映画「スカイライン－征服－」 感想と採点 ※ネタバレあります

映画『スカイライン－征服－』（公式）を、本日初日鑑賞。夕方の回、観客は約40名近くで意外と多い印象。

採点は、★☆☆☆☆（5点満点で1点）。100点満点なら20点。

ざっくりストーリー

ロサンゼルスの親友のペントハウスを訪ねていたカップル、ジャロッド（エリック・バルフォー）とエレイン（スコッティー・トンプソン）は、早朝、ブラインドから差し込む青白い光と不気味な振動で目を覚ます。
そして、その光を見た友人の一人が、光に吸い込まれて姿を消してしまう。その先の眼下には、光を放つ無数の巨大飛行物体が地上から人間を吸い上げていた。そして、絶望的な3日間が始まる…

CGの有料見本市。その上、脚本、撮影、演出がイマイチ…

予告編を見て、「これ面白そう！」ってだけで劇場へ行った。冒頭の壮大で壮絶なCGに感動と期待が高まる。しかし、10分もすると刺激に慣れ、あとはCGの見本市かと疑う似たようなシーンの連続。最後は「えっ？これで終わり？」と言うエンディング。
確かに『ハイドラックス社』（公式）のCG、VFXは素晴らしい。ただ、エイリアンによる地球征服のお話の割りに、数名の登場人物がチマチマ動いてるだけの脚本、ロング（遠景）と寄り（近景）の臨場感が全く違う撮影、大音量の音楽と爆発音で引っ張るだけの演出。
従って私は積極的にお勧めしない。9/17公開の『世界侵略: ロサンゼルス決戦』も同じハイドラックス社製VFXだから、そちらを待つのもありだと思う。

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今回も相当辛口の感想なので、出演者や監督はじめスタッフのファンの方や、最初から1点の採点に異論のある方は、読まないで下さい。また、誹謗中傷の類のコメントは掲載及び返事を控えさせて頂く場合があります。
それでも、「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。

ここからネタバレあります！

宇宙規模のお話なのに、コップの中の嵐の規模…

宇宙から得体の知れない青い光を放つエイリアンが、それも無数に飛来してきて次々と人間を吸い上げていく。さて、人類はどうなるのか？と言う宇宙規模、地球規模のお話のはず。なのに、最後まで高級マンションの敷地内で騒いでるだけ。正に、コップの中の嵐状態。
主人公が「外に逃げよう」と言えば、ヒロインは「イヤ。ここにいる」と言うし、主人公が「ブラインドを開けて外を見よう」と言えば、仲間の一人が「光を見ちゃダメだ。望遠鏡で見ろ」と折角の20階のペントハウスからの眺めもお預け。ついには「海へ逃げよう」と地下駐車場から逃げ出そうと車を走らせるが…
登場人物だけでなくエイリアンまで、本作の予算が少ないのを気にしているかのような脚本。その上、ブラインドを下ろしたままの室内のシーンで3日分を描くのは厳しいし観客も辛いだろうとの配慮なのか、早回しで見せてくれる始末。更にエンディングも何と○○○の中。うーん、世界観と映像がチグハグすぎるような…

臨場感やリアリティがもう少し欲しい…

ロング（遠景）の映像でのエイリアンたちは、それなりに凝ってるし精密に描かれている。しかし、逃げ惑う人々は皆無だし、わめき声一つ聞こえない。そもそもロング・ショットは望遠鏡の丸い穴から見た画だから迫力が今一つ。
また、寄り（近景）のシーン。例えば、いくら居住者が半分の20階建ての高級マンションとは言え、ご近所さんは子犬を連れたおじいさんだけ。もちろん、逃げ惑う住民は誰一人いない。
更に、エイリアンは空中から大量の人間たちをガバーっと吸い込むかと思いきや、登場人物たちをご丁寧に一人ずつ順に目の前で吸い込んでくれる。更に、その近くに寄ったエイリアンがCG丸出しの張りぼてのような臨場感の無さ。寄りで描く、人間とエイリアンの戦いこそ迫力と臨場感が重要だと思うのだが。
また、未曾有の災害の時はまずテレビをつけると思うのだが、登場人物たちはなかなかスイッチを入れないとか、臨場感やリアリティの無さを言い出したらキリが無いのでこの辺にしておく。

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首を傾げて帰っていった観客（特に年配者）が多かったのが、本作への一つの評価だと思います。でも、「SFディザスター・ムービーは、こうじゃなくっちゃね！」と言う部分もたくさんありますから、その手の作品が好きな人なら楽しめると思います。ただ、誰でも満足できる作品でないのは確かです。

過剰な期待をせずに劇場に行くのが正しい楽しみ方かもしれません。続編アリアリなので、見ておくのも悪くないです。

             

   

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