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連続テレビ小説「ばけばけ」

NHK総合・NHK BS・プレミアム4K/連続テレビ小説『ばけばけ』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)Instagram

第22回第5週『ワタシ、ヘブン。マツエ、モ、ヘブン。』の感想。


 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
 また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まないほうが良いです。


ついにアメリカから英語教師レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が松江に上陸した。大興奮の観衆の中、知事の江藤(佐野史郎)や通訳で呼ばれた英語教師・錦織(吉沢亮)が出迎える。知事らに連れられて移動するヘブンだったが、初めて訪れた日本に興味津々。錦織の話も聞かず、勝手に興味がある方へと歩き出してしまうのだった。一方、帰宅中のトキ(髙石あかり)とサワ(円井わん)はひょんなことからヘブンと話すことに。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------


原作:なし
脚本:ふじきみつ彦(過去作/バイプレイヤーズ,きょうの猫村さん,一橋桐子の犯罪日記)
演出:村橋直樹(過去作/まれ,透明なゆりかご,サギデカ) 第1,2,5
   泉並敬眞(過去作/スカーレット,カムカムエブリバディ,ブギウギ) 第3
   松岡一史(過去作/まんぷく,心の傷を癒すということ,カムカムエブリバディ) 第4
制作統括:橋爪國臣(過去作/青天を衝け,あなたのブツが、ここに,ブギウギ)
音楽:牛尾憲輔(過去作/チェンソーマン,僕の心のヤバイやつ,ダンダダン)
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
土曜日版ナレーション:北郷美穂子(NHK大阪アナウンサー)
副音声解説:山崎健太郎(過去作/舞いあがれ!,らんまん,ブギウギ,虎に翼,おむすび)
タイトル写真:川島小鳥(過去作/未来ちゃん,SHISHAMOアートワーク)
タイトルロゴ:西沢和樹(instagram.com/nishizawa_k/)
プロデューサー:田島彰洋,鈴木航|美術:山内浩幹、淀裕矢、向理沙|美術進行:澤幸樹、嶋原広起|技術:増田徹、備中正幸|音響効果:松本有加、巽浩悦、吉田亜矢|撮影:岩崎亮、関照男|照明:根来伴承、大西弘憲|音声:吉竹淳樹、稲垣雄二、大成友二|映像技術:前田惇徳、原幸介、山下健、若嶋なな|カラーグレーディング:原幸介、前田惇徳、山下健、日野維乃|VFX:西垣友貴、神戸大樹、山田茂人。北島規|CG:大西智子、空閑卓海、古市百人、佐藤望、田邊亮哉|装置:佐藤千織、坂口大吾、山中宏華|装飾:津村政幸、横田浩、長洲史雅|特殊効果:奥村陵、宮崎真有|衣装:横山智和、中村みのり|メイク:堀洋子、正田早百合、秋山直美、櫻井安里紗|持道具:楠正由貴、森上陽子|かつら:松本誠也、丹波峯子|特殊メイク:江川悦子、権田日和|特殊メイク協力:荒井律子、大谷美咲、山埼佳子|助監督:小林直毅、小島東洋、田中陽児|制作担当:木村晴治、長岡しのぶ、本田良太|取材:川野秀昭、鈴木航|編集:藤澤加奈子|記録木本裕美|時代・風俗考証:刑部芳則|松江風俗考証:藤岡大拙|出雲ことば指導:多々納斉|所作指導:藤間豊宏|料理指導:広里貴子|英語指導:塩屋孔章|英字指導:前田祐加|眼科指導:大路正人|怪談ばなし指導:玉田玉秀斎|茶道指導:有澤一男|三味線指導(タエ):菊央雄司|三味線指導(遊郭):長江浩子|アクション指導:中村健人|日本画指導:諫山恵実|造園:堤正和
※敬称略




"トキが初めて見て触れた異国人がヘブンである"ような表現

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なるほど… である。

以前に「補足記事」で書いたことで、すでに「本編」では「描かれぬまま終わった描写」だから、書いてみる。

今回の描写では《トキが初めて見て触れた異国人がヘブンである》ような表現になっていたのにお気づきだろう。

私は、フィクションのドラマとして、‘のちに運命の出会いから夫婦になるふたり’の出会いとして、過剰に仰々しくなく、かといって質素で軽めでもなく、「しっかり見ていればグッとくる」に仕上げてきたと感じている。

