正直不動産2 （第6話・2024/2/13） 感想 ※これが“リアル正直不動産”＠千葉県船橋市

NHK・ドラマ10『正直不動産2』
公式リンク：Website、X(旧Twitter)、YouTube

第6話〔全10話〕『春よ来い』の感想。

なお、原作となった漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」は、既刊19巻（2023年12月現在）を完読。

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月下（福原遥）は家賃滞納中の清川（美山加恋）の相談に乗る。清川は演劇活動とアルバイトの両立に苦労しているが、実家の親に言えずにいた。同じ頃、永瀬（山下智久）と月下は大地主のマダム（大地真央）から、十影（板垣瑞生）が両親を失った事情を聞く。そんな中、清川の夢を応援したい月下は大家の猪口（梅沢富美男）に交渉するが、決裂。だが、十影の一言で事態が動く。
------上記のあらすじは、公式サイト等より引用------

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原作：漫画・大谷アキラ(漫画) 夏原武(原案) 水野光博(脚本)「正直不動産」
脚本：根本ノンジ（過去作/正直不動産,相棒ｼﾘｰｽﾞ,ﾌﾙｰﾂ宅配便,ﾊｺﾂﾞﾒ） 2024SP,第1,2,5話
　　　清水匡（過去作/僕の姉ちゃん） 第3,6話
　　　木滝りま（過去作/ｶﾅｶﾅ,青春ｼﾝﾃﾞﾚﾗ）） 第4話
演出：川村泰祐（過去作/正直不動産,ﾄﾞS刑事,屋根裏の恋人） 2024SP,第1,2,5話
　　　金澤友也（過去作/正直不動産,ﾗｽﾄ･ﾄﾞｸﾀｰ~監察医ｱｷﾀの検死報告~） 第3,4,6話
　　　下向英輝（過去作/ｶﾅｶﾅ,青春ｼﾝﾃﾞﾚﾗ）
音楽：佐橋俊彦（過去作/正直不動産,ちりとてちん,ﾃﾐｽの剣,集団左遷!!,行列の女神）
主題歌：小田和正「so far so good」
※敬称略

今回も‘さいちん’を使って本音の “正直感想” "を！

さあて、今回もどこから褒めようか（笑）

おっと、今回も「面白いに決まってる」「けなすつもりなし」では見ていないから！

というわけで、今回も “本音の “正直感想” を書いてみる。

とは言ったが。

前回で評判が良かったので、今回も主人公の部分は不自然にならない範囲で‘さいちん’を使って “読者ファースト” で（笑）

丁寧な解説と合わせた説明は、NHKらしくて良い

さて、気がつくと既に折り返しを過ぎて第6話。

それでも今回は、「明け渡し請求」「フルコミ」「店子」「AD物件」「家賃は収入の 1/4」などの不動産情報が提示された。

これから春の引っ越しシーズンでもあるから、このような丁寧な解説と合わせた説明は、NHKらしくて良いと思う。

十影が中心でもちゃんといつもの『正直不動産』に見える…

で、内容については。

今回は、Ｚ世代の新入社員・十影健人（板垣瑞生）の成長を主軸に。

正直過ぎる不動産営業マン・永瀬財地（山下智久）とカスタマーファースト命の月下咲良（福原遥）が協力して案件を処理したエピソードだ。

今回の脚本と演出がうまくやったのは、≪十影の成長物語≫ をメインに見せるために、程よき塩梅で永瀬と月下を後退させたことだ。

まあ、十影自身のキャラクターが押し出しが弱いから、どうやってもメインには映りにくいが（笑）

それでも、十影を教育指導するさいちんと、永瀬先輩に頼りつつ十影を見守る月下で魅せることも忘れていないから、ちゃんといつもの『正直不動産』に見える… という仕掛けだ。

