連続テレビ小説「ブギウギ」 （第37回・2023/11/21） 感想

NHK総合・連続テレビ小説『ブギウギ』
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第37回／第8週『ワテのお母ちゃん』の感想。

※ 毎日毎日の感想なので、私の気分も山あり谷ありです。ご理解を。
※ また、称賛、絶賛の感想だけをご希望の方は読まない方が良いです。

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六郎（黒崎煌代）の出征の日がせまり、六郎は頭を丸め恥ずかしそうにしている。相変わらず体調が悪いツヤ（水川あさみ）は専門の医師の診察を受けることとなった。診察を受けたツヤはもう自分が助からないことを悟り、梅吉（柳葉敏郎）に、このことをスズ子（趣里）と六郎には伝えないようにと頼む。ツヤの病気の重さをまだ知らない六郎は、落ち込む梅吉の前でふざけてはしゃいでしまい、梅吉と仲違いしてしまう。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

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原作：なし
脚本：足立紳（過去作/六畳間のﾋﾟｱﾉﾏﾝ,拾われた男 Lost Man Found） 第1～8週
　　　櫻井剛（過去作/表参道高校合唱部!,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
演出：福井充広（過去作/てるてる,家族純情きらり,ﾐｽ･ｼﾞｺﾁｮｰ） 第1,3,8週
　　　二見大輔（過去作/半分､青い｡,なつぞら,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ）
　　　泉並敬眞（過去作/まんぷく,ｽｶｰﾚｯﾄ,ｶﾑｶﾑｴﾌﾞﾘﾊﾞﾃﾞｨ） 第2,7週
　　　鈴木航（過去作/あさが来た,べっぴんさん,ｽｶｰﾚｯﾄ） 第4,5週
　　　盆子原誠（過去作/ｶｰﾈｰｼｮﾝ,とと姉ちゃん,おちょやん） 第6週
音楽：服部隆之（過去作/王様のﾚｽﾄﾗﾝ,翔太の寿司,のだめｶﾝﾀｰﾋﾞﾚ,HERO）
歌劇音楽：甲斐正人（過去作/映画｢蒲田行進曲｣(松竹/1982)劇伴担当）
舞台演出：荻田浩一（過去作/元宝塚歌劇団所属の演出家）
ロゴ・OP映像：牧野惇（過去作/東京ﾊﾟﾗﾘﾝﾋﾟｯｸのｵ-ﾌﾟﾆﾝｸﾞ映像）
主題歌：中納良恵・さかいゆう・趣里「ハッピー☆ブギ」
語り：高瀬耕造（NHK大阪アナウンサー）
「土曜日版」ナレーション：北郷三穂子（NHK大阪アナウンサー）
制作統括：福岡利武（なつぞら,青天を衝け）
　　　　　櫻井壮一（過去作/おちょやん,あなたのﾌﾞﾂが､ここに）
※敬称略

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まず、メインタイトルが始まるまでに注目してほしい

ウチのブログに来てくれて、ありがとさん。
（私のブログに来てくれて、ありがとうございます。）

「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、ウチが管理人のみっきーやで！
（「初めまして」の皆様も、ご常連の皆様も、私が管理人のみっきーです！）

感想の冒頭から細かくて申し訳ないが。

相変わらず体調が悪く病床のツヤ（水川あさみ）のもとに…

出征の日が決まってウキウキで、坊主刈りにした六郎（黒崎煌代）が入って来て…

母と息子のやり取りが一通り終わってから、メインタイトルが始まるまでに注目してほしい。

細かっ！（笑）

六郎が部屋を出てからメインタイトルまで、"約５秒間も"