しかし、いつも言うように《[史実]は朝ドラよりも奇なり》である。

では、トキ(髙石あかり)のモデル「小泉セツ」の『幼少期の特別な出会い-初めての外国人からもらったルーペ』の話をいたしましょう…


小泉セツは、ハーンと出会う前に西洋人‘ワレット’と…

明治はじめ、松江藩はフランス人の教官ワレット(‘Vallet’と表記される)を招き、西洋式の軍事訓練を行っていた。

軍事訓練を見物に行った幼いセツは、他の子どもが逃げる中、一人だけ逃げずに(当時は珍しい存在だった)西洋人‘ワレット’を見上げた。

ワレットはその度胸を気に入り、セツに虫眼鏡(ルーペ)を与えた。

ルーペは当時の日本では珍しい品で、セツの一生の宝物となった。

セツ自身はのちに「もしあのルーペをもらっていなければ、ハーンと夫婦になることも難しかったかもしれない」と書き残している。

ワレットとの思いがけぬ出会いは、セツはもちろん、八雲の運命も変えたのだ。

要するに、セツさんはワレットとの最初の出会いがあったから、小泉八雲と呼ばれるラフカディオ・ハーンとのちに出会う際にも、当時にしては怖がらずに接することができたのだ。


トキにとって、松江市民にとって「ヘブンが最初」の意味

しかし… 今作は “この事実” をあえてスルーした。

私は、セツさんと異国人との関係性を描く上で “重要なエピソード” だと確信し、映像化されるのを楽しみにしていたのだが。

しかし、見よう考えようによっては、今回の「ヘブン上陸」を松江にとっての「住民全員が大興奮の行事」であると印象づけたいのであれば「ヘブンが最初」は意味がある)

それこそ、むしろ私には《トキにとっての夫(「男」の意味もありますね)が「ヘブンが最初」でないこと》が今後どのように描かれるのか、見たいような見たくないような

そう、いろいろな意味での「(どうなるのか分からない)怖い話」として楽しみすぎるのだ。


八雲の日本女性の理想はピエール・ロティの『お菊さん』

さて、前回の感想で「史実なので読みたい人だけ」と断って書いたことだが。

今回の描写を解説するのに必要なので、全容は分からないように引用してみる。

小泉八雲の日本女性の理想は、フランス作家ピエール・ロティの『お菊さん』に登場するヒロインで、繊細で小柄な東洋女性に憧れていた… とされる。

これを踏まえれば、今回でヘブン(トミー・バストウ)が三味線の音に興味を抱いて、日本の踊りのような手ぶりをしたのもうなずける。

ただ、この『お菊さん』のことが「本編」では一切触れられていない(今後出てくるかもしれませんが)ので、知っているのと知らないのでは映像の理解度が全然違うと思う(でしょ?)。

ちなみに、下図が実際のピエール・ロティ著『お菊さん』(挿絵本/1936)内の挿絵である。



さらにちなみに、ラフカディオ・ハーンが生まれたのは嘉永3年(1850)6月27日で、日本にペリーが来航する3年前のことであり。

「花田旅館」が今作にとって重要な場所であることも、前回の感想で書いたとおりである。


私は『ばけばけ』の「現代風描写&表現」について肯定的

放送開始2か月目の節目の週として‘いい機会’なので、先日いただいた下記の読者コメントについてお答えしてみたい。


Q「みっきーさんは、『ばけばけ』の現代風の表現や、髙石あかりさんの演技が『ベイビーわるきゅーれ』シリーズと似ている点について、どう思いますか?」

結論から言えば、『ばけばけ』の「現代風描写&表現」について、肯定的であり。

髙石あかりさんの演技が『ベイビーわるきゅーれ』シリーズと似ている点に親しみを感じており。

毎朝多くの人が個々のいろいろな状況で見る朝ドラとしての新鮮さや軽快さを好意的に受け止めている。

では、もう少し掘り下げてみよう。


《時代考証と現代語のバランス》はうまくいっている…

まず掘り下げるのは《時代考証と現代語のバランス》についてだ。

明治時代が舞台でありながら、「今風な会話」や軽妙な掛け合いが多く登場することに対し、「リアルではない」とする声もあるとは思う。

しかし、私は常々「朝から見るドラマだからこそ軽快な会話が必要」という意見である。

また、脚本家や演出家や制作統括は方言指導や時代考証スタッフを配置して、「明治が舞台のドラマ」を(朝ドラとしての)通常レベルつつも。

「大正時代や、太平洋戦争や昭和を舞台にした朝ドラ」よりは若干(時間的な)距離が令和から遠い「明治が舞台の朝ドラ」として視聴者の理解と親しみやすさを重視していると思う。

さらに、出雲弁、特に明治時代の出雲弁に関しても「完全にリアルな言葉遣いだと理解しづらい」「全国放送だから多少のアレンジは必要」だとも思う。

上記のことから、《時代考証と現代語のバランス》は今のところうまくいっている… が、私の見立てである。


‘杉本ちさと’を知っていれば、当然、親しみやすい

もう一つ、これは賛否両論って当然と思われる《髙石あかりさんの演技と『ベイビーわるきゅーれ』との比較》である、

『ばけばけ』出演の一報で「あの‘杉本ちさと’の人か!」と再認識した人も多いのでは?

