでみた｡,ﾊﾟﾃｨｽﾘｰMON）
Ｐ：岡光寛子（過去作/魔法のﾘﾉﾍﾞ,ｳｿ婚,春になったら）
　　　白石裕菜（過去作/姉ちゃんの恋人,春になったら）
※敬称略

盗撮も天文部も、スクールロイヤーである必然性がない！

相変わらず、何を描きたいのか見えてこないドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』の第3話。

今回の「校内盗撮事件」、この類の問題が “令和風ドラマ” となじみが良いのは認めるが。

では、“学園ドラマ” としては、どうだろう。

果たして、この程度のトラブル処理に “スクールロイヤー” が必要だろうか？

それこそ、“令和風ドラマ” らしく〈盗撮問題に詳しいオタク教師〉と〈女学院側の熱血教師〉のバディがいれば、即刻解決できるレベルだったのでは？

ついでに、もう一つ、《この程度のトラブル処理に “スクールロイヤー” が必要だろうか？》があった。

それが「天文部復活」のための「顧問選定・設置」である。

だって、教師でない人が顧問になれるなら、生徒たちが〈近所の天文好きな大人〉をネットで探したっていいわけで。

それこそが、“令和の学園ドラマ” でないの？

「へっぽこ」なのに、次々と自ら解決しちゃダメなのでは？

そもそも、おかしいのは。

主人公自ら「へっぽこ」と特徴を口にしているのに。

盗撮問題はサクッと解決しちゃうし、天文部顧問も自発的に解決しちゃう…　ことだ。

本来、“ドラマ” としてやるべきは、主人公の “へっぽこ” を強調し、試行錯誤しつつ政界に導く過程なのでは？

まあ、上記の《主人公不在》《主人公らしさの欠如》は、第1話から続いていることだ。

しかし、第3話で演出担当が、今作のチーフ監督・山口健人氏から、今作は初担当の高橋名月氏に交代したことで、よりダメなところが露呈したのだ。

それは、どんな演出か？

単純に顔のどアップを増やしてでも主人公を際立たせるべき

なぜか、主人公の見せ場であっても…
《主人公を際立たせない》である。

だから、主人公なのに教員の一人みたいだし、天文部室においてはモブ（大勢の人たち、群衆）の一人になってしまっていた。

こういうのは、あまり言いたいことではないが。

主人公の際立たせ方が分からないなら、とにかく「主人公の顔のどアップ」を入れるのだ。

それがあざとかろうが、これ見よがしだろうが、顔のアップがあれば否応なしに強調できるから。

まあ、偶然だろうが、今期のTBSテレビ金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』も、ことごとく主人公の顔のアップを拒絶する作風だ。

だから、主人公が埋没し、ゆるゆるの群像劇に成り下がり中である。

脚本が修正しないなら、演出でやれることをやるべきだ。

あとがき

何度も調べましたけど、《原作なし・オリジナル脚本》ですよね。

それなのに、大森美香さんともあろうベテラン脚本がこれですか。

「宮沢賢治」を盛り込むより、やるべきことはあると思います。

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

やなせたかしの生涯アンパンマンとぼく文春文庫

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[11回]

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連続テレビ小説「あんぱん」（第86回・2025/7/28）感想

2025/07/28 (Mon)12:17:52 ドラマ

NHK総合・NHK BS・ﾌﾟﾚﾐｱﾑ4K／連続テレビ小説『あんぱん』
公式リンク：Website｜X(旧Twitter)｜Instagram

第86回／第18週『ふたりしてあるく今がしあわせ』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。

のぶ（今田美桜）と嵩（北村匠海）が気持ちを確かめ合ってから３か月後、のぶは鉄子（戸田恵子）の選挙運動で高知にやって来る。しかし、嵩と会話できたのはほんの一瞬だった。鉄子が再選を果たし、それからしばらくしたある日。八木（妻夫木聡）と話していたのぶの前に嵩が現れる。嵩は新聞社を辞めて上京したのだった。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

3か月間の時間経過が唐突すぎて、前週と連結して見えない

もう少し内容が良い方向に向かうまで、少しエネルギーは抑え目で書かせていただきます。
　※しばらくの間、テンプレです…(謝)

冒頭から、よく分からない。

語り「のぶと嵩が
　お互いの気持ちを確かめ合ってから
　3か月後…」

勝手に、「お互いの気持ちを確かめ合った」としようが、「3か月後」としようが。

そもそも論《その1》 として、私には、のぶ（今田美桜）と嵩（北村匠海）が、一体、相手のどこに惹かれて、どのように恋心を燃やして、抱擁するに至ったのかが、今一つ見えていないのだ。