ほのぼのとした劇伴が終わると同時に六郎が部屋を出てからメインタイトルに行くまでの時間が、“約５秒間も” ある。

なぜ、「も」と書いたのか？

ここの、水川あさみさんの演技と、そこを是非とも見せたい魅せたいという演出意図がギュッと詰まっているから “約５秒間も” 必要なのだ。

特に、部屋から出て行った六郎の背中を追うように、階段を駆け下りる元気な足音をいつまでも聞いていたいような、複雑な母心を５秒間で表現している。

ここ、普通に演出しちゃうと、ツヤの「うん」の直後のうなずきで切っちゃうと思う。

でも、きっとそのあとも、水川さんが演技を続けたからディレクターも「カット」をかけずに待ったと思う。

それが功を奏した。

今どきは、コスパ、タイパだか知らないが、ドラマも早送り、字幕頼みで見る人が増えているようだが。

そういう手抜きの見方をしている人には決して気づけない演技と演出があるってことを、伝えたかった… のだ。

その方法でしか “伝わらないもの” を提示している場面

主題歌明け、熱々先生（妹尾和夫）が連れて来た専門の医師の診察を受けたツヤ。

診断結果を隠さないほしいというツヤに医師が答える。

医師の表情のアップの後、“約７秒間” のツヤのアップがある。

じっと医師を見て、小さくうなずくだけのツヤだの “約７秒間” だ。

しかし、その “約７秒間” にいろんなものが、これまた凝縮されている。

特に、次の熱々先生のセリフを見事に映像化した。

熱々先生「この人は　しっかりした人や。正直に言うたってくれ」

きっと、『ブギウギ』を今回初めて見た人でも、熱々先生のセリフに説得力を感じたと思う。

アバンタイトルでの “約５間も” と、主題歌明けの “約７秒間” は、朝ドラは朝に忙しい人でも「耳で見られるドラマ」を目指している一面はあるにしても。

録画や見逃し配信がある今、もう一度リアルタイムで、標準速度で見てこそ。

その方法でしか “伝わらないもの” を提示していると思うのは、ドラマや演出に注目しすぎている私だけが感じることだろうか？

六郎とゴンベエの二人のアップが描くものとは？

アホのおっちゃん「桃 持ってきたれ」
ゴンベエ「桃？」
アホのおっちゃん「スズちゃんが寝込んだ時や。また 持ってきたれ！」

［史実］は別にして。

やはり、ツヤと六郎のことが、“向かってほしくない方向” へ進んでいるようだ。

従って、あれこれ先の展開について推測や考察をするのは野暮だからやるつもりはない。

で、今回の中盤までに描かれたのは、ツヤの病気の重大さをまだ知らない六郎が、落ち込んでいる父・梅吉（柳葉敏郎）の前ではしゃいでしまい怒られて… の、くだりだ。

ここで注目する演出は、まず二つの登場人物の無言の顔のどアップだ。

一つめは、アホのおっちゃん（岡部たかし）とゴンベエ（宇野祥平）が “桃” で言い合いをしているのをじっと聞いている無表情の六郎のアップ。

二つめは、仲違いをしていた梅吉と六郎のやり取りを耳にするゴンベエが、掃除の手を止めて唇を軽くかみしめるアップ。

どちらも、会話劇そのものには登場しないが、その場に存在する登場人物としての存在意義を表すカットになっていた。

両方とも、無くても成立するアップだ。

しかし、二つのアップがあることで、今回の“向かってほしくない方向” へ進んでいるツヤと六郎のことが、「花田家の話」であり、「はな湯の話」であることが強調されるのだ。