私は、2021年劇場公開の映画『ベイビーわるきゅーれ』の三部作と、2024年秋ドラマとして放送された『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(テレ朝/2024)を見ていたから、むしろ「ついに朝ドラヒロインか!」と驚きと喜びを味わったが。

で、私は、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで髙石さんが演じた “現代的で飄々とした殺し屋役” の “自然体でテンポの良い芝居” を大きく評価していた。

感想こそ一度も書いていないが(すみません)、評価しているからこそ映画も連ドラも見ていたのだ。

そして、この『ばけばけ』のトキ役でも、「現代女性っぽいリアクション」や「軽やかな言葉遣い」が見られる。

これは、紛れもなく髙石さんが演じた主人公‘杉本ちさと’の延長戦上にある芝居であり。

‘杉本ちさと’を知っていれば、当然「違和感がない」「親しみやすい」のだ。

もちろん、そもそも『ベイビーわるきゅーれ』シリーズも‘杉本ちさと’も知らない視聴者は比較検討できないし。

冷静に「明治時代が舞台の朝ドラ」として見ている視聴者には「朝ドラらしくない」とする意見もあるだろうが。


俳優・髙石あかりにしか創出できない‘トキ’の表現

しかし、あえて、私は言おう。

逆に、私が『ベイビーわるきゅーれ』シリーズも‘杉本ちさと’も知らない立場だとしても、「新しい朝ドラの形」「若い世代にも届く演出」として肯定的に受け止めたと思う。

だって、例えば、今作と同じ「明治時代が舞台の朝ドラ」だった明治時代に実在した実業家・広岡浅子をモデルにした『あさが来た』(NHK/2015年度後期)ではヒロインの口癖である「びっくりぽん」が流行語になったのを覚えている人も多いのでは?

あの「びっくりぽん」だって、特定の地域の言葉「方言」ではく、好奇心旺盛なヒロイン‘あさ’のキャラクターを表現するための言葉として、制作者が作り出した「造語」なのだ。

よって、今作がやっている数々の表現も、実は‘今作初’でもないわけだ。

そう考えれば、“俳優・髙石あかりにしか創出できない‘トキ’の表現” として受け入れ、楽しんだほうがよいと思うのだ。


あとがき(その1)

個人的には、前回と比べて今回は「一気に物語を動かしてきた」という印象が強いです。

どうやら、今週で描くのは《ヘブンとコミュニケーションがとれず焦る錦織(吉沢亮)》みたいですね。

来週の月曜日(11/3)は祝日なので話を進めず、火曜日から「朝田旅館へしじみ売りに来たトキ」とヘブンが動くのかな?

前作『あんぱん』は、主人公が夫婦になるくだりの動機から雑だったので、今作は丁寧に描いてほしいです。

なお、この投稿のあとに、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の生い立ち、アメリカでの記者時代、日本上陸までを簡単に紹介する補足記事を投稿予定ですので、お楽しみに!

朝ドラ「ばけばけ」遥かなる名の起源:ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の生い立ち、アメリカ生活、そして日本上陸 新窓で開きます


あとがき(その2)

最後に、ちっちゃいことを三つ

一つは、毎回記載している「スタッフ一覧」ですが、可能な限り「毎週更新」しています。

二つ目は、「天国遊郭」は「heaven」で、「ヘブン先生」は「Heavin」が正解です。

三つ目は、第21回からメインタイトル映像の「クレジットの文字」が少し大きくなりました。

 

朝ドラ ばけばけ
©NHK

 

三つとも、ちっちゃい話でした(笑)


文中の方言風の創作セリフは、下記のサイトを利用しています。
恋する方言変換 | BEPPERちゃんねる 新窓で開きます


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終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-

関西テレビ制作・フジテレビ系・新 月10ドラマ『終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)InstagramLINETikTokYouTube

第3話『二人だけの"秘密"が始まる』の感想。


陸(永瀬矢紘)が腹痛を訴える朝、父・樹(草彅剛)は登校か通院かを本人に委ねるが、陸の背中に不安を覚える。一方、母・こはる(風吹ジュン)の生前整理に違和感を抱く真琴(中村ゆり)は、樹に真意を問うも口止めされており答えられず…。陸の小学校でいじめの現場を目撃した真琴は、陸の涙に自身の過去を重ね、ある助言をするが、それが後に波紋を呼ぶ。磯部(中村雅俊)のもとには、息子の死を巡り波多野(古川雄大)が再び現れ…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作:なし
脚本:高橋美幸(過去作/クロスロード シリーズ,デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士)
演出・P:三宅喜重(過去作/僕シリーズ3部作,嘘の戦争,罠の戦争) 第1,2
   演出:宝来忠昭(過去作/嘘の戦争,罠の戦争) 3
演出:菅野祐悟(過去作/銭の戦争,罠の戦争)
音楽:Benjamin Bedoussac(過去作/ちょこっと京都に住んでみた。,パティスリーMON)
P:河西秀幸、三方祐人、阿部優香子
※敬称略




ついに第3話にして、“お涙頂戴ドラマ”でもなくなった

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今回の感想も、ひと言でいうなら「ホントもう、いいかな」である。

理由も簡単。

前回までは “お涙頂戴ドラマ” としては悪くないが、それ以上でも以下でもなかっただけだったが。

第3話にして、ついに “お涙頂戴ドラマ” でもなくなったからである。


なぜ主人公は“息子”には積極的に首を突っ込まない?