『不適切にもほどがある！』との共通点である ≪昭和≫

今期の “連ドラ” で私が「これは秀作だ！」とひしひしと感じるのが今作と、TBS金曜ドラマ『不適切にもほどがある！（以下‘ふてほど’と省略』だ。

今回、その『ふてほど』との共通点が見出せた。

それが、劇中に幾度か登場した ≪昭和≫ というキーワードだ。

今作では、これまで永瀬の正直営業や、月下のカスタマーファーストを ≪昭和≫ と論じたことない。

でも、考えてみれば、十影の口癖である ≪タイパ(重視)≫ は、今回の ≪昭和≫ と真逆の価値観として、今作では描かれ続けてきたと思うのだ。

そうすると、大河部長（長谷川忍 ex.シソンヌ） なんて、正に『ふてほど』の、令和のコンプラ全無視の主人公・小川市郎（阿部サダヲ）の分身に見える（笑）

ではなぜ、今作は、敢えて ≪昭和≫ というキーワードは使わずに、≪古い業界の慣習≫ や ≪昔からのやり方≫ として描いてきたのだろう？

それは恐らく、今作が “不動産業界の今昔” を描きつつ、“不動産営業の不変の法則” や “業界を超えた普遍的な営業” に焦点を当てた作品にしたいという強い思い、信念がある）からだと推測する。

さいちんたちの大家への対応、劇団員への営業も悪くない

だ・か・ら。

もしかすると、今回を見て、「永瀬も月下も猪口（梅沢富美男）の大損は無視するの!?　ご厚意なのに・・」や「清川（美山加恋）も無計画すぎるのでは!?」と思う人がいるかもしれない。

し・か・し。

前段で書いた、『≪タイパ≫ は ≪昭和≫ と真逆の価値観』を改めて考えれば、それらの考えもまた ≪令和の価値観、コンプラ重視≫ 的ではないのか？ ってこと。

もちろん、清川みたいな人へ嫌悪感を抱く人が一定数は要ると思う。

でも、私も都内の賃貸マンションのちっぽけな大家の端くれ（一室だけ貸してます・笑）だからいうが、家賃滞納や減額要求が一番厄介なのだ。

一日でも早く優良な店子さんが入ってくれたほうが、私にとって長期的に有利（だって、経営だから）。

それに、夢追い人が、無計画というか「何とかなる」「何とかする」と思って頑張らないと続かない、続けられないのも、夢追いオジサンとしては、これまたよく分かるのだ。

だから、私は今回のさいちんたちの大家への対応、劇団員への営業も悪くないと思う。

もちろん、ベストかどうかは専門的なことだから判断できないが。

賃貸物件名の深読み

さて、ここからがいつもの『ディレクターの目線blog』らしい分析、うんちく、こじつけだ。

今回は、永瀬と月下が薄めだったから、ほかの部分から書いてみる。

まずは今回も賃貸物件名の深読みだ。

演劇活動とアルバイトの両立に苦労し、家賃を滞納している清川が住んでいたのが『アンビシャス八起』。

アンビシャス(ambitious)の意味は、「大きな望みを持つ」「野心家」「意欲的な」だ。

一方、家賃が安い新たな物件名が『シャルール八起』。

シャルール(chaleur)は、フランス語で「暑さ」「熱さ」「温もり」「熱意」「熱心」「興奮」を意味する。

最初は「野心家の部屋」で、次は「温もりと熱意を感じる部屋」というのが、なかなか良いと思う。

清川の「オレンジ→黄→赤」と変化する "衣装の色" に注目

ここで、清川の衣装の色に注目してみようと思う。

まず、うまいミスリードが、一橋大学に進学する青江慎吾（野村康太）が、青色の衣装で名前も「青」で強調しておいて。

序盤で、月下が清川の部屋で訪れた際の清川の衣装が「オレンジ色のセーター」で、室内にもオレンジ色が随所に配置されていた。

その後、実家から荷物が届きた際は、黄色のレモンと黄色（辛子色に近いが）のプルオーバー。

最後の公園のシーンでは、赤色のセーターを着ている。

そう、「オレンジ色　→　黄色　→　赤色」と変化しているのだ。

これを、演出や美術、衣装担当がよく用いるカラーセラピーで分析してみると。

ここで注目してほしいのは、オレンジ色は、黄色と赤色を混ぜた色で、両方の性格、性質を持ち合わせているってこと。
逆にいうと、特徴が薄めで、どっちつかずの印象もあるってこと。