六郎とゴンベエのアップがもたらす効果

ここで思い出してほしいのが、私が口が酸っぱくなるくらいに繰り返していること。

「主人公が生きている世界」と「主人公が生かされている世界」と「主人公が生きているから成立する世界」を常に描き、視聴者に意識させることの重要性だ。

今回、12分まで、「花田家の話」「はな湯の話」に絶対に必要な登場人物が１コマも登場しない。

そう、銭湯「はな湯」の看板娘・花田鈴子であり、今や東京で人気歌手の福来スズ子（趣里）だ。

しかし、出演カットがないのに、スズ子の存在を感じるし、見えてくる。

それが、六郎とゴンベエのアップがもたらす効果なのだ。

僅か１秒前後ではあるが、その “間” が “スズ子” を感じるための時間になるのだ。

無くても成立する。

しかし、在ることで上記の３つの世界が描ける… そういうのが演出、編集の腕の見せ所というのだと思う。

４秒間のフェードアウト、是非じっくりと見直して感じて！

４度目の録画を見て書いている。

もう、内容について書けないくらいに、心が痛い。

それが、10分過ぎからの「出征の朝」だ。

父・梅吉の背広のサイズがちょうど良い六郎の晴れ姿が、朝の逆光で映える。

「はな湯」の常連たちの表情は朝日を浴びていて明るいが、どこか切なさが残る。

易者「ぎょうさん敵をやっつけるて 占いに出てたで」
キヨ「あ～ あかん。ほな 外れや」

ここでの注目すべき演出は、「はな湯」の店先で六郎を見送るシーン直後の、病床のツヤから次シーンまで。

無言で「万歳」を聞いているツヤ、ひと粒の涙をこぼすワンカットが “約15秒間” ある。

無言で病床で寝ているだけで “約15秒間” も尺を割くのはスゴイと思うが。

もっと凄いのは、“約４秒間” のフェードアウトだ。

普通は１秒、長くても３秒なのに、ここでは４秒。

この４秒間によって、次のシーンが、いつも以上に「一方では…」の意味合いが強くなる。

と同時に、六郎、梅吉、常連たち、そしてツヤのそれぞれの気持ちの重さがずっしりと伝わってきた。

ここの４秒間のフェードアウト、是非ともじっくりと見直して感じてほしい。

あとがき（その１）

超シリアスの中に、ぎりぎりでコミカルな要素。

時代の状況説明の中に、ぎりぎりで今作らしさ。

いい塩梅で、難しいものを共存させた15分間でした。

脚本、演出、演技の三位一体が成せる業だと思います。

そして、ラストのスズ子は。新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」の “首振りダンス” 風に、六郎と久しぶりの再会。

次回、六郎は‘ネーヤン’に本当の気持ちを語るんでしょうか？

見たいけど、見たくないような…

あとがき（その２）

前回、そして今回を見て思い出しました。

朝ドラ『カーネーション』（NHK/2011年度後期）でのヒロイン・糸子（尾野真千子さん）の幼なじみ・勘助（尾上寛之さん）の赤紙シーンです。

勘助は優しく純粋な性格で出征するが、帰還すると戦争のショックから別人のようになってしまう。

今作の六郎の “向かってほしくない方向” がどこなのか知る由もありません。

しかし、どんなドラマ、映画であっても、召集令状のシーンは辛いし悲しすぎます。

それが現実にあったことで、昭和、平成、令和と生きてきた私が見て見ぬふりはできないのは分かっているとしても… です。

だからこそ、こうやって今も朝ドラで描き続ける意味も意義もあると思います。

みっきーの植物図鑑（第168回）

先日訪問した、‘歴博’こと国立民族歴史博物館の「くらしの植物苑」での写真です。

前回に続いて “季節の果実” のミカン系ですが、名前わかりますか？

中国原産で、日本では古くから観賞用として植えられる常緑低木「カラタチ(唐橘)」の果実です。

もしかしたら、すぐに次の歌詞が浮かんだ人もいるのでは？

♪からたちの花が咲いたよ。
♪白い白い花が咲いたよ。

北原白秋作詞、山田耕筰作曲による日本の童謡「からたちの花」ですね。

春に小さな白い花を咲かせ、秋に果実が緑色から黄色に熟しますが、苦みが強くて食用には不向きです。

但し、果実は果実酒や薬用にすると胃腸の熱を冷ます生薬に、葉はミヤマカラスアゲハ（深山烏揚羽）といって食草となります。

結びに

ほんなら、また来てな。
それでは、また来てね。

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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【これまでの感想】

第1週『ワテ、歌うで！』
1 2 3 4 5 土
第2週『笑う門には福来る』
6 7 8 9 10 土
第3週『桃色争議や！』
11 12 13 14 15 土
第4週『ワテ、香川に行くで』
16 17 18 19 20 土
第5週『ほんまの家族や』
21 22 23 24 25 土
第6週『バドジズってなんや？』
26 27 28 29 30 土
第7週『義理と恋とワテ』
31 32 33 34 35 土
第8週『ワテのお母ちゃん』
36 

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感想の趣旨について

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