これで感想を終わりにしてもいいのだが、少しだけ補足してみる。

まず、大いに困ったのがこれ。

《鳥飼樹(草彅剛)はあれやこれやに介入する割に、息子だけは人ごと》なことだ。

説明は不要だろう。

せっかく、今作は主人公をあらゆる要素(エピソード)に首を突っ込ませて描いているのに。

仕事以外で主人公が最も首を突っ込むべき “息子の育児” をほぼ放棄しているような描写になっている巨大な違和感が払拭できないのだ。

だって、息子がいじめっ子だとしても相手の頭をケガさせた時点で、これはある意味で “命” の話なのだ。

そう、もしも “命” の話を「ごめんさない」で済ませてしまったら。

むしろ、この描写(展開)を‘良し’としてしまったら、死者の命ですら大事に扱っている遺品整理業を描く “お仕事ドラマ” のほうも “命をおろそかにしている” ことになり。

描いていることがチンプンカンプンになるっているのだ。

まあ、第3話なんて、“お涙頂戴ドラマ” も “お仕事ドラマ” もほぼやっちゃいないが。


この数々の匂い、12月まで我慢なんてできない…

それにしても、いつまで大企業・御厨ホールディングスの「謀略もの」「策略もの」「権力もの」的な “縦軸” を匂いを漂わせ続けるのだろう。

その上、今回は新入社員の久米ゆずは(八木莉可子)の母親まで登場させて「愛憎復讐劇もの」の匂いまで漂わせ。

さらに、鮎川こはる(風吹ジュン)の生前整理に関連させて、主人公と御厨真琴(中村ゆり)の「純愛もの」の匂いまで。

さすがに、これら全ての匂いは私が最も苦手な《某国ドラマの匂い》である。

脚本家や演出家やプロデューサーは、「私どものほうで 脱臭や消毒作業を繰り返させていただきまして 1カ月から1カ月半語には元の状態にいたします」かもしれないが。

12月まで我慢なんてできないのだ…


あとがき

今回で感想は終幕といたします…

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下宿では教員試験を終えた錦織(吉沢亮)の慰労会が行われ、トキ(髙石あかり)はお祝いの出し物を披露することになり、大好きな怪談を提案する。一方、松江に残った松野家では、司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)が、トキが松江には帰らないであろうと覚悟していた。その翌朝、トキは銀二郎(寛一郎)とはじめての西洋風の朝食を味わう。
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前1か月がなくても成立することを"自ら認めた"ようなもの

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月曜日の朝から衝撃であり、困惑であり、混乱である。

アバンタイトルの「3/4」近く「約1分3秒間」を使って、なんと「過去の4週間分(1か月=20回分)の超ダイジェスト版を盛り込んできた。

別に「今さら盛り込むな!」なんて言うつもりはない。

しかし逆に言わせていただけば「今回が第1回でよかったのでは?」としか思えないのだ。

だって、‘これ’をやっちまったら、「怪談や怖い話が好き」「没落士族の娘」「機織り娘」「出自の秘密」「婿取り」など、‘これら’の設定がなくても今作が成立することを “自ら認めた” ようなものだからだ。

せっかく放送開始初月1か月間の「ハネムーン期間」終了初の感想だから、できるだけ好意的に書こうと思って臨んだが。

さすがに… である。

もちろん、「2か月目突入初日」だから「あえて “全部の振り返り” を盛り込んで」新たな視聴者を増やそうとしているだろうことや。

「いよいよ‘あの人’の本格的登場週」だから「一からやり直し気味」にしたいのは理解できなくもないが。

それでもやはり、衝撃と困惑を混乱は隠せない… が、見なかったことにしておこう(笑)


チーフ監督・村橋氏なのに「花田旅館の全景カット」なし?

さて、気を取り直して、トキ(高石あかり)は22歳になったので、とき(時)は「明治23年(1890)」となった。

また、いつぶりだか忘れたが、久しぶりに蛇と蛙(阿佐ヶ谷姉妹) のお姿を見ることができた。

うん、やはり作り手の思いは「ほぼ第1回のつもり」らしい。

でもって、今週の演出は、「全景を使わない」でおなじみの(?)先週の松岡一史氏から、今作のチーフ監督・村橋直樹氏に交代したのに、メインタイトル映像明けの「花田旅館の全景カット」なしで、話が始まった。

断っておくが、私は花田旅館の全景カットがなかったことをどうこう言うつもりはない

なぜなら、それ以上の違和感を覚えているからである。

だって、「花田旅館」は今作にとって絶対的に重要な要素になるから、“ドラマ” として、“連ドラ” として強調しておくべきだと思うからだ。


八雲が松江に赴任した際、最初に滞在したのが「富田旅館」

※この「章」の文章では、『ばけばけ』の今後の展開に関わる[史実]の情報に触れます。
※知りたくない人は「次の章」に飛んで構いません。
※下線や色分け、太字による強調はあえてやりません。