確かに、なんとな～く、お互いが “大切な人” だと認識していることと。

第34回（5月15日放送）で、嵩の伯父・柳井寛（竹野内豊）が「いつか　2人の道が　交わる日が来るかもしれん」に洗脳されているので、受け入れるしかなかったが。

要するに、「お互いの気持ちを確かめ合った」が（受け入れたものの）納得も理解もしにくい状態で、3か月後を描かれても、今一つピンとこないのだ。

もちろん、今作の脚本も演出も、必死に “3か月後の現状” を描いているのは認める。

しかし、週明けのアバンタイトルで、早速、のぶと嵩が “こそこそと” やるのは違和感しかないのだ。

これだって、「嵩は月に数回上京してのぶに会っていました」くらいの語りでの補強をするべきだったのでは？

だって、今回、わざわざ「今度は　のぶが」と言わせたのだから、「今週は　のぶが」にするだけなのに？

以前も書いたとおり、脚本担当は自分が書かない前週分の脚本をちゃんと読んでから、精査して書いているのだろうか？

どうも、中園ミホ氏が書いたプロットらしきものを土台に、自分の担当週分だけ書いているようにしか見えないのだが。

投開票も、送別会もなく、ただただ出来事の箇条書きのみ！

で、あの～～～、のぶと嵩がこそこそやった直後、カットが変わりシーンチェンジしたら、東海林（津田健次郎）が…

東海林「薪　鉄子先生　ギリギリ当選したけど」

えっ？　選挙演説もあれだけで、投開票の映像もないまま「選挙後」ってこと？

なんて、思っていたら、またまた、置いてけぼりである。

語り「会えない日々が続き
　さらに2か月がたちました」

で、7分過ぎには、後出しで嵩が退社済みに！

気持ちがいいほどの華麗な箇条書きである（褒めていません！）

もう書かないが、私が先日投稿した《［史実］の柳瀬嵩》の歴史年表をそのまま映像化した感じだ。

もちろん、幾つかの創作部分はあるが、それでも箇条書きに間違いない。

まあ、箇条書きにしか書けない人に何を言っても無駄だから、これ以上書くこともない。

大問題は､3週間ほど《ほぼ"恋バナ"しか描いていない》こと

今回の15分間を見て、「気分が晴れない」「釈然としない」「割り切れない」「後味が悪い」と感じたのは私だけだろうか？

もちろん、「もう、ほぼ新婚生活気分なの？」の驚きはあるだろう。

しかし、そんなのは大きな問題ではない。

だって、それこそ、人それぞれだからである。

大問題は、先週あたりから、《今作が、ほぼ “恋バナ” しか描いていない》ことでは？

必死に、第1回で描いた “未来” につながる道筋を箇条書きに描いているだけにしか見えないのだ。

それこそ、時代も、人の心も、ほぼ無視して、《“恋バナ” しか描いていない》のだ。

言っちゃ悪いが、頭が固い私には〈やるべきことはそっちのけで、心の赴くままに恋愛にまっしぐら〉にしか見えないのだが。

もちろん、恋は盲目というから間違ってはいないが、のぶは再婚だし…　とか。

それこそ、もっと、東海林が言っていた「正義」のくだりを強調した上で、今や将来に悩む‘のぶ’と嵩の気持ちを安堵させるのが恋愛…　くらいに描けばいいのに？

まあ、この脚本協力では無理か。

次郎の家で、朝田一家が嵩の話をするのがざわざわぞわぞわ

それと、今回で気になったことをもう一つ。

先週、読者様からのコメントでも頂戴していたのだが。

今作の《若松家の扱い方》である。

若松家を説明するまでもないが。

のぶの最初の夫である若松次郎（中島歩）と‘のぶ’の新居だった「高知県にある家」だ。
次郎亡き後、何となくそのまま‘のぶ’が住み続け、今や、のぶの妹・朝田メイコ（原菜乃華）がほぼ専有している。
今回では、のぶの上の妹・蘭子（河合優実）が来て、のぶと嵩を応援するような話をしていた。

う～ん、別に気にしなければいいのだろうが。

やはり、次郎が住んでいた、次郎の思い出の家で、義理の妹や（先週は）義母たちが集まって、嵩の話をするのは、どうもざわざわ、ぞわぞわするのだ。

だいぶ前に公式発表されているから書いちゃうが。

今後、やなせたかしさんが作詞した童謡『手のひらを太陽に』の作曲者であるいずみたくさんをモデルにした、いせたくや（大森元貴 ex.Mrs. GREEN APPLE）が登場することになっている。

その際に、今はくすぶっている “メイコの歌手になる夢” を絡めて描くために、メイコを若松家に済み続けさせていると考えるのが自然だが。

逆に、のぶがいないのにメイコが住み続ける違和感は、どんどん増すばかり。

だったら、嵩が上京した時点で、いや、次郎の実母・節子（神野三鈴）が高知の地を離れるタイミングで、のぶが節子に返せばよかったと思うが。

結局、高知市内と御免与町の位置関係も今一つ不明瞭だからモヤモヤするのだと思う。

まっ、もうしばらく「若松家のモヤモヤ」は続くよどこまでも…　だろうが。

あとがき

気持ちを確かめ合い、結婚が視野に入っているた男女のやり取りとしては、悪くないと思いますよ。

今回のふたりのやり取りにしても、隣人・ケイ子（行平あい佳）の使い方もまあまあです。

それに、演出も、驚くほど、良くも悪くも全く心に残らないし（苦笑）

登美子（松嶋菜々子）で、ひと騒動盛り込んで時間つなぎをやるんでしょうし。

今週の嵩は、［史実］に合わせて○○百貨店（史実は三越）に就職するだけでしょうし。

なんか、出来事も、感情表現も、何もかもが “箇条書き” すぎるんですよ。

だから、strong style="background: linear-gradient(transparent 60%, #D1FFE8 60%);">、15分間、面白くもなんともないのだと思います。

こんな内容だから、いつもはアゲ記事を書くライターさんも苦戦するのは当然でしょうね。

誰とは書きませんけど。

おまけ

昨日、市立船橋が延長タイブレイクで八千代松陰を破って、3年ぶり7度目の夏の甲子園出場を決めました。

私、スポーツ全般興味はないのですけれど、高校の吹奏楽部にはめっちゃ興味関心がありまして。
千葉県北西部の住人としては、市立船橋、八千代松陰、習志野高校など、吹奏楽部の演奏は聞きまくっているんですよね。

で、以前にも書きましたけど、私は市立船橋の応援歌「市船soul」が大好きで、数年前から応援しています。

写真は、応援Tシャツの2025年版です。

これを着て、八千代市を歩くのは勇気がいりますよ（笑）

※文中の土佐弁風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
土佐弁に変換 | 恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる

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