そして、黄色は、知性や勉学や研究を表し。

赤色は、行動性や積極性やバイタリティーを表し、

合体したオレンジ色は、基本の意味は「行動して学ぶ」だが、過剰に反応してしまうと「思いのままに楽しむ」となってしまう。

こうして考えると、当初の清川は「行動して学ぶ」と「思いのままに楽しむ」が共存しており。

親からの贈り物と、母との電話で “母の思い” に気づき、学び。

終盤で、新しい住まいで、新たに夢をかなえるために頑張ると踏み出した… と、なるわけだ。

因みに、青色は「思考」のカラーといわれるから、まさにその通りの展開になっていたと思う。

今回の一番の見どころは、主人公である永瀬の成長と変化

ぼちぼち、まとめよう。

やはり今回の一番の見どころは、主人公である永瀬の成長と変化だ。

今まで “分からない” の一辺倒だった十影の思いの真意を見抜こうとしただけでなく、十影の手柄を奪うことなく、正直営業を貫いたことだ。

これまでは、＜自分に＞ウソをつかないことが “正直営業” の根っこだと思っていたさいちんだが。

今回では、＜お客様や周囲の人たちに＞ウソをつかずに、多くの人たちが利益や幸福を得ることが “正直営業” だとブラシュアップしたさいちんになった。

あまり強めに強調されてはいなかったが。

親ガチャの悪運に遭っても親を恨まず、自分は失敗しない人生を歩もうとしている十影と。

母親の期待にもこたえたいと踏ん張る清川。

前回で、ミネルヴァ不動産の花澤涼子（倉科カナ）のキツイひとことで “カスタマーファースト” にブレ気味の月下。

そして、親代わりのような登坂寿郎社長（草刈正雄） と大地主のマダム（大地真央）。

周囲の期待に添おうとするさいちんの踏ん張りと優しさは、『１』を彷彿させた。

今回も、満足度の高いエピソードだった。

あとがき

次回は、光友銀行八起支店融資担当・榎本美波（泉里香）が動き出して、さいちんにも “恋バナ” ？

ミネルヴァ不動産の神木涼真（ディーン・フジオカ）も、また動き出して、一波乱ありそうで楽しみです。

最後に、前回の第5話の感想に＜123回(投稿時点)＞も Web拍手をいただき、ありがとうございます。

また、SNSで当ブログをご紹介してくださった方々へも感謝いたします。

因みに、山下さん主演ドラマの拍手最高記録は、下記になります。

アルジャーノンに花束を （第6話・5/15） 感想 

最後の最後に。

ここ数日、ネット界隈で話題になっているので、私ものっかって…

次回の第7話まで、バイバイセコ～～～

ところで、なぜ『野ブタ。をプロデュース』の “野ブタ” のあとに “。” があるのご存じですか？

実は、「モーニング娘。」と深い関係がありますよ。

これが“リアル正直不動産”＠千葉県船橋市

既にご存じの方も多いと思いますが、、一応千葉県民だから紹介しようと思います。

表題のとおり、千葉県船橋市にリアルな『正直不動産株式会社』があります。

JRと京成船橋駅の抜け道になっており、夜はたいへん車通りが多い高架下にあります。

今回は、昨日（2月13日）の夕方に行ってみました。

当然営業中だったため、敷地外から全景と電柱の看板を撮影してきました。

因みに、賃貸業を始めたのが昭和44年（1969）で、漫画のタイトルは偶然の産物だそうです。

興味を持ってお出かけの際は、公式サイトで最新情報を確認の上、お店や近隣に迷惑のかからないご配慮をお願いします…

正直不動産株式会社（公式サイト） 

★すべての読者様に愛と感謝の “ありがっとう!!”

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