なぜなら、小泉八雲が松江に赴任した際、最初に滞在したのが「富田旅館」で、現在は「大橋館」としてその歴史を受け継いでいるのだ。

また、小泉八雲は日本にやってきて独り暮らしをする中で、住み込みの女中を探しており、富田旅館(現・大橋館) の女将がセツを紹介した。

そして、トキのモデル・セツさんは士族の娘だったがが、生活苦から女中として働くことを決意していた時期だったのだ。
 ※生活苦の末に「しじみ売り」をしたという[史実]は確認できませんので、今作の創作と思われます。

ちなみに、八雲はセツの体格を見て「士族ノ娘ナイ、私ダマス!(士族の娘ではない、私を騙した!)」と激怒したという記録もある。

なにせ、セツさんは機織りなどの肉体労働に従事していたため、筋肉質で健康的な「手足が太く、がっしりした体格」だったのだ。

しかし、八雲の日本女性の理想は、フランス作家ピエール・ロティの『お菊さん』に登場するヒロインのような、繊細で小柄な東洋女性に憧れていたわけ。

ということで、セツさんと八雲の出会いは決してロマンチックなものではなかったようだ。


「花田旅館」を司之介の"元々のお得意様"ということにして

※ここから[史実]は封印します。

だから、もっと「花田旅館」を重要な場所に位置付ける映像化をやってもよかったと思う。

例えば、4年間も「しじみ売り」をやって来た設定なのだから、蛇か蛙が「ここは、おトキちゃんの初のお得意様よね」と説明を加えればよかったと思う。

それこそ、アバンで「超ダイジェスト版」をやったら、‘あの人’を入れずに、タイトル映像

で、メインタイトル映像明けに、「花田旅館」を父・司之介(岡部たかし)の “元々のお得意様” ということにして。

「あそこ(花田旅館)は、たくさん買ってくれるから助かるよ」とか言って、トキと司之介で得意先回りをしているとするのが、“連ドラ” としての最適解なのでは?

いや、そもそもの最適解とは。

アバンタイトルを用いて「すっ飛ばした4年間」の集大成的に、「銀二郎(寛一郎)は今…」のように描くことだったように思うが。


「西洋人は羊を犯す」の誤解から羊同様に扱われる妾を…

劇中の「字幕」では「ラシャメン」とカタカナ表記になっていたが。

「ラシャメン」とは漢字で「羅紗緬」と書く。

「羅紗(ラシャ)」+「緬(めん=綿羊)」の合成語とされている。

「羅紗」はポルトガル語・スペイン語由来の外来語で、厚手の毛織物(ウール)を意味し。

「緬」は「綿羊(めんよう)」の略で、羊そのものを指す。

この言葉が蔑称として使われるようになった背景には、西洋船員が船に羊を積み、食用や性欲処理の相手にしていたという俗説があったから。

そのため、日本人の間では「西洋人は羊を犯す」と誤解され、羊と同じように扱われる妾=ラシャメンと揶揄されたのだ。


名家制度という時代の牢獄,14年も残されたた"婿養子"の名

さて、最後に再び[史実]について書いてみる。
しかし今度は、銀二郎のモデルの史実であるから、「もう今作では描かれない」と思うので、そのまま記載する。

銀二郎のモデルである「前田為二」とセツとの結婚は約1年で幕を閉じた。

しかし、離婚しても前田為二の名は稲垣家(セツの家)の戸籍からすぐには消えなかったのだ。

実際の離婚は明治20年(1887)ごろであったが、届けが正式に受理されたのは明治23年(1890)1月である。

しかも、その後も為二は「婿養子」として稲垣家の戸籍に残り続け、除籍されたのは明治34年(1901)9月であった。

松江区裁判所の官報には、養母・稲垣トミの申立により「養嫡子前田為二の失踪」を宣告した記録が残る。

つまり、稲垣家は家の存続のため、行方不明の為二をなお“跡継ぎ”として扱っていたのである。

そして、明治34年(1901)8月、八雲とセツの次男・巌(いわお)が、セツの養母トミの養子に入ることで、ようやく前田為二の籍が整理された。

これは、近代になっても旧武士階級が「家制度」に縛られていた証だ。

小泉八雲の長男である一雄氏による『父小泉八雲』には、セツの祖母・松寿院(第23代島主種子島久道夫人)が、維新後に教育者として成功した西田千太郎(ドラマでは錦織友一〈吉沢亮〉のモデル)に対しても、旧来の身分意識で横柄に接したと記されている。

家の誇りに固執する姿勢は、稲垣家にも共通していたのだ。

要するに、貧困よりも、この「時代錯誤の気位」こそが、セツと為二の結婚を壊した真の原因だったのである。


あとがき

「ついにアメリカから英語教師レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が松江に上陸したぞ!」にインパクトを与えることを重視しすぎて、脚本上の構成が雑になったと思います。

さらに、「4年の時間経過」をいいことに、これまで頑張って醸し出し続けてきた「明治時代の雰囲気」も、トキや勘右衛門(小日向文世)への演技指導(演出)によりプチ崩壊させちゃってますね。

「ツカミはオッケー」どころか「ツカミは失敗」… とまでは言いませんが、「ツカミはビミョー」でしょう。

もっと、物語や連ドラとしての “流れ” を丁寧に描き、人物描写(やり取り含めて)きっちりやるべきだったと思います。

まっ、劇中の描写と同様にスタッフもキャストも「お祭り騒ぎ」が終わるのを待ちます…

そうそう、河童、鬼、天狗など “怪談” の要素を盛り込んだのは評価できます。


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ザ・ロイヤルファミリー

TBSテレビ系・日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』
公式リンク:WebsiteX(旧Twitter)InstagramTikTok

第3話『庭先取引』の感想。

なお、原作の小説、早見和真『ザ・ロイヤルファミリー』未読


加奈子(松本若菜)は父・剛史(木場勝己)の頑固な「庭先取引」によって牧場経営が行き詰まり、苦悩の日々を送っていた。一方、栗須(妻夫木聡)は百合子(関水渚)の誕生日会で京子(黒木瞳)から山王家と馬の因縁を聞かされる。ロイヤルヒューマン社ではイザーニャの勝利に沸くも、主力馬の負傷により耕造(佐藤浩市)と栗須は新たな競走馬を求めて北陵ファームのセリへ向かうが、そこには椎名(沢村一樹)の姿もあり…。
---上記のあらすじは、当ブログのオリジナル---


原作(小説):早見和真「ザ・ロイヤルファミリー」
脚本:喜安浩平(過去作/映画「幕が上がる」,ドラマ「95,村井の恋」)
脚本協力:山口智之(過去作/さぼリーマン甘太朗)
演出:塚原あゆ子(過去作/グランメゾン東京,海に眠るダイヤモンド) 第1,2
   松田礼人(過去作/パパとムスメの7日間,地獄の果てまで連れていく) 3
   府川亮介(過去作/着飾る恋には理由があって,ブラザー・トップ)
音楽:横山克(過去作/厨房のありす,ちはやふる-めぐり-)
主題歌:玉置浩二「ファンファーレ」
P:加藤章一(過去作/警視庁ゼロ係シリーズ,トリリオンゲーム)
協力P:大河原美奈(過去作/私のシてくれないフェロモン彼氏,パパとムスメの7日間)
   小髙夏実(過去作/着飾る恋には理由があって,クジャクのダンス、誰が見た?)
※敬称略




『日曜劇場』こんなに低レベルでいいのか?

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個人的には、ドラマ『西部警察』以来の、宿泊施設の強引なタイアップカットに驚いた。
言わずもがな『静内エクリプスホテル』である(苦笑)


「今回もか…」と落胆しかないので、感想もサクサクといこう!

今回の最大の疑問点は。

《なぜ「ロイヤルホープ」が〈良い馬〉〈勝つ馬〉に見えるように視聴者に映像で提示ないのか?》である。

もちろん、第1話、2話同様に〈結果的に勝つ良い馬〉であると‘やる’に決まっているのに… だ。

そもそも、《‘やる’に決まっている》と視聴者に見せてしまっていることが問題なのだが。

だって、結局、〈良い馬〉だろうが〈勝つ馬〉だろうが、‘馬を買う’こと自体が‘賭博・ギャンブル’なのだ。

だから、《‘勝つ’に決まっている》という展開にしていること自体がおかしいのだ。

当然、この程度の見え見えの後出しジャンケンでも「次週に期待します」「感動した」の視聴者はいるだろう。

しかし、『日曜劇場』たる日本を代表するドラマ枠がこの低レベルでいいのか? としか思えないのだが。


松田礼人氏の演出も、まことに冴えないしキレがない!

また、脚本も今一つである。

だって、山王耕造(佐藤浩市)が「馬を買う」のは《‘やる’に決まっている》のだ。

なのに、脚本はダラダラと引っ張りまくる構成を選択した。

さらに、今回が今作初担当の松田礼人氏の演出もまことに冴えないしキレがない!

例を挙げるまでもないが、例えば、終盤で「酒を酌み交わしながらの会話劇」なんて、今回の最大の見せ場のはずである。

しかし、松田氏はワンカットの「顔やモノのどアップ」を入れずに、中途半端で似たり寄ったりの引きの構図のカットバックで流してしまった。

まあ、全体的に「引きの構図」は北海道を魅せるためにやれたのは評価できるが。

なにせ、「寄りの構図」がほぼ無いに等しく、本当にずるずると引っ張るばかり。

だから、必死に後付けの「モノローグ」と「劇伴」で盛り上げたつもりのようだが、所詮は‘お化粧直し’程度しかできないのだ。


今回も《これ、誰に向けて放送しているの?》が蔓延

さらに、困ったのは《これ、誰に向けて放送しているの?》が今回も蔓延していたことだ。

大量のモノローグによる説明を盛り込んだところで、競馬に興味もなく知識もない私にはチンプンカンプンな業界用語の連続。

「一部の競馬ファン」「原作既読者」向けの『ニッチな日曜劇場』ならあきらめて退散するしかないが。

せめて、もう少しアナウンサーを使ってでも「用語解説」をするべきでは?

まあ、好きな出演者の熱演に刺激を受けて “感動したつもり” になるのは勝手にしてください… だ。

しかし、多くのドラマファンは “感動したつもり” すらしないだろうし、万が一したとて「今作がドラマとして面白い」という評価とは違うと思う。


あとがき(その1)

一応、よかった点も書いておきましょう。

サブキャラである耕造絡みである「ロイヤルヒューマン社」と「山王家のごたごた」が最小限に収まったことです。

あとは… チャック!


あとがき(その2)

脚本家や演出家やプロデューサーらは「原作既読」でしょうから “全容が分かった上で” で見ているから気づかないと思いますが。

エピソードは細切れ、セリフはブツ切れで、ハッキリ言って好意的に脳内補完しないと意味不明ですよ。

さらに、(少し辛らつに書きます!)私が最も苦手な “感傷を誘導する装置” をてんこ盛りに、「いいドラマ風」を気取るのは本当にやめてほしいです。

ちなみに「感傷を誘導する装置」とは、(今回に限定すると)動物、孤独な人、社会的弱者、子供、回想、雨、モノローグ、叶わぬ恋、すれ違い、犠牲・自己犠牲、家族の絆・親子の葛藤と和解のこと。



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朝ドラ「ばけばけ」錦織友一(吉沢亮)と庄田多吉(濱正悟)のモデル・西田千太郎―松江に咲いた知の花々、小泉セツとともに―
Image created with DALL・E

【忠告】
朝ドラ『ばけばけ』の先の展開のネタバレは基本的に書いてありませんが。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)と、妻・セツ夫妻の[史実]について触れます。
あとから「読むんじゃなかった…」がないよう、読む際は自己責任でお願いします。
 ※以下、敬称は部分的に使い分けをします。



第1章 錦織友一のモデル ― 松江随一の秀才・西田千太郎

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朝ドラ『ばけばけ』で吉沢亮さんが演じる「錦織友一」は、松江随一の秀才と呼ばれる英語教師である。

そのモデルは、実在の教育者・西田千太郎(1862-1897)だ。

西田は島根県松江市雑賀町に生まれ、藩の下級武士の家に育った。

明治維新後の社会で学問を志し、やがて松江尋常中学校(後の島根県立松江中学校)に勤めるようになった。

彼の名が記録に残るのは、外国人教師ラフカディオ・ハーン(後の小泉八雲)が松江に赴任した際だ。

西田は教頭としてハーンを迎え入れ、英語教育の現場で協力関係を築いた人物なのだ。

八雲が松江を離れた後も書簡を通じて交流が続いており、ハーンの日記には「西田氏と並んで居る」などの記述が見られる。

こうした関係から、西田は八雲の松江時代における「知の支え」「教育界の参謀」として知られている。

36歳という若さで病没したが、地域の教育と文化に残した影響は大きく、今日では松江の英語教育草創期を象徴する人物として評価されている。


第2章 庄田多吉のモデル ― 松江の秀才たちの象徴

濱正悟さんが演じる「庄田多吉」は、錦織友一(吉沢亮)の友人であり、松江の知的青年層を代表する人物として描かれている。

しかし史実上、「庄田多吉」に対応する明確な一人のモデルは存在しない

制作関係者の取材や報道によれば、庄田多吉は「松江の秀才群像」を象徴する “複合的な創作人物” である。

すなわち、西田千太郎のような “実在の教育者たち、そして松江の学問・英語教育を支えた若者たちの総体を、ひとりの青年に凝縮した存在” である。

ドラマにおける庄田の描写――《友一と互いを高め合う友情、時代の変化に揺れる知識人としての苦悩》――は、明治期松江の青年知識層が実際に抱えた葛藤を象徴しているといえる。

したがって、錦織友一(モデル:西田千太郎)と庄田多吉(創作的複合モデル)は、実在の八雲を取り巻く「知の環」を二人で体現している構図なのだ。


第3章 小泉セツ ― 日本文化を伝えた「語り手」

小泉セツ(旧姓:稲垣、出生名:小泉節)は、松江藩士の家に生まれた。

明治維新後、家禄の削減により家計が傾くなかで成長したが、松江の奥ゆかしく穏やかな教育風土の中で教養を身につけた。

明治23年(1890)、松江で英語教師として勤務していたラフカディオ・ハーンと出会い、翌年に結婚した。

セツは当初、外国人との結婚に周囲の反対も受けたが、夫の仕事を献身的に支え、やがて八雲が日本を代表する文学者として評価される基盤を築いた。

セツは単なる家庭人ではなく、夫の文学活動における「語り部」かつ「編集協力者」でもあった。

日本の怪談・民話を語り伝え、八雲の作品に登場する多くの物語は、彼女の語りを基に再話されたものである。

八雲没後も、セツは未亡人として彼の著作と遺稿を守り抜き、昭和初期にその文化的価値が再評価された際には、各地の講演や取材にも応じている。

彼女の生涯(1868-1932)は、明治から昭和にかけて「日本文化と西洋文学の橋渡し」を体現した人生であった。


第4章 西田千太郎と八雲・セツ夫妻の関係

西田千太郎(劇中「錦織」のモデル)は、ハーン(小泉八雲)の松江時代において最も近い日本人協力者の一人であった。

ハーンが日本語を習得し、松江の文化や人々を理解する際、西田はその橋渡しを務めた。

当時の松江尋常中学校は、外国人教師を受け入れる初期段階にあり、教材や授業内容の調整、生活支援など多くの課題を抱えていた。

その中で西田は、教育現場の調整役、また文化的仲介者として活躍した。

セツとは直接の面識があったと伝わるが、その詳細は文献上明確ではない。

ただ、八雲がセツと出会う以前から松江社会に溶け込んでいた人物であり、二人の出会いを支えた「土地の基盤」を形成した一人といえる。

この三者の関係を通して見ると、明治期の松江という小都市の中で、教育・文化・人間関係の交差点がいかに豊かであったかが浮かび上がる。


第5章 まとめ ― 松江が育んだ「知の系譜」

『ばけばけ』の二人の登場人物――《錦織友一(モデル:西田千太郎)と庄田多吉(創作的複合モデル)》――は、実在の小泉八雲・セツ夫妻とともに、松江という土地が生んだ「知の系譜」を象徴している。

西田は、外国人教師と協働しながら教育を支えた知の実践者であり、庄田はその時代の青年層を代表する象徴的存在である。

セツは、文化と文化をつなぐ語り手として、日本の情緒と西洋の知性を結びつけたのだ。

おそらく今作でこの三者を通して描かれるのは《「異なる世界が出会い、理解し合う」という明治の松江の姿》だろう。

すなわち、『ばけばけ』が映し出すのは怪異の物語ではなく、《人と人、文化と文化のあいだに生まれる “心の交流” という奇跡そのもの》である。


あとがき

私調べでは、松江随一の秀才・錦織友一(吉沢亮)の友人・庄田多吉(濱正悟)のモデルは見つかりませんでした。

しかし逆に、今回の考察によって、庄田は《松江の秀才たちの象徴》として、とても意味がある設定だと分かりました。

なぜなら、前述のように今作は「怪談や怖い話の物語」ではなく、《人と人、文化と文化のあいだに生まれる “心の交流” という奇跡そのもの》であるからです。

庄田のモデルについて、もしかすると「いる」かもしれないので、調査は進めます。


参考・出展

『小泉セツとハーンの物語: ー小泉八雲「怪談」誕生のひみつー』三成清香(著)少年写真新聞社 新窓で開きます
『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』工藤美代子(著)毎日新聞出版 新窓で開きます
『ヘルンとセツ』田淵久美子(著)NHK出版 新窓で開きます
『セツと八雲』小泉凡(著)朝日新聞出版 新窓で開きます
『小泉八雲とその妻セツ 古き良き「日本の面影」を世界に届けた夫婦の物語』青山誠(著)KADOKAWA 新窓で開きます
『面白すぎて誰かに話したくなる 小泉八雲とセツ』伊藤賀一(著)リベラル社 新窓で開きます
『八雲の妻:小泉セツの生涯』長谷川洋二(著)今井書店 新窓で開きます
『小泉八雲と妖怪』小泉凡著(著)玉川大学出版部 新窓で開きます
『怪談・骨董』小泉八雲(著)・平井呈一(訳) 恒文社 新窓で開きます
『日本瞥見記(上・下)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳) 恒文社 新窓で開きます
『東の国から・心)』小泉八雲(著)・平井呈一(訳) 恒文社 新窓で開きます
■詳述年表ラフカディオ・ハーン伝」 板東浩司(著)英潮社
■「小泉八雲: 思い出の記・父八雲を憶う」 小泉節子,小泉一雄(著)恒文社
■https://archive.org/details/kottojapanese00hearrich KOTTO
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.79571/page/n13/mode/2up KWAIDAN
■https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.45846/page/n11/mode/2up Out Of The East
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami0lhear Glimpses of unfamiliar Japan vol.1
■https://archive.org/details/glimpsesofunfami02hear Glimpses of unfamiliar Japan vol.2



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  • 当ブログについて
フリーランスのホテル宴会(婚礼含む)&映像ディレクター"みっきー"が、テレビ、映画、CM、ディズニー、音楽などエンターテインメント全般の感想を綴ります。愛するが故に、記事により毒を吐きますがご勘弁を。


  • 管理人 自己紹介
【ハンドルネーム】
みっきー
【性別】
男性
【職業】
宴会/映像ディレクター(フリーランス)
【自己紹介】
東京下町生まれ千葉県在住